プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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自動車依存症社会のゆくえ

■「交通事故死5155人、最悪だった70年の3割程度に(朝日)」「21世紀は自動車の時代がおわる過渡期」「道路交通需要の動態と政界=「ムダ」とはなにか41」「交通量のコンピュータ・シミュレーションは、なぜ機能しない?=「ムダ」とはなにか28」「自転車と安全 歩道歩行は一方通行に(津田美知子)=自転車の「とおりみち」10」「『モモ』(ミヒャエル・エンデ)に でてくる「灰色の男たち」=「ムダ」とはなにか40」「優先順位/存在証明/自己実現/自己満足1」などの関連記事。

■1年ほどまえに かかれた 自動車マニアによる“自動車社会(モータリゼーション)の欺瞞性”という、痛烈な文明批判の抜粋をおこなう。


”自動車社会(モータリゼーション)の欺瞞性(1)”
2008年5月14日 10:59

 環境破壊という名の博物館においては、自動車は最も目立つ場所に展示されている悪名高い機械のひとつである。
 つまり、モータリゼーション、そう、自動車社会とは、未来の歴史家が評すれば、ここ100年間における人類の負の遺産と言える。
……


★いち早く自動車社会を構築したアメリカ
 アメリカ人達は、自分達の住む場所が広かった為なのか、輸送システムの発達に大きな力を注いだ結果、アメリカのGNPの20%が輸送費に占められるようになった。そして、その輸送に占める費用の内の80%が自動車とトラックに関連したものになっている。そして、これはアメリカ経済が消費する全エネルギーの25%以上にも及んでいるようだ。しかし、この費用には、輸送機器の製造費と維持費は含んでいない為、それらも含めると、輸送産業は全エネルギーの40%以上を消費しているとも言われている。
 しかし、一般の人達のイメージに反し、このアメリカの輸送システムは、年々効率が悪くなっているという。簡単に言うと、A地点からB地点に人やモノを運ぶことにおいて、だんだんと多くのエネルギーが必要になっている訳だ。
 アメリカでは、ここ100年の間に、輸送システムを鉄道から自動車、トラック、そして航空機へと大幅に転換させ、その中でも人や貨物の輸送の大半は自動車とトラックが占めている。しかし、自動車やトラックは鉄道などの大量輸送システよりも効率が非常に悪く、1人の人間を自動車で運ぶには、大量輸送システムの約2倍ものエネルギーが必要となる。また、貨物輸送に至ってはもっとひどくなり、トラックは鉄道に対して約4倍ものエネルギーが必要となる。
 こうして、アメリカでは輸送システムにおけるエネルギー需要が高まるにつれ、輸送産業は少数の大企業に集中されるようになった。フォード、GM、クライスラーという、かの有名なビッグスリーである。なぜならば、高まったエネルギー消費における費用増を吸収できるのは、こうした大企業だけとなったからなのだが、エネルギー危機が近づくにつれ、こうした大企業も生産を縮小し、小型車への生産に移行せざるをえなくなってきた。「ミニカーが生む利益はミニでしかない」とヘンリー・フォードが言っていたにも関わらず…。





 話を個人のドライバーに移してみよう。アメリカの自動車メーカーは、自分達の販売する自動車を売る為に、あらゆる手を尽くした。
 しかし、アメリカ人達がこの自動車産業の“くちぐるま”に乗せられたツケは大きかった。その第1のツケは、費用と時間である。皮肉なことに、自動車とは、A地点からB地点に行く時間を縮小させてくれるものだと信じられているが、事実は逆で、アメリカ人達は、自動車が普及するにつれて、職場からより遠い郊外に自宅を構えるようになった。アメリカでは、50年ほど前であれば、多くの人が自宅から仕事場まで歩いて帰れる距離に住んでいたが、現在では職場まで40~50キロも離れた場所に住み、通勤に片道30分から1時間30分もかけることが普通になっている。しかし、これでは職住が接近し、歩くかトロリーバスで通勤していた50年前と時間的にはなんら変わりがないと言える。
 更にアメリカ人達は費用の面でも、自動車の購入費の他に、保険代、ガソリン代、維持費、駐車料金、高速道路通行料金、交通違反の罰金、州税と連邦税を支払い、払い終えるまでに食費より多くの金を使うハメになった。
 しかし、もっとひどいのは、自動車がもたらした死と破壊だ。アメリカの国家安全保障会議の計算では、過去200年間にアメリカが体験した全ての戦争で死んだ人よりも、自動車事故で死んだ人の方が多いという。また、交通事故によって惹き起こされた健康と財産の損失は、金額的には暴力を含めた全ての犯罪の10倍に及んでいるという。
 さらに言えば、1907年に初めてセメント舗装道路が建設されてから、自動車時代の到来と共に、アメリカでは道路の建設が突き進み、この道路建設は、世界の歴史上最も金がかかる公共事業になった。そして、アメリカでは毎年10万人以上の人が新しい高速道路建設の為に移住させられているという。
 こうした道路建設による人間の生活環境破壊により、自分達の住んでいる地域が根こそぎ破壊されていく様を目のあたりにした時の異常な喪失感や混乱状態は、心理学者の分析によると、戦時中の爆撃攻撃による破壊の後に起こる感情と同じものであるらしく、その結果、犯罪、失業、精神病などの発生も高まっているという。
 また、自動車がもちらす問題に、公害の発生も挙げられる。自動車が吐き出す排気ガスは、大気汚染の60%にも上ると言われているからだ。また、ガソリンを1リットル燃やすと、約2.6キログラムの二酸化炭素が排出され、自動車の排気ガスは、大気中に放出される二酸化炭素の30%以上、亜酸化窒素の45%を占め、地球温暖化の最大の元凶になっている。

