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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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ミサイル防衛システムをめぐる論争という茶番劇=「ムダ」とはなにか51

■いわゆるミサイル問題については、旧ブログから、だいぶとりあげた(“ミサイル”関連記事)。半年以上まえにかいた「ミサイル防衛システムの茶番劇(田中宇の国際ニュース解説)」の続報(表題は、当然、パロディ)。
■政府内部で、せっかく導入したミサイル防衛システムが機能するかどうか、もめているようだ(笑)。■いや、巨額の「防衛費」がうごいたのに、機能しないのなら、それは、「とんだ公共工事」というべき、ゆるされない浪費というほかなかろう。

“政府筋の「当たらない」発言に首相「全力で阻止する」”
『産経』2009.3.24 23:39

 麻生太郎首相は24日夕、北朝鮮が「人工衛星」と主張して発射準備をしている長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型に備える日本のミサイル防衛(MD)システムに関連し、政府筋が「いきなり撃たれたら当たらない」と発言したことについて「発言を知らないので答えようがない」とした上で、「政府として迎撃ミサイルを含め、国民に危険が及ぶということに関しては全力を挙げて阻止する」と強調した。
 また、浜田靖一防衛相は24日の記者会見で「われわれは準備が万全になるよう努力しているので、そのように考えていない」と反論した。ただ、中曽根弘文外相は迎撃に関し「難しいのは事実だろう。(ミサイルが)どこへ飛んでくるのか分からない」と述べた。
 自民党内には政府筋の発言に批判が出ており、24日の自民党国防関係合同部会では出席者から「不見識だ」などの声が相次いだ。

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■保守系メディアは、冷静をつくろっているが、批判がわきあがりそうなことを 充分意識して、少々あせっているとおもう。■たとえば、つぎのような解説記事は、その典型例だろう。


“【イチから分かる】北ミサイル迎撃 技術・法制面からは撃墜可能”
ミサイル迎撃

2009.3.25 06:37

 北朝鮮が「人工衛星」打ち上げを名目に長距離弾道ミサイルの発射準備を進めている。政府はミサイル本体やロケットなどの部品が日本領内に落下してくれば、ミサイル防衛(MD)システムで撃墜する方針だ。日本列島を飛び越える形で三陸沖に着弾した平成10年のテポドン1号発射以降配備が進んだ現行システムでの撃墜の可能性を探った。(赤地真志帆)
 MDシステムは、米国の早期警戒衛星などの情報でミサイル発射を探知し、着弾前に迎撃する仕組み。ロケット・エンジンの燃焼が終わり、安定軌道に入った大気圏外でイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が撃墜を行い、失敗すれば地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が大気圏再突入時に迎撃する。
 10年のテポドン1号発射や18年のテポドン2号を含む弾道ミサイル7発発射の際は、システム自体が未完備だった。今回、北朝鮮がミサイル発射に踏み切れば、初の実運用となる。
 SM3で迎撃可能な高度は約100キロ。北朝鮮がハワイ近くまで届く最大射程でテポドン2号を発射すれば、高度は1000キロにも達し、撃墜はできない。

