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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム51

生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム50のつづき。■今回も、原田和明さんの「毒餃子事件報道を検証する」を転載(リンク・改行等、かってに追加も、いつもどおり)。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 710号 09年05月03日
……

毒餃子事件報道を検証する【第49回】     

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

毒餃子事件報道を検証する 原田 和明

第49回 中国との決裂を画策した警察庁

 日本の警察庁は中国公安省とのトップ会談の前に、根拠が乏しいにも関わらずなぜ「日本で混入した可能性は 低い」などという 発表をしたのでしょうか?しかも、トップ会談では互いに証拠を提供して、情報交換に努めるとの約束までしておきながら、一方的にその約束を反古にしたのです。

 昨年2月28日に中国公安省は記者会見で、「メタミドホスが中国国内で混入された可能性は極めて低い」「日本側が物証などの提出に同意せず、全面的な状況を説明しないのは遺憾」と日本側を批判する発言を展開しました。吉村警察庁長官はこれを「看過できない」と応じ、これ以降、日中公安当局による合同捜査会議は一度も行なわれていません。突然、事件の解決よりも両国公安当局のメンツの対立という展開になってしまいました。しかし、この対立は警察庁の画策したものだった可能性があります。


 日本政府の調査団(団長 原嶋耐治内閣府 消費者企画課長)が2008年2月4~7日に訪中(厚生労働省 2008.2.7 報道資料)、同時期に、中国からも 国家質量監督 検験検疫 総局副局長らが来日し、日本側関係省庁と協議をしています。(厚生労働省 2008.2.6 報道資料)毎日新聞(2008.2.7)は 次のように報じています。(以下引用)

 日本政府の調査団は6日未明、中国検疫当局が
「生産工程で異物が入る可能性は低い」と指摘し、
流通段階で混入したのではないかとの見解を示した
ことを明らかにした。

 日本の捜査当局は、メタミドホスが製造元の「天洋
食品」(石家荘市)工場での包装工程で混入した可能
性を強めているが、中国側の指摘する「流通段階」に
は日本の小売店到着まで含まれているという。

(引用終わり)

 2月7日付中国各紙には「日本の訪中団は、餃子生産工場に異常がなかったと表明した」旨報道されました。内閣府は人民日報などに「断定的な表現は正確でない」との書簡を送付しましたが(内閣府 2008.2.21 公表資料)、主旨は変わらず、政府調査団は「製造段階で毒物が混入する可能性はほぼないと判断される」との結論を民主党に報告しています。(2008.2.12 民主党ニュース)自民党のサイトには見当たりませんでしたが、当然その前に自民党にも同様の報告があったことでしょう。この段階で政府と警察庁の見解は対立していたのです。

 中国側では「既に日本から通報のあった2製品――2007年10月1日製造 13グラム規格品および 2007年10月20日製造 14グラム規格品――の豚肉と白菜の水餃子のサンプル検査も行なわれており、やはりメタミドホスは検出されなかった」(2008年2月14日付 人民日報)との結果を受けて、日本側へ次のような提案を行なっています。(2008.2.14 人民日報より以下引用)

 中日双方でできるだけ早く合同調査組織を設立し、
中国・日本それぞれで可能な、製造・流通プロセス
各段階の徹底調査を行なって、即時の事実真相解明
を図ることを中国側より建議した。

 さらに、国家品質検査総局は、すでに中日間、中欧
間で良好に機能している食品安全機構制度の先例に
倣って、中日間においても速やかに食品安全に関する
長期的に有効な協力体制を築き、食品安全確保の
前提の下で、両国の経済貿易の健康な発展を促す
べきであると建議した。

 国家品質検査総局の関係部門が図って、日本民主党
および自民党代表団が2月18日から20日の日程で
来中、中国産品の品質と食品安全の状況を視察する。
ほかに日本企業各社、メディアが随行する予定。

(引用終わり)

