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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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西倉実季『顔にあざのある女性たち──「問題経験の語り」の社会学』生活書院

障害学をはじめとする領域で、画期的な新刊をといつづける、生活書院新刊紹介

西倉実季【著】
顔にあざのある女性たち──「問題経験の語り」の社会学


四六判上製 395頁 3150円 ISBN 978-4-903690-41-4
顔にあざのある女性たち
書影拡大
疾患や外傷によって顔に著しい特徴をもつ人たち。日本におよそ一〇〇万人いるとされるその人々の苦しみ、とりわけて女性のそれは、これまで学術的な関心が向けられなかっただけでなく、社会的にもまったくといってよいほど認識されてこなかった。
顔にあざのある女性たちはどのような苦しみを抱え、どのようにその只中を生きているのか!? 彼女たちによって語られたライフストーリー=「問題経験の語り」に目を向け、その存在や苦しみを可視化し、「問題経験」の軽減の方途も探ろうとする、精緻な研究の成果。



【目次】

プロローグ

序章 顔にあざのある女性たちの苦しみを可視化する――「問題経験の語り」の社会学に向けて
  本書の課題
  研究のスタート地点――個人的経験とひとつの出会いから
  本書の構成

第1章 異形がもたらす心理的・社会的困難――先行研究の検討
  異(いけい) 形とは何か
  異形の人々が抱える心理的・社会的困難
  ゴフマンスティグマ論
  本書の視点と方法

第2章 問題経験を聞き取る――ライフストーリー研究の方法論的視座
  ライフストーリーを聞く意義
  構築主義的なライフストーリー研究法
  妥当化という評価基準
  「書くこと」と政治性
  調査の概要とライフストーリー分析の視点

第3章 隠して生きるのはつらい――Aさんのライフストーリー
  カムフラージュメイク以前の問題経験
  転機としてのカムフラージュメイク
  カムフラージュメイク以後の問題経験
  カムフラージュメイク以後の問題経験への対処法
  現在進行形の問題経験
  Aさんへのインタビュー調査の過程

第4章 内面も人より劣っているのではないか――Bさんのライフストーリー
  個人的な努力以前の問題経験
  個人的な努力による対処
  個人的な努力以後の問題経験
  転換点としてのセルフヘルプ・グループ
  セルフヘルプ・グループの意味
  Bさんへのインタビュー調査の過程

第5章 普通じゃないっていう意識は死ぬまで変わらない――Cさんのライフストーリー
  重要な出来事
  対処としての手術
  対処としての仕事
  対処としての恋愛
  三つの対処法を経た現在
  Cさんへのインタビュー調査の過程

第6章 異形を生きる――問題経験と対処法
  五つの問題経験――自己・家族・社会
  問題経験への対処
  対処は〈克服〉ではない

第7章 異形は美醜の問題なのか――インタビュー調査過程の検討
  問題経験をめぐるリアリティ定義
  リアリティ定義の齟齬
  リアリティ定義の競合
  リアリティ定義の変更
  構えはインタビューを規定する
  批判の回路を内蔵するインタビュー調査

終章 問題経験を軽減するために――社会的認知と対面的相互行為に注目して
  異形という問題の可視化のために
  当たり前の相互行為をごく当たり前に

エピローグ
あとがき
文献一覧

----------------------------------------
■「人は見た目が9割」といった、疑似科学をといて はじない人物が たえない一方、容貌がもたらす暴力的視線や差別、それらへの想像力がもたらす劣等感ほかの、複雑な自意識の葛藤のドラマは、想像を絶するものがあるはずだ。■NPO法人ユニークフェイス石井政之代表のような、「つよいひと」がいる一方、社会生活に困難をきたす ひとびとは、おびただしく 実生活をしのんでいるのだとおもう。
■「倉本智明『だれか、ふつうを教えてくれ!』などの名著が、どんなに、「普通」幻想を解体しようとも、「普通」と信じてやまない多数派が信じる「普通」幻想は、シブとい。容貌をはじめとする容姿コンプレクスと差別は、知的障碍とならんで、かなり やっかいな領域であることは、まちがいないだろう。■H.G.ウェルズの「盲人国」(岩波文庫版『タイムマシン』所収)のえがく世界みたいに、あるいは、全盲の社会学者のひとり 倉本智明さんの メッセージ・コピーが“Love is Blind, Blind is Love.”であるという点をふまえても、われわれが、「美形」にあまく(男女/異性愛・同性愛にかかわらず)、「フツー」に こだわりがちな、さがから なかなか解放されないだろう。
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コメント

