プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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外国人看護師と、障碍としての日本語

■「ケア労働の「開国」」の関連記事。■『朝日』の記事(紙面では、3月3日朝刊1面・2面)から。


“看護の志、言葉の壁 でも「頑張ります」” ルポにっぽん

2009年3月2日3時1分

 東京のベッドタウン・千葉県柏市。千葉・柏たなか病院3階の病棟は昼食の時間。食事を運ぶ運搬車から、煮付けのにおいが廊下に広がる。

 「もう少し食べましょうよー」。女性患者の口に、おかゆをすくったスプーンが運ばれる。「いらないんだもの」としかめっ面の女性の口のすき間に、スッと一さじ。
 「これで最後でーす」

 スプーンを手にニコニコ顔の女性は、頭にイスラム教信者の女性がかぶるスカーフ「ヒジャブ」をつけている。
 ザイニ・ワルダニ・シトルスさん(27)。インドネシアと日本両政府の経済連携協定(EPA)に基づき来日。半年の研修を経て2月から、4人の仲間と一緒に働き始めた。
 インドネシアの看護師資格を持つ。大手病院の救急で2年、サウジアラビアの公立病院で3年働いた。「日本で最新の医療技術を学びたい」とEPAの募集に手を挙げた。
 午前は医療用具の消毒や準備、昼は患者の食事の介助や口のマッサージ。午後は授業。病院が雇った2人の日本語教師が付き添う。


 手術室の隣にある材料室で様子をみせてもらった。
 マスク姿で黙々と、大きなガーゼ布をはさみで切る。作業台で1センチ四方にたたんで、箱にすき間なく並べる。傷口の止血に使うガーゼだ。

 「インドネシアではこういう仕事は誰がしてますか?」と尋ねると、「看護助手です」。

 日本語の先生が、戸棚から手術用具を二つ取り出した。はさみによく似た形だが、先端の形がわずかに違う。「これとこれ、何がどう違うの?」と尋ねる先生に、ザイニさんは日本語で使い方を説明した。ただ「鑷子(せっし)」など名前は知らなかった。「日本語だけの問題なんですよね」と先生。
 病院は、5人のために担当の看護師を2人置いた。日本語の上手な在日インドネシア人も相談相手に呼んだ。
 半年の研修費用なども病院が負担した。5人分で300万円。病院を運営する医療法人社団葵会の加田理恵・理事長補佐は話す。「人手不足を安く補いたいから外国人の看護師を受け入れると思われるのなら心外です」

 5人が、インドネシア料理をふるまってくれるという。夜、敷地内の寮を訪ねた。
 台所にあるテレビの上には、白衣姿でほほえむザイニさんの写真が飾ってあった。左袖にアラビア文字。サウジアラビアの病院で、同僚が撮ってくれたという。
 入国から2週間余で手術室に配属され、内科や外科の病棟へも。注射や薬剤の用意など、仕事は現地の看護師と全く同じ。スタッフや患者とは英語で話していたという。
 5人にどうしても聞きたくなった。資格もキャリアもあるのに、日本の国家試験に受かるまで補助的な仕事だけで3年間、頑張れますか?
 おしゃべりでにぎやかだった部屋が静かになった。言葉を探すような間があってから、1人がぽつりと「仕方ありません……」。ザイニさんが言葉を継いだ。「患者さんとコミュニケーションするのが大事。いまは話せないから、(医療行為は)したくない。試験に合格したらここでずっと働く。無理でも、日本の進んだ医療を見られるだけでもいい。頑張ります」
 22日に東京・八王子で1回目の国家試験に挑戦した。試験問題は日本語。先生と自己採点した。全240問のうちたぶん、正答は30問。「恥ずかしいよー」とザイニさん。
 チャンスはあと2回。来年の試験に向けた1年が、また始まった。