 自民・民主両党代表団の訪中はさっそく実行に移されたようで、2月20日に国会内で開かれた民主党の第3回対策本部会合で訪中調査結果が報告されています。(2008.2.20民主党ニュース)ここでも、政府代表団の結論は踏襲されており、政府・自民党・民主党は「製造段階で毒物が混入する可能性はほぼない」との見解で一致していました。

 この統一見解は中国側の見解とも一致するもので、「中日双方でできるだけ早く合同調査組織を設立」についても、この翌日から2日間(2月21~22日)東京で中国側との情報交換会が開かれています。(2008.2.29 産経新聞)これに先立つ2月18日、警察庁はさらに2月25~27日には、中国公安省と捜査協力強化に向けて協議するため、安藤隆春次長はじめ事件捜査を指揮している刑事局幹部を中国に派遣、中国公安省と警察首脳級会談を行なうと発表しました。ただし、今回は警察庁関係者が天洋食品の工場がある河北省石家荘市に入る予定はないとのことでした。(2008.2.9 共同通信)

 このように、毒餃子事件の捜査は両国公安当局の協調の下に進むはずでした。ところが、2月21日の情報交換会の席上で警察庁は突然、「毒物は日本で混入した可能性は低い」と一方的に主張したのです。

 これで、協調ムードで進むはずだった日中情報交換会に一気に緊張が走りました。警察庁は理由として次の3点をあげました。

(1)密封されたパッケージの内側からメタミドホスが検出された
(2)検出されたメタミドホスには不純物が含まれていたが、日本国内で試薬として使用されているメタミドホスは高純度
(3)千葉、兵庫両県で販売されたギョーザは中国から出荷後、別ルートで運搬され、国内での接点がない。(2008.2.22 朝日新聞)

 これらの理由は、前回述べたように説得力に欠け、食品テロの可能性を否定できるものではありません。それに政府見解に対して何ひとつ問題点を指摘できてはいないのです。この直後に刑事局幹部が訪中するのですから、彼らが天洋食品を視察して、政府調査団が見落とした点を確認してから主張してもよかったのではないか? そもそも 政府見解を否定するならば、なぜ 警察庁幹部は最初から天洋食品視察を予定に入れていないのか? など疑問は尽きません。警察庁は新たな証拠が見つかったわけではないのに、なぜこんな強弁を不自然なタイミングで始めたのでしょうか?

 警察庁の発言に対して、中国側からは 当然 反論があったと推測されます。しかし、こともあろうに、翌日にも情報交換会が予定されていたにも関わらず、初日の情報交換会の後に開かれた定例記者会見で、吉村博人 警察庁長官は 政府見解には触れず、警察庁の 見解だけを そのまま公表してしまったのです。(2008.2.22 朝日新聞)会議の途中で、自分の見解だけを一方的に公表するという吉村の発言はやりすぎで、背信行為ではないかと思われます。中国公安省刑事偵査局は、改めて天洋食品の工場の状況を説明、「日本で混入された可能性が低いというには時期尚早」と不快感を示しています。(2008.2.23 中日新聞) 

 2月22日の情報交換会後に開かれた記者会見で警察庁は、冷凍餃子に含まれていた有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が袋の外側から浸透することはあり得ず、いったん 開封した袋を 再密封した可能性も低いとの見解を明らかにした(2008.2.23 中日新聞)とのことですから、情報交換会の席上、中国側は同様の反論を試みたと推定されます。警察庁はそれをにべもなく否定したという展開だったのでしょう。

 「小さな穴はなかった」を含めてかなり怪しい鑑定結果が多数含まれていたにも関わらず、「毒物が日本で混入した可能性は低い」との主張を繰り返す警察庁に、中国側は被害を出した餃子や袋など、物証そのものを引き渡すよう要求しました。(2008.2.29 産経新聞)

 これに対する反論も 周到に用意されて いたようで、吉村博人・警察庁長官は「法に基づき押収したものを軽々に渡すわけにはいかないが、中国側が容疑者を特定し、立件する上で不可欠として要請があれば、やぶさかでない」と述べています。(2008.2.29 産経新聞)警察庁は 根拠が乏しいまま、責任は中国にあると言わんばかりの発表を勝手にしておきながら「中国側が容疑者を特定しない限り何も見せない」と事実上の門前払いともとれる高いハードルを設定したことになります。

