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新型インフルエンザ騒動の怪4(【転載】「豚インフルエンザ報道を検証する 第3回」)」など
「インフルエンザ」関連記事のつづき。
新型インフル:国内最初の発症は5月5日 成田初確認以前2009年6月4日 21時24分 更新:6月4日 23時34分
国内で確認された新型インフルエンザ感染者で最も早く発症したのは神戸市の男子高校生の5月5日だったことが、厚生労働省の調査で分かった。成田空港の検疫で9日に国内初の感染者が確認される前だった。神戸市の生徒に渡航歴はなく、それ以前から国内で感染が広がっていたことを裏付ける。発症のピークは17日の73人で、その後は急激に減少したが厚労省は「カナダではピークが2度あった。このまま終息するかどうかは分からない」と説明している。

新型インフルエンザの発症日別患者数の推移
調査の対象は、空港で水際阻止した例を除き、6月4日午前11時まで報告された感染者401人。うち390人は保健所を通じて発症日が確認できた。
帰国者以外で初めて感染が確認されたのは5月16日だったが、発症者はそれ以前の13日から急増。17日にピークを迎えた後は一気に発症者が減り、22日以降は10人未満で推移している。6月以降、関西では神戸市で1人しか確認されておらず、大半は米国からの帰国者。また、401人のうち358人は既に回復している。重症者はいないという。
5月5日発症の生徒は、翌日に医療機関を受診。簡易検査でA型陽性だったが、海外渡航歴がないため医師は新型の感染を疑わなかった。感染者が急増した後の18日に残っていた検体の遺伝子検査を実施し、20日に感染が確認された。この時には既に回復していたという。どこから感染したかは分かっていないという。
一方、6月上旬に製薬会社へ届けられる予定だったワクチン製造用のウイルス株の配布は、10日前後にずれ込むという。【奥山智己、内橋寿明】 ----------------------------------
■『朝日』の関連記事も。
新型インフル国内初発症は5月5日 検疫で確認より早く
2009年6月4日20時40分
厚生労働省は4日、国内で確認された新型の豚インフルエンザ感染者について、確定できた最も早い発症日は5月5日だと発表した。神戸市内の男子高校生。これまで、同月9日に成田空港での水際検疫で確認された感染者を国内初としてきた。それ以前に検疫をすり抜け、ウイルスが国内に入り込んでいたことになる。
厚労省によると、この男子高校生は渡航歴がなく、国内の誰かから感染したとみられる。このため、同省は5月5日以前にも国内に感染者がいたと推測している。国はこの時期、4月28日に機内検疫を始めるなど水際対策を強化していた。
男子高校生は5日にインフルエンザの症状を発症し、翌6日に同市内の医療機関を受診。簡易検査で季節性インフルエンザと診断された。当時、厚労省は米国などへの渡航歴がないと新型インフルを疑う対象にはしておらず、遺伝子検査はしなかった。その後、男子高校生は完治した。
しかし、5月16日に神戸市内で渡航歴のない高校生の感染を国内で初めて確認。これを受け、市の調査の一環で、男子高校生の検体を保管していた医療機関が市環境保健研究所に遺伝子検査を依頼、20日に感染が確認された。
結果はその日のうちに厚労省に届け出られたが、公表してこなかった。厚労省は「国内の発症状況の全体像を確認したうえで、公表すべきだと考えた」と説明した。
男子高校生と、その後にあった神戸市内の高校生らの集団感染と関係があるか、同市と調査を進めているという。
朝日新聞の集計によると、4日午後9時現在、国内の感染者は16都府県で計410人。(笹井継夫、野瀬輝彦)----------------------------------
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結果はその日のうちに厚労省に届け出られたが、公表してこなかった。厚労省は「国内の発症状況の全体像を確認したうえで、公表すべきだと考えた」と説明」というのは、あやしい気がする。■パニックを沈静化できる自信がなかったこと。そして、検疫という「水際」作戦=「攘夷」運動系の戦略の無意味さを直視できなかったのではないか?■要するに、すりぬけられてゴールをせめられっぱなしになっている まぬけなディフェンダーが、無自覚に前方ばかり まもっているつもりになっているという疫学的に無意味そのものの構図である。
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インフルエンザ予防としてのマスクの効用(その2)」でものべておいたとおり、潜伏期間をかんがえれば、こういった事態は、当初から予想できたはず。「パフォーマンス」だと批判されるのも、ムリはない。現場の係員は、いい迷惑だっただろう。
「機内検疫はパフォーマンス」検疫官、参院予算委で批判 28日午前の参院予算委員会で新型インフルエンザ対策などに関する集中審議が行われ、参考人として出席した厚生労働省職員で羽田空港の検疫官、木村盛世氏が米本土などからの旅客便を対象に一律に行った機内検疫を「(政府の)パフォーマンス」などと批判した。
木村氏は、政府の当初対策が機内検疫による「水際対策」に偏りすぎたとし、「マスクをつけて検疫官が飛び回っている姿は国民にパフォーマンス的な共感を呼ぶ。そういうことに利用されたのではないかと疑っている」と述べた。さらに、「厚労省の医系技官の中で、十分な議論や情報収集がされないまま検疫偏重になったと思う」と強調した。