 ■勉強、手探り

 「けんおんしゃ。ちしょく。分かりますか?」

 横浜市の特別養護老人ホーム「さわやか苑」。筒井博子・介護部長は2人のインドネシア人女性にゆっくりと話しかけた。2人が持つ紙には「検温者、遅食」とある。夜勤者から日勤者への申し送りに使う用語だ。
 EPAで介護福祉士候補者として来たエマ・ユリアナさん(23)とチトラ・バレンティンさん(22)は、母国の看護大学を卒業したばかり。筒井さんの話を傍らの通訳が解説すると、2人は真剣な表情でノートにつづった。「日本語、難しいです」。チトラさんはため息をついた。
 母国での資格を前提に、滞在許可期間に計3回受験できる看護師に対して、介護福祉士は1回。日本で3年間の実務経験が必要なためだ。
 「日本人でも半分は落ちる試験なのに、1回勝負だなんて。何とか合格し、ずっとここで働いてもらいたい」とホームの運営法人の大矢清理事長は応援する。
 日本語授業は週2回。介護にかかわる日本語指導や国家試験対策は、法人職員の大川典子さんが担当する。社会福祉士で日本語教師の経験もある大川さんは、教材を手作りしている。「2人とも勉強熱心だけれど、日本語も介護も一緒に勉強できるカリキュラムはない。どう教えたら合格できるのか、手探りです」

 ■資格とっても7年

 EPAが始まるずっと前から、外国出身の看護師がいると聞いて訪れた。
 千葉県袖ケ浦市の袖ケ浦さつき台病院。ベッド数300余の中規模病院だ。2階のナースステーションで看護師たちがきびきびと動いていた。
 その一人がベトナム人のブイ・ティ・フェンさん(29)。日本語を学んで2年余で来日し、群馬大学に合格。医学部保健学科での4年の勉強をあわせて計約6年で、日本の看護師国家試験に通った。同病院で働き、今年で6年目になる。
 ベトナムでの日本語授業などからずっと日本の民間団体「AHPネットワーク協同組合」に支援を受けた。同病院にいるほかの5人のベトナム人看護師も同じだ。
 スピードが求められる外科病棟で、医師の指示を後輩に伝えるほどのブイさん。だが頭の中には常に「7年」の期限がこびりついている。
 日本では、看護師としての在留期限は7年で、それ以上ビザは更新できない。つまり、看護師になったら7年で出国しなければならない。弁護士や研究職などは何度でもビザ更新できるのに、だ。
 この2月、先輩のベトナム人看護師に朗報が届いた。7年の在留期限を前に永住ビザが認められたのだ。同組合の支援で日本の看護師資格を取ったベトナム人56人の中で初めて。「非常にまれなケース」(同組合)という。
 ブイさんはますます迷っている。せっかく苦労して看護師資格を取ったのだから、もっと日本で働き、在宅看護などの技術も高めたい。永住ビザが無理なら大学院に進むか、それともほかの国に――。
 「日本で教育を受け、資格をとって働いてきた。なぜビザ更新ができないんでしょう」。ブイさんは大きな目をさらに大きくして、尋ねる。

 ■外国人活用、展望なし

 厚生労働省推計によると、団塊世代の高齢化などに伴って14年には、04年の4~6割増にあたる140万~160万人の介護職員が必要と見込む。看護師はいまでも4万人程度が不足しているという。
 だが同省は、資格を持ちながら働いていない「潜在看護師」(約55万人)や、「潜在介護福祉士」(約20万人)の復職を支援すれば、不足は解消できるとの立場。日系人や日本人の配偶者らを除き、政府が外国人労働者の受け入れを認める16種類の「専門的・技術的分野」に介護は含まれず、看護は日本の国家資格を持つ人だけに、7年を上限に滞在を認めるのみだ。
 今回のEPAでは、3~4年以内に国家資格を取得すれば、その後は更新しながらずっと日本で働き続けることができる。だが政府はあくまで「人材交流」と位置づけ、インドネシアとフィリピンで2年間に千人ずつに限る。資格試験や日本語の教育は、病院や施設側が計画して費用や指導者を負担するのが要件だ。
 世界は異なる。人手不足の中東や英米、シンガポールなどでは大量の外国人看護師を受け入れている。英国看護師助産師協会によると、99~07年に新規登録された計約25万人のうち、34%に当たる約8万5千人が海外からの看護師だった。三井情報総合研究所丸山智規研究員によると、優遇策をとる国も多いという。アラブ首長国連邦は自国の資格を求めない。シンガポールは自国の資格を取れば、事実上何回でもビザ更新が可能。さらに東南アジア諸国連合は、加盟国間で資格を相互に認証する制度に合意した。
 「日本でも介護・看護分野の人手不足は容易に解消できず、外国人受け入れの流れは避けられないのに、国にビジョンがない」とアジアの介護労働事情に詳しい安里和晃・京都大大学院准教授。「今回のEPAでも、国は教育支援を病院や施設に任せきりにしている。能力ある人材を育成・活用するために、統一的な教育プログラム開発や労働条件の整備などを主導すべきだ」(前田育穂、錦光山雅子、生田大介)