 ただ、政府はミサイルが不具合で日本領内に落下する事態も想定。高度100キロ以下の上空を通過する場合も日本の領空に引っかかるため、撃墜の可能性を検討している。
 北朝鮮は4月4~8日の間に「人工衛星」を打ち上げるとして、国際海事機関(IMO)などに危険区域を通告した。このうち、秋田県沖約130キロの海域は約9割が日本の排他的経済水域(EEZ)と重なる。
 同海域には1段目のロケットが落下する可能性が高いが、「発射時の微妙なずれで日本本土や領海に落下し、大きな被害が出る可能性もある」(防衛省幹部)。自然落下するロケットや部品などは降下速度も遅く、自衛隊では「撃墜は十分可能」とみている。
 SM3で撃ち漏らしたミサイルを着弾前に撃墜するPAC3についても関東の4カ所と浜松、岐阜に配備されている。射程が数十キロと短いため、落下の可能性が高い地点にあらかじめ移動させておく必要はあるが、「北朝鮮の通告で飛行ルートは判明しており、現在の配備数で十分カバーできる」(航空自衛隊幹部)と運用に支障はない。
 17年の自衛隊法改正で「弾道ミサイル等に対する破壊措置」(82条の2)が新設され、法制上の根拠も整備されている。日本に飛来するおそれがあると認められる場合は、防衛相が首相の承認を得て破壊措置を命令。明確な発射兆候がない場合でも防衛相があらかじめ「緊急対処要領」を作成し首相の承認を得ておけば、空自航空総隊司令官の判断で撃墜が可能だ。
                   ◇
【用語解説】海上配備型迎撃ミサイル(SM3) 
 イージス艦搭載の迎撃ミサイル。イージス艦のレーダーで標的を探知、追尾し、撃墜する。平成19年度に「こんごう」、20年度に「ちょうかい」に配備された。日本全土をカバーするには、日本海にイージス艦2隻を展開させることが必要だ。2度行われた発射試験では1回は成功し、2度目は迎撃に失敗している。迎撃可能高度は約100キロだが、より高高度での迎撃を可能とする「21インチミサイル」を26年度までの期間で日米共同開発中だ。
                   ◇
【用語解説】地対空誘導弾パトリオット(PAC3) 
 地上にある移動式発射機(ランチャー)に搭載する。車載の移動式レーダーで弾道ミサイルをとらえ、ミサイルの大気圏再突入後、高度十数キロの領空で迎撃する。19年の入間基地(埼玉県)への配備を皮切りに、習志野(千葉県)、武山(神奈川県)、霞ケ浦(茨城県)、浜松(静岡県)、岐阜(岐阜県)に配備された。22年春までに九州を含む4高射群相当への配備を完了する予定。昨年9月に米ニューメキシコ州で行った初の発射試験では模擬ミサイルの迎撃に成功している。

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■なにか、この記事のかきかたは、(1) 「北朝鮮がハワイ近くまで届く最大射程でテポドン2号を発射すれば、高度は1000キロにも達し、撃墜はできない」が、「ミサイルが不具合で日本領内に落下する事態」や「高度100キロ以下の上空を通過する場合も日本の領空に引っかかるため、撃墜の可能性」を想定するので、迎撃をかんがえているのだ、とか、(2) 「自然落下するロケットや部品などは降下速度」がおそいとか、「北朝鮮の通告で飛行ルートは判明しており、現在の配備数で十分カバーできる」といった、政府見解をタレながしているだけだ。なんらの説得力もない。
■おなじことは、同様に、政府見解を擁護しようとした保守系媒体のばあいも、おなじ。


“「当たるわけがない」迎撃ミサイル、命中精度に集まる注目”


 北朝鮮の弾道ミサイルを自衛隊のミサイル防衛(MD)システムは迎撃できるか――。北朝鮮が「人工衛星」名目で発射準備を進めている問題を巡り、政府筋が「当たるわけがない」と発言したことで、その精度に注目が集まっている。

 迎撃は二段構えだ。ミサイル発射後、米国の早期警戒衛星の情報を基に、イージス艦搭載の「SPY―1レーダー」などが瞬時に弾道を計算。日本の領土・領海へ落下しそうなら、海上自衛隊イージス艦のスタンダード・ミサイル3(SM3)で大気圏外の迎撃を試み、撃ち漏らせば、地上のパトリオット・ミサイル3(PAC3)で破壊。日本着弾まで約10分と短時間のため、自衛隊法82条の2の「破壊措置命令」が発令済みなら、部隊指揮官が迎撃を指示する。

 PAC3は2003年のイラク戦争で使われ、「迎撃範囲内ではすべて成功」(米政府)。SM3は迎撃実験で、米軍が16回中13回、海自は2回中1回成功、単純計算だと命中率は約8割だ。政府のこれまでの説明通り、「命中精度は相当程度高い」とは言える。

 ただ、日本のMDシステムは北朝鮮の中距離弾道ミサイルへの対処が主眼で、長距離弾道ミサイルが正常に飛行した際は迎撃能力はないし、そもそも日本に飛来しない。北朝鮮が予告するミサイルは長距離弾道と見られ、迎撃は発射失敗の場合などが想定されるが、大気圏外に出る前に制御を失うと、「弾道計算は非常に難しい」(防衛省幹部)。

 政府は25日に官房長官、防衛相、外相の「3大臣会合」で破壊措置命令発令の方針を決める。日本に本体や部品が落下する可能性は「極めて低い」(政府筋)とし、「事態急変に備える」ために認められる「閣議決定を経ない発令方法」をとる見通しだ。予告通りなら秋田、岩手両県の上空を飛ぶため、発令後、航空自衛隊浜松基地(静岡県)のPAC3を陸上自衛隊秋田、岩手両駐屯地に移す。

