■「
オリンピックの正式種目にみる正統性=「ムダ」とはなにか29」および「
オリンピックの正式種目にみる正統性2=「ムダ」とはなにか39(空手/テコンドー)」や、「
「金」取ったのに…国のソフトボール補助金95%カット(朝日)=「ムダ」とはなにか30」の関連記事。■オリンピック種目の追加選考の話題。
2016年五輪から野球の落選が確実に 最有力は7人制ラグビーSANKEI 2009.8.13 10:11
このニュースのトピックス:ワールドスポーツ
2016年夏季五輪で実施競技として追加採用する2競技を絞り込む13日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、野球の落選が確実になっていることが12日、分かった。複数の有力理事が明らかにした。
追加採用には復帰を目指す野球とソフトボールにラグビー(7人制)、ゴルフ、空手、スカッシュ、ローラースポーツ(ローラースケート)を加えた7競技が候補になっている。理事会がこれを2競技に絞り込み、10月の総会で承認されると正式決定する。
関係者によると、2競技にはラグビーが入ることが濃厚。ゴルフは有力視されるものの、米国、欧州、日本などの各プロツアーを統括する国際ゴルフ連盟(IGF)の組織的な脆弱(ぜいじゃく)さに懸念を示す理事もいる。続く候補にはソフトボールを挙げる理事がいる一方、空手とスカッシュを推す声もある。(共同)

2016年五輪での採用を目指す7競技 -----------------------------------------
■別に、野球が落選確実になろうと どうでもいいとおもうが(関係者じゃないし)、つぎの報道をみるかぎり、日本周辺しか、熱心に運動する意欲がなかったとみてよさそうだ。
【五輪競技】野球、大リーグの協力不確定で厳しい状況SANKEI 2009.8.12 18:06
プロ野球が開催される球場で今季、楽天・田中将大投手と早大・斎藤祐樹投手が、五輪復活への熱い気持ちを語るCMが流れる。2016年の五輪で復活を目指すプロアマ各団体構成の「全日本野球会議」が、1500万円の予算をかけて行うPRの一環だ。
「競技に復活できなければ、野球人気の低下を招く」。球界関係者はこう危機感を口にする。五輪競技から除外されると、JOCなどからの年間約7000万円の助成金も10分の1までカットされる可能性があり、アマチュア選手の国際大会参加にも支障をきたすというが、復帰は厳しいという声が大勢だ。
2006年からは、米大リーグ機構(MLB)主導の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)が実施され、「世界一を決める舞台」として五輪の存在価値は薄れた。さらに競技から除外された要因であるMLBの非協力的な姿勢に、大きな前進も見られない。
リーグのチャンピオンシップを「ワールドシリーズ」と位置づける大リーグにとっては、五輪の商業主義に利用されたくないとの思惑もあって、選手派遣を拒否してきた。大リーグ選手会も、故障した場合の保証やドーピング検査の問題から消極的だ。
国際野球連盟(IBAF)は開催期間を5日間に短縮する提案を行うなどアピールしたが、肝心の大リーガー参加の確約がないまま、13日を迎えてしまった。-----------------------------------------
■地域文化・市民文化という性格は、日本のプロ野球など あしもとにもおよばない あつみをもっているアメリカ大リーグだとはおもう。しかし、株主のかおいろをうかがうばかりで、所詮は商業主義の一種にすぎない
米大リーグ機構という組織が、「
五輪の商業主義に利用されたくない」とは、とんだ おわらいぐさだ(「
スモールワールドカップとしてのWBC(その2)」)。■それはともかく、「
スモールワールドカップとしてのWBC」でかいたとおり、野球は、アメリカ国内の優勝あらそいを「ワールドシリーズ」と称したり、16か国しか参加しない「国別対抗戦」を「ワールド・ベースボール・クラシック」と命名するなど、およそ誇大妄想的なマニア空間でしかない。その人気・知名度は、旧大英帝国の植民地で愛されているクリケットにおとり、参加地域からしても、冬季オリンピック やパラリンピックにさえ おとるような、ローカル・リーグの典型である。いや 種目の動員力として くらべたとき、“Judo”はもちろん、“Karate”にさえ あしもとに およばないような ローカル・スポーツの最たるものだ。
■ソフトボールも大差ない。
【五輪競技】厳しいソフトボールSANKEI 2009.8.12 18:11
北京五輪で劇的な金メダルを獲得したソフトボールは、競技復帰へ積極的なアピールを続ける。日本ソフトボール協会では昨年、競技復帰を訴える横断幕を各都道府県連盟、チームに配布した。必ず試合会場では掲示され観客の目にとまる。
「Back Softball 2016」の力強い文字が躍り、その下の赤いバットには「もらった感動を、みんなで返そう」とも。