 しかし吉村長官は、余副局長が 鑑定結果や証拠を 日本に求めても提供されないと 発言したことにも触れ、「誤解を招く言い方だ」 (2008.2.29 読売新聞)「看過できない。捜査に役立つと思う資料は全て渡している」と反発しています。(2009.3.3 産経新聞)一方で「軽々に渡すわけには いかない」と言っていますので、これは二枚舌でしょう。

 中国側の結論についても、吉村は「こういうことを予告もなくポーンと出してくるのはいかがか」と厳しい口調で反論していますが(2009.2.29 読売新聞)、先に「予告もなくポーンと出した」のは警察庁の方でした。

 自説を一方的に公表し、その根拠はあいまいで、中国側に嫌疑をかけておきながら、現地を視察しようともしない。その上、中国側が犯人を逮捕しない限り物証も見せるつもりはない。これが日中の情報交換会での警察庁の態度でした。これでは話し合いになりません。そのくせ、警察庁幹部を北京に派遣して、協議する意思は あるとの素振りだけは見せる、「資料は すべて渡した」というなどアリバイ工作はしっかり行なっています。警察庁の狙いは、中国側を怒らせて会議を決裂させることにあったのではないかとの疑念を感じるほどです。

 内閣府の公表資料(食品による薬物中毒事案について<第24報> 2008.2.25 付)は「警察庁において、中国公安部関係者との情報交換会議を開催し、これまでの双方の捜査状況等の情報を交換した」との記載があるだけで、内容については一切触れていません。ただ、外務省の2月21日の項に、高村外相が来日中の唐家セン国務委員に「引き続き意思疎通を緊密にし、真相究明のため日中が協力していくことが重要である旨強調した」とあり、警察庁の行為は内閣をも欺くものであったことを明らかにしています。

 政府の強調方針は警察庁にとっては都合が悪かったことは理解できます。警察庁の大失態のために、兵庫県警にデータの捏造を繰り返させたことが中国側にばれたらカッコ悪いという動機が働いたのかもしれません。しかし、その程度の理由ならば、何も政府見解をひっくり返し、中国側を怒らせるというようなバクチを打たなくても、協議の中で取り繕うことはできたはずです。

 情報交換会の途中での一方的な自説の公表はやりすぎで、中国側への挑発行為にもみえます。2月28日に北京で開かれた記者会見で、中国公安省が「非常に遺憾なことに、日本の警察はメディアにこの結論を発表してしまいました」とわざわざコメントしているように、中国側をいたく刺激するものでした。

 警察庁は、中国側が「小さな穴」の存在をもちだして、注射器を用いた食品テロを主張する可能性は考えなかったのでしょうか? それに、「密封袋の内側からメタミドホス検出」と発表した、大阪のスーパーから回収された冷凍餃子のうちの2袋は天洋食品に戻されているのですから、中国側が「内側からは検出されなかった」と発表したら警察庁はどうするつもりだったのでしょうか?

 しかし、中国公安省は「小さな穴」にはまったく触れず、「中国側の分析でも密封容器の内側からメタミドホスが検出された」と発表したのです。これで、警察庁の隠蔽工作に中国公安省も「手を貸した」、「貸しを作った」状況になりました。これで、警察庁の隠蔽発覚という不安は解消されたことになります。しかし、警察庁は「貸し」を振り切ってします。中国側に詳細な実験方法と結果の提供を求めた上で、吉村博人長官は、「日本国内で可能な捜査はかなりの部分終了している」との見解を示しています。(2008.3.7 朝日新聞)

 このことから、警察庁の暴走は隠蔽工作が目的とは考えられません。狙いは中国側を挑発すること自体にあったと考えられます。中国への挑発行為と、ひたすら低姿勢で耐える中国政府という構図は、この直後のチベット暴動をきっかけとした欧米の「人権批判」、聖火リレー妨害で繰り返されました。中国政府の姿勢について、田中宇氏は「国際ニュース解説・北京五輪チベット騒動の深層(2008.4.17)」で次のように解説しています。(以下引用)

