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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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新型インフルエンザ騒動の怪13=原田和明「豚インフルエンザ報道を検証する 第10回 もうひとつの豚インフルエンザパニック(2)

「インフルエンザ」関連記事のつづき。■「新型インフルエンザ騒動の怪12=原田和明「豚インフルエンザ報道を検証する 第9回 もうひとつの豚インフルエンザパニック(1)」の続報。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 721号 09年08月03日
……
豚インフルエンザ報道を検証する(第10回)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

第10回 もうひとつの豚インフルエンザパニック(2)     原田 和明

 当時の豚インフルエンザ騒動について朝日新聞は 1976年4月22日付で紹介しています。(以下引用)

  60年前に約2千2百万人の命を奪った「スペインかぜ」が今秋から大
 流行する恐れがあるのに備え、フォード大統領は米国民全員にワクチン
 を打つための予算1億35百万ドル(約4百億円)を議会に要求した。秋
 の大統領選を狙った政策だとの見方もある。ことの起こりは、今年1月
 から2月にかけて、米ニュージャージー州 フォート・ディックス陸軍基地
 で、肺炎で死亡した新兵1人と身体検査をした新兵4人から検出された
 ウイルス「A/NJ/76」が 1930年にブタから分離されたブタ型インフル
 エンザウイルスと同型であることがわかったためだ。血清検査によれば、
 さらに7人がかかっていたという。このウイルスは1918年(大正7年)、
 スペインのマドリードで発生し、世界で 7億人がかかったといわれる
 「スペインかぜ」の犯人に違いないと見られている。

  インフルエンザのウイルスにはA、B、Cの 3つの型がある。このうち
 A型には5つの種類があり、10~15年周期で 世界的大流行を起こす
 という考え方(抗原循環説)が強まっている。問題のスペインかぜもA
 型で、1970年代の後半には、再び頭をもたげるものと予想されていた。
 
  ブタ型インフルエンザウイルスは、この2~3年前からぽつぽつ人間
 から見つかっていた。しかし、これらはみんなブタと接触があった人たち
 から見つかったものだった。今回大騒ぎになったのは、新兵という、ブタ
 と縁のない一般集団の中に大量に出てきたため
だ。
 
  フォード大統領は、ポリオワクチン開発で有名なJ・ゾーク、A・セービン
 両博士を伴って記者会見し、全国民総ワクチンの必要性を強調した。

  米大統領の措置にびっくりして、WHOも今月7、8日に専門家会議を
 招集。各国の代表はむしろ冷静で「監視体制は必要だが、いたずらに
 騒いでパニック状態にならないように」と各国政府に勧告している。

  その背景には今回のウイルスが本ものの流行のきざしがどうかという
 疑問もある。米国内でも、未だにフォート・ディックス基地の外へは広が
 っていない。不発に終わる可能性もありそうだ。そして、たとえスペイン
 かぜが再来したとしても「(前年度に流行した※筆者注)Aビクトリア型
 より病原性は弱そうで、それほど恐ろしいものではない」というのが専
 門家の見方
だ。

  昔のスペインかぜのころは、抗生物質もなく、ウイルスそのものでは
 なく、細菌感染のためにたくさんの人が死んだ。(引用終わり)


続報は「スペインかぜに備え ワクチン製造へ」との 1976年4月28日付の記事があるのみです。(以下引用)

  スペインかぜの再来に備え、伝染病予防調査会(厚生大臣の諮問機
 関)に新設したインフルエンザ小委員会(委員長 福見秀雄・国立予防
 衛生研究所副所長)は27日、当面の対策として、(1)全国的な流行監
 視体制作り、(2)予防接種用のワクチン製造、を決めた。同小委員会は、
 今のところ大流行する気配はない、とみているものの、万一に備えるこ
 とにした。ただし、従来のA,B型混合ワクチンを大量につくる方針は変
 えない。現段階では、病原ウイルスの動静を調べるサーベイランス(疫
 学監視)が重要で、国立予防衛生研究所を中心に都道府県衛生研究所
 の約半数の協力で進めてきたサーベイランスを全国に広げることに
 した。
(引用終わり)

 これ以降、豚インフルエンザ報道は、この秋に米国内でワクチン接種の副作用で死者が続出しているとの報道まで掲載されていません。当時の日本での扱いは、往来する人の数が桁違いだからかもしれませんが、今回と違って「対岸の火事」という感じがします。1976年の豚インフルエンザ騒動では結局、死者はこの若い兵士一人だけでした。しかも、その後の研究で、死因は激しい訓練の後の疲労が 大きく関わっていたと 考えられています。(レオン・チャイトー「危ないぞ予防接種」 農山漁村文化協会1992)それでもこのときアメリカではパニックが起きています。

 「このニュージャージーでの流行は、数百万人が死んだ1918~1919年
 のインフルエンザのパニック的な大流行のときのウイルスに非常によく
 似たウイルスによって起こされたことが報道された。この類似と兵士の
 死は、この伝染病がぶり返したのではないかという恐怖を巻き起こし
 た。」
レオン・チャイトー「危ないぞ予防接種」農山漁村文化協会1992)

 根路銘国昭「インフルエンザ大流行の謎」(NHKブックス2001)には、1976年の豚インフルエンザ騒動の際に、ワクチン投与を決断したフォード大統領がどのようなプロパガンダを受けていたかが紹介されています。(以下引用)

 フォード大統領は、1976年3月に 医療問題の顧問チームを大統領府に
 緊急に召集し、この事態にいかに対処するかについての意見を求めた。
 専門家は躊躇することなく、「この豚インフルエンザが流行することにで
 もなったら、米国民の半分以上が感染し、死者は数十万人にもなるだろ
 う。早急にワクチンを大量生産して国民にただちに供給すべきである。」
 と大統領に進言した。
 