     ◇

 ■インドネシアからの看護師、介護福祉士の候補者受け入れ■

 インドネシアと日本両政府の協定に基づき、計208人が来日。100カ所の介護施設や病院で資格のいらない看護助手や介護助手として働いている。看護師候補者は母国で資格を持つ人のみで滞在許可期間は3年。介護福祉士候補は4年。その間に日本語で国家試験に合格しないと帰国しなければならない。

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■看護助手など、看護というより介護の職務を看護師にさせる姿勢、最大7年間しか更新をゆるさない制度は、あきらかに「すけっと」あつかい。労働条件を好転させない(まともな人件費を投入するつもりがない)まま、人件費の内外価格差だけをたよりにくりかえしてきた、つごうのよい求人。体質として、全然かわっていない、この日本列島という空間の体質。■「弁護士や研究職などは何度でもビザ更新できる」なんて つかいわけは、バイカルチャーに ユトリで対応できるエリート層だけを優遇しようという、「免疫機構」的対応だよね。
■「労働・成果の需給も、やはり「地産地消」が基本3」などで論じた問題ともからむが、研修が研修として意味をもつためにも、専門職の技能を最大限にいかすためにも、補助的職務に限定した「労働力輸入」はまずい。研修目的のひとには、希望の勤務期間で帰国がゆるされる一方、「ほねをうずめる」つもりの層もみとめないと。5年以上勤続層には、永住権をみとめるなど、当然の施策だとおもう。■基本的には、20代なかばから40前後までバリバリはたらくつもりの層を軸に研修環境・労働環境を整備すべきなんじゃないか?

■それにしても、こういった専門性・地域性が決定的な職種なのに、この日本語研修の水準のひくさはどうだ。■「ことばのバリアフリー」からほどとおい、医療現場という、専門家支配の問題が、まずある。■しかも、そこには 人命がかかわる、切迫したコミュニケーション事情がある。■さらには、標準語テキストだけでは まかないきれないという、地域性がからんでくる。
■日本語研修は、こういった複雑な背景を総合的にとらえて指導できる専門職でなければいけないはずだが、この記事からは、到底そんな配慮・制度は、よみとれない。■「ただ「鑷子(せっし)」など名前は知らなかった。「日本語だけの問題なんですよね」と先生。」とか、現場の人間が、問題の所在に全然無自覚で、めをおおわんばかりの惨状。これで人命にかかわる事態がおきたら、だれが責任をとるのだろう。■「検温者、遅食」とか、日本語が第一言語だってわからないよ。はやく、やめようよ。


●Google“ことばのバリアフリー”
●「ことばのバリアフリー」『ta meta ta phonetika』
●「ことばの意味[アクセシビリティのメモ2]」『アクセシビリティのメモ帳
●Google“ことばのユニバーサルデザイン”
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タグ : ナショナリズム 日本語 外国人労働者 介護 看護

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コメント

インドネシア人、フィリピン人が看護師の免許を取れば在留期間制限ないが、なぜ現在看護師の免許を持っている他の外国人の場合は7年しか在留認めないでしょう。平等にしたほうがいいと思います。せっかく国家資格を持っていても7年しか働けないのはもったいないです。