同協会では今年、1997年から2004年アテネ五輪まで代表監督だった宇津木妙子氏をガンビア、ケニアに派遣。同氏は英国、オランダでも講習会を開催した。アフリカ、欧州など、ソフトボール“未開の地”での普及にも取り組む。
とはいえ、復帰への道は険しい。05年のIOC総会で除外が決定。06年2月の総会に提出した復帰嘆願書も採用が見送られた。日本協会の横田博之事務局長は「2度も否定された事実と経緯は厳しい」と話す。
仮にこのまま復帰を果たせなければ、五輪競技ではないため、強化費が「おそらくいまの2、3割程度」(横田事務局長)に下がる。トップの強化に影響が出るのは必至だ。-----------------------------------------
■いっちゃわるいが、公金の使途は、ファンの意向や政策によってきまるべきで、業界団体の利害調整だけですすむのは、おかしい。
【IOC】前評判通りにラグビーとゴルフ IOCの思惑と合致SANKEI 2009.8.13 23:38

ベルリンで記者会見に臨む国際オリンピック委員会(IOC)の
ロゲ会長=13日(共同)
各競技が五輪に適した競技方式や実施方法を提案した中で、選ばれたのは前評判通りのラグビー(7人制)とゴルフだった。この2競技がよりIOCの意向に沿っていた結果なのだろう。
ラグビーはフィジーなど小国に強豪が多く、メダルが世界に分散する可能性が高い。さらに開催規模が小ぶりで、全日程を2、3日に集約できる点で、経費増大を防ぐ上で利点は大きかった。メーンスタジアムが空く大会前半にプログラムを組み込むことが可能で、「施設を新たに造る必要がないし、短期間の開催でピッチが荒れる心配もない」と、ある関係者は指摘した。
世界的な普及にはなお課題を残すものの、国際ラグビーボード(IRB)が日本での19年W杯開催を決めたことで、「グローバルスポーツ」を印象づけたのも大きい。IRBは五輪競技に正式採用された場合、7人制のW杯廃止を確約。五輪を世界最高峰と位置づけたことも追い風となった。
ゴルフにはIOCの思惑も透けてみえる。トッププロの参戦確約と優良スポンサーの存在は、高額な放映権料など商業的な価値が期待できるからだ。
あるIOC委員は「競技人口と世界規模での普及」の重要性を指摘。加えてIOCの財政面を潤すメディア、スポンサーの注目をいかに引きつけるか。複合的な要素を満たした2競技が、光を浴びたといえる。4年前は追加の2競技が決まらず、ロンドン五輪は2減の26競技での実施となった。だが、今回は提案される2競技は承認される見込みだ。(森田景史)-----------------------------------------
【つけたし 20:10】以前もふれたとおり、冬季オリンピックの種目群は総じて、ローカルなマイナースポーツの集合体である。
カーリングが スポーツかどうか、などと、なやむ必要がない。■しかし、夏季オリンピックの種目が総じて世界的なひろがりと参加人口のあつみをもつのかといえば、そんなことはない。たとえば、
馬術をみよ。ハラナの周囲には、自分のウマを所有して厩舎で調教してもらっている人物など 皆無だ(ハラナが貧乏人の子だからといった次元で すみはなしではない)。■要は、低緯度地域には無縁な
アルペン競技・
ノルディック競技などと別次元で、ヨットだの乗馬だのは、大学や企業のサークル以外で享受できる層は最富裕層という極小部分だ。■そして、今回新規種目として「復帰」するらしいゴルフもそうだ。いまでこそ、苦労人のプロ選手もいるが、アマチュアとして十代から高齢者になるまでたのしむ層の大半は 富裕層だろう。ゴルフがオリンピック種目だったころ、それこそブルジョア的スポーツの典型例だった本質が、なくなったわけではない。用具も練習も、カネがないかぎり、絶対できないのだ。お古のボール、ばあいによっては、ママが つくろってくれた ぬのボールでも練習ができるサッカーとは、正反対だ。■「貧者のスポーツ」であるサッカーをしきっている、国際サッカー連盟の連中がブルジョアであろうが、野球やらゴルフみたいに 基礎的な技能がみにつくために、カネが べらぼうに かかるわけではない。
■もちろん、ほとんどプロ化・セミプロ化しないと一流選手となりえない現代オリンピックと、近代オリンピックの初期とを比較するのは、無意味ではある。■しかし、所詮商業主義の国際オリンピック委員会が、世界的なひろがり(「
グローバルスポーツ」)だのを ウンヌンするのは、経緯をふくめて、おかどちがいだ。
■いや「グローバルスポーツ」の典型であるサッカーの祭典は、あきらかに ワールドカップであり、最強チームが出場しないオリンピックのサッカーは、二流の大会にすぎない(クラブチーム同士による
UEFAチャンピオンズリーグや
コパ・リベルタドーレスの方が上等だろう)。「
競技人口と世界規模での普及」という点で、一見正反対にみえるが、二流の大会という意味では、野球とケースと本質的に同一だ。■そして、馬術やら、ヨットやら、あるいは、マニアックにすぎる
競歩とか
投擲、欧米以外では人気などなさそうな(いかにも
アマチュアリズム的で)、
近代五種競技や陸上
十種競技とか、「グローバルスポーツ」のはずが ないじゃないか?
