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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想(読売)=「ムダ」とはなにか57

「新司法試験」関連記事。「新司法試験(2009年)で再確認された惨状=「ムダ」とはなにか56」の続報。■『読売』の特集記事から。



多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想

 法科大学院の修了生を対象にした新司法試験の合格率が低迷している。

 4回目となった今年の合格者数は2043人で、初めて前年割れとなり、合格率も27・64%と3割を切った。法科大学院で充実した教育を行い、修了生の7~8割が合格できる――。そんな当初の構想は崩壊し、受験生たちからは「国による詐欺だ」との声も漏れる。なぜ、新司法試験の合格率はこれほどまでに低いのか。

新司法試験の合格率
◆受験資格◆

 「幅広い人材を法曹にとの理念はどうなったのか」

 合格発表があった今月10日。愛知県内の受験生の男性(26)は、その低い合格率に衝撃を受けた。自身も2回目の挑戦だったが、不合格。新試験は5年間で3回不合格だと受験資格を失うため、次がラストチャンスになる。

 大学で美術を学んだが、法曹界が幅広い人材を求めていると知り、受験勉強をして、法科大学院の法学部以外の出身者を受け入れるコース(未修者コース)に入った。勉強のためアルバイトはできず奨学金を受けた。今後約700万円を返さなければならない。「次の試験に失敗したら、その後、別の仕事を探せるだろうか」と不安は募る。

 中国地方の法科大学院の教授は、未修者コースを修了した30代の教え子が3回目の受験に失敗し、受験資格を失った。「不況の上、年齢も高いこともあり就職も難しい。学校も支援するが、今後同様の修了生が増えたらサポートしきれるか……」と頭を抱える。

 ◆過剰定員◆

 「法科大学院の数が多すぎて、定員数が膨れあがってしまった」。ある法務省幹部は合格率の低さの原因をそう解説する。

 法科大学院と新司法試験は、幅広い見識を持つ法曹を数多く養成するという司法制度改革の一環で生まれた。国が掲げた目標は、2010年頃までに司法試験の年間合格者数を3000人へ引き上げるというもの。新司法試験は、知識詰め込み型の勉強が必要とされた旧司法試験と比べ思考力重視の内容とし、法科大学院は修了者の7~8割が新試験に合格できるような教育を行うこととされた。

 当初、適度な学校数と考えられていたのは20~30校。ところが、実際には74校が乱立し、定員は約5800人に膨れた。今年の試験に失敗した結果、受験資格を失った人は571人。関係者からは「就職困難な人を毎年大量に生み出すのは社会問題」との声もあがる。

 ◆教育の質◆

 14日開かれた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の法科大学院特別委員会。特に今回の試験で、法学部出身者(既修者)より未修者の合格率が約20ポイントも低かった結果を受け、「合格の基準が未修者をすくい上げるものになっていないのでは」との指摘が相次いだ。だが司法試験を所管する法務省は、「既修者と未修者で合格ラインを変えるわけにはいかない」と言う。

 一方、司法試験合格後、司法修習生となった人が法曹資格を得るために受ける卒業試験でも、不合格者数が増えている。不合格となった法科大学院出身者の答案には、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則などを理解していないものもあり、法科大学院の教育の質も問われている。

 新司法試験の合格率の低さから、すでに法曹を目指す人は減り始め、半分以上の学校で入試の競争倍率が2倍を切った。各校はようやく定員削減に乗り出し、来年の入学者の総定員は4900人程度になる見通しだ。しかし、青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「定員削減はまだ不十分。現状を放置すれば法曹志望者は今後も減り、特に未修者が遠ざかって、多様な法曹を養成できなくなってしまう」と指摘している。(中村亜貴)

 ◆新司法試験=2004年以降に開校した法科大学院の修了生を対象とし、毎年5月に実施。法学部出身者向けの既修者コース(2年制)修了生は06年から、他学部出身者や社会人向けの未修者コース(3年制)修了生は07年から受験している。合格率が3%前後と難関だった旧司法試験も10年までは存続する。

(2009年9月23日16時03分 読売新聞)