そうした問題に対する根本的な解決法はわかりませんが

『正しく生きるとはどういうことか』や『境界線の政治学』といった本が何らかの示唆をしてくれるかもしれません。

それってオイラが紹介した本だな。

ついでに補足してやると、軍事を傭兵部隊に委託する傾向がますますつよまっているとしても基本的に最大の悪事をなす組織が国家である以上、『国家主義を超える』(講談社)がおおくのひとに愛読される様になれば世界のほとんどの問題はおいおい解決する(「すべての問題」ではなく「ほとんどの問題」という表現にとどめている理由は2つだけ例外があるからだが、その点は末尾にかく)。
もちろん本当は、世界のすべての問題の根本にはジェンダーがあるんだが、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)という本もある様にジェンダーはナショナリズムと不可分であり、そのジェンダーの解体には貝枝がしるかぎり『媒介する性』(藤原書店)が最良の資料だが、上記『国家主義~』がすでに、世界のすべての問題の根本に存在する概念であるジェンダーと表裏一体の関係にある国家主義を解体しているので、やはり『国家主義~』でほとんどの問題は解決できるという命題はただしい。
で、例外としてのこる問題は知的障がい者や精神障がい者のかかえる問題と、境界線に位置するひとの問題だが、知的障がい者および精神障がい者については『知的障害者の自己決定権』(エンパワメント研究所)と『知っていますか?精神障害者問題一問一答』(解放出版社)がヒントをしめしているとおもう。あと、境界線に位置するひとについては『境界線の政治学』(岩波書店)がヒントをしめしているとおもう。
よって『国家主義を超える』を土台に、『知的障害者の自己決定権』と『知っていますか?精神障害者問題一問一答』と『境界線の政治学』がしめす知見をつみあげれば、世界中の諸問題はおいおい解決する。

注目していただきありがとうございます

ユニークフェイス問題について注目していただきありがとうございます。西倉さんという若手研究者の登場で、これから研究が活気づくと思います。

いろいろ

イシイさま

■おこしいただき、ありがとうございます。■せっかくですので、リンクを。

http://d.hatena.ne.jp/uniqueface/20090812/p1
http://booklog.kinokuniya.co.jp/masaishii/archives/2009/08/post_79.html

■本書の刊行は、「コロンブスのタマゴ」といいますか、でて当然の企画だとおもいますが、たとえば「生活書院」とか、本書の表題をGoogleにかけますと、上記記事が上位にランキングされてしまうという現実があります。■過去記事(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-629.html)でも指摘したことなのですが、当方のとりあげるテーマは、基本的にマイナーであるからこそ、検索結果で上位にきてしまうと。■いいかえれば、西倉さんのご研究が突破口となって、議論がふかまることは、当然期待できるにしても、これらの問題意識がネジまがらないかたちで大衆化するのは、いつのことか? という、悲観的な気分にも させられてしまうと。

■もちろん、当事者運動を推進させているイシイさんに、「釈迦に説法」であることは、重々自覚しておりますが…。■はやく 「民度」のたかい空間へと、この列島が かわるよう、微力ながら ない知恵をしぼりたいとおもいます。

■ご自愛くださいませ。

大衆化について

大衆化までにはあと一世代かかれば早い方かもしれませんね。諸外国に比べてカミングアウトする人が決定的に少ないので、それがネックになると思います。しかし、じわりとですが当事者意識は変化しています。10年前に私の著作を読んだという若者の当事者からの連絡が増えていますので。希望をもってがんばっていきます。

当事者の自信・自尊心のあとは、多数派の意識変革

イシイさま

●西倉さんが重視されているとおり、「外見」問題は、女性、とりわけ わかい女性の意識・姿勢を決定的に規定してしまいますよね。●とりわけ この列島のばあい、劣等感や差別をのりこえるための「自信」をつちかうための さまざまな突破口が、男性より すくないのではないかと、おもいます。●摂食障害はもちろん、ユニークフェイスの当事者たりえない、身体醜形障害(醜形恐怖・醜貌恐怖)も女性がおおそうですし。