 こうして考えると、自動車社会など何1ついいことがないと言える先進例をアメリカが示していると言うのに、昭和20年にアメリカに解体され、その後支配された日本人は、アメリカ文化に憧れ、アメリカのカルチャーの1つであるモータリゼーションの輸入に血眼となり、このカルチャーにすっかり毒されてしまった。もちろん私もその内の1人だったのだが、現在では私を含めて多くの人達が、自動車社会を受け入れたことで発生したツケの支払いに苦しむにつれ、自動車社会の欺瞞性に気付きつつある。





“自動車社会(モータリゼーション)の欺瞞性(2)”
2008年5月15日 12:01

★日本
 モータリゼーションの提灯持ちと言える、自動車ジャーナリストなどの文章を読むと、アメリカ人の自動車に対する思い入れは、自由を最も尊ぶフロンティアスピリッツがベースにあるといった表現を使うことが多い。そして、こうしたアメリカ人達のフロンティアスピリッツを見習い、我々日本人にも、自由の象徴たる自動車に乗って、好きな時間に好きな場所にでかけようとけしかけてくる。

……
 自動車を所有する日本人は、平均すると年間2500キロ自動車を走らせている。また、これに対して、自動車を所有する日本人は大体年間で50~100万円の自動車の維持費を支払っている。これは、1ヶ月に4~8万円の出費である。

 仮に、時給2000円で働いている人が、毎月6万円自動車の維持費を支払っていたとして、自動車を所有するのをやめれば、月に30時間は働かなくて良いと言える。そして、月に30時間の時間的猶予が生まれれば、自動車の代わりに全ての用事を自転車や徒歩で補っても生きていけそうだが、こうした単純計算はあまり意味がなく、「6万円はいりませんから30時間労働時間を削減してください」と言っても、正規雇用の社員にはそうした雇用形態は許されないという社会になっているのが実情であり、月に決められた時間働く必要に迫られた人達は、残りのプライベートタイムで素早く移動できる方法として、マイカーの所有を考えてしまう。

 また、これとは別に、自動車を所有することで、物欲を満たしたいとか、社会的なステータスを誇示したいという欲求も別に働いていることも多い。しかし、自分の欲やステータスの為に汗水流して働くと言うのも、ご苦労なことだと言える。また、休日の繁華街という、平均速度がより一層低くなる場所でフェラーリやポルシェを走らせる人達は、ストレートに自分のステータスを誇示していると言えるが、しかるべき場所に住み、しかるべき自動車に乗ることで、「大丈夫、自分はしかるべきグループに所属している」と自己確認する行為のことは、専門的には“金銭的儀礼”と呼ばれている。もちろんこの金銭的儀礼を抱く心理の根底には、自尊心や虚栄心という名の利己主義が居座っている訳だが、この利己主義が横行すればする程、自動車にはトランスポーターとしては無意味な付加価値が追加されていくことになる。そして、その中で最もバカげている付加価値が、“ブランド”である。

 先日、私はNHKの番組にて、家計の節約について助言するという内容の番組を見たのだが、最初に庶民に街頭インタビューしてみると、食費、洋服代、嗜好品など、人によって家計の節約方法はバラバラだった。しかし、専門家が真っ先にアドバイスしたのは、「クルマの買い替えを控える」というものだった。さすがにトヨタの息がかかった民放では絶対に出来ないアドバイスだと私は感心したが、自動車の買い替えを控えるだけで、年間数十万円単位での節約が出来るので、チマチマとした経費削減よりも、自動車の維持費に真っ先に目を向けた方が、大きな家計の節約が期待できると専門家は言いたいようだった。

……すでに上位20%の所得層以外の、実質的に生活が苦しくなっている80%の所得層の人達は、クルマなどに贅沢出来ない状況になってきている。また、年収が200万円以下の低所得者層の人達は、クルマを所有していては生活が出来ないというレベルに達してしまい、この層の新車の購入率は大きく引き下がってきているようだ。

 また、私が若い頃であれば、18歳を過ぎれば自動車免許を取得するのは当たり前と言った風潮があったが、現在の若者は自動車離れが顕著になっていると言う。理由は様々だと思うが、Yahoo!知恵袋での回答では、↓みたいな理由があげられていた。


●都市における電車の充実
●派遣など若者の低賃金化
●娯楽の多様化
●携帯社会
●自動車保険の確立(注:かけ率のことではないかと思われる)
●CO2問題
●アンチセレブ

他にも多くの要因が考えられますが
人類の歴史では「車社会」なんて
ほんの一瞬です。
自然回帰のはしりだと
喜ばしい事じゃないですか。
……




”自動車社会(モータリゼーション)の欺瞞性(3)”
2008年5月16日 11:42

★殺人
 自動車社会の最も暗い側面を直視してみよう。それは交通事故死である。

 我が国の平成18年度の交通事故死者数は6,352人である。しかし、年度別の表を見ると、負傷者数は右肩上がりで増えているが、死者数は平成5年頃から激減しているが、これは自動車のシートベルトの着用率の上昇に伴って下がっているのが要因のようで、実際、東京都での交通事故の死者の中で、自動車に乗っていた人の割合は11.5%で、交通事故で死ぬ人は、自動車に乗っていない、歩行者、自転車、バイクの人達が大半を占めている。従って、シートベルトを着用するようになって死亡者数が減っても、体がむき出しの人達の死亡率は下がることはなく、今後も体がむき出しの人達を沢山殺していくのが、自動車社会だと言える。

