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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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和語・漢語・外来語=想像の連続体としての日本語7

「漢籍イデオロギー=想像の連続体としての日本語6」のコメント欄でかわされた論点を整理しておく。

■とりあえず、ウィキペディア「語種」の記述を参照。


語種(ごしゅ)は、日本語の単語を出自によって分けた種類。和語(大和言葉)・漢語・外来語(洋語)、および、それらの混ざった混種語に分けられる。

3つの語種

和語は、「やま」「かわ」「さくら」「あさひ」「のりもの」「おもちゃ」「さかな」など、日本古来の固有語、または、固有語の組み合わせや変化形を指す。
漢語は、「山脈」「庭園」「桜楓」「旭日」など、中国古来の漢字音を用いた語を指す。多くは中国語からの借用語であるが、日本で漢字音を用いて作った「三味線」「演説」「哲学」などの語も含まれる。
外来語は、「ペン」「ギター」「コーヒー」「エチケット」「エネルギー」など、一般には漢語以外で他言語に由来する借用語を指す。その多くは西洋語であり、なかでも英語に由来するものが多い。日本で作られた和製洋語・和製英語もある。
混種語は、語種のことなる単語からなる複合語である。「歯ブラシ」(和+外)、「運動靴」(漢+和)、「プロ野球」(外+漢)、「年末ジャンボ宝くじ」(漢+外+和)など、その組み合わせは多様である。
戦後の日本語では和語と漢語、和語と漢語による混種語が同義の外来語に置き換えられるか外来語が優勢になる傾向があり、「ちち(乳)」(和)→「ミルク」、「衣紋掛け」(漢+和)→「ハンガー」、「施錠(する)・錠」(漢)→「ロック(lock)」などの例がある。
……

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■「日本古来の固有語」「日本で漢字音を用いて作った」など、日本列島の住民を「一枚いわ」と自明のようにあつかう視点、「中国古来の漢字音」など、中国大陸の一体性・連続性をうたがわない発想、そこからの系譜を自明視する視座などが、大問題だとおもう。■が、そういった違和感をを とりあえず封印するなら、現代日本でもちいられる単語の出自を3種類+混合に大別するというモデルは、おおむね まちがっていないかもしれない。■また、ウィキペディアの記述では 慎重にも 明言されていないが、それぞれが、ひらがな・漢字・カタカナで かきわけられていて、それは、日本語話者たちが、自己意識として、内部化をゆるした次元をあらわしているとみなす見解もある(たとえば小坂井敏晶(こざかい・としあき)『民族という虚構』東京大学出版会)。

■しかし、念いりに みていくと、こういった3分類が 意味をもつのか? すくなくとも、使用者たちにとって 区分は無意味ではないのか? といった疑念がわいてくる。


■たとえば、“ダイコン”は 以前、この列島上では、「おーね」ないし「おほね」と よばれていたらしい。

 歴史をさかのぼってみると、エジプトには、紀元前2700年頃のピラミッドの碑文に、工事に加わった人々に玉葱、大蒜とともに廿日大根を配給したこと記録されていて、紀元前200年には、栽培の記録もあるという。古くから健康によい食べ物として知られていたようである。

 中国にも、紀元前1100年頃に、すでに大根についての記録があるという。

 ひるがえってわが国では、八世紀に編まれた古事記に「淤富泥」(おほね)、日本書紀に「於保爾」(おほね)の記述が見られ、大根という文字は十世紀に書かれた和名類聚抄(923-930年)になってようやく見られるようになるが、まだおほねと読んでいたようだ。大根がだいこんと読まれるようになったのは、室町時代以降になる。かの『徒然草』には、土大根(つちおほね)を「よろづにいみじき薬とて、朝毎に二つづつ焼きて食ひける」役人が出てくる。

          〔「【 心里美 】」『中国語学習ノート』〕
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■こういった、中国・日本、などの空間概念を自明視する見解には 到底くみできないが、「ウフニ /uhuni/ (名詞) 植物 大根。デークニ deekuni というのが普通。」(『首里・那覇方言音声データベース』)といったデータをみても、「オホ」ないし「オー」という語形が実在したことが、推定できる。■それは、「オホネ/オーネ」という音声に「大」という漢字表記があてがわれ、のちに「ダイコン」「ダイコ」「デーク」「デークニ」などの音形へと展開したことを意味するわけだ。
■そして、「ダイコ」「デーク」「デークニ」などの音形を日常的につかっていた層にとって、こういった語形の展開の経緯・語源などは、どうでもいいことだし、おそらく 日本列島うまれの漢語、といった分類を意識したことなどないだろう。■ド・ソシュールが、話者の意識は共時的であるから、語源は、捨象してよい、という方法論を強調したことと、「出自」問題は、かなりかさなる。