うわさを総合しただけですが…

今回のうけいれも、極度にハードルをたかくすることで、事実上合格者がほとんどいないかたちにすることが暗黙の了解なのだそうです(おそらく日本看護協会などが、「圧力団体」となっている)。既存の日本人看護師の労働条件がほりくずされるという、不安感をおさえこむために、「どうせほとんど合格しませんよ」と。つまり、看護師資格をとらせず、看護助手として介護労働だけをさせるつもりなのです。
■一方、現在看護師免許をもっている外国籍者については、それこそ、「すけっと」として短期だけ助力してくれればいい、という、はらづもりなのだとおもいます。■つまり、産業界などは積極派ですが、労働がわは、総じて「鎖国派」なのだとおもいます。その根拠の正誤・妥当性などはともかくとして。いずれにせよ、いまのところ、定住して、現役生活をまっとうするつもりの「すけっと」をよぶつもりなどないのです。
■小生は、労働力も基本的に「地産地消」だとかんがえていますが(そうでないと、人材流出になる)、人材があまっている地域から、不足している地域への流動・定着は、当然だし、それに応じた施策の整備、人権意識の涵養が不可欠だと、同時におもっています。

そうですか、お話を聞きますと、本当に看護協会は残酷な人間ばっかし集まっているところですね。他の看護婦さんは 看護協会のメンバーは実際病院の現場で使えない人たちが集まっているところだと言っていました。何て、看護協会の人たちの心は狭いですね。外国人を苦労させているばかりですね。インドネシア人、フィリッピン人を日本へ呼んで、看護師の国家資格を受けさせるためじゃないですね。結局本音は介護、ヘルパーの仕事をさせるですね。それは残酷すぎます。うそつきばっかし。本当に日本の制度は外国人にとって幸せな制度ですしょうかね。いっぱい苦労させて、やっと資格を取れても滞在期間を制限し、しかも厚生年金を払わせたのです。インドネシア、フィリッピン人以外の外国人看護師は7年しか滞在を認めない、つまり、7年過ぎたら帰国しなければならないのに、何で厚生年金を払わせるんのですか。今度訴えますよ。

日本の政治は弱すぎますよ。はっきりと決まればいいのに。何で看護協会に政治圧力かけられたのか。看護協会は政治家より強いのですか。

日本に来た外国人は皆は頭がよくて、能力がある、そして仕事ができる人だと思います。選べられて日本に来たもの。なので、外国人を差別しないでください。平等にしてください。

私の先輩はベトナム人看護師、皆 ICU病棟や、救急センターなどで働いています。すごいでしょう。7年で帰るともったいない。日本語も通じるし、日本人より仕事ができる。看護協会もっと病院の現場を知りなさい。やっぱり頑張っている人を認めて欲しいです。

結局、税金のつかいかたの問題

「ななし」さま

■みもふたもない いいかたになりますが、所詮はカネの問題につきるとおもいます。■医療費が、ちゃんと医療スタッフの重責に応じた労賃をはらうという決断を国民がするかどうか?
■その意味では、自民党の議員に自分たちの利益代表をおくりこんできた看護協会のみなさんは、自分たちの利害追及に汲々とするのではなく、まっとうな労働対価と、外国人であるかどうかにかかわらず、同一労働同一賃金の原則を堂々と要求すべきだとおもいます。■しかし、そのためには、まずはお医者さんたちの過労死寸前の状況とか、それを改善する要求運動がもりあがらないと。最高の知的エリートの一部であるはずのお医者さんが、「病院残酷物語」の主人公という惨状がつづくかぎり、医療スタッフの人権、介護スタッフの人権は、保障されないとおもいます。