 防御範囲が半径数十キロのため、都市部を優先。防衛省は25日に仙台市内で東北6県と仙台市の担当職員に説明を行う。PAC3は浜松のほか、全国5か所の自衛隊基地に配備されている。

(2009年3月24日22時57分 読売新聞)

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(1) ■「PAC3は2003年のイラク戦争で使われ、「迎撃範囲内ではすべて成功」(米政府)。SM3は迎撃実験で、米軍が16回中13回、海自は2回中1回成功、単純計算だと命中率は約8割」というのは、「大本営発表」だろう。記憶では、半々ぐらいが関の山だったはず(あとで しらべてかく予定)。■かりに、「単純計算だと命中率は約8割」といった いいぶんを のむとしたって、16分の3、2分の1は、すりぬけてしまったわけで、甚大な被害を結局くいとめられねば無意味のはず。「誤差を除外すれば、ほぼ100%」でなければ、核ミサイル迎撃システムは、戦略上意味がない。米中ロ3大国のような、広大な国土を確保している例外的超大国以外はね。

(2) ■「大気圏外に出る前に制御を失うと、「弾道計算は非常に難しい」」などと、よわきな発言が防衛省幹部からもれているとおり、うえでのべた「ほぼ100%」なんて想定が無意味なことは確実。

(3)■「北朝鮮の通告で飛行ルートは判明しており、現在の配備数で十分カバーできる」などと、別媒体でながされているとおり、政府の想定とは、「敵国」が ごていねいにも、「飛行ルート」を事前に通告してくるという、およそ戦時体制とは全然無意味な、いわゆる平時の「地政学的ゲーム」の範囲内にすぎない。■その意味では、「どこへ飛んでくるのか分からない」から、「難しいのは事実だろう」という、外務大臣の悲観的発言は、しろうとっぽくきこえるが、ごくまっとうな指摘である。武道や格闘技を一度でもやればわかることだが、攻撃のタイミングや目標が事前にしらされるというのは、試合・決闘ではありえない。タイミングや目標が事前にしらされるというのは、「型」「演武」「殺陣(たて)」「プロレス」「八百長」などのたぐいでしかない。■山野で興じられる“サバイバルゲーム”だって、攻撃のタイミングや目標が事前にしらされるというのは、ありえない(ゲームとして、つまらなすぎるから)。
■「日本の核武装とアメリカ(田中宇の国際ニュース解説)」でもリンクされている、田中宇“カナダもアメリカ離れ”は、つぎのように指摘する。
ここしばらく対米関係と国内世論の間で揺れていたカナダ政府が、最終的にミサイル防衛計画からの離脱を決めた要因の一つは、ミサイル防衛システムが使いものにならないことが分かってきたことだろう。
 米軍は昨年10月と12月、アラスカから太平洋に向かってミサイルを飛ばし、それを南太平洋のマーシャル諸島から迎撃ミサイルを発射して撃ち落とす実験を行ったが、2回とも迎撃ミサイルが発射せず、失敗してしまった。米軍当局は、失敗は些細な不具合から起きたものだと発表したが、実はもっと深刻だった可能性もある。ミサイル防衛システムの考え方そのものに重大な欠陥があるとの指摘が出ているからだ。
 最近の弾道ミサイルの多くは、成層圏に達すると、迎撃ミサイルの目をくらますため、弾頭のついていない「おとり」のミサイルをいくつも分離させる。そのため有効なミサイル防衛システムを作るには、おとりと本物を識別し、迎撃ミサイルが本物に当たるようにする必要がある。
 だが、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のテッド・ポストル教授が調べたところでは、迎撃ミサイルが弾道ミサイルを撃墜する成層圏は、真空状態に近く空気抵抗が少ないため、おとりのミサイルと本物のミサイルは重さが違ってもほとんど同じ飛び方をする。このため、おとりと本物を遠くから見分けられる確率は10%程度しかないことが分かった。

 ポストル教授は2000年に、国防総省からおとりの識別システムを下請けした軍事産業TRW社が、本当は識別がほとんど不可能なのにもかかわらず「99・9%識別できる」とするウソの報告書を発表していたことを突き止め、ホワイトハウス(当時はクリントン政権)に書簡を送ったが無視された。(関連記事

 しかもポストル教授が出した手紙は、秘密の情報を何も含んでいなかったにもかかわらず機密文書に指定されてしまい、教授がこの件を広く発表することを阻止する行為に出た。(機密指定されたポストル教授の手紙は、ネット上で多くのサイトに貼りつけられている)(関連記事

