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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム50

■生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム49のつづき。■今回も、原田和明さんの「毒餃子事件報道を検証する」を転載(リンク・改行等、かってに追加も、いつもどおり)。

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世界の環境ホットニュース[GEN] 709号 09年04月25日
         
毒餃子事件報道を検証する【第48回】     
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毒餃子事件報道を検証する 原田 和明

第48回 「食品テロ事件」と考えていた中国公安省

 一連の毒餃子事件は、東アジア共同体構想を流産させようとの目論みで仕掛けられた食品テロ事件ではないかと、これまで推理してきましたが、事件が発覚した当初から中国公安省は「食品テロ事件」との可能性を示していました。

 2008年2月28日に開かれた中国公安省の記者会見(北京)で、次のやりとりがあります。(以下、産経・福島香織記者ブログ 2008年2月28日付より引用)

 新華社:何者かが中国やその他国家でメタミドホスを購入して日本に持ち込んで混入した、そういう可能性はないのでしょうか?

 余新民(公安省刑事探偵局副局長):経済のグローバル化、貿易の自由化、各国の現代社会の開放ぶりのもと、いかなる国家、地域も、自己管理範囲内に違法禁止品がないと保障することはできません。違法禁止品は別の国家や地域から流入することもあるのです。

 魏伝忠(国家 品質監督検査検疫 総局副局長):古今東西、あらゆる組織において、計画的犯罪とは、直接的に明らかにされるものではなく、相当な隠蔽性を備えているものです。いかなる犯罪の可能性もすべてあり、今回のギョーザ事件も、他国・地域から違法購入した農薬が日本に持ち込まれた可能性だってあるのです。
(引用終わり)

 この新華社の質問は最初から予定されていたと思われますが、中国公安省は当初より食品テロの可能性を考えていたことがわかります。そして実はこの点が「日本国内で毒物が混入した可能性は低い」という警察庁の結論に対する最大の反論になっています。・・

 新華社は上記の質問の前に、もうひとつ、「日本国内で毒物が混入した可能性は低いという日本側の結論にどう論評するか?」と質問しています。

 余:私は専門家を引き連れて日本にいき、日本の警察とも意見、情報交換し、共同でこの農薬混入地点がいったいどこであるのか分析しました。日本警察側は彼らの調査結論を出してきて、日本国内での意図的な農薬混入の可能性は非常に低い、ほとんどありえない、と言いました。日本警察側の結論の根拠は、

(1)包装が完璧で、破損しておらず、袋は開けられていないのに、ギョーザ袋の内側からメタミドホスが検出された、ということです。彼らの調べでは、メタミドホスは袋の外から内に浸透することはない、ということでした。
(2)日本警察側の第二の根拠は、日本国内にはメタミドホスはなく、日本がサンプルとして取りあげたものは、実験室用の純メタミドホスで、不純物がないものでした。かれらは毒ギョーザとその袋から検出されたメタミドホスには不純物が含まれるといっています。
(3)第三の根拠は、三件の中毒事件のうち、2件は千葉、1件は兵庫で、発生地点が700キロも離れており、この2つの貨物の輸送ルートは 日本国内では接点がない、というものです。

 日本のこの結論について、われわれは次のように意見しました。その結論は時期尚早である、と。まず、もっと深く捜査しなければならない。第2に、検査をより科学的、客観的にさらにすすめないといけない。第3に、この問題についてより、交流を深めないといけない。しかし、非常に遺憾なことに、日本の警察はメディアにこの結論を発表してしまいました。
(引用終わり)

 こうして、改めて 警察庁がいう根拠を 聞いてみると、こんな粗雑な議論しかされていなかったのかと愕然とします。次のような反論は容易に思いつきます。

(1)は、大阪枚方市のスーパーから回収された餃子のことを言っているが、この店で販売された餃子からは中毒事件は発生していない。製造段階で毒物が混入したにしては被害が限定的すぎないか? 中毒が発生した兵庫の事件では袋に「小さな穴」が見つかっている。
(2)は、犯人が中国または第三国で毒物を購入して日本に持ち込む可能性をまったく考慮にいれていない。
(3)貨物の輸送ルートはなくても、犯人は移動できる。


 このように、警察庁の結論には 根拠が希薄すぎます。さらに、大阪 枚方市のスーパーから回収された餃子袋は回収された数量が新聞ごとにバラバラで、このときの分析結果は信用できない(第8回、GEN 669)ですし、兵庫の事件では毒物は メタミドホスではなく、パーマ液と推定されます(第10回、GEN 671)ので、工場で混入した可能性は一層弱まるのです。

