プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新型インフルエンザ騒動の怪8=原田和明「豚インフルエンザ報道を検証する 第5回 重複感染?」

「インフルエンザ」関連記事のつづき。■形式的には「「クラスター爆弾禁止条約を批准」というけれど(世界の環境ホットニュース[GEN])」の次便にあたるが、シリーズ的には別系統の、「新型インフルエンザ騒動の怪6=原田和明「豚インフルエンザ報道を検証する 第4回 騒動にならなかったパンデミック」」の続報。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 716号 09年06月17日
……

        豚インフルエンザ報道を検証する(第5回)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 第5回 重複感染?                   原田 和明

 6月6日夜、福岡市は「市内在住の男子中学生が新型と季節型インフルエンザの両方に感染していることが分かった」と発表しました。前回までの連載で、「日本で新型の感染爆発が起きているように見えるのは、厚生労働省の水増し発表誘導政策によるもので、新型かどうかの検査はまったく行なわれていない」と推理してきました。福岡市の事例が重複感染だとわかったとすると、新型と季節型とを区別していることになり、私の推理は否定されることになりますが、「重複感染」の証拠は見つかりませんでした。
まずは、6月7日付毎日新聞西部朝刊より以下引用。

 福岡市は6日、博多区に住む市立板付中学校1年の男子生徒(12)が
 新型インフルエンザに感染したと発表した。感染国への渡航歴や関西
 を含む県外にも旅行もしておらず、市は感染ルートの確認を進めている。
 福岡市で感染者が出たのは初めて。市は冷静な対応を呼びかけている。

 市によると、男子生徒は5日、熱や頭痛などの症状を訴え、隣接する
 福岡県春日市内の医療機関を受診し、簡易検査でA型陽性だった。
 翌6日、県保健環境研究所での遺伝子検査で、新型と季節型の重複
 感染と分かった。男子生徒は福岡市内の病院に入院しているが、快方
 に向かっている。

 男子生徒が 受診した病院は、新型インフルエンザの 広がりを定点
 観測する「定点医療機関」に指定されている。同機関では新型インフル
 エンザに感染する条件が低い患者の検体も県に送ることになっている
 ため、今回の感染が判明したという。(引用終わり)


 次に同日の朝日新聞。(以下引用)

 市によると、男子生徒は5日に37.8度の熱や頭痛、筋肉痛の症状が
 出て、福岡県春日市の医療機関を受診。簡易検査で新型インフル
 エンザの可能性があるA型が陽性だったため、6日に県保健環境
 研究所で遺伝子(PCR)検査を実施し、新型とAソ連型の両方に感染
 しているのが確定された。(引用終わり)

 同日の読売新聞(以下引用)

 同市保健予防課によると、この生徒は同市博多区在住。5日に37.8度
 の熱が出たため、同県春日市の医療機関を受診し、6日の遺伝子検査
 で、新型インフルエンザと季節性Aソ連型の両方のウイルスが検出され
 た。(引用終わり)

地元紙の西日本新聞。(以下引用)

 福岡市は6日、同市博多区の市立板付中1年生の男子生徒(12)が新型
 インフルエンザに感染したことが判明したと発表した。福岡県内の感染
 は2人目で、ソ連型にも重複感染していた。生徒は海外への渡航歴は
 なく、最近は県外にも出ていないという。(中略)男子生徒は5日、37.8
 度の熱が出たため帰宅後、同県春日市の医療機関を受診。簡易検査
 でA型陽性となり、6日に県保健環境研究所の詳細(PCR)検査で新型
 と確認された。(引用終わり)

 全国紙3紙と地元紙が、この男子生徒をいずれも「重複感染」だと報道しています。ただし、西日本新聞は「県保健環境研究所のPCR検査で新型と確認」とだけ報道しており、「季節型にも感染」はどこで確認されたのかがわからなくなっています。そこで、厚生労働省のプレスリリースを確認します。(以下
引用)