 ところで、私は免許の更新の際に、講習で見せられる“お決まりの”ビデオを見た時に思ったことなのだが、そのビデオでは、飲酒運転してひき逃げした人のその後の人生をドラマ仕立てにしていて、ひき逃げした人は、普段は家族思いのイイ人なのに、飲んでる時に仕事の電話がかかってきて、仕方なく運転したら子供2人をハネてしまい、男の子は死亡、女の子はクルマ椅子状態になってしまい、ひき逃げしたことを悔いた後、その人は自首するのだが、懲役5年で刑務所に入ってしまい、民事の裁判では賠償金が1億円以上になったので、ひき逃げした人の奥さんが持ち家とかを全部処分して、ボロアパートに子供2人連れて引っ越して朝から晩まで働くのだが、被害者の家族に対して土下座とかして謝っても、「息子を返せ」とか「娘の体を元に戻せ」とか、中学生のイジメレベルのお決まりの理不尽なことを要求されて、その内に自分の娘が登校拒否になって、息子は髪染めて(笑)グレちゃって、最後は「もう私は疲れました」と言って電車に飛び込んでしまう。

 このドラマを見て思ったのは、つくづく日本人の美意識とは、“命を断つことで罪を償う”のが美徳みたいな、武士道の精神を引きずった感じの、そうしたステレオタイプ調で、警察の知能指数のレベルが低すぎと思った。
 このビデオを制作した人達は、日本人の考える美徳を表現して注意を喚起したかったのかもしれないが、このビデオを見ると、まるで交通事故を起こして人を殺したら、電車に飛び込んで罪を償わなければいけないと強要している感じがしたが、このビデオに影響を受けて、実際に電車に飛び込む人がいたら、電車を利用している人は非常に迷惑だし、また、元々の交通事故の被害者の遺族達も、加害者の家族という、直接罪がない人に対して理不尽なことを言って自殺に追いこんだら、それはそれで心理的外傷を受けるのではないかと言う、なんとも後味の悪い嫌悪感を抱いた。

 私が思うに、なぜ、警察や政府は、交通事故が起きた際に、加害者にだけ一方的に罪を負わせることしか考えないのだろうか? なぜ、自動車社会がもたらす潜在的な悪の側面を裁こうとしないのだろうか? 仮に上記のような飲酒運転による死亡事故が発生した場合には、飲酒を検知して運転が出来なくなるような自動車を設計しなかった、自動車メーカーも裁かれるべきだと私は思う。(飲酒したドライバーが乗ってもクルマは動かないというシステムは、技術的にはすでに可能と言われている)
 また、速度超過の違反に関しても、新しいスカイラインのGTRなどは、カーナビを使って、全国各地のサーキットに入った時しかリミッターがカットされないよう設計されているらしいが、それだけの技術があるのであれば、全ての道路で制限速度のリミッターを設ければ良いのであり、制限速度を超過して起きた際の自動車事故には、運転手だけでなく、自動車メーカーも罰則や罰金を負わせるべきだと私は思う。実際、交通事故の民事訴訟で、例えば誰かが死んで損害賠償が1億円超といった金額になった場合、ただの個人が一生汗水流して働いて支払っていくよりも、数兆円の純利益をあげている自動車メーカーがポンと支払った方が話も非常に早いと思うのだが、自動車メーカーが自分から手を上げてそんな主張をすることはないのだから、政策立案者達がこうした意見を提唱するべきだと思うが、残念ながら、政治家は自動車メーカーからの企業献金により、絶対にそんなことはクチにしないだろう。

 えっ? 何々? メーカーが交通事故の責任を取るなんて、非現実的なアイデアだって? なるほど。では、“損して得とれ”の話をしてみよう。仮に、飲酒運転や速度超過の交通事故に対して、運転手だけでなく、メーカーも裁かれるという法律を作ったとしよう。もちろん、技術開発の為に、突然いきなりというよりかは、年々過失割合を高めていくのがいいだろう。そして、その間日本の自動車メーカーは、飲酒を感知するとか、衛星を使って速度を管理する技術を高め、損害賠償を避ける為の自動車を設計するようになったとして、そうした技術の探究を怠った外国の自動車メーカーは、日本で自動車を販売してドライバーが勝手に事故を起こすと、高額な損害賠償を請求されるハメになり、日本向けの技術を開発するか、日本市場から撤退するかの選択を迫られるようになる。そして、仮に市場から撤退すれば、むしろ国内メーカーにとって日本の市場は寡占状態になる訳である。(悪知恵を働かせれば、年々過失割合を高めるというソフトランディングは行わず、極秘裏に日本のメーカーだけが技術を確立しておいて、その後にインサイド的に政治家と結託して法案の可決を一気に決めて海外メーカーに打撃を与えるという手法もある)
 そして、日本のメーカーは、海外に対しては、日本の法律に合わせた装置はオプション設定にすれば良いので、こうした安全装置が欲しい層と、いらない層の両方の顧客を捕まえることが出来、結果的に売上を伸ばすことも出来る。あるいは、日本の法制度に感銘を受けた国が現われれば、そこの国に対する自動車輸出も寡占状態に出来る可能性すらある。つまり、技術力を武器にしてグローバル競争を勝ち抜く道が開けるのである。これが、“損して得とれ”戦略であり、交通事故や死者が減ることで、国民の命、つまり労働力が減るという国益に反する現象を削減することも出来、被害者数は激減すると思われるし、加害者も、普段はイイ人で国益的な労働力も提供していたという人が、交通事故を起こして突然犯罪者になって刑務所に入ったり財産を奪われて労働力や消費が減退するということもなく、たまに起きた事故の損害賠償は自動車メーカーが自分の利益の中から捻出するので、被害者への経済的援助もスムースになると思われる。

