■旧ブログ
「複製技術の産物,大衆社会再考」シリーズでかいたこと、その続編である、「
「知のカラオケ化」再考=複製技術の産物,大衆社会再考6」やら、「
日本文藝家協会、「Googleブック検索」の和解案に抗議声明(INTERNET Watch)」や、日記内で、いくつかかいた
「複製技術」関連記事の続報。
■以下、法律家によるウェブ情報の「著作権」問題の解説記事(『
ブログ著作権ガイド [Blog Copyright Guide] 著作権って?』)を転載(リンクを、かってに追加)。
ホームページで「引用」をするときに、気を付けなければならないこと ホームページに限らず、著作物で公表されたものについては、「引用」して利用することができます。
著作権法では「引用」について、それが公正な慣行に合致するものであって、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものである限り、著作権者の許諾を必要としないと規定されています。「引用」をするにあたり、具体的には以下の点に注意が必要です。
1、自分の著作物と、引用する著作物を明確に識別できるようにすること。例として、引用する著作物にカギ括弧をつける、枠で囲む、自分の著作物との間に一行空けるなど。
2、自分の著作物が「主」で、引用する著作物が「従」の関係であること。なお、主従の関係は量的なものに留まらず、質的にも要求されると解されています。
3、「出所の明示」をすること。引用する著作物の出典名などを明示しなければなりません。---------------------------------------
■この解説をよむとおり、この日記のなかでも、
原田和明さんのメールマガジンを転載している記事群や、
“田中宇の国際ニュース解説”、それと、各種新聞記事の転載などは、「引用」の規定をはずれているというほかない。
■ただ、複製技術が インターネット時代の 帰結としてGoogleなど、超高速の検索ロボットを開発させてしまった以上、ウェブ上のデータは、実質的に「違法コピー」をうんぬんする次元をこえてしまったとおもう。
■たとえば、うえの法律家は、つぎのような文章も発表している。
ホームページに情報を載せるということ インターネット上のホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しています。そして、このことは、ホームページの作者自身が認識しているべきであって、もしも、他人にリンクを張られて困るような情報だとしたら、はじめからホームページに載せるべきではないのです。また、ある特定の人にのみ公開したい情報であるならば、ロックをかけるなどして、提供したパスワードを入力した場合だけ、情報が開示されるようにしておけばよいのではないでしょうか。---------------------------------------
■ここでは、リンクをはる うんぬんの次元になっているが、Googleなど、超高速の検索ロボットが、キャッシュ情報を保存するかぎり、記事の画像全体が 全面複製を前提に現実は、うごいているとおもう。■冷静にかんがえればわかることだが、不特定多数によまれたら あとあと心配な情報は、いっさい、公開しないこと。それでも共有化したいのなら、会員限定でパスワードをおそわった人物だけがアクセスできるようにするということ。
■それからすると、法律の専門科が知恵をしぼっているだろうに、つぎの
ウィキペディア「検索エンジン」の記述は、びっくりさせられる。
著作権との関係検索エンジンは、その仕様上インターネット上のコンテンツを複製してキャッシュとして保存するようになっている。このような仕様は、日本では、著作権法上、問題があるため、検索エンジンの仕様を合法とする海外(米国など)のサーバに置かれている。
しかし、これでは日本のユーザが検索している内容が米国に筒抜けとなってしまい、国益上好ましくないと考えられる。そのため遅ればせながら、経済産業省が日本国内でも検索エンジンサービスが行えるように著作権法の改正や検索エンジンの開発に取り組むと発表した。[1]---------------------------------------
■ここでは、「日本のユーザが検索している内容が米国に筒抜けとなってしまい、国益上好ましくない」などといった次元でしか、問題化されていないが、検索エンジンの現在の体制を禁止しないかぎりは、モジ情報などはもちろん、ウェブページの画像イメージ全体が複製されるかたちで記録されてしまうのだ。
■これは、よくかんがえれば、実におそろしい実態=現実をしめしている。■なぜなら、インターネットという配信技術と、キャッシュ情報の収集による検索エンジンサービスとの結合によって、「編集者」(ここでは、新聞・出版・放送などメディア関係組織の編集部と、学界の査読体制などをさしている)というチェック機能をへないまま、ズブのしろうとが、デタラメ(自覚あるウソだけでなく、無自覚なマチガイ)を大量配信しても、それが複写されてしまって、半永久的に記録化・蓄積されているという現実を意味しているからだ。■ハラナ自身、狭義の「専門」以外の、かなり広範な話題を、備忘録として情報収集・編集・コメントしたうえで、配信をつづけてきたので、自戒をこめてかくが。