 厚生労働省プレスリリース(6月7日 23:50)
 6月6日、福周県福岡市から新型インフルエンザ(インフルエンザA/H1
 N1)の感染が確定した患者1名の届出がございましたので、現時点で
 の状況及び行政の対応について報告いたします。なおへ当該患者の
 居住地は福岡県福岡市です。

 患者に関する情報(概要)
 患者は、福岡県福岡市在住の 10歳代前半の日本人男性。海外渡航
 歴はない。6月5日に発熱(37.8℃)を生じ、同日、一般医療機関にお
 いて受診。6日、福岡県保健環境研究所においてPCR検査を実施した
 結果、新型H1N1(+) であったため、新型 インフルエンザ(インフルエン
 ザ A/H1N1)患者として、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進
 本部に報告があった。(引用終わり)


 どこにも、「重複感染」を示す内容はありません。時間的にも、遺伝子比較検査を行なうだけの余裕はなさそうです。続いて、福岡市の発表内容を同市のホームページで確認します。(以下引用)

 平成21年6月6日 福岡市保健福祉局 「新型インフルエンザ患者」の発生について

 6月6日上記医療機関より提出された検体を福岡県保健環境研究所において
 PCR検査実施
 福岡県より、新型インフルエンザ(インフルエンザ A/H1N1)陽性の連絡。
 現在の状況: 患者は現在回復中。(引用終わり)


 新聞報道とは異なり、福岡市の発表資料にも、男子生徒が「重複感染」だったことを示す文言がありません。検査機関は福岡県保健環境研究所となっていますが、福岡県のホームページにもこの男子生徒に関するプレスリリースはありません。

 つまり、「重複感染」は福岡市が発表の際、資料にない内容を口頭で伝えたものと見られます。発表は吉田市長から行なわれました。市長はなぜ資料にないことを口走ったのでしょう? 次の記事からも新型か季節型インフルエンザウイルスかを判別する遺伝子比較検査は、6日の発表以降に行なわれたことと推測されます。(西日本新聞 2009年6月10日 00:15より以下引用)

 福岡県は9日、福岡市立板付中学(博多区)などで起きている児童
 生徒の新型インフルエンザ集団感染について、同県を訪問中に九州初
 の感染確認事例となった米国人男性から感染した可能性が高いと発表
 した。

 板付中で最初に感染が確認された1年男子と、米国人男性のウイルス
 について、県保健環境研究所で遺伝子の塩基配列の一部を調べたとこ
 ろ、完全に一致。米カリフォルニアで確認されたウイルスの遺伝子と
 近く、国内ではほかに報告例がないタイプだという。(引用終わり)


 6月6日夜の時点では、中一男子は新型か季節型だったか区別できていなかったにも関わらず、なぜか「両方に感染」と報道されてしまったのです。それにしても「国内ではほかに報告例がないタイプ」とはこれまでに発表されてきた「新型」とも別のタイプだということでしょうか? それとも、初めて「新型」の遺伝子の塩基配列を調べてみたということでしょうか?

 さて、男子中学生の感染源とみられる、九州初の感染例となった米国人男性ですが、これも不思議な経過をたどっています。5月25日の段階で、「迅速検査」でA型(+) だったというだけで厚生労働省に報告されています。(5.25 18:00厚生労働省プレスリリース)

 「なお、季節性のインフルエンザであっても、迅速診断キットでA(+)となりますので、関係者や県民の方に混乱が生じないように、御協力をお願いします」との但し書きまでついています。「疑い」の段階で公表しておきながら「混乱が生じないように」とはどういうことでしょうか? 横浜市の高校生の場合、疑いの段階でハイテンションだった舛添大臣が深夜の会見を行なって、大混乱したばかりです。この続報は同日の21:15に福岡県からの第二報として「新型と確定」とのプレスリリースが厚労省から出ています。ところがこの第二報には福岡県からの資料が添付されていません。

 第一報と第二報の間はわずか3時間。PCR試験を実施するには短すぎます。米国人男性の感染は5月25日夜9時から麻生渡知事の記者会見で明らかとなりました。(5.26 毎日新聞より以下引用)