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■もう、いうべきことは、全部かきつくした。
■もし、つけたすとすれば、メディアは 法科大学院制度がかたまり、参入する大学が急増するながれをみながら、それを なぜ放置し、正面から批判しなかったかということ。■かりに、有力校と それ以外という、境界線をロコツにひくことが エゲつないとみえたにせよ、3000人÷0.7<4300 という巨視的で冷厳な現実を指摘しなかったというのは、どうみても おかしかろう。■来年入学者が5000人弱におさえられるにせよ、合格者が3000人になっても合格率は6わり強。かりに、弁護士会などが「体感」として 位置づける「市場」の現実をうけて、3000人構想が完全撤退し、2000人前後におさえられるなら、合格率4わり前後はかわらない。
■幸か不幸か「有力校」さえも、合格率5わり弱があたりまえという惨状が現実化している現在、合格率3分の1前後の諸大学も絶望しきれない状況がつづくだろう。しかし、関係者がきづいているとおり、大都市部の予備校にかよえる立地にある「有力大学」だけが 受験生を確保できる。■いや、早晩、地方の大学院は一部の例外をのぞいて、定員われが定常化し、予備校がよいが可能な首都圏・京阪神圏の「有名私大」の一部も「定員」をみたしたという意味を喪失する事態がやってくるにちがいない。■3回しか受験資格がないのに、将来のあるわかものが、3分の1程度のみとおししかない「大学院」に 高額な授業料と予備校代を「投資」するはずがないのだから。
■ツブれることはないだろう 「有力校」とて、60名以上の合格者をだした上位10校のうち、はじいらないでいいのは、合格率5わりを余裕でこえた東大と一橋だけであり、4わり代~5わり強の、②中央大162(43.4%),③慶応大147(46.4%),④京都大 145(50.3%),⑥明治大96(31.0%),神戸大73(49.0%),⑨北海道大63(40.4%)などは、みな あおざめているだろうし、⑩立命館大60(24.7%)にいたっては、やぶれかぶれの気分だろう。■以下、(26)愛知大20(48.8%)と、境界ラインの大阪大 52(33.5%)、⑱首都大東京34(39.1%),(22)千葉大24(37.5%)あたりを除外すれば、総じて合格率3分の1をわりこんだ、劣悪条件=失格校というほかない。いさぎよく 「みせじまい」することが、美学としても社会的責任としても、必然的選択だとおもわれる。■とりわけ、知名度と合格者数とで、いきのこりをはかっているんだろう、⑬同志社大45(19.1%),⑯関西学院大37(19.4%), ⑰関西大35(16.9%),⑲東北大 30(19.5%),⑳法政大25(18.1%)あたりは、詐欺商法というほかなかろう。

■ウェブ上の無責任な意見などでは、「自己責任」論が支配的なようだ。まあ、リスク感覚が欠如している層だろうとはおもう。しかし、それだったら、前回ものべたとおり、詐欺行為の加害者が当然せめをおうべきであり、被害者は弱者として救済されねばならない。■被害者をこバカにする層は、公憤にかられない部分として、巨悪に加担する共犯者であるという自覚をもつべきだろう。卑小な自尊心を満足させるために、不毛な攻撃欲求を弱者にむけるのではなく、ふとどきな権力者の無責任と、よこならびで申請にふみきってしまった大学人の不見識を(そこには、旧帝国大学をふくめた有力大学がめじろおしだ)。

■ちなみに、「定員削減はまだ不十分。現状を放置すれば法曹志望者は今後も減り、特に未修者が遠ざかって、多様な法曹を養成できなくなってしまう」と指摘したとされる、青山学院大の先生は、8名=合格率9.0%(未修者7.6%)という自校の惨状をふまえていっているのだろうか? ■ひとごとのように、巨視的状況をかたるのではなく、自校の定員の適正化、最低限の受験シフトへの移行などを真剣に検討する方が先決だとおもうが…。「法科大学院定員18%減、予定なし6校(読売)」で紹介したとおり、一般には、合格率がたかい大学ほど、定員をしぼりこもうとしているという皮肉な事実がある。青山学院大は16.6%の定員減予定とこたえたらしいが、その程度の規模の減員が巨視的にまったく無意味な定員削減運動であることはもちろん、微視的にも、合格率9.0%を急上昇させることは絶対になかろうことも、ほぼ確実である。
■皮肉なことは(関係者は、実はいえないだけで、みんなわかっているんだろうが)、合格者数10名未満+合格率25%未満の破綻校が全面撤退しても、のこった法科大学院の大半が合格率7~8わりには、到底ならないだろう構造である(青山は、「みせじまい」水準である)。■最上位の一橋が6わり強しか合格者をだせないのが現実であり、半数われがほとんど…という実態は、「上位校自体が定員オーバー」だという本質をつきつけているのだ。■その意味では、「下位校が全面撤退し、中位校が定員削減にはしれば正常化する」と、カンちがいな楽観主義にたっているんだろう、中央・早稲田・明治などの上位校関係者の意識こそ、どうかしている。5わりわりこんでいるような商売をやらかしておいて、「正常化」をまつなんてのは、受験生の心理を全然よめていない、カンちがいな特権意識。一橋・東大あたりだって、猛省しなければいけないのに。


●旧ブログ「「ムダ」とはなにか」シリーズ
●ブログ内「「ムダ」とはなにか」関連記事
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テーマ : ロースクール(法科大学院) - ジャンル : 学校・教育

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