●そして、まずは当事者が自信をつかみ、自尊心を維持できることが基盤となるとはいうものの、差別問題や劣等感の基盤は、当事者の問題というより、周囲の「多数派」の意識変革ですね。●こちらが、ホントに とおい みちのりに感じます。

革命は1日にしてならず

ほんとうに遠い道ですね。ユニークフェイス当事者の自尊心回復というのは、100年かかるプロジェクトではないかと思います。めまいがしますね。しかし、このテーマに半生を費やしてきた者としてまだやり残したことは多いです。チャレンジは続きます。応援をよろしくお願いいたします!

当事者の自尊心回復=100年なら

周囲の「多数派」の意識変革には、150年ぐらいは、かかるかもしれませんね。■いや、「当事者の自尊心回復」は、「多数派」の意識変革と、「ニワトリ/タマゴ」の関係にありますから、どちらか一方が好転すれば、事態は劇的に展開するかもしれません。■そのためにも、「陣痛」をなるべくみじかく かるくするべく、「なにをなすべきか」、かんがえないと。

■当方としては、あの おもくるしかった社会主義国家群が モロくも くずれさった体験が鮮烈で、おなじように、近年ふきあれている「市場原理主義」の猛威も、自分のいきているうちに すこしは好転するのではないかと、楽観的です。■したがって、「100年かかるプロジェクト」という高遠な目標をうかがっても、けっして悲観的にとらえているわけではありません。
■やれるところから すこしでもやろうと、かんがえております。

民主主義とは永久革命だ

ということばをきいたことがありますが、まさに至言。
ところで、1998年に出版された『正しく生きるとはどういうことか』(池田清彦・新潮社)の93~99ページには「才能がない人、美人でない人、不治の病の人はどうすればよいのか」という章があり、その章自体が中島義道というひとの著作に起源をもっているので、外見を重視する社会において外見がうつくしくない(という定義も厳密ではないが)ひとがかかえるいきづらさという問題は、論じる人がいないわけではないのですが、一部の人間がほかの諸差別と並列して論じたというだけでは社会全体の変革にはむすびつかないのでしょうね、やはり。
というか、国家や人種という根源的な問題を提起しているのでしばしば紹介してきた著作に関しても、『国家主義を超える』(阿満利麿・講談社)の出版は1994年、『「野蛮」の発見』(岡倉登志・講談社現代新書)の出版は1990年ですが、国家主義も人種差別も解消されていないので、それらより認識しているひとがすくなさそうなユニークフェイスの課題解決にはそれら以上に労力を必要とする様な気がします…って、みもふたもない意見ですみません。

いれちがいかもしれませんが…

中島義道氏の悲観論には、どうも ついていけません。■なにか 劣等感をふっきれなかった知的エリートが、自分の卑小な水準まで読者をひきおろそうとしているとしか、おもえないのですよ。「才能がない人、美人でない人、不治の病の人はどうすればよいのか」といった問題設定を、中島氏から池田先生がどうひきうけたのか わすれてしまいましたが(たしか、だいぶまえに よんだはず)、これは、宗教など思想的な突破というか、たとえば仏教などの 解脱(げだつ)=執着突破理論系しか 活路はないはずで、中島哲学系には、なんら すくいがないと おもうのです。
■それと、コミュニズムなどの解放理論が、こういった個人の劣等感とか、「生理的嫌悪」などをともなう差別意識には、ふれていないという根源的問題がありますが、すくなくとも、貧困や分配の不平等問題がらみの 諸問題については、政治経済的な解決をみようとしたもののはずで、たとえば「才能がない人」が、それだけで不幸になってしまうような 世界をおわらせることが、コミュニストの理想だったはずです。■その意味でも、中島・池田ラインが、なんで こういった問題設定をしたのか、げせないものがあります。

■ちなみに、この記事での当方のコメント欄のURLは、旧ブログからひっぱっていますが、不適切なものでしたので、相対的に妥当なものに さしかえました。

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