 県保健衛生課によると、男性は米サンフランシスコ在住。成田空港経
 由で22日夜、福岡空港に到着。同行者はいなかった。男性は志免町
 内の妻の実家に帰省していたが、24日に発症。39度の高熱が出て、
 25日午前、県に電話で相談。同日午後に県粕屋保健福祉環境事務所
 (粕屋町)の発熱外来で簡易検査したところ、A型インフルエンザに感染
 していると判明。さらに県保健環境研究所(太宰府市)で遺伝子検査を
 した結果、新型と確認された。(引用終わり)


 厚労省のプレスリリースに福岡県からの添付資料がないために米国人男性のウイルスがA/H1N1 だったかどうかも行政側の資料からは確認できません。単に添付し忘れたとの可能性もありますが、午後に簡易検査を行なって、夜には新型と判定されるなど、その間の時間差が少ないことを考慮すると、PCR検査の結果を待たずに、九州初の新型感染と判定された可能性があります。

 さらに、奇妙な事態が続きます。博多保健所(福岡市の機関)が疑陽性の児童らのPCR検査をしなかったというのです。30代米国人男性のときは疑陽性の段階で福岡県は厚労省に届け出ていることに比べると、福岡県と福岡市の対応の違いが際立っています。(6.10 毎日新聞西部朝刊より以下引用)

 複数の病院によると、板付地区で1人目の感染が確認される約1週間
 前、既に複数の児童らが発熱などで受診し、簡易検査で「陽性」と診断
 された。医師が博多保健所に連絡したが、遺伝子検査は見送られたと
 いう。

 今月5日に板付小の児童4人を診た医師によると、簡易検査で陽性
 反応が出たため、博多保健所に遺伝子検査を依頼した。しかし職員
 から「季節性インフルエンザと同じ対応で構わない」と言われ、遺伝子
 検査を断念したという。また同日、板付中の男子生徒を診た別の医師
 は県の筑紫保健所に検査を依頼し、この生徒はその後、感染が確認
 された。

 市の対応について医師らは「5月末ごろから保健所の消極的対応の
 話が医師の間で出ていた」と批判した。

 一方、市によると、この時点で遺伝子検査の実施基準は、簡易検査
 で陽性が出たうえ、関西への旅行歴や海外への渡航歴がある場合
 などだった。市保健福祉局は「遺伝子検査が必要な人には入院を
 勧告しなければならず、相応の理由が必要。簡易検査の陽性者を
 すべて検査するのも不可能だ」と釈明した。
 (引用終わり)


 なぜ、福岡市の保健所は5月下旬からPCR検査に対して消極的だったのでしょうか? 地元RKBテレビがその理由について取材していますが、博多保健所は、9・10日の両日とも、市の保健福祉局に聞いて欲しいの一点張りでした。
(6月10日夜のローカルニュース)

 市保健福祉局の釈明を裏付ける、厚労省からの指導がありました。平成21年5月22日 厚生労働省「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」に次の一文があります。

「今後は、PCR検査は、新型インフルエンザ 発生国 あるいは発生地域
 において患者との接触が強く疑われ、かつ、発熱等の症状がある者に
 対し、優先的に行う。なお、季節性インフルエンザのサーベイランスを
 強化し、新型インフルエンザの発生動向を捉える。」


 確かに「優先的に行う」とだけ書かれており、「濃厚接触者でなければPCR検査をしなくても よい」とは なっていません。だから、福岡市の検査拒否は「運用指針」の拡大解釈で、正当化されるわけではありません。しかし、感染者続出で医療機関がパンクした関西の例を目の当たりにすると、福岡市が検査の実施に躊躇する気持ちもわからぬではありません。それにしても、「運用指針」の「渡航者などの新型感染を優先する一方で、季節性インフルエンザの監視も強化せよ」とは一体どうせよということなのでしょうか? 問題は厚労省の場当たり的であいまいな指示にあると考えられます。