一律の機内検疫は政府の新たな「基本的対処方針」で22日に終了したが、木村氏は「現場としては大して変わっていない。今もかなりの労力をかけて検疫を行っている」と指摘した。
木村氏は民主党の要請で参考人に呼ばれ、同党の鈴木寛氏の質問に答えた。
(2009年5月28日14時22分 読売新聞)インフル水際対策を羽田の検疫官批判 28日の参院予算委員会で、羽田空港の現役検疫官で厚生労働省医系技官の木村盛世氏が参考人出席した。木村氏は新型インフルエンザ対策で当初、水際対策が重視されたことに関して「マスクやガウンを着け検疫官が飛び回る姿はパフォーマンス的な共感を呼ぶので、利用されたのではないかと疑っている」と批判した。
木村氏は水際対策の問題点として、国内で患者が発生した場合の対応が遅れがちになると指摘。さらに議論や情報収集が不十分なままインフルエンザ対策の行動計画が策定されたと強調、検疫態勢の縮小後も「人的にかなりの負担を強いられている」と訴えた。
舛添要一厚労相は「本年度は検疫官を10人増やした。相当努力しているつもりだ」と釈明した。
民主党の鈴木寛氏が「現場の声を聞くべきだ」と、感染症対策の問題点を指摘した著書も発表している木村氏らの出席を要請。25日の予算委では「政府を代表する立場ではない」と与党が拒否し一時紛糾した。(共同)
[2009年5月28日18時10分]----------------------------------
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政府を代表する立場ではない」って、内部告発する現場は、だしたくないってか?
■ただ、官僚上層部としては、「先生」たちを あやつり人形として、舞台でおどらせることで、自分たちの権力維持・予算消化をくりかえしてきたわけであって、先生たちのパフォーマンスに「復讐」される、という皮肉な構図は、しかたがないね。だから、現場の技官たちは いい迷惑だろうが、技官のトップたちこそ、最大の加害者なので、やつあたりは しない方がいいかもしれない。
■時間差があるが、きのうの「朝日」の特集記事(ウェブにあがっていない)と、『中国新聞』の先月の記事。
検疫事例前にもインフル患者 水際対策偏重に限界
…「潜伏期間を1週間とすると、5日に症状を訴えた高校生がいても当然だ」と、神戸市医師会の中神一人・新型インフル担当理事はみる。
ウィルスの潜伏期間は1~7日、平均3~4日。今回5日に発症していたことが明らかになった生徒には渡航歴がなく、潜伏期間を考えると5月初めか4月末には別の人から国内で感染した可能性が高い。その別の人に渡航歴があったら、ウィルスが検疫を通り抜けたのは5月初めか4月末。その人にも渡航歴がなかったなら、もっと前に入り込んでいたことになる。
「完全には防げないが、入ってきて流行するまでの時間稼ぎにはなる」と話す国立感染症研究所(感染研)の岡部信彦感染症情報センター長のように、水際対策としての検疫強化には一定の評価もある。だが、舛添厚生労働相は5月25日の参院予算委員会で「一番の盲点は、島国なので水際対策を一生懸命やろうとしていたこと」と述べ、検疫偏重だったことを認めた。
……
疫学調査で感染経路をたどっていっても、すでに治っていて、しかも通常のインフルや風邪と診断されていた人には、調査員が接触しにくいという。学校などに協力を求めるしかないが、消極的な学校もあり、うやむやに終わってしまうことが多いという。
現場の医療機関では、新型インフルの遺伝子検査をする患者を、厚労省の基準に基づいて決めていた。5月5日時点での基準では、38度以上の発熱などがあり、簡易検査でA型陽性で、しかも渡航歴があるという項目がある。渡航歴がある人だけうぃ調べていたら、国内に入り込んだ感染者からうつされた人を見つけるのは困難だ。半面、渡航歴という項目をなくすと、遺伝子検査の数が膨大になるというジレンマがある。
感染研は季節性インフルについて、全国約5千の医療機関から報告を受け、流行の傾向を把握。しかし、例えば神戸市内には48地点しかなく、全国的に十分ではないし、情報を集約している感染研に届くのに時間がかかる。インフルの水際対策に「穴」 検疫偏重に批判も 『中国新聞』'09/5/21
…… 厚労省の対策メンバーの一人は「われわれも水際対策の効果が少ないのは知っている。やめたいが官邸の判断になっているので、勝手にやめられない」と打ち明ける。
検疫偏重の方針に早い段階から警鐘を鳴らしていた羽田空港の現役検疫官で医師の木村盛世(きむら・もりよ)さんは「繰り返し防護服を着た検疫官がテレビに映れば対策のアピールになる。政治的判断で続けたのだろう」と指摘する。●「
水際対策に見る、厚労省医系技官と事務官僚の視点のズレ」
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【遅すぎ!マスゴミも今さら「水際対策」詐欺の破綻を報じだしたぞw】 インフルの水際対策に「穴」 検疫偏重に批判も」(★阿修羅♪ > 豚インフル01 > 764.html 投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 22 日 15:12:34: eZ/Nw96TErl1Y)
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タグ : 真理省1984年安全ハイパー独裁
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