こんばんわ、たまにブログ に お邪魔しても 大丈夫ですか。外国人の味方になっていただいてありがとうございます。これからも応援をよろしくお願いします。
病院のことよく分かるですね。お医者さんも大変ですけど看護婦も大変ですよ。私の日勤帯病棟は看護婦 3人しかいなくて、毎日忙しいです。看護婦の職業は離職率が高いと言われています。どこの病院も 看護婦 が足りないと言うが、法律では外国人看護師の滞在期間が制限されています。外国人をすごく差別するような気がします。私は卒業してからずっと急性期 外科病棟で働いていますが、他の科も経験したいですが、あと1年半でビザが切れるので、そのまま外科病棟にいます。転職しないことを決めました。後 1年半 法律が変わらなければ国に帰らなければなりません。今 病院で仕事忙しくても楽しく毎日働いています。後1年半で今の仕事ができなくなると思うとすごくさびしいです。病院の職員と皆仲よくしていますし、先生たちにも好かれますし、患者さんにも好かれますし、病院の仕事が嫌になる理由はないです。私は自分の国で社会に出たことがないです。日本で看護を学び、日本で働いていますので、むしろ 日本の社会のほうが慣れているような気がします。自分の国も好きですが、日本も好きです。
これからもぜひ 外国人の看護婦のことの応援をよろしくお願いします。頑張ります。

最前線からとおい「後衛」からですが

「ななし」さま

■病院関係者が周囲にいるわけでもなく、情報源は ごくかぎられていますが、それでも できることがないか、病院業界内部にとどまらない構造的矛盾はないか、こころにとめようとしております。■今回も、関心をもつギャラリーがいるかもしれないので、当方の備忘録をかねて ベトナム出身看護士関連の情報をいくつかリンクいたします。

「ベトナム人看護師養成プログラムのハノイでの日本語教育」http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20090307/p1

「日本で仕事しているベトナム出身の看護師が取り上げられていました」http://d.hatena.ne.jp/gozyuuon/20090303

「AHPネットワーク協同組合・外国人看護師養成支援事業」http://www.ahp-net.org/kango.html

「シンポジウム「現場からの発信、外国人看護師の受け入れ」」http://www.ahp-net.org/sympo/sympo.pdf
 ↑ ■これなどは、すくなくとも(日本看護協会幹部や、一線の日本人看護士さんたちの ホンネがどこにあるかは別として)実に良識的な発言に終始しています。■ただ、滞在資格の問題や労働需給のバランスなどもあって、現実がキレイごとで推移するとは、とてもおもえません。■中長期的には、共存共栄の時代がやってくるとはおもいますが、そのまえに、本文でかいたとおり、医療現場全体の ひとで不足+過労という構造的矛盾を解消し、かつ正当な対価が保障されるよう、医療保険が整備されないといけません。■ともかく、「研修させている」といった意識でむかえることは、単に失礼なだけでなく、人材の国際的搾取なのだという自覚を、使用者・利用者(患者家族)がもてるよう、関係者が啓発活動をいそぐ必要はもちろんです。■在留資格の柔軟化もいそがないと。「ななし」さんのように、制度のはざまのなかで、関係者がみんな不満をかかえるという、おかしな事態におちいってしまいそうです。

■民主党政権下にかわったばあいは、キャンペーンのはりかた、ロビイスト活動のやりようでは、事態が少々好転できるかもしれません。■ただ、当方は、前線から ほどとおい位置にあり、具体的な戦略・戦術をくめるような 知識も資源ももちあわせておりません。ごめんなさい。■とりあえず、てもとにある資源を総動員したばあい、どんなことができそうか、かんがえてみます。





さあ日本各地へ フィリピン人看護師候補、研修終わる(朝日)

2009年10月28日23時36分

 日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)に基づき、今年5月から東京と大阪で約半年間の日本語研修を受けてきたフィリピン人の看護師候補者88人が28日、修了式に臨んだ。今後、全国44カ所の医療機関で働きながら、国家試験合格を目指す。3年以内に合格できなければ、帰国を余儀なくされる。

 東京都内の研修施設で行われた修了式には、34人が出席。候補者代表のミルドレッド・リベラ・カラアンさん(37)が「辛抱強く教えてくれた先生方に感謝します。言葉や国が違っても日本の医療に役立つと信じている」とあいさつした。式の後は、半年をともに過ごした仲間と、涙を流して別れを惜しんだ。