 ……自動車社会を作り出し、それを後押ししているのは、他ならぬ自動車メーカーなのだから、自分達が作ったものでケガ人や死亡者が出たりしているであれば、自動車メーカーは、膨大なCM料金を支払ってメディアを口止めするよりも前に、社会的正義に目を向けて欲しい……が、リコール隠しにいそがしい自動車メーカーに対してこんなことを期待すると、私自身が“おめでたい人”として、これを読む読者から嘲笑の対象にされるだろう。



”自動車社会(モータリゼーション)の欺瞞性(4)”
2008年5月17日 11:20

★自動車に対する愛着
 私は幼少期からクルマが大好きで、実際に16歳で整備士になったりもした訳だが、子供の頃から自動車雑誌などを熟読し、自動車に対して深い愛情を注いできた。しかし、大人になってから、実際に自動車社会に参加すると、自動車社会には非常に暗い側面があることを知り、自動車社会など、実は全く人類の幸福に貢献していないどころか、人類の自滅を後押ししているどうしょうもない機械だということが次第に理解されるようになってきた。

 しかし、多くの人達は、今だに自動車に対して深い愛情を注いでいて、中には、自分の食べるものまで節約して全財産をクルマに投入してしまう人もいたりする。この異常なまでの愛情のベースは何なのか、ここではそれについて考えてみよう。

 大昔の人達は、地域の中で共同体を作り、その中で周りの人達と絆を結ぶことで安全を確保していた。つまり、その土地にしっかりと立っていることが、“安全”の概念だった。
 しかし、フロンティアスピリッツ(開拓精神)を持ったアメリカ人達は、この安定の概念とは別に、今度は“可動性”こそが安全の概念だと考え出した。
 そして、自動車を愛する人達の、“可動性”への愛着は、現在ではアメリカ人や日本人などの区別もなく、ドライバーの共通の考え方になっている。

 ちなみに、自動車を英語で表現すると、“automobile”だが、これは、“automatic”(自動)や“autonomous”(自立)と、“mobile”(可動)の合成語であり、啓蒙主義思想の二つの特徴をそのまま集約している。そして、自動車を運転している人の多くは、時間的、空間的制約を克服する喜びを得ている。
 また、現代社会においては、自動車を所有することは、一種の通過儀礼にもなっている。自動車を所有する人は、自動車を所有することで、自分が独立した個性的な人間だと認識するようになり、可動性を重視した現代社会においては、自動車を所有することが、自由と新しいタイプの安全の所有を意味するようにもなっている。つまり、自動車とは、可動性という価値観を高めた現代社会に入会する為の一種の会員証という訳だ。そして、実際に“会員証”を手にした人は、「今の世の中、クルマくらいは持たないと」と、現代社会に仲間入りした自分を安心させることになる。

 そして、現代人はひとつ場所に凝り固まるよりも、可動性こそが安全だと錯覚するようになってしまったが、しかしその一方で、その弊害として、自動車を運転する人達は、すばしっこく、あちこちに出かけることで、自然のリズムを忘却してしまった。
……

★先進的なデンマーク

●自転車天国のコペンハーゲン
福祉国家デンマークでは収入の半分は税金で徴収され、また自家用車には高額な課税が課せられるため、市民の足は市の無料自転車。至るところに自転車スタンドが配置され乗り捨てが自由にできるようになっています。環境に悪い自動車の通行は大きく制限され、誰も自動車などに興味をもっていません。エコロジー国家先進国では自動車に乗る人はいわば犯罪者のようなものなのです。よって町はカラフルな自転車がいっぱい。労働時間制限の厳しいこの国では夕方になると自転車ラッシュになるのです。
やたらと車のモデルチェンジをして消費を煽る日本などは足元にも及びません。
海外移住情報 デンマーク現地事情編より


 何もかもデンマークは進んでいる。上記のように、デンマーク人は自動車になど興味を持っていないようだ。

 我が国について考えてみよう。我が国は、相変わらず道路が必要だとか必要でないとか、道路利権で国会がもめているといういわば環境問題後進国である。
 普通に考えて、今後、少子高齢化が進むことが分かっているのだから、自動車がなくても生きていける社会を目指すべきであり、歩いて全て買い物出来る街づくりと、街と街との間の移動は、公共交通機関で賄うべく、地方においては収支に影響されない国営のローカル電車を復活させるべきであると私は思う。

……
 私は、日本は自動車社会に終止符を打ち、老人が暮らしやすい社会に早急に政策転換すべきだと思う。そして、その為にも、地方の赤字ローカル線などに損失補てんするべきだと思う。ちなみに、地方民鉄の赤字額はせいぜい150億円程度であり。3兆円規模の道路特定財源に比べれば、ほとんど微々たるものである。また、地下鉄の利用者が増えれば、道路が痛まなくて済むと、道路特定財源の一部はすでに地下鉄整備にも使われているのである。

 今だ民営化が善だと考えている頑迷な方の中には、地方のローカル線を国営で復活させるなど、前時代的で、共産主義っぽいと違和感を感じるかもしれないが、本来鉄道は、公園や公衆トイレと同じで、国民共有のインフラ整備の一種であり、社会資本だと言える。そして、それを民営化したのは、そもそもの間違いなのである。
 私自身、この先歳を取っていく訳だが、地方のローカル線が復活することにより、今後一層増えていく老人が住みやすい街が増え、すでに自動車に若者が乗らなくなっているというのに、まだ自動車社会の存続の為に道路を作るとか作らないとか論議している国会の空転ぶりにはあきれる始末だが、利権を主張する道路族の人達に、そのままスライドして国営の鉄道事業を与えてしまう方が、悪の根絶よりもむしろ人類の延命になるのではないかとまで考えてしまう。