 厚生労働省は、日本で感染爆発が起きたようにみせかけるために、季節性のインフルエンザと「新型」(豚インフルエンザ)を区別せずにどちらも「新型」とする基準を地方に押し付け、水増し発表を繰り返してきました。ところが、水増しが過ぎて、特に関西で大量の「新型」感染者を生み出したために、対応しきれないとの地方の声が続出したのです。厚労省はその声に配慮して、上の指針を出したものとみられます。

 現場では混乱を避けたいとの心理が働いたのか、迅速検査キットで陽性なのに、渡航者等ではないことを理由に、保健所がPCR検査を拒否するという福岡市のような事例が発生したものと推測されます。

 厚労省は、自らの場当たり的な対応から起きた事態を収拾するために、「重複感染だった」とすることを思いついたのではないかと思われます。これなら、福岡市は季節型と判定したことにして何もしなかったことを正当化できます。ただし、これは思いつきにすぎませんから、プレスリリースには書けなかったのでしょう。しかし、事態は厚労省が考えたようには収拾できませんでした。

 米国人男性の(福岡市内である)板付校区立ち寄りが福岡市側に伝わったのは6月7日で、市保健福祉局幹部は6月9日の記者会見で、「県はそれまで『福岡市での濃厚接触者はいない』と話していた。情報が入っていれば、当然対応は違っていた」と県の対応を批判しました。(6.10 毎日新聞西部朝刊)

 外岡立人・元小樽市保健所長は次のように福岡県、福岡市のどちらの対応も批判しています。

 「新型インフルの感染者が飲食店で過ごした事実は、地域全体に感染
 が広がる危険性をはらむので、当然、(福岡県は)市に伝えなければ
 ならない情報だ。それを一切しないのは信じられない対応で、集団感染
 を招いたと言われても仕方ない。一方、(福岡市は)簡易検査の陽性者
 は遺伝子検査をすべきで、医師の危惧(きぐ)に応えなかった博多保健
 所の対応もおかしい。」(6.10 毎日新聞西部朝刊)


 福岡県保健衛生課は「福岡市とは常に情報交換している」と反論していますが、麻生渡・福岡県知事の「九州初の新型感染」発表そのものが、信頼性に疑いがあります。知事周辺が「九州初」を発表するという知事のご機嫌取りには関心があったが、その後の影響についてはまったく興味がなかった福岡県と、市内で感染爆発がわかると収拾がつかなくなることを恐れてか、検査自体を拒否した福岡市、自らが仕掛けた水増し発表政策に自らが翻弄されて場当たり的な対応を繰り返す厚労省。福岡の「九州初の新型感染」と「重複感染」事例は、そんな三者三様の思惑が織り成したドタバタ劇だったように思われます。

 地元RKBテレビは夜のローカルニュースで次のように伝えました。

 「福岡市は、きのう板付校区以外の地域で新型が疑われる簡易検査
 ・陽性の患者が出ても詳しい検査を行わないと説明していましたが、
 きょうになって一転、すべての地域で検査を行う方針を表明しました。
 感染が確認された子供たちは、夜になると隔離された病室の中で恐
 くて泣いているといいます。」

-------------------------------------------
■「新型インフルエンザ騒動の怪7」でもとりあげたとおり、“インフルエンザ・ヒステリー”は、日本列島内部にかぎられない、世界的な策動を感じる(「冷静な対応」とかいいつつ、基本的にパンデミック不安をあおっているWHO高官が、そろって東アジア系であるのも、なにか ひっかかる。単なる偶然なら、いいんだが…)。■いずれにせよ、中国産冷凍ギョーザ事件騒動(“毒餃子事件報道を検証する”)の際の政府のうごき同様(あのばあいは、厚生労働省・各保健所だけでなく、警察庁・各県警も、実に奇妙なうごきをしたが)、今回も、実にあやしげな感じが、ますます濃厚になってきた。
スポンサーサイト

テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 真理省 1984年 安全 ハイパー独裁 毒餃子事件報道を検証する

<< 【転載】星川 淳@屋久島発 インナーネットソース号外(09.06.17) | ホーム | 【転載】多言語化現象研究会10周年記念研究大会(第1回研究大会) >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。