“普天間移設修正に余地 防衛省アセス、結論は原案妥当” 2009年4月1日21時28分
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題で、防衛省は1日、移設先の同県名護市辺野古一帯で実施した環境影響評価(アセスメント)の結果をまとめた「準備書」を県、名護市などに送付した。日米両政府が合意した現計画を「適当」とする一方で、滑走路を50~350メートル移動する6ケースを比較検討、計画の修正に余地を残した。
移設問題では、騒音軽減などのため、県などが沖合への移動を要求。これに応じる形で、現計画のほか6ケースを調査・検討した。仲井真弘多知事は1日、記者団に対し、沖合修正も含めて調査されたことについて「政府とコミュニケーションができ始めていて、良いことではないか」と述べた。ただ、現計画の変更には米国側の同意が必要。政府は「合理的な理由がなければ修正できない」との姿勢を崩しておらず、沖合修正での合意は容易ではなさそうだ。
環境アセスは、防衛省が昨年3月から1年かけ、埋め立てに伴う潮流の変化、サンゴやジュゴン、ウミガメなど生物への影響などを評価。現計画に加え、(1)東側に100メートル(2)南側に50メートル(3)南側に100メートル(4)西側に100メートル(5)西側に200メートル(6)南側に350メートル、西側に150メートル(名護市案)それぞれ移動する6ケースを調べた。
準備書では、(1)(5)(6)は、サンゴやジュゴンのえさ場である藻場の消失面積が広いなど「自然環境に及ぼす影響が相対的にかなり大きい」、(2)(3)(4)は、現計画と比べ「サンゴの消失面積など項目によっては現計画に比べて自然環境に及ぼす影響が小さい」とした。そのうえで、「周辺に及ぼす影響が総じて少ない」「(作業効率が良いなど)実行可能性もあわせて考えると、バランスがとれている」として、現計画が望ましいと結論づけた。県側は今後、(2)(3)(4)の3案をもとに検討を進めるとみられる。
アセス終了を受け、政府は近く9カ月ぶりに、沖縄との交渉の場である移設協議会を再開し、日米が合意した14年の代替基地完成に向けて協力を求める。(石松恒、木村司)
■読売の記事
“普天間移設「政府原案が適当」、防衛省が環境アセス準備書”の図解もはりつけておく。

■典型的な
“環境アワセメント”=アリバイ工作というほかない。■『しんぶん赤旗』の ツッコミ記事も転載しておこう。
2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」
“新基地建設 強行の構え”
アセス準備書防衛省が提出
環境への影響少ない」
沖縄・辺野古
防衛省は一日、日米両政府が沖縄県名護市の辺野古崎に計画している米海兵隊の新基地建設に伴う環境影響評価(アセスメント)の準備書を県と名護市、宜野座村に提出しました。ジュゴンやサンゴなどへの「影響は少ない」として日米合意案の建設を強行する構えです。
準備書は三分冊で五千四百ページ。二日から五月一日まで公告縦覧し、五月十五日まで住民からの意見を受け付けます。県アセス条例は、事業者である沖縄防衛局に対し、準備書の記載事項を周知するため、縦覧期間中の住民説明会開催を義務づけています。
準備書は、V字型滑走路に加えて、二〇〇七年八月の方法書にはなかったヘリコプター離着陸帯(へリパッド)四カ所の設置を新たに盛り込みました。
新基地建設による航空機の騒音は、滑走路をV字型にして運用するため周辺地域上空の飛行を基本的に「回避する方向で対応しており、騒音による影響は相当程度低減できる」としています。サンゴへの影響は埋め立てなどで約七ヘクタールの生息域が消失すると予測。しかし同域には「注目されるサンゴ群生はみられない」と指摘。ユビエダハマサンゴなど貴重種が分布する大浦湾の埋め立て、しゅんせつは取りやめたとしています。
ジュゴンへの影響は、嘉陽沖に常在しているとして新基地による「生育環境に与える変化はほとんどない」と予測しました。
◇
東恩納琢磨・沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団長の話 準備書は辺野古でのジュゴンの食跡を確認できなかった、としていますが当然です。違法な事前調査でソナーやビデオカメラをわざわざジュゴンの餌場や通り道に設置して近づけさせないようにしたのだから。建設ありきで、問題があれば計画中止も検討するゼロオプションがない環境アセスは国際的にも認められない。来年名古屋で開催が決まっている生物多様性条約締約国会議のホスト国としてはずかしい。準備書は公民館などで住民が気軽に閲覧できるかたちで広く公開すべきだ。
【以下略】
●
“普天間アセス(上)” “普天間アセス(下)”(『沖縄タイムス』社説 2009/04/01-02)
●
“資料・環境影響評価準備書の縦覧について”(『
海鳴りの島から
沖縄・ヤンバルより…目取真俊』2009/04/02)
スポンサーサイト
タグ : 真理省1984年ハイパー独裁
コメントの投稿