 中国では1989年の天安門事件で欧米に経済制裁
された教訓から、指導者だったトウ小平は「欧米に
挑発されても反撃せず、頭を低くして耐えろ。欧米の
謀略に引っかけられずにうまく経済成長を遂げ、欧米
をしのぐ世界的大国になってから、反撃を考えれば
よい」という方針(24字箴言)を国是とした。これ以来、
中国政府は、マスコミ報道などのプロパガンダ政策を
通じて、自国民が欧米敵視の感情を募らせないように
努めてきた。
(引用終わり) 

 以前、私は、毒餃子事件は日中関係の改善を阻止するための食品テロ事件の疑いありと言いましたが、この事件の複雑なところは、日中の分断を図る犯人に、警察庁が政府の意向に逆らう形で加担して中国を挑発、さらにマスコミがそれを煽るという構図になっているところでしょう。

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■どんな国家でも 「一枚いわ」ではないのが、普通だろう。■しかし、こと 省益至上主義の、この列島の官僚制の住民にとって、自分たちの「あまくだりさき」の確保のつぎに重要なのが、予算確保であり、そのつぎぐらいが、組織のメンツという課題であって、この3つの課題のためには、国民の福祉に反することはもちろん、政府全体の組織的目標さえも、どうでもよくなるのだろう。■自民党など保守政治家たちが、「国益」をかたりながら、その実、政治ゲームの戦利品闘争における自分たちの「戦果」こそが第一義であるのと並行して。

■原田さんの提起する「日中の分断を図る犯人に、警察庁が政府の意向に逆らう形で加担して中国を挑発、さらにマスコミがそれを煽るという構図」という みたてが妥当かどうかは、わからない。■しかし、警察庁という組織が、みずからの不始末をゴマ化すために、自分たちの職分を逸脱した権力犯罪をくりかえしたのみならず、なかば ひらきなおって、政府内部での情報戦で暴走したことは、ほぼ確実といえそうだ。■これは、もちろん、単なる組織防衛=メンツ問題という次元ではなく、組織で不始末をしでかした人物の責任をムラ社会の論理で 共犯的にモミけそうとしたという、実に人間くさいドラマでもある。■しかし、ロバート・K.マートンが、指摘した「官僚制の逆機能」の典型的事例であることには、ちがいがない。しかも、病理現象内部の構成メンバーのつねとして、自分たちの非が全然自覚できず、ごくあたりまえに、「合理的選択」をはかったつもりだろうことも、みえてくる。■それは、社会保険庁や防衛省など、各省庁の巨大なスキャンダルと病根として同質であり、メカニズムは当然通底しているとおもわれる。
■もちろん、再三のべたきたとおり、記者クラブ等、特権的な「タレながし装置」に安住する、巨大メディアの みにくい腐敗ぶりが、あってこその病理であり、それが決定的に破綻したかたちで露見するまで、まるめこまれていることに無自覚な大衆という、まさに「ハイパー独裁」(田中宇)が、ここにも、確認できる。■なにしろ、こうやって、各メディアが馬脚をあらわしている「実態」を、原田さんなりに分析されないかぎり、ほとんどの大衆は、ことの本質にきづかずに 日々の報道を受容し、また忘却しつづけるだろうから。
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タグ : ナショナリズム 真理省 1984年 安全 食品 ハイパー独裁 警察 毒餃子事件報道を検証する

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コメント

中国当局自体が信頼ならんので、真犯人だとは、断定しがたいが…

ギョーザ事件の容疑者拘束=製造会社の元アルバイト-中国当局
3月27日0時31分配信 時事通信
 【北京時事】中国国営新華社通信は26日、千葉、兵庫両県で10人の被害者を出した中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、警察が容疑者の男(36)を拘束したと報じた。男はギョーザ製造元・天洋食品(河北省石家荘市)の元アルバイトだという。
 ギョーザ事件は日中間の重要な懸案事項で、事件の発生から2年が経過し、ようやく解決に向けて動きだした。
 同通信によると、男は河北省出身で、天洋食品の待遇などに不満を持ち、ギョーザに毒を混入したとみられ、当局は注射器を押収した。 