 自動車産業は、我が国の基幹産業になってしまったので、なかなか厳しい理想論を語っていることは重々承知だが、神風特攻隊などに戦時中苦しめられたおかげで、戦後のアメリカは我が国の飛行機産業は徹底的に解体してくれたが、出来れば自動車産業の芽も摘んでおいて頂きたかったとすら言いたい心境だが、……日本の自動車メーカーには、100%の法人税をかけることで、ドバイなどのタックスフリーの国に移転してもらって、輸入車には法外な関税をかけて、我が国も早急にデンマークのような国にしなければ、環境問題も地球温暖化問題も解決しないというくらい、実は人類は切羽詰まったところまで来ているという認識が、政策立案者達には全然足りないようだが、それより以前に、もっと個人レベルにて、アクセルを踏むことイコール、“人類全員『負け組』への道”加速という認識を持ち、自動車社会との決別を大衆レベルの声にしていく必要性があると思われ、元々は自動車が大好きだったという私がこんな訴えをしてみる気になった。

---------------------------------------
■すばらしい。
■しかし、過疎化・高齢化がすすむ地方に公共交通機関が復活する可能性は、絶望的だろう。族議員のためには道路工事費やダム建設費、無意味な武器輸入が数兆円単位でくりかえされるが、教育だの福祉だの、弱者のインフラ整備には、数百億円レベルでも、ケチがまかりとおる社会なのだから。「こえのデカいヤツがかつ」「美しくない国」なのである。
■ただ、「21世紀は自動車の時代がおわる過渡期」でものべたとおり、都市化と技術文明の推移によって、自然と自動車ばなれは すすむだろう。非合理なシステムは、中長期的には存続不能なのであり、早晩自壊作用がはたらくか、新技術にとってかわられるのだから。■ただし、この論者が心配するとおり、人類が自動車依存症候群から解放されるまえに、社会が破綻してしまうおそれがある。それに、交通弱者がふみにじられる人権無視の不公正な社会がつづくのは、倫理上よろしくないことも事実。
■自動車が巨大な「すその業界」をひきいてしまっている、この列島が、自動車依存症候群から、いかに ぬけだすかは、単なる国家間・地域間の経済競争といった次元にとどまらない、文明史的射程に属するのだ。■ともあれ、自動車愛好者だった この論者が ここまで改心した事実は おもたい。“自動車の社会的費用”など、痛烈な文明批判をおこなった宇沢弘文御大のような御仁ではない点が重要。


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●Googleニュース検索「1000円 高速道路
ウィキペディア「自動車」
折口透『自動車の世紀』岩波新書,1997年)
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タグ : 安全 自動車文明 自動車依存症

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コメント

相互リンクのご依頼

サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
vAnCYeoF

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記事、大変面白かったです。
実際、自分は東京にいたときには自動車は対外不必要なことが多くもちろん所持はしていませんでした。

ただ、現在住んでいる場所はなかなか不便とも言えますね~。自転車移動ですが。

地域格差の問題

「経費削減のアイデア」さま

■ありがとうございます。■首都圏・京阪神は便利ですよね。一方、かなり地下鉄網が発達していても、クルマ依存空間である名古屋地域もあります。
■まして、大都市部をはなれると、クルマなしは、つらいことになりますね。

『日経ビジネス』(1.18号)には

オピニオン欄として「直言極言 脱クルマ社会を目指せ」という記事があります。104ページです。
みぎ、おしらせまで。

クルマ社会を問い直す会

皆様


クルマ社会を問い直す会では来たる
2010年4月24日(土) に
「日本にまだ道路は必要か-圏央道・八王子での経験から学ぶ」
と題して、橋本良仁さん(高尾山の自然をまもる市民の会)の
講演会を企画しております。

多数の方のご参加をお待ちいたしております。


会場:北沢区民会館「北沢タウンホール」2F第一集会室
東京都世田谷区北沢2-8-18
[交通]小田急線・京王井の頭線下北沢駅南口徒歩5分

http://kitazawatownhall.jp/


日時:2010年4月24日(土)
15:30~17:30

参加費:無料



クルマ社会を問い直す会
事務局担当世話人・清水真哉

高速道路土日無料化の問題

高速道路 各地で渋滞続く

「NHK」8月8日 15時4分
 お盆をふるさとや行楽地で過ごす人たちの帰省ラッシュで、高速道路は、通行料金の値下げもあって、8日も各地で渋滞が続いています。
 日本道路交通情報センターによりますと、午後2時半現在の各地の高速道路の渋滞は、下りが、▽東名高速道路の愛知県の岡崎インターチェンジ付近で16キロ、▽上信越自動車道の新潟県の上越高田インターチェンジ付近で11キロなどとなっています。また、上りでは、▽中央自動車道の神奈川県と東京の境にある小仏トンネル付近で15キロの渋滞などとなっています。高速道路は、去年はお盆の期間中、平日も原則1000円を上限とする料金の値下げが行われましたが、ことしは土日にかぎって値下げされています。また、地方の一部の高速道路が無料化された影響もあって、各地で渋滞が続いています。高速道路各社によりますと、渋滞は8日夕方から夜にかけて激しくなる見通しで、▽東名高速道路では午後4時ごろから静岡県の富士川サービスエリア付近を先頭に下りで30キロ、▽東北自動車道では午後5時ごろをピークに福島県の福島トンネル付近を先頭に下りで30キロなどと予測されています。

