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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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詭弁・合理化・誤謬2

■前便「詭弁・合理化・誤謬1」のつづき。■まずは、ウィキペディア「詭弁」の「概要」の転載。

日本語で日常的に使われる『詭弁』は、誤りである論理展開を故意に用いて、発言者に都合良く導き出された結論、およびその論理の過程を指す。発言者の「欺く意志」があってこその『詭弁』であり、『誤謬』とは区別される。

英語の『sophism』はもう少し意味が広く、形式論理の誤りや、(早とちりも含んだ)論理的飛躍も含まれる。否定的なニュアンスである事は日本語の『詭弁』と同じでも、発言者の不誠実さは定義に関係無い。

詭弁には、論理展開が明らかに誤っている場合もあれば一見正しいように見える場合もある。そして論理展開が正しいように見える場合、論理的には違反しており、誤った結論でも説得力が増してしまう。このため、説得や交渉、プロパガンダマインドコントロールのテクニックとして用いられることがある。

■ダマそうという明確な意思があるかないかは、決定的だとおもう。極端なたとえをするなら、「殺人」と「過失致死」ぐらいの差があるばあいさえありそうだ。■その意味では、日本語で「詭弁」と「誤謬」(やわらかく いいかえるなら、「トリック/ダマし」と「デタラメ/カンちがい」という区別を、理念型としてはっきりさせておく意味はありそうだ。■ただし、予防・リスク回避といった可能性の問題をとりあえずおくなら、被害にあうがわの実害という次元にしぼるかぎり、「殺人」と「過失致死」に大差はない。おなじように、意識的に詐欺行為をはたらこうが、まぬけであるがゆえに デタラメをやらかされようが、大差ないというのが現実ではないか?
■実際、経済行動や政治行動、宗教運動などは、集金装置・集客装置などにおいては、かなりの程度意識が基盤になっているだろうが、オウム真理教とかのケースをみても、ダマしたとされる当人たちがよっぱらっていて、正常な判断能力をうしなっていた感じがぬぐえない。

■先日の『朝日新聞』日曜版「日曜ナントカ学」(12/23)によれば、「まず意思決定、理由は後付け」がヒトの脳のはたらきらしい。■複雑で膨大な情報を瞬間的に処理するばあいも、その諸要因は意識化されない。でもって、情報群を総合的に判断した結果がわきあがってきたあとで、動機(理由・目的など)が、あとから発見されると。■自分がきめたことが、途中でさしかえられても、おおくの人物は交代にきづかず、あらぬ対象をえらんでいる自分の判断をムリヤリこじつけて合理化するとか(笑)。
■となるとだね。ヒトラーたちのように、あらかじめ計算づくで ゴマカシをやらかす悪質な連中もいるが、詭弁のたぐいも、くりだしている当人たちは、明確な悪意があってやっているのではない気もしてくる。たとえば、自民党の面々とか、ブッシュ大統領とか、そんな感じしてこないだろうか?(笑)
■では、なんで、連中のくりだす論理が実質的に詭弁なのだろうか?■おそらく、かれらは、瞬時に膨大な利害を勘案して、自派にとってつごうのよい結論にたどりつく。当然、自派の利害第一だから、野党の主張やら国民各層の利害とは衝突する。国民のごく一部にとってだけ有利な政策がかんがえつかれる。■われわれ第三者は、その結論をみて、あたかも かれらが冷酷非情な計算を周到につくして、かんがえぬいた詐欺行為をはたらているようにおもいこんでしまう。■しかし、実はちがうのではないか? かれらが冷酷非情な計算を周到につくして、かんがえぬいた詐欺行為をはたらくのは、党利党略というか、派閥間や族議員同士の離合集散という次元でのヘゲモニック(動態的)なポリティクス(政治抗争)にかぎられるのであって、およそ政策の細部にわたってまで、官僚のレクチャーだけで周到に理解したうえで、悪意のもと国民をだまくらかしているのではないような気がする。■連中は、官僚からだされた法案が自派にとって有利か不利か、瞬時に判断がつくだけで、それでのめると判断できたばあいは、あとづけで合理化がどうとでもきくのだ。いや、官僚自体が、省益という観点から瞬時にとるべき方針がえらびぬかれ、その合理化は実はどうでもいいのかもしれないのである。

■このようにかんがえてくると、詭弁というのは、くりだす主体が頭脳明晰で悪質だからというよりは、頭脳が論理的にははたらかず、ただ暗黙知にしたがって直感的に即断できる、一部の動物的集団の合理化装置なのではないかとおもえてきた。■なにしろ「まず意思決定、理由は後付け」なんだから。
■その意味では、内田樹先生ばり、ないし橋本治先生ばりに、「わたしのカラダは、かしこい」式の動物的直感にすぐれた層の愛用するのが、「詭弁」であり、それに対抗するためには、それら詭弁を熟知した、きたえられた知性を用意するか、詐欺集団の動物的直感をうわまわる直感でもって、イヤイヤの徹底抗戦をきめこむしかなさそうだ。■体感として利己的にずるがしこく、論理的思考という意味では、これまたごつごう主義的にアホな連中と、論理的な議論をたたかわせてかとうとおもってもムダだろう。■自民党的な体質への対抗策としてカマヤンたちが指摘する「知の牛歩戦術」とは、こういった潜在構造をよみきったうえでの結論ではないだろうか?


●「自民党的弁論術/没論理弁論術」←ほねぶとの名文。スルメのように あじわいぶかい。
●「オウム事件・仮総括」←これよむと、すくなくとも洗脳戦術は、明確な戦略の産物にみえるけど。
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コメント

詭弁に対抗するための本としては『だまされない<議論力>』(講談社現代新書)という本が面白かったです。
あと、詭弁ではないですけど、議論において生じやすい、行き違いを回避するための本としては『構造構成主義研究1 現代思想のレボリューション』(北大路書房)が面白かったです。

「勉強します!」と、ちからづよくいいたいところですが…

貝枝五郎さま

微妙なところです(笑)。■いまのところ、直感的な違和感で、なんとかなっていることもあって、お勉強の時間をさけるか、あやしいところ。
■ともあれ、ご教示ありがとうございました。

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