 アメリカ政府は、根本的な欠陥があることを知りながらミサイル防衛システムの予算を計上し、計画を進めている可能性が大きい。…


(4)■また、「「県民喜んでほしい」 PAC3沖縄配備で久間防衛庁長官(琉球新報)?」などでふれたとおり、迎撃できるカバー範囲は、ものすごくせまい。ウィキペディア「ミサイル防衛」にも「ノドンなど、日本において直面する可能性の高い準中距離弾道ミサイル(MRBM)攻撃(速度マッハ10=3.7km/秒)では、薄い半径20kmの扇状の範囲にまで縮小する。ちなみにこの広さは市ヶ谷を起点として23区西部境界程度迄の広さで、1個高射群に4個、無線指揮車(無線によるリモートランチは30キロ圏程度可能)により部隊分割使用で最大8個までの首都圏近郊の高射部隊の内、埼玉からと、千葉からとの2個をもって23区全域をカバーできる広さである」とされている。

(5) ■しかも、田中宇(たなか・さかい)さんが、“多極化と日本(1)”で、つぎのように指摘していることは、単に核武装の非合理性にはとどまらない含意をもつ。

…中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる。……ロシアとの核戦争の場合、1981年の自衛隊の研究によると、日本では2500万人が死ぬが、ロシアは人口の希薄な極東で100万人が死ぬだけである。国土が狭い日本は、広大な中国やロシアと核戦争しても不利になる。核兵器を持つことが戦争を防ぐことにつながるという「核の抑止力」の考え方は、アメリカとロシアなど、国土の広い国どうしが対峙している時にのみ有効である。…

■現在の北朝鮮のように、数十発の核ミサイルを発射する能力のない国家との対峙はともかく、大国から核攻撃をうけるケースのばあいには、まったくの無力なのである。数十発、首都圏・関西圏めがけて発射され、数発ずつでも迎撃に失敗すれば、政治経済的機能が停止するからだ。【かきかけ】




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コメント

某メールより転載1/2

みなさまへ(重複失礼・転送歓迎)
===========================
神戸の高橋です。重複受信ご容赦ください。
臨戦態勢ともいえる今の日本の状況に対して、4月1日に外務省防衛省要請行動に取り組むことにしました。
趣旨に賛同していただける方は賛同署名にご協力ください。
以下は転送歓迎です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワークの高橋といいます。
朝鮮の人工衛星に対する日本政府の対応は、臨戦態勢ともいえる異常な状況です。東北アジアの平和が脅かされる重要局面だという認識に立ち、現在の状況を少しでも変えるために、「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」のみなさんらとともに、外務省と防衛省への要請行動を4月1日に取り組みます。
 下記に要請文を貼り付けますので、賛同していただける方はぜひ、以下のアドレスに、「名前」「居住都道府県」「メールアドレス」を記入してください。

このメール署名は、3月29日から31日までの3日間のみ取り組みます。
名前と居住都道府県は外務省と防衛省に提出します。
メールアドレスは、要請行動の報告を後日させていただくためのものです。

署名集約先 satelite925@yahoo.co.jp

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
朝鮮の人工衛星にかかわる外務省への要請文

外務大臣 中曽根弘文様
                                   2009年4月1日
       よびかけ 対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク
                                   賛同者 別紙

朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮と略)の人工衛星うちあげに関連して、以下のことを要請します。
1 防衛省に弾道ミサイル等破壊措置命令の撤回を求め、あくまでも外交努力によって朝鮮政府に人工衛星うちあげの中止を求めること。
2 国連安全保障理事会に朝鮮の人工衛星打ち上げへの制裁を求めないこと。
3 朝鮮に対する輸出禁止対象の拡大などの制裁強化を行わず、4月13日に予定されている制裁措置を延長しないこと。
4 在日コリアンの団体の口座凍結などの人権侵害措置を行わないこと。

(要請趣旨)
 日本政府は、4月4日以降に朝鮮が人工衛星を打ち上げたならば、国連安保理に制裁を求め、経済制裁の強化や在日コリアンの資産凍結などの人権侵害措置を行うと発表しています。そしてついに防衛省は3月27日、安全保障会議の承認のもとに「弾道ミサイル等破壊措置命令」を出しました。すでに地上発射型のPAC3が関東から東北へ移動し、ミサイル迎撃機能を持つイージス艦が日本海に出動しました。私たちは、このような好戦的な対応は東北アジアの緊張を激化させるだけであり、あくまでも外交努力によって朝鮮に人工衛星の打ち上げ中止をもとめることを日本政府に要求します。