-------------------------------------------------
■渋滞というのは、交通工学によって 散々試算・モデル化がつみかさねられているようだ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%8B%E6%BB%9Ehttp://d.hatena.ne.jp/genki8624/20100609/1276084990http://docs.google.com/viewer?a=v&q=cache:LW-b01gyVGIJ:www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1271-20.pdf+%E4%BA%A4%E9%80%9A%E6%B8%8B%E6%BB%9E%E3%80%80%E3%83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%80%80%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3&hl=ja&gl=jp&pid=bl&srcid=ADGEESjShDifgPsgK26yNwa-ho852CiMx6jOUkYNAXOOsiIExfbQBwMn_U_R28Sr-VG21x8CQB3-_4uHuwpVsgO2YthSRYVHlfZ2_OR2NlbdrDK6j0FW6wxwrFdW83yw3GEdkaPQ5Rlk&sig=AHIEtbSRWhbmgChHZMe5gc08RmLaB7-s4w)。■アタマの いいひとたちに、道路交通上の ムリ・ムダ・ムラを 徹底的に あらいだし、対策をたててもらろう。それは、脱自動車社会への みちのりと、別に矛盾しない。

■しかしだ。8月の中旬ちかくの土日に、平日とちがって、高速道路の料金がわりやすになる。という制度で、これを「バカげた制度だ」と、全然とりあわない層が、どのぐらいいるだろう。新幹線が「エコ」かどうかは、おくとして、高速道路を疾走して長距離移動したいという動機をかきたてないはずがなかろう。■つまり、渋滞等のシミュレーションには、長期休暇のとりやすさだの、競合する交通機関の費用対効果だの、社会心理学的・交通経済学的な要素を加味しないといけないはずだ。
■つまり、8月上旬後半という時期に、「土日サービス」を実施するという政府当局の判断とは、「多少の渋滞は、しかたがない」という論理の帰結というほかない。■こういった、ある意味愚劣な構図を回避できる層は、いいんだが、それに のるほかない層は、さまざまな悲喜劇を展開していることだろう。

高速道路完全無料化のばあい

高速無料化1カ月で渋滞が劇的に減少した
2010年08月08日10時00分 / ゲンダイネット
 もうすぐ、お盆休み。マイカーでの帰省や旅行を計画している人も多いだろうが、行楽気分に水を差すのが、大マスコミの報道だ。高速道路の無料化実験の影響で「例年渋滞が起きない区間も混雑する見込み」(読売)、「大渋滞の夏になりそう」(朝日)と、大渋滞の元凶のように書き立てている。
 大マスコミの民主党嫌いは相変わらずというか、これらの報道もマユツバだ。無料化実験を受けて公表された国交省のデータを見ると、百八十度違った結果が浮かぶ。
「先月の海の日3連休の実験50区間の交通量は、実験前の休日と比べて、2倍に増加しました。しかし、道路別の渋滞状況を見ると、連休中日に舞鶴若狭自動車道で発生した最大24.2キロの渋滞が目立つ程度。10キロ以上の渋滞が確認されたのも、たった3区間だけでした」(国交省関係者)
 無料化で交通量が増えても高速渋滞に与える影響は限定的だ。しかも、マスコミは並行して走る一般道の渋滞緩和については、ほとんど触れようとしない。
 開始1週間後のデータによると、実験区間に並行する主要一般道の交通量は、平日・休日とも約2割減少。高速道路のバイパス化が進み、一般道で常態化していた渋滞が、完全に解消されたケースもあった。
「京都丹波道路と並行して国道9号が走る京都亀岡市内では、実験前の夕方には最大1.3キロの渋滞が発生していました。高速の無料化後には、平均速度30キロ以下のノロノロ運転区間が半減。すっかり渋滞は消えたのです。大分市内では、最大約5キロの渋滞が解消されたケースも報告されています。この傾向は、無料化1カ月後の今も続いています」(国交省関係者)
 県内2路線が無料化となった山梨県の横内正明知事は「かなり大きな渋滞緩和効果があった」と喜びの声を上げ、実験終了後も国に継続するよう要請していく方針だ。
 こうした効果についても、無料化反対の大マスコミは口を閉ざしているが、前原国交相は惑わされることなく、無料化方針を貫くべきだ。国民は、無料化の恩恵に気付き始めている。
(日刊ゲンダイ2010年8月5日掲載)

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■掲示板等で、しばしば、ヤリだまにあげられている『日刊ゲンダイ』だが、この記事の論理も一方的。
■はっきりいって、高速道を無料化したときに、並行する一般道の混雑がやわらぐのは、当然じゃないか?
■高速道路拡充の資金を受益者負担にのっけていいのか、高速道路の維持・管理コストを受益者負担を当然視して独立採算的なシステムをめざすのか、いっそ公共財として共有のインフラ(高速道を自分で利用しなくても、商品の輸送では依存している層が大半)とみなして完全無料にするのか…などなど、並行する一般道の混雑緩和などは、優先順位のひくい話題だとおもうが…。

車社会への疑問

車社会を脱却したら、牛、馬、人による輸送にもどれとというのだろうか。少年時代はそうだった。
今、現場で起こっていることは、道具、資材を車で運ばなくてはなんともしがたいところまできている。大きいし重いし、多い。おろすだけで汗だくである。しかも昨夜深夜に出て数百キロを走り、早朝8時に現場に入る。

「自動車愛好者」の転向とは、所詮、用もないのに高速道路を走りたかがっていた人ではないでしょうか。その彼が、重たい大量の資材と道具を人力で運ぶ覚悟あるのなら別だが、そんなことは無理であるし、本人はそこまでの想像力もない。宅配便がなくなったら、遠くの駅まで荷物を取りに行かなくなくてはならないわずらわしさに悲鳴を上げるだろう。昔、鉄道では「チッキ」といって、遠くの拠点駅までしか荷物を届けなかった。あとは自分でとりいった。
サンデードライバーや駅の送迎、自転車でもいけるのに車を使う、回覧板をまわすのにも車などは淘汰しよう。一方、環境論では、いくら車をやめても飛行機はふんだんに使いますし、そのことには視点は欠落。空港の多くが「ムダ」だったということをみのがされてはならない。