国家試験、言葉の壁訴え 外国人看護師ら受け入れ施設(朝日)

2009年11月2日4時32分

 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、看護師と介護福祉士の候補者を受け入れた病院・介護施設計100カ所の少なくとも7割強が、資格取得のための国家試験で日本語の振り仮名をつけたり、母国語の選択肢を設けたりするなど、何らかの配慮をすべきだと考えていることが朝日新聞社のアンケートでわかった。「試験に合格できると思う」と答えたのは2割に満たず、日本語の習熟がなお、厚い壁になっている実情が浮かんだ。

 インドネシア人が働く全国の病院47カ所と介護施設53カ所を対象に、9月下旬から10月上旬にかけてアンケートを送付。「施設側の方針」などが理由の回答拒否を除く86カ所から回答を得た。

 国家試験の受験方法について意見を聞いたところ、最も多かったのは「日本語の振り仮名をつける」で32カ所。「母国語や英語での選択肢を与える」も28カ所あった。「褥瘡(じょくそう)」(床ずれ)、「仰臥位(ぎょうがい)」(仰向けに寝た姿勢)など専門用語の多さや漢字の難しさが主な理由で、「その他」に記入のあった「受験回数を増やす」「試験時間の延長」なども含めると、71カ所(病院30、介護施設41)が何らかの変更を求めていた。

 一方、「特段の配慮をすべきでない」は13カ所。このうち9カ所が病院で、日本人との平等性や医療事故の防止などが理由だった。

 厚生労働省は「日本の法令に沿った資格付与が協定で決まっており、試験水準を下げることは考えていない」と受験方法の変更に否定的だ。それでも受け入れ側の要望が強いのは「このままでは合格できない」との危機感がある。

 現段階での日本語能力に対する評価は、「不満」「やや不満」を合わせて56%。学習時間については、45%が「足りていない」と回答し、理由として「教える側の体制不足」などが目立った。


 合格見通しは「合格者を出せると思わない」が33カ所(38%)で、「思う」の15カ所(17%)を大きく上回る。さらに、受験機会を増やすなどの理由で全体の58%が「在留期間の延長」を求めた。(十河朋子、宮崎園子、森本美紀)

     ◇

 看護・介護現場へのインドネシア人受け入れ 昨夏、第1陣の208人が来日し、研修を積んだ後、全国の病院と介護施設で働き始めた。それぞれ一定の専門知識を持つが、日本では無資格のため、看護師候補者は上限3年、介護福祉士候補者は同4年の滞在期間内に国家試験を受験。合格すれば引き続き滞在できるが、不合格だと帰国しなければならない。看護師試験が期間内に受験機会が3度あるのに対し、3年の実務経験が必要な介護福祉士試験は1度だけ。今年2月の看護師国家試験では82人が挑戦し、合格者はゼロだった。

外国人看護師、在留期限「7年」の壁(読売)

言葉の壁は越えたのに…

「このまま日本で働き続けたい」と話すベトナム人看護師のミンフーさん(左)とヴァンさん(千葉県の袖ヶ浦さつき台病院で)
 日本の看護師養成校で学び、資格を取ったベトナム人看護師たちが、7年の在留期間が切れるのを前に「日本で働き続けたい」と訴えている。

 研修名目で来日し、帰国は“既定路線”だが、同じ外国人看護師でも経済連携協定(EPA)で来日したインドネシア人らは資格を取れば就労期間の制限がなく、「不公平だ」との声もある。日本の労働市場開放の問題にも絡むだけに反対意見もあるが、彼女たちの叫びは外国人看護師の就労問題に一石を投じている。(小林篤子)

 

ベトナム人「悔しい」

 千葉県の袖ヶ浦さつき台病院で働くファム・ティ・ミンフーさん(29)は、ベトナム・ハイフォン出身。現地の高校卒業後に日本語の勉強を始め、20歳だった2000年に来日した。秋田県内の看護専門学校を受験して合格し、03年に看護師資格を取得。ミンフーさんら外国人看護師は入管難民法に定める「医療」の在留資格で滞在し、免許取得後、7年に限って就労が認められている。