 これに対し、中国側は「結論は時期尚早だ」と言いつつ、2つの反論をしています。ひとつは冒頭の「何者かが毒物を日本に持ち込んだ可能性」であり、根拠(2) の強力な反論になっています。もうひとつは、密封容器の外側からメタミドホスが浸透可能であるという、(1) に対する反論です。中国公安省は、兵庫の事件で発見された餃子袋の「小さな穴」の存在を指摘して、「食品テロの可能性」を主張すればよかったのではないかと思われますが、そうはしませんでした。日本の警察がとりあげようとしない「小さな穴」には敢えて言及せず、62袋の密封容器を使った浸透実験で87%の袋の内側からメタミドホスが検出されたとの独自の実験結果を公表したのです。

 中国公安省は「何者かが メタミドホスを 袋の外側から浸透させて、日本で中毒を発生させた。」とのシナリオで、日本側との妥協点を探ろうとしていたのではないかと思われます。これならば、日本側の根拠を否定せずに説明できます。私はこの浸透実験の結果は信用できないと考えています。87%の成功率では確実に内部の餃子を汚染できることにはなりません。それに一家全員に中毒症状が出るほどの量が浸透可能かどうかについては一切触れられて いません。浸透量については、包材メーカーの担当者も「分子レベルなら・・・」と否定的です。警察庁の実験でも 500袋のうち、袋の外側から内側に浸透したものはありませんでした。(2008.3.6 朝日新聞)

 警察庁は自らのチョンボを隠蔽するために、兵庫県警は「密封容器の内側から毒物検出」との疑わしい鑑定結果を公表し続けたと推定しましたが、中国公安省もまた、日本側と妥協点を探るために「浸透実験」という偽造工作をしていたと 考えられます。こうして、私たちは 日中双方の公安当局による偽装工作、情報操作の中に置かれたと考えられます。

 ところで、中国側の努力は、警察庁の「抜け駆け」によって水泡に帰すことになりました。警察庁は 2008年2月25日に 予定されていた日中公安当局のトップ会談に先立つ2月21日に、「毒物が日本で混入した可能性は低い」と一方的に発表してしまったのです。根拠は非常に怪しいものばかりでしたが、日本のマスコミはこれをそのまま報道したのです。さらに、トップ会談では「証拠の相互の提供と緊密な情報交換」で合意していたにも関わらず、警察庁は証拠の提供をまたしても一方的に拒否したのです。

 兵庫県警の鑑定結果は、兵庫の事件ではメタミドホスを検出できていませんし、大阪の餃子袋からメタミドホスが検出されたかどうかも疑わしいのです。中国側にみせられるわけがありません。それにしても、二度の約束違反はいただけません。なぜ警察庁はトップ会談の前に「毒物は中国で混入した」と受け取られるような発表をしたのでしょうか? もともと、警察庁が千葉市の事件と兵庫県の事件を取り違えるという大チョンボを犯したのは、市川市の事件発生の際に既に何かを知っていたからです。知らなければ、千葉県警さえ千葉市の事件を毒物中毒とは考えていなかったのです。取り違えようがありません。

 警察庁が 市川市の事件発生とともに 捜査を指揮しているのも、何かを事前に知っていた証拠です。そして、中国が妥協点を探っていることを知って、トップ会談の前に一方的な発表をして中国と妥協できない環境を作ったのではないかと推定されます。日中の対立は対米従属という国是に沿うものですし、事前に知っていた何かと関係があるのかもしれません。


 さすがに、中国公安省は記者会見で不満を漏らしています。

 「日本のこの結論について、われわれは次のように意見しました。その結論は時期尚早である、と。(中略)しかし、非常に遺憾なことに、日本の警察はメディアにこの結論を発表してしまいました。

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■中国当局の回答の方が、ずっとずっと冷静で まともだという現実ほど、皮肉なことがあるだろうか? ■要は、肝心な部分になると、急に秘密主義で、ウソにウソをかさねるという点、スキャンダルが洪水のように漏出しないかぎり、現実を直視せず、ひたすら「お上」の いい分をまにうけて、思考停止をつづける点で、“ハイパー独裁”の病理は、実に深刻だという事実。
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タグ : ナショナリズム 真理省 1984年 安全 食品 ハイパー独裁 毒餃子事件報道を検証する

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