文明論をいう「かつての愛好家」には現実の肉体の声を聞く必要があるのではないか。さもないとラッダイド運動もどきの話になってしまうのではないか。私は、少なくとも業務用の車は必要と思います。

成田空港は使わない、高速道道路は使わないといったのは小田実だったか。私もつかいません。

以前かいた文章です

bananaさま

http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-576.html

■原油がねさがりすることがありえない以上、長距離トラックもへっていき、貨物列車と貨物船によるコンテナ輸送と、トラック輸送のくみあわせがふえるだろうし、市街地をはしっているクルマの大半は、営業・コンビニ商品の補充便・各種宅配へと移行していくだろう。ひとびとが、自家用車でスーパーにかいものにいくとった生活様式はすたれ、おおくの消費財は宅配されるといったかたちで。

高速道路完全無料化のばあい2

交通量は平均1・87倍 高速無料化1カ月

 国土交通省は11日、高速道路無料化の社会実験開始後1カ月の状況をまとめた。交通量は平均して1・87倍と増えたが、無料化区間の周辺の物流業者にヒアリングした結果、36%が現段階で物流コストが減少したとする半面、56%が「変化なし」と回答するなど、無料化の効果を評価するには時間がかかりそうだ。

 6月28日から7月25日までの31都道府県の無料化50区間の平均交通量は、平日、休日とも実験前の1・87倍。増加率は平日は東北中央道山形上山―山形中央(山形県)の4・52倍、休日は東九州道西都―宮崎西(宮崎県)の4・27倍が最も大きかった。交通量が3倍を超えたのは平日は10、休日は9の区間。

 ヒアリングは無料化区間のインターチェンジから50キロ圏内にある282カ所の物流関連事業所を対象に7月に実施。物流コストが減った理由で「(荷物が)早く運べ残業時間が減り、人件費が削減できた」などがあった。実験が終わる来年3月末までの物流コストの見通しには、41%が「コスト減」と答えた。

 無料化区間から30キロ圏内の177の観光施設を実験開始後1週間に訪れた客は、平日は約10%増え、休日は雨が多く約14%減少。

2010/08/11 22:33 【共同通信】




高速無料化1カ月 交通量が倍増、渋滞発生も
8月11日20時35分配信 産経新聞
 国土交通省は11日、6月28日にスタートした高速道路無料化実験1カ月の利用状況を発表した。対象の37路線50区間の1日の平均交通量は、実験前に比べ平日、休日ともに1.87倍となり、ほぼ倍増した。渋滞は、平日が1日に平均3区間で、休日は10区間で発生した。一方、並行する主要一般道路は、交通量が平均で約2割減少し、時速10キロ以下となる渋滞時間も6割減った。

 50区間の1日平均交通量は平日が1万6800台、休日は2万400台。

 平日の区間別で最も交通量が増えたのは、東北中央自動車道の「山形上山~山形中央」で、実験前に比べて4.52倍になった。増加量が最も少なかったのは、青森自動車道の「青森中央~青森ジャンクション」で、7%増にとどまった。

 無料化区間は、地方が中心でこれまで渋滞はほとんど見られなかったが、実験開始後は「主に一般道との合流部で渋滞が発生している」(国交省)という。これに対し、並行する一般道では、渋滞時間が無料化前の平均約6時間から約2時間半に短くなった。

 物流への影響では、港湾や空港の最寄りインターチェンジで大型車の交通量が約1.7倍に増加。周辺の物流業者への調査でも、高速道路の利用回数が増えた業者が40%を占め、減ったのは1%だった。

 観光への影響では、一般道に面した施設では客数などの減少傾向も見られ、国交省では「注意深くデータの収集と分析することが必要」としている。



<高速道無料化>鉄道利用者14%減 高速バスも22%減
8月11日21時11分配信 毎日新聞
 6月に全国37路線50区間でスタートした高速道路の無料化社会実験について、国土交通省は11日、他の公共交通機関や観光、物流への影響を検証したデータを初めて公表した。対象区間と並行する鉄道路線(特急)では、実験開始後1週間での利用者が最大で14%減少。また高速バスでも最大22%減少した。

 公共交通機関は、6月28日から7月4日までの実験開始後1週間の旅客実績を、国交省が平日と休日に分けて比べた。最も減ったのは北海道のJR函館線、滝川-旭川(休日)など3区間で前年同時期と比べ14%減、京都府の北近畿タンゴ鉄道の福知山-宮津(休日)が同10%減だった。調査した28地点中24地点で実験前より利用者が減少した。

 高速バスも岡山道の岡山総社-賀陽(平日)で22%減など、34地点中19地点で実験前を下回った。

 対象区間に近い全国177カ所の観光施設で利用者数を調べたところ、実験開始直後の平日(6月28日~7月2日)では前年同時期比10%増。休日(7月3~4日)は14%減ったが、3連休の7月17~19日は9%増えた。

 一方、実験前はほとんどなかった渋滞が急増。西九州道(武雄ジャンクション-佐世保中央・佐賀、長崎)などでは、開始から4週間で25日以上渋滞した。

 無料化区間に近い物流施設282カ所への聞き取り調査では、40%が高速道路の利用が増えたと回答。コスト削減効果を感じた業者は36%にとどまり、「良くも悪くもない」との回答が48%に達した。