 期限が来年4月で切れるミンフーさんは「日本語を必死で学び、国家資格を取り、看護師としてやっと一人前の仕事が出来るようになった。助産師の資格も取りたいし、患者さんとの人間関係も築いた今、『帰れ』と言われるのは悔しい」と話す。

 「医療」の在留資格で滞在する外国人医師・看護師らは昨年末で計199人で、看護師が相当数を占めているとみられる。就業看護師約87万7000人に占める割合は小さいが、4年前の1・7倍に増えた。

 ミンフーさんは、永住許可を申請する予定だが、許可には、原則10年以上の在留などが求められる。学生時代の3年と合わせ計10年になるため、先輩看護師の中には永住が認められた人もいる。だが、審査には時間がかかる上、許可されなければ帰国を余儀なくされる。母国でも看護師として仕事はできるが、就労先があるとは限らない。

 同病院には、ミンフーさんと同じ立場のベトナム人看護師が3人いる。3年後に在留期限を迎えるグェン・タン・ヴァンさん(26)も「7年の壁がいつも心にひっかかっている」。同病院の竹内美佐子看護部長は、「やる気がある優秀な看護師を外国人というだけで帰国させるのは忍びない。病院にとっても大きな損失だ」と話している。

 EPA 経済関係の強化を目的に締結する協定。日本は、インドネシア、フィリピンとの2国間協定に基づき、それぞれ2年間で看護師400人、介護士600人を上限に受け入れることになっている。看護師は3年以内に日本語で国家試験を受験し、合格すれば引き続き就労出来るが、不合格なら帰国しなければならない。昨夏以降、看護師は計約200人が来日した。

◇ ◇ ◇
 

「研修」堅持を/制限おかしい

 国が外国人看護師の就労を「研修」として期間の上限を設けているのは、日本での看護技術の習得を国際協力の一環と位置づけているためだ。本国に戻り、学んだ技術を生かしてもらうという基本姿勢がある。だが、専門技術を持つ外国人労働者の受け入れ拡大策の一環として、法務省は06年に在留資格に関する省令を改正。6年以内だった外国人医師の就労期間の制限を撤廃し、看護師も期間を4年から7年に延長した。

 規制撤廃を訴える声に対し、日本看護協会の小川忍常任理事は「外国人看護師は研修の一環として受け入れるという国の立場を堅持すべきだ。医療現場の看護師不足は深刻だが、それを外国人で補うのではなく、潜在看護師の復帰などに向け、労働環境を改善するのが先」と反対する。

 外国人看護師の受け入れ問題に詳しい安里和晃・京大准教授は「国家資格という要件を求めながら、就労期間を制限するのはおかしい。永住権も視野に入れた長期間の就労を認める制度改正が必要」とし、少子高齢化が進む中、「専門職を使い捨てるようでは優秀な人材は確保できない。もっと先を見据えた議論をすべきだ」と指摘している。

(2009年10月7日 読売新聞)

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■現在は、キャッシュ情報でしかよめない。

■ちなみに、『朝日』は、前便でとりあげた記事のウラ=朝刊2面に「外国人看護師 現場丸投げ」という関連記事を「時時刻刻」で掲載(ウェブ版と紙面との差別化のためか、「時時刻刻」がウェブ上にながれたことは、ないとおもう)。■みだしだけあげておくと、「指導法・カリキュラム 基準なし」「「カンジが…」嘆く男性」「国の学習支援「遅い」」「介護福祉士は受験一度きり」と、厚生労働省ほかの省庁が全然連携できずに デタラメな人材導入をはかったこと、人材育成とかをふくめた責任をおえる体制にはないことだけは、よくわかる記事。

日・フィリピン経済連携協定に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士 候補者の受入れについて(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other07/index.html