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■このネタが、すぐ消滅するか、炎上するかのように騒動化するか、監視しよう。■なにしろ、かれが真犯人であろうと、原田さんが指摘するような不審な事件と発表・報道は事実だとおもわれるわけだから。いいかえれば、毒物混入が、中国国内での特定の犯行によってはじめられたにせよ、陸続とおこった中毒事件と、それについての当局発表とメディアのとりあげかたは、やはり異様なのだ。
■もし、メディアと大衆が、ハイパー独裁体制でないなら、そういった意味で再検証がおこなわれねばなるまい。そして、それは、なされないような気がする。風土と民度の両面からね。

いよいよでてきた、当局とメディアの歌舞伎プレイ(ハイパー独裁体制)

警察庁困惑「検証しようがない」…毒ギョーザ
3月29日6時3分配信 読売新聞
 冷凍ギョーザ中毒事件を巡って、28日、日本の一部報道機関に捜査の状況を明らかにした中国公安省。

 その発表では、呂月庭容疑者が事件に使った注射器やメタミドホスを入手したのは、「2007年7、8月」で、同年10月1日、初めて冷凍庫でメタミドホスを注入した後、10月下旬と12月下旬にも同じように注入したとしている。

 ところが、08年2月に、福島県内の店舗で同じ有機リン系殺虫剤ジクロルボスが検出された天洋食品製のギョーザは、前年の07年6月に製造されており、一連の薬物混入を、呂容疑者の「単独犯」とする中国公安省の見解では説明がつかない。これについて警察庁幹部は「一方的に発表内容が伝わって来るだけなので、検証しようがない」と困惑した様子で話した。

 中国側は、さらに2本の注射器について「工場内の通路脇の下水道内に捨てられていた。今月21日に発見した」と発表したが、「事件から2年もたって、いきなり下水道で見つかったと言われても……」と、別の同庁幹部は首をかしげた。

 この日の発表について、同庁には開催することさえ事前に連絡がなく、「またも寝耳に水」(同庁幹部)。同庁は近く中国に幹部を派遣する予定で、「早く現地入りして捜査状況について直接、話を聞く必要がある」としている。



中国毒ギョーザ:「さらに究明を」首相が談話

 鳩山由紀夫首相は27日午前、中国製冷凍ギョーザ中毒事件の容疑者逮捕を受け「中国側関係者の努力を評価し、さらなる真相究明を期待する」との談話を出した。首相は「引き続き中国側との間で意思疎通を密にし、相互に協力していく。本件が早期に解決し、日中関係がさらに発展することを期待する」と表明した。

 外務省によると、中国政府から北京の日本大使館に「事件の真相を解明し、容疑者の身柄を確保した」との通報があったのは26日午後11時半。「日中関係の健全な発展にも寄与する。今後の作業について両国警察は協力を強化していく」と伝えてきたという。

 岡田克也外相は27日午前、三重県四日市市で記者団に「事実関係の解明が裁判手続きによって進めば、消費者の中国食品に対する信頼を取り戻すきっかけになる」と語った。【野口武則、朝日弘行】

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毎日新聞 2010年3月27日 11時43分(最終更新 3月27日 12時52分)


中国毒ギョーザ:対日配慮か 首相相互訪問にらみ

 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国当局が製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)逮捕をこの時期に発表したのは、中国と欧米との関係がぎくしゃくするなか、日本の対中世論を好転させようとする中国指導部の意向を反映したものとみられる。

 日中両政府は5月1日に開幕する上海万博に合わせた鳩山由紀夫首相の訪中と温家宝首相の訪日の調整をスタートさせており、中国側はギョーザ事件を解決することで首相相互訪問を後押しする方針とみられる。