 公共交通機関の利用者数などについて国交省は、今後も調査を続け、高速無料化の影響を慎重に判断する方針。【寺田剛】

■並行する公共交通機関への主な影響地点

▽鉄道(特急)

函館線 滝川-旭川(休日・北海道)14%減

宗谷線 旭川-名寄(休日・北海道)14%減

日豊線 南延岡-宮崎(休日・宮崎)14%減

日豊線 大分-幸崎(休日・大分)13%減

佐世保線 肥前山口-佐世保(休日・佐賀、長崎)11%減

▽高速バス

舞鶴若狭道 舞鶴東-大飯高浜(休日・京都福井)22%減

岡山道 岡山総社-賀陽(平日・岡山)22%減

秋田外環状道路 秋田北-昭和男鹿半島(休日・秋田)19%減

道央道 深川-旭川鷹栖(休日・北海道)18%減

日高道 苫小牧東-沼ノ端西(平日・北海道)18%減

※6月28日から7月4日までの1週間と、鉄道は前年同時期、高速バスは実験直前の1週間の利用者数を、平日と休日に分けて比較。

【関連記事】
民主大敗:高速道の新料金、めど立たず(http://mainichi.jp/select/biz/news/20100713k0000m020114000c.html?inb=yt
高速道路:「土日上限1000円」で過去最大の渋滞を予想(http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100807k0000e040044000c.html?inb=yt
高速無料化実験:交通量1.6倍に 全区間平均 (http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/06/28/20100629k0000m020072000c.html?inb=yt
高速無料化実験:通行量1.5倍に 神奈川・西湘バイパス (http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/06/28/20100628k0000e040035000c.html?inb=yt
高速無料化:28日午前0時 37路線50区間で実験開始(http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/06/27/20100628k0000m040038000c.html?inb=yt
最終更新:8月12日0時10分

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●即断は さけるべきだろう。「いまだけかもしれない」という、一時的な「かけこみ需要」の部分が絶対にはいっているとおもう。●その一方で、輸送業のなかで お得感がないのは、夜行で 一般道をはしるといった戦術では たちいかない層が かなりあるとか、高速道が こむことで、輸送力が おちたりするケースが すくなからずあるからとおもわれる。
●もちろん、受益者負担原則を かなぐりすてて、完全に 万人に共有されるインフラとみなすのか、これ以上公共交通機関を衰微させて、北米化するのを当然視するのかとか、これらは所得の再分配とか、年金・医療保険問題などと同質の、分配の正義という観点からの根源的な再検討が必要だろう。いまこそ、宇沢弘文『自動車の社会的費用』(岩波新書,1974)で展開された論点を再読・玩味する時期では?…

wikipedia

2009年度は約289億円の黒字を確保した。大阪市営地下鉄は、2005年度に44年ぶりに実質的な黒字決算となって以来、毎年黒字経営が続いており、累積欠損金も残り約52億円となった。この収支改善の要因としては、市政改革に伴う経費削減効果が大きい(日本全国の地下鉄の経営状況は「日本の地下鉄」の項目を参照のこと)。
大阪市営地下鉄においては、長らく「御堂筋線の黒字で他路線の赤字を補う」という決して健全とは言えない収支状況が続いていた。近年では、御堂筋線以外にも谷町線が黒字に転じてきていたものの、この2路線以外は赤字運行が続いていた。しかしながら、2007年度決算においては、この2路線以外でも収支改善が順調に進んでおり、四つ橋線、今里筋線は赤字幅が拡大したものの、それ以外の路線については赤字幅が縮小、中央線に至っては黒字転換を果たした。中央線の黒字転換については、近鉄けいはんな線との相互直通運転が軌道に乗ったこと、臨海部の土地売却が進展したことなどが挙げられている[5]。また2008年度には僅かながらではあるが、堺筋線も黒字に転じている。



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E5.9C.B0.E4.B8.8B.E9.89.84.E3.81.AE.E7.B5.8C.E5.96.B6.E7.8A.B6.E6.B3.81




大阪市営地下鉄、通学定期を2割値下げへ
 大阪市交通局は10日、市営地下鉄を利用する通学定期券を、来春にも一律約20%値下げする方針を明らかにした。黒字経営が続いている地下鉄事業は、今年度末で累積赤字の解消が見込まれ、利用者に収益を還元するという。近く国土交通省に申請する。

 通学定期券は約18万人が利用。最も利用が多い「7~13キロ」の通学定期券(1か月)は、現行の5840円から4670円になる。

(2010年9月11日 読売新聞)



大阪市営地下鉄:通学定期の割引率、平均71%へ /大阪

 大阪市は、市営地下鉄の通学定期料金の割引率を大幅に上げ、平均で71%とすることを決めた。10日発表した市によると、相互乗り入れする私鉄の料金システムが整えば、来春にも導入したい考え。実現すれば全国に九つある公営地下鉄で、最大の割引率となる。

 市営地下鉄事業は、02年度に2933億円あった累積欠損が今年度末で解消される見通し。利益還元の一環で子育て世帯を応援しようと、通学定期の割引率向上を決めた。

 3区間の1カ月定期ならば、現行の5840円(割引率64%)から、4670円(同71・2%)に値下げされる。利用者は1日約18万人で、減収見込みは9億円程度。公営地下鉄の平均割引率は68%以下で、市が全国最大となる。【平川哲也】

 ◇定期の割引率
 切符で毎日往復した運賃総額と定期料金の差額を、運賃総額で割った値。市営地下鉄では、1区間(200円)を30日間往復すると12000円かかるが、現行の通学定期は4560円。この場合は62%が割引率になる。

毎日新聞 2010年9月11日 地方版

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