  中には、「豚インフルエンザが流行するかどうか時間をかけた疫学調
 査が必要」との声もあったが、大統領は、1億 3500万ドルの緊急予算
 を組み、早急にワクチンの大量生産に入るようにとの行政命令を出した。

(引用終わり)

 米国民もまた同様の扇動を受けていて、フォード大統領もまたその圧力に屈したのではないかと推測されます。

 それにしても、1976年の騒動は、死者が一人だけで、ワクチンで死んだ人の方が多いとか、その年の冬には流行しなかったとか、今回のパニックを扇動したい側の人たちには不都合な情報ばかりです。だから、今回の豚インフルエンザ報道で、1918年のスペイン風邪は紹介されても、1976年の豚インフルエンザ騒動は紹介されなかったのではないかとの疑いがあります。

 今回の騒動は「メキシコで大量死」という情報がパニックの始まりでしたが、その後大幅に下方修正されました。報道ではスペインかぜがよく引き合いに出されましたが、なぜ死亡者数の過大な発表が行なわれたのかについて議論されることはなく、しかも1976年の豚インフルエンザ騒動については一向に報道されませんでした。いずれも何らかの情報操作があったと考えざるをえません。

 著者の根路銘は、1966年に国立感染症研究所入所、1993年には創設されたばかりのWHOの(アジア太平洋地域)インフルエンザ呼吸器ウイルス協力センター長にも着任しています。週刊ポスト(2004.3.19 号)での山根真一との対談では、ワクチンは年初にWHOの専門家が集まり会議で決定し、それにもとづき、ワクチンメーカーが製造するという建前になっていることについて、山根が「ワクチン決定会議というのはメーカーの思惑がはいる余地はないのか?」と尋ねています。彼は「そう言うことは私の口からはいえない。しかし私は闘ってきましたよ。」と答え、日本人がモルモットにされそうになったところを覆した経験が語られています。これは建前と現実は違っていて、製薬会社側がWHOに圧力をかけて動かしていることを示唆しています。

 戦争の泥沼化や世界恐慌ともいえる大不況などの時代背景に共通項がありますし、大統領選挙を前に不人気が気になるフォード大統領と、現在総選挙で惨敗が予想されている麻生自民党と、豚インフルエンザを人気回復の起爆剤にしたいという為政者の動機も、前回のアメリカと今回の日本とがなぜかよく似ています。フォード大統領はワクチンに飛びついた結果、ギランバレー症候群が起きて敗北しましたが、今回の日本でも、舛添厚労相がタミフルだけでなくワクチンにも飛びついています。

 舛添要一厚生労働相は 4月27日、記者会見し、ワクチンの製造について「季節性を中止してでも、豚インフルエンザを優先したい」と述べ、豚インフルエンザウイルス株を入手次第、ワクチン製造に着手する方針を示しました。(4.28産経新聞)これも総選挙目前という日本の状況と、大統領選を翌年に控えていた当時のフォード大統領の心理は同じようなものかもしれません。

 ところで、厚生労働省のウェブサイトにWHOのインフルエンザワクチンに対する見解(翻訳:感染症 研究所)が掲載されて います。その中で、WHOは「季節性を中止しても、インフルエンザA(H1N1)ワクチンをより早く生産させることにはならない。」その上、「ワクチンが有効とのデータはない。」と言っています。舛添の発言は、根拠はないが一般受けするパフォーマンスだったことになります。それでも効果は絶大だったようです。

 「産経新聞社と FNN(フジニュースネットワーク)の合同 世論調査で、
 『今、日本の首相に一番ふさわしい政治家は』という質問への回答で、
 自民党の舛添要一厚労相が 10.7%となり、小泉純一郎元首相(9.3
 %)を抜いてトップに躍り出た。舛添氏は、0.3ポイント差ながら、2位の
 民主党の鳩山由紀夫代表も上回った。自民党では支持率低迷にあえ
 ぐ麻生太郎首相の交代論が広がり、一部議員の間では舛添氏擁立論
 も出始めている」(6.23産経新聞)


 舛添は年金問題を何も解決できていないにも関わらず、豚インフルエンザ騒動でなぜか人気を得たということでしょうか?

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■おもったとおり、WHOは、うすよごれた組織だった。もともとNGOだって、いろいろ うらがあるわけで、各国のおもわくから自由にないりようがない国連機関に公正中立をもとめる方が、おかどちがいだといえる。■しかし、製薬メーカーの圧力によって、疫病対策やアナウンスが 構造的にユガむとなると、はなしは別だ。戦後日本列島、とりわけ55年体制以降の政官財のユチャクと同質なカラクリが、WHOなどの背後にあると、うたがうほかなくなる。■まあ、アメリカ政府やら中国政府などの、政治性ありありの 声明発表みたいに、見物・監視しておけばよいのであるが、社会主義体制や「大本営発表」同様、いつも信用ならないし、つねに ウラをよまねばならなくなる。もともと、われわれの「民度」が議会と政府の質の水準を規定するのだから、なげいていもしかたがないが。

■それと、前回はふれなかったが、フォード大統領の敗北の原因の一部に、ぶたインフルエンザがうわさされていたとは、ちょっと びっくり。

■ちなみに、現在でさえ、ウィルスと細菌の区別がつかず、抗生物質がきくきかないがわからない市民がおおいなか、30年以上もまえの新聞読者の大半は、二次性の細菌性肺炎が死因の第一位だったなどという説明がわかるはずもなかっただろう。



●旧ブログ「インフルエンザ・ヒステリー」[2006/02/24]

●ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/2009年新型インフルエンザ
●ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/オセルタミビル←「タミフル
●ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/ザナミビル←「リレンザ
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タグ : 真理省 1984年 安全 ハイパー独裁

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