 容疑者逮捕を伝えた26日夜の中国国営・新華社通信は、逮捕時期には触れていないが、同社関係者によると、警察当局は比較的早い段階で待遇に不満を持っていた同容疑者に注目し、証言集めなど裏付け捜査を進めてきた。同通信は中国側捜査態勢について「事件発生後、両国消費者への高度の責任感に基づき、全国から捜査、検査などの専門家を選び出し、専門捜査班を組織した」と説明した。

 中国指導部は事件発覚から1年の昨年1月末、中国側捜査の中間報告を発表し、中国側での毒物混入を認め、日本国内の対中感情の好転を図ろうと検討したといわれる。

 しかし、地元の河北省警察当局は「犯人逮捕までは中国側で毒物が混入されたことを証明できない」と強く抵抗。中間報告の発表は見送られ、中央の公安省主導で捜査が続けられてきた。

 また、中国政府は事件発覚から2年の今年1月末には、捜査と切り離して「食の安全」に関する覚書を日本政府と交わし、事件解決に先だって再発防止策を進める方針を固めた。

 中国は昨年暮れから地球温暖化対策で欧米との対立が激化。最近では、中国政府のネット検閲廃止を求めた検索最大手グーグルが中国本土から撤退するなど対外イメージの悪化が続いていた。




ギョーザ事件、日中捜査協力「試金石だったが…」
3月28日16時40分配信 読売新聞

 新華社通信が、「対日輸出ギョーザ中毒事件を解決」という見出しで、「天洋食品」の元臨時従業員・呂月庭容疑者(36)逮捕の一報を伝えたのは、日本時間の26日夜11時51分(現地時間10時51分)。

 警察庁は、これを伝える国内ニュースで初めて逮捕の事実を知り、慌てて在北京日本大使館と連絡を取って、中国公安省への情報収集を依頼した。だが、容疑者が「正社員にしてもらえなかった」などと供述しているという以外、詳しい情報提供はなく、中国との捜査協力、中でも情報交換の難しさが浮き彫りになった。

 その懸念は、当初から指摘されていた。今回の事件発覚後、警察庁と中国公安省は、5回にわたって両国で相互に開いた「情報交換会議」では、「有機リン系殺虫剤メタミドホスが中国で混入した可能性が高い」とする警察庁に、中国公安省は「日本で混入した可能性もある」と主張し、怒声が飛び交う場面も。

 呂容疑者の周辺から2本の注射器が発見されたと中国側が説明している点についても、警察庁内には、「発覚から2年以上たって見つかったというのは不自然」「隠していたのではないか」などという声がある。

 「今回の事件は、日中の捜査当局が協力して捜査に臨んだ初のケースで、試金石だった。結果として容疑者は捕まったが、今後の協力のあり方を模索する必要がある」。同庁幹部の一人はそう指摘する。

 警察庁は近く幹部を中国に派遣し、日本の事件についても徹底解明を求める方針だが、日中間には犯罪人引き渡し条約がなく、公共の安全を害することを禁じた中国の「危険物質投入罪」で逮捕された呂容疑者の身柄が引き渡される可能性は低い。日本の捜査員が直接、事情聴取することも困難とみられる。日本にとっては、中国公安省に「代理処罰」などを要請する中で、真相解明につながる情報を得ていくしか手段がない。

 中国への代理処罰は、09年末時点で、福岡一家4人殺害事件(03年6月)など過去に20件、25人に適用され、このうち9人が死刑判決を受けている。さらに日中間では今回の事件後の08年11月、刑事共助条約が発効し、外交ルートを通さずに捜査資料を提供することが可能になった。同庁は要請があれば、ギョーザから検出されたメタミドホスの「質量分析結果」などの捜査資料を提供する方針で、こうしたやり取りを通じ、どこまで中国側から情報を得られるのか注目される。(社会部 中村勇一郎)

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■普天間問題もそうだが、よくもまあ、ここまで クサい サルしばいを つづけられるものだ。

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