1 確かに、朝鮮の人工衛星打ち上げにも問題があり、私たちはその中止を求めます。宇宙開発の権利があるといっても、その目的は軍事技術力を内外に誇示し、アメリカとの交渉を有利に進めることにあるからです。しかし、もともと在日米軍が日本や韓国の協力のもとに、海上発射型の巡航ミサイルだけで500発以上をいつでも朝鮮に打ち込める先制攻撃体制を作っていることが、東北アジアの緊張の根本原因です。朝鮮の人々は、われわれ日本人とは比較にならないほどの脅威にさらされているのです。
 日本のミサイル防衛システムも、そのような先制攻撃態勢を強化するために開発されたものです。ミサイル防衛システムの演習ともいえる今回の迎撃態勢は、朝鮮の対応とも相まって、東北アジアのミサイル軍拡をもたらします。私たちは際限のないミサイル軍拡をもたらす「朝鮮の人工衛星打ち上げ」「日本の迎撃」いずれにも反対します。

2 人工衛星うちあげを理由とした制裁はあり得ません。なぜなら、朝鮮の人工衛星打ち上げは国連安保理決議1718違反になりません。2006年の朝鮮の核実験に対応した1718決議は、朝鮮に弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止を求めています。しかし、宇宙の平和利用はすべての国家に認められており(宇宙条約)、安保理がすべての国家に認められた条約上の権利行使を禁ずる権限などないからです。安保理が個々の国の人工衛星打ち上げを問題にした前例もありません。

3 日本政府はこれまでも、朝鮮とのヒト・モノ・カネの交流を禁止する制裁をしてきましたが、ぜいたく品に限定されてきた輸出禁止をさらに拡大しようとしています。しかし朝鮮への経済制裁は、エネルギー支援のサボタージュとあわせて、朝鮮半島の非核化にブレーキをかけただけでした。拉致問題をはじめとする日朝間の諸問題の解決にも結びついていません。いまもなお万景峰号の運航が禁止され、こどもや孫に会えないという在日コリアンの高齢者がたくさんいます。日本政府は、4月13日に期限が切れる朝鮮への経済制裁の延長もやめるべきです。

4 在日コリアンの資産を凍結することは、朝鮮政府の意向とは全く関係ありません。外交上の国益のために在日外国人の財産権や結社の自由を制限するというやり方は、日本政府の人権感覚のなさを世界中に暴露するだけでしょう。

アメリカのクリントン国務長官はすでに、朝鮮の人工衛星発射後も6カ国協議を継続する考えを打ち出しました。米政府は、好戦的な麻生政権とは一線を画しています。事態はオバマ政権の基本的スタンスである、米朝対話と6カ国協議推進にすすむでしょう。日本政府が迎撃や制裁をあきらめ、日朝国交正常化に向けて対話を始めることこそが東北アジアの平和を実現します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

某メールより転載2/2

朝鮮の人工衛星にかかわる防衛省への要請文
防衛大臣 浜田靖一様
                                    2009年4月1日
        よびかけ 対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク
                                     賛同者 別紙

朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮と略)の人工衛星打ち上げに関連して、以下のことを要請します。

3月27日に出した「弾道ミサイル等破壊措置命令」を撤回し、人工衛星を迎撃する態勢を解除すること。

(要請趣旨)
 防衛省は3月27日に朝鮮の人工衛星が日本に落下した場合に備えるとして「弾道ミサイル等破壊措置命令」を出しました。それにもとづき航空自衛隊は27日夜、首都圏警戒のためとして地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を陸自の朝霞駐屯地や市ヶ谷駐屯地に配備しました。秋田・岩手駐屯地などにも30日までに配備するとしています。さらに海上自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦「こんごう」「ちょうかい」を日本海に、SM3を配備していないイージス艦「きりしま」を太平洋に配備しようとしています。こういった措置は、朝鮮の人工衛星の打ち上げが失敗した場合で、ロケットブースや破片などが日本に落下してきた場合に「迎撃」するためのものだとしています。