■その意味では、ウェブ情報というのは、責任と無責任が、いつまで混在する、かなり おぞましい世界として実現してしまった気がする。
■(1) 公表してしまったウェブ情報の一部(相当部分)は、キャッシュ情報として記録化されるので、作成者は匿名であれ、半永久的に「文章作成責任者」としての宿命をせおう。
■(2) 公表されたウェブ情報の一部(相当部分)は、キャッシュ情報として記録化されない(複写されるまえに、消滅する)ので、不特定多数が目撃しながら、あとで検証できないという現実がのこる。
■結局のところ、うえのような 宿命を自覚しながら、情報発信者と利用者は、「おつきあい」をつづけていくほかなかろう。■そして、そのときに、あわせてかんがえておくべきことは、(a) 営利目的なのか、学術・教育目的なのか、私的な趣味・運動目的なのか、といった、発信者の意図、それと、障碍者をふくめた
情報弱者など 複製技術にたよらないと
アクセス権・
読書権等々が保証されない層の利用体制の、2つの次元を、きりわけて整理すること。■(b) 個人情報のバラまきなど、複製技術テロともいうべき現実に、どう対処するか、体制づくりを整備すること。などか…。
■前者についていえば、もっとも せまい意味での「学術的引用」みたいな、善意の非営利「複製」をベースにした世界での論理と、実質的に公的性格を否定できないマスメディアの記事配信が主張する「著作権」保護など、また個人のブログやウェブサイトの文章・画像などの「著作権」保護などを、一元的にかたるのは、まちがっているとおもう。
■詳細な検討は、後日にゆずろうとおもうが、(1) 「学術的引用」が、原文テキストのごく一部しか転載しないのは、前後の文脈を学説史のながれという大文脈にそって、読者が全面的に再検討してくれるだろうという「善意」を前提としているからであって、そういった、狭義の業界人たちの世界をモデルにした「引用」概念は、非営利かつ せまいサークル同業者の世界以外の、一般社会になじまないこと。■特に、記事が全文削除されたり、大量に改変されることが、ごくあたりまえであり、ときにサイト全体が消失してしまうことがマレではない 個人・小組織のウェブサイトの記事については、一部しか転載しないのが「引用」の範囲であるといった、解釈は 現実的でないこと。■典拠が明示され、オリジナルの文章と、複写さきの地の文章とが、歴然と区別されて、原作者の記事が忠実に採録されているばあいは、量的問題を厳密にかんがえるのは、いきすぎではないかということ。
■(2) 実質的に公的性格を否定できないマスメディアは、もともと
記者クラブなど公的な制度に依存し、かつ公共の福祉のために情報配信するという使命をおっている以上、記事のオリジナリティなどの著作権を主張する(たとえば、「無断転載禁止」等の、ことわりがき)のは、おかどちがいだし、時時刻刻うつろいゆく報道内容が前提である以上、配信後は公共の情報と化すこと、「最終更新」までに、何度かの記事の改変があるにせよ、それまでのキャッシュ記事がのこらないような頻度で編集するのは「反則」だし、基本的には、社の公共的な使命として、「リンクぎれ」などがおきないよう記事を
アーカイブ化していくべきこと(キャッシュ情報にあたらなくても、過去記事が責任をもって保存され、アクセス可能なこと)。
■(3) いずれにせよ、文筆業など 売文を前提にする層の「知的所有権」をモデルにした、「著作権法」をたてに、非営利のウェブサイト情報(これは、無料配信の新聞記事も ふくまれる)が、「無断複製の禁止」などを要求することは、現実的に空文化しているという、事実を自覚すること。
■(4) むしろ、不充分ながらも、キャッシュ情報として検索エンジンが収集・記録した情報として、過去の発信は、半永久的に利用可能になってしまっているという、ぞっとするような現実(それは、「みずからの作文の結果が著作権侵害されている」といった次元には、すでにない)を自覚しつつ、ウェブサイト情報は、不特定多数に配信すべきこと。■そういった自覚がない人物は、即刻更新を中止し、サイトを閉鎖すべきこと(過去のキャッシュ情報が、どのぐらい保存されているかは、後悔の念をこめて、後日全部検証するとして)。…あたりか?
【かきかけ】
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この件については最近かなり燃え尽きており、疲れと無力感でこり固まっています。
小生は、わりきることに…
■スパム、けすの面倒ですよね。■どうも、特定の記事のURLが記録されていて、新規記事の公開とか、コメント欄へのかきこみがあると、自動的にスパムが送信されるシステムみたいです。
■でもって、これらを全部フィルターで はねることも困難なので、小生は、「更新頻度が あがったように、検索エンジンに うけとられ、注目度があがる素材」と、わりきることにいたしました(笑)。
■しかし、これは、ブログの運営に少々時間をさくだけのユトリがまだゆるされているからで、本務や生活がきつくなれば、到底できないことでもあります。
■ワタリさんは、くれぐれもご自愛ください。また、以前のようにブログ更新ができる日が復活しますように。
http://q.hatena.ne.jp/1249028989
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