■いや「大根」という漢字表記が義務教育・マスメディアによって大衆化した現代日本にあっては、社会的事実として、「大根」は、日本列島うまれの広義の漢語、という分類は、とりあえずよい。■しかし、「菊」「馬」「梅」などが、中国大陸渡来の、もと「漢語」である、「駒(こま)」「銭(ぜに)」「文(ふみ)」などもそうだ、といった知識となれば、到底「常識」のたぐいではない。
■「役目」「役割」が、“重箱読み”ではなく、「和語」であるとか、「台布巾/台拭き」の意識、「四人(よニン)」「四時(よジ)」「四千(よんセン)」「四回(よんカイ)」で、「よ(ん)」は、あるいは、「(二十)七回/階」の「なな」が、漢語の一部なのか**、「(二十)四日(よっか)」は「二十三日」と「二十五日」のあいだにはさまれた異物?とか、…、等々、われわれは 日常生活のなかで、ほとんど 無自覚に これらの 慣用法を駆使している。

** 地域方言にかかわるだろうが、「十七日」が「じゅーしちにち」なのか「じゅーひちにち」なのか、「質屋」が「しちや」なのか「ひちや」なのか、わからない層だって結構いる。いちいち、モジ化されない 語形は、意識化されないのだ。


■イングランド語起源ではない、「外来語」というのも、ポルトガル語起源はもちろん、意識化されずに、日常生活にとけこんでいるだろう。■卑近な例では、“サボる”を地域方言だと カンちがいしていたというケースなどがあるが、“ラッコ”“トナカイ”“オットセイ”“シシャモ”“ルイベ”など、アイヌ語起源とされている語群などは、一般には、イングランド語経由などと誤解されているか、由来不明として、なんとなく つかっているのではないか? ■「チョンガー」、「ギョーザ」など、朝鮮語・中国語起源の コトバもね(漢字がきの「饅頭」なんぞもそうか…)。■近代にはいってから、定着した「ハクサイ」などは、語源・名称・表記なんて、もはや どうでもいいものの典型例かも。
■こういった傾向は、学術的な世界での、いわゆる「和名」が、第二次世界大戦後にカタカナがきされるようになったことで、一層、意識化が困難になったとおもわれる。

■あるいは、自動車を意味する「クルマ」とか、「和漢混合」だったはずの「彼女」を「カノジョ」としるすなど、カタカナがきの一般化は、今後つよまることはあっても、よわまることは当分ないようにおもわれ、すくなくとも 小坂井氏がのべるような おおざっぱなモデルの有効性は、どんどん低下していくような気がする。

■その意味では、「想像の連続体としての日本語」という共同幻想を自明視しない以上、「和語(大和言葉)・漢語・外来語(洋語)」という、出自による3分法と それに対応した3表記という「系統」は、成立せず、すくなくとも 利用者の意識にとっては無意味であり、ウィキペディア「日本語の表記体系」で論じられているようなこと、音読み訓読みの識別も、どんどん空洞化していくだろう。なにしろ、固有名詞表記に準じるかたちで、「訓」の恣意性はデタラメで、体系をもちあわせていないのだから、そこに利用実態における淘汰圧力がかかるのは当然だろうし。


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テーマ : 日本文化 - ジャンル : 学問・文化・芸術

タグ : ナショナリズム 漢字 漢語 日本語 想像の共同体

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『毎日新聞』(3月8日号28ページ)より

難解医療用語言い換え
国語研が手引書

国立国語研究所は7日、医療現場でよく使われる言葉や、誤解しやすい言葉などについて、言い換え例などを示した手引書「病院の言葉を分かりやすく―工夫の提案」をまとめた。12日から書店などで販売する。
(中略)
同研究所は「医療者と患者で情報が共有され、互いの信頼が形成されることで初めて医療の安心と安全が達成される。大いに活用してほしい」としている。1冊2100円。問い合わせは勁草書房(03-3814-6861)。

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