 しかし、政府自身が「万が一の場合」と強調するように、人工衛星の破片が日本に落ちてくる確率は極めて低く、さらに上述のミサイル防衛(MD)システムが落下物を破壊できる可能性も、「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるはずがない」(中曽根外相)と政府内部からも批判がでているように、極めて低いものです。一方で確実なことは、日本政府の対応は、朝鮮政府を刺激し、報復的な措置を招きます。日本が種子島で打ち上げるH2ロケットを他国がミサイルだと言って迎撃するのと同じだからです。
 
確かに、朝鮮の人工衛星打ち上げにも問題があり、私たちはその中止を求めます。宇宙開発の権利があると言っても、その目的は軍事技術力を内外に誇示し、アメリカとの交渉を有利に進めることにあるからです。しかし、もともと在日米軍が日本や韓国の協力のもとに海上発射型の巡航ミサイルだけでも500発以上をいつでも朝鮮に打ち込める先制攻撃態勢を作っていることが、東北アジアの緊張の根本原因です。朝鮮の人々は、われわれ日本人とは比較にならないほどの脅威にさらされているのです。
 ミサイル防衛システムも、そのような先制攻撃態勢を強化するために開発されたものです。ミサイル防衛システムの演習ともいえる今回の迎撃態勢は、朝鮮の対応とも相まって、東北アジアのミサイル軍拡をもたらします。私たちは際限のないミサイル軍拡をもたらす「朝鮮の人工衛星打ち上げ」「日本の迎撃」いずれにも反対します。

『1984年』(G.オーウェル)的世界の反復

■旧ブログ記事「吉田健正『戦争はペテンだ』」(http://tactac.blog.drecom.jp/archive/284)などで、何度か ふれたとおり、『1984年』(G.オーウェル)では、「対立」しあっている3超大国「オセアニア/ユーラシア/イースタシア」同士が、「敵の敵は味方」って構図で、離合集散をくりかえしたりと、作品発表直後に露呈する冷戦構造を予見したような印象をあたえます。■『1984年』が、冷戦構造の強烈なパロディになっているのは、単なる対立関係の寓話になっている点だけではありません。「敵の敵は味方」って、みもふたもない政治的論理で コロコロ外交方針をきりかえる政府に対して、国民が 洗脳される、ないしは無関心で、そこに疑念がはさまれないという状況。■それと、「戦争は平和」である、といった、ふざけた逆説的スローガンを政府がながすわけですが、ダラダラ永続する戦闘状態によって、国民が 臨戦態勢にマヒしてしまっていて、敵国と停戦状態になっているのか、友好関係になっているのか、戦闘再開になったのか、どうでもいい、といった気分に支配されている点です。■たとえば、イスラエル・パレスチナのように、対立関係が常態化することで、国民に無力感がはびこり、安全保障のために外交・戦争を継続しているんだと いいはる政府広報が むなしく ひびくという、虚無的状況が「正統性」を保障している逆説。
■米中ロ3大国は、ミサイル攻撃の応酬こそやっていませんが、友好敵対を何十年もくりかえしていますし、イスラエル・パレスチナの両政権の「停戦交渉」などは、『1984年』みたいな 奇妙な構図が現実化したものと解釈可能でしょう。

■しかして、極東=太平洋最西地域の地政学はどうなっているかといえば、「むかしの敵は、同盟国」的なグロテスクさを現実化していますし、すくなくとも、朝鮮半島北部の政権と 中国大陸中央部の政権あたりは、国防体制という論理で国民からの批判を封殺してきました。■「むかしの敵は、同盟国」的なグロテスクさを60数年も維持している某国は、隣国との和解をうたいながら、実際のところは、対立が反復するよう演出することで(敵国と内通するかたちで)、「内憂」を封じこめているとしかおもえません。■隣国との緊張関係を口実に、兵器製造や輸入を正当化する やりくちも、たがいに連携しているとしかおもえないほどです(笑)。
■今回の騒動も、以上のような構図の再演でしかないはずなのに、ラジオなどにながれる報道は、危機をあおる演出ばかりが はなにつきます。

■以上、こういった虚無的構図から自由になれないハラナなどは、うえのような平和運動に反対しないものの(たしかに正論なので)、愚劣な茶番劇に きまじめに呼応しようとするみなさんとは、ご一緒できないなぁ、というのがホンネです。安保体制はもちろん、それを口実にした軍事独裁体制も、くさい茶番にしかみえないからです。■そういった構図に、まっこうから「正論」で批判をくわえるキャンペーンは、はたして どの部分に連帯をもとめ、政府周辺のどの部分に影響をあたえようとねらっているのでしょう? 正直、意味不明です。

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