■商業主義からすれば 当然のことながら、オリンピックを世界の頂点とみなす愚などさけるだろうし、ハレンチな偽善をとおせる厚顔無恥な連中からすれば、商業主義をカムフラージュできる「競技人口と世界規模での普及」といった詐欺的コピーほど重宝なものはなかろう。
■もともと 近代オリンピックというものが アマチュアリズムという ブルジョア的な「ムダ」に起源をもつとはいえ、メディアによって同時的につながった巨大な大衆社会の21世紀オリンピックは、スポーツ振興だの、国際融和の祭典といった美名に カムフラージュされた、巨大な「ムダ」と化しているとしかおもえない。■国家や学校・企業などから、巨大な資金提供・空間確保をされないと活発にならないような、特権的なスポーツなど(学術研究とはちがって)、単純に「ムダ」だろうし、巨大なムダに無自覚で浪費をゆるし、巨大な不公正を放置している大衆の相当部分が「ムダ」な人材といえるかもしれない。「市場原理は、エリートによる計画より中長期的に合理的」だというが、みせる/みるスポーツひとつとっても、「貧者の鎮痛剤」にさえなりえない 無用の巨大浪費装置にみえてくる。■むしろ、
安岡正篤が荒唐無稽な陰謀論として提起した「
3S政策」は、産業界や政界が暗黙のうちに 愚民化政策として利用してきた根幹的な大衆操作の基本的装置であり、オリンピックやワールドカップ・サッカーなどは、多国籍企業を主軸とした、世界的な大衆操作の装置でないかという疑念がわきあがる。■まあ、こういったことをいうと、ユダヤ資本の陰謀…ウンヌンといった、あやしげな妄想と かぎりなく ちかづくので、問題提起にとどめておくが…。
●旧ブログ
「「ムダ」とはなにか」シリーズ●ブログ内
「「ムダ」とはなにか」関連記事
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ビジネスですから
野球ですけど、私は全く必死さを感じませんでした。
普及キャンペーンは単に広告代理店にお金を落としただけで、実際にやっていたのはPRビデオを社会人野球や学生野球の全国大会の試合前に流す事とアナウンスとヘルメットのシールだけで、署名活動もなけば、選手達の声も全く聞こえません。
MLBはオリンピック期間に試合をしなければ莫大な損害が出るし、MLB選手会は怪我などの問題もあるので容認するはずがありません。
WBCの期間中に手抜きしてくれと言うニュアンスの声明をMLB球団がしたように(直後の日本戦ではぶざまな大敗)、他の競技のようにそれを超すビジネスが無い限りMLBが喜んで国際大会に出る事は無いと思います。
MLBよりも、MLBに上がれそうも無い3A,2Aとアマだけのオリンピックアメリカ代表に2度も負けた日本の野球が真の実力と思っております。
加筆してしまったあとですが…
■ですから、日本化された 心理戦としての 「野球」というマニアックな世界のふかさは あるんだろうとおもいつつ、社会人野球を熱愛するような層のかたが、「MLBに上がれそうも無い3A,2Aとアマだけのオリンピックアメリカ代表に2度も負けた日本の野球が真の実力」といった、複雑な心境を吐露されると、こちらは困惑するほかありません。
そして、MLBとMLB選手会は今大会の放映権収入、スポンサー収入(大半が日本企業)を自分の懐に入れました。
このお金はどうなるのかと言うと、MLB各球団の運転資金(日本人選手獲得の資金にも勿論なるでしょう)と、MLB選手会の年金基金です。
実は日本のNPBはわずかながら出ていた年金システムが今年で切れまして、来年以降は財源の問題で無くなることになっております。
その上にシーズン始まれば地上波でのジャイアンツ戦の中継が無くなった上にスタジアムの広告収入減という現実に直面しており、かつてない大規模な選手のリストラが行われるでしょう。
残念ながらWBCに関してNPBの選手会はシーズン始まる前までまともな論議をしておらず、結果的には出た結果シーズン不調だった選手は何も得られません。
MLB日本人プレーヤーは出場前に多額のスポンサー契約をしておりますので、シーズン不調で球団との契約不履行分の罰金(MLBは事細かく契約内容を決めていますので、WBC出て不調だときちんと罰金を請求しているようです)以上のお金を得ていますから、ますますNPBの選手はMLBに行きたがるでしょう。
ちなみに、5年間試合にあまり出なくてもMLBに常時登録されていればMLBの年金は出ます。
「職業としてのスポーツ」
■メジャーリーグのなかでの年俸格差やら、年金問題とかも問題で、日本のプロ野球との格差もいろいろあるでしょうが、所詮は、バブリーな世界のできごとではないでしょうか? ■そういった市場が成立するぐらい、日本社会にユトリがあり、同時に、所得の不均等配分があるということの象徴だと。
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