看護・介護分野の労働者の受入れを含む日・フィリピン経済連携協定は平成18年9月9日に両国首脳によって署名され、我が国国会(平成18年12月6日)及びフィリピン上院(平成20年10月8日)の承認を経て、平成20年12月11日に発効しました。
日・フィリピン経済連携協定に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士候補者(以下「フィリピン人候補者」という。)の受入れは、平成20年7月1日に発効した日・インドネシア経済連携協定に基づくインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の受入れとほぼ同じ枠組みとなっていますが、日・フィリピン経済連携協定には、病院又は介護施設で就労・研修を行って看護師・介護福祉士試験に合格して看護師・介護福祉士資格の取得を目指すコース(以下「就労コース」という。)に加えて、介護福祉士養成施設で就学し介護福祉士資格の取得を目指すコース(以下「就学コース」という。)が設けられています。
当初2年間で看護400人、介護600人を上限として受け入れる予定です。
平成21年の就労コースの受入れについては、本年5月に協定に基づくフィリピン人候補者の第一陣として283人を受け入れました。
介護福祉士候補者(190人(92施設で受け入れる予定))のうち、日本語研修を免除された10人は社団法人国際厚生事業団(JICWELS)による介護導入研修を経て6月10日から受入れ施設(9施設)で就労・研修を行っており、残りの180人は、学校法人新井学園(東京)、株式会社エヌ・アイ・エス(愛知)、財団法人ひろしま国際センター(広島)で日本語等研修を受講中であり、11月中旬頃より受入れ施設(91施設)で就労・研修を開始する予定です。
また、看護師候補者(93人(45施設で受け入れる予定))は、財団法人海外技術者研修協会(AOTS)(東京・大阪)における日本語等研修を受講中であり、10月下旬頃から、受入れ施設での就労・研修を開始する予定です。
また、就学コース(50人を上限として受け入れる予定)については、フィリピン人介護福祉士候補者は本年9月下旬に入国し、平成22年4月より介護福祉士養成施設での就学を開始する予定であり、現在、受入れ希望機関の募集中(6月17日~6月30日(消印有効))です。募集の詳細については、国際厚生事業団にお問い合わせください。
(平成21年6月17日現在)
・参考資料
(1~3ページ(PDF:406KB)、 4ページ(PDF:397KB)、 5ページ(PDF:487KB)、
6ページ(PDF:540KB)、 7~8ページ(PDF:327KB)、 9ページ(PDF:484KB)、
10ページ(PDF:347KB)、 11ページ(PDF:428KB)、 12~13ページ(PDF:488KB)、
14ページ(PDF:475KB)、 全体版(PDF:2,364KB))
・経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に基づく看護及び介護分野におけるフィリピン人看護師等の受入れの実施に関する指針(平成20年11月6日厚生労働省告示第509号)(全体版(PDF:140KB))
・「経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に基づく看護及び介護分野におけるフィリピン人看護師等の受入れの実施に関する指針」等について(全体版(PDF:490KB))
・日・フィリピン経済連携協定(外務省ホームページへのリンク http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty165_1.html
・国際厚生事業団のホームページへのリンク http://www.jicwels.or.jp/
・経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の適正な受入れについて http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other22/index.html
・外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/gairou/980908gai01.htm

特報首都圏(NHK)11月27日

『ニッポン”で働きたい ~インドネシア人看護師 2年目の試練~』
「人手不足」に悩む医療や介護の現場で、去年から始まったインドネシア人やフィリピン人の受け入れ。今年は今月13日にインドネシアからの第2陣が来日した。
こうした中、去年来日した第1陣の看護師や受け入れた医療機関を対象にした「現場の声」のアンケート結果がまとまった。看護師の多くは、母国では高度医療に携わる知識や技術を持ち、最先端の医療技術を身につけようと希望を抱いて来日したが、現場では補助的な業務にあたることしか出来ずに不満を高めている。
現場の声やアンケートの結果を手がかりに、外国人看護師の受け入れ制度が直面している課題や解決の方向を探る。


■ベトナム人の看護師養成支援は、一部成功している。要するに、ちゃんとシステムづくりをやれば、失敗しないとおもわれる。
ベトナム人看護師養成支援事業 《厚生労働省認可事業》 応援ホームページ 「がんばれ!ベトナム留学生
http://shibasen.net/vnkango.htm

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