■「
年金問題は、記録モレだけじゃない」「
年金記録改ざん「所長の指示」 社保事務所元課長が証言(朝日)」「
学生無年金訴訟」などの続報。■『読売』(図表つき)の記事をキャッシュでのせる。
年金改ざん手口、
職員代筆や三文判で偽装
…調査委報告書 「証拠が残らないようシュレッダーで破棄した」「三文判で(書類を)偽造した」。厚生年金記録の改ざん問題で、28日公表された弁護士らによる調査委員会の報告書には、アンケートに対して不正を「告白」した職員らの証言が並んだ。「(社会保険事務所の)現場レベルでは組織的」と断罪された改ざんはどのように繰り返されたのか。

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◆改ざんの手口
報告書が「現場では組織的」と判断したのは、一見して不自然な訂正処理とわかる書類に、事務所長や課長らが決裁印を押していたケースなどがあったためだ。不自然な書類には、保険料徴収の担当課だけでなく、複数の課の職員も携わったケースが相当数あった。
「明文化された改ざんマニュアルはない。仕事を覚えていく中で当たり前に身につける、恒常的な業務の一環」。読売新聞の取材に対し、複数の社保事務所職員がそう証言している。
◆悪質
2000年、年金支給額の算定基礎となる標準報酬月額(ほぼ月給に相当)が3か月さかのぼって訂正されたケースでは、事業主と従業員はいずれも社保事務所の元職員。担当職員の元同僚でもあり、不正の認識を共有していたとみられる。
02年、滞納事業所が合併する際、社名変更に乗じ、標準報酬月額をさかのぼって引き下げたケースでは、社保事務所職員が勧めていた。調査委では、これらは背任容疑などでの刑事告発に相当する悪質な事案としているが、いずれも公訴の時効が成立している。
◆隠ぺい
報告書に盛り込まれた職員へのアンケートからは、改ざんを隠ぺいする手口も浮かび上がった。
首都圏のある職員は、改ざんのため標準報酬月額を訂正する届け出を受けた場合、証拠の書類を「シュレッダーで破棄した」と証言。白紙の届け出書に、事前に事業主の社判と代表印を押させ、後で職員が代筆した例もあった。倒産で事業主が行方不明になると、三文判を買って書類を偽造したことさえあったという。
◆偏り
報告書は、改ざんの疑いが濃厚なケースが多い事務所として、東京都内の渋谷、新宿、港の3事務所を挙げた。年間の処理件数から見た割合が高いのは愛媛県の松山西、松山東、長野県の小諸の各事務所だった。
一部の事務所で改ざんが多発する背景について、都内の職員は読売新聞の取材に「徴収成績が悪いと、所長が社会保険事務局に出向いて決意表明させられる。渋谷、新宿、港といった大きな事務所には、ものすごく大きなプレッシャーがかかっていた」と話した。
(2008年11月29日03時06分 読売新聞)-------------------------------------------
■社会保険庁の組織的な「自爆テロ」=組織的リークという風説もあるぐらい、ひどい構図である。■おなじく『読売』の特集記事。
社保事務所、年金改ざん「組織的」
…調査委報告153人関与認める
厚生年金記録の改ざん問題で、舛添厚生労働相直属の調査委員会(委員長・野村修也中央大法科大学院教授)は28日、社会保険事務所が組織的に改ざんに関与したとする内容の調査報告書を公表した。
職員約1万5000人へのアンケートで不正への関与を認める証言を多数引き出しており、「(証拠を)シュレッダーで破棄した」と隠ぺい工作を認めた職員もいた。報告書では社会保険庁について「無責任な管理」と断罪。厚労省の監督責任にも言及した。同庁は報告書の内容を精査した上で、今後、関係者の処分を検討するとみられる。
報告書によると、社会保険庁が、全国の社保事務所に改ざんのやり方を書面で指示した事実は確認されなかった。しかし、各地の事務所内では、保険料滞納の事務処理過程で所長ら複数の管理職が決裁を行い、会議で把握するなど、相当数の改ざん事例が認識されていた、と結論付けた。
社保庁や社保事務所の全職員ら約1万5000人を対象にしたアンケートでは、153人が「不適正処理に関与した」とし、190人が「他の職員が不適正処理を行っていたことを知っていた」とした。ただ、調査委は、質問の意味を正確に理解せずに回答し、実際の関与の有無までは判断できないケースなども含まれているとしている。
改ざんのパターンについては、〈1〉職員が虚偽の書類を自ら作成した〈2〉職員が事業主に虚偽の届け出方法を教える〈3〉不適正な訂正処理であることを認識しながら見逃す――などの類型に分類。一部の社保事務所では「(改ざんが)仕事の仕方として定着していた」と指摘した。
職員が積極的に関与した〈1〉のケースでは、書類の控えを事業主に返さないようシュレッダーで処分したり、倒産で事業主が行方不明になったのに三文判を買って書類を偽造したりした手口も明らかになった。
改ざんの時期については、バブル崩壊と歩調を合わせるように1991年ごろから増え始め、93〜95年と98年に大量に改ざんされて、その後減少した。都道府県別では、埼玉、東京、愛媛などで多かった。また、時効が成立していなければ背任罪などにあたる可能性があった事例が複数確認されたという。
記者会見した野村委員長は「この報告を基に社保庁で内部調査し、懲戒処分を検討すべきだ」と述べた。同庁は「精査して速やかに対応したい」としている。
厚生年金記録の改ざん 月収の記録(標準報酬月額)を勝手に引き下げるなどの手口で行われる。労使折半で負担する保険料負担を逃れるため、事業主が虚偽の届けをするケースが多いが、社会保険事務所にとっても保険料滞納を減らし、徴収実績を上げる「利点」があったとされる。加入者の年金額は、年数万円程度減るケースが多いとみられている。
「仕事」として定着
◆調査委員会が公表した社保庁職員の改ざんに関する証言
▽保険料率が記載された計算書を用いて、改ざんで帳消しになる滞納保険料を手計算していた。
▽事業主から白紙の届け出書に、事前に社判と代表印を押印させて取得しておき、事後的に徴収課員が届け出書を代筆する例があった。
▽改ざんの届け出について、なんとなくおかしいと思っても見逃していた。
▽1995年当時、改ざんは「事務処理の一環」として行われていた。
▽年度内に滞納件数を減少させなければならないプレッシャーから、2〜4月には改ざんが増加する。
(2008年11月29日 読売新聞)-------------------------------------------
■「うしろゆびをさされる」とは、ムラ社会の いやらしさを端的に象徴して表現だが、ムラ社会の住民であるはず官僚たちの、この厚顔無恥ぶりは、「ムラ社会内部」の共犯関係だからか? それにしてもねえ…。■組織内犯罪は、構成員たちの感覚マヒによって 際限なくくりかえされる。そこに自浄作用ははたらかない。内部告発が誘発されて、周囲のムラ社会の住民たちが、「ひとごと」だからと、イジメをよってたかったはじめるまでは…。
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『毎日』記事続報
年金記録改ざん:「職員が届け出書代筆」さまざまな手口で
厚生年金記録の改ざんを巡る舛添要一厚生労働相の調査委員会による調査で、「診療報酬明細書(レセプト)の特別管理表があった」「白紙の書類に社判を押させた」などと社会保険事務所職員が証言し、組織的改ざんと隠ぺいの手口が明らかになった。保険料の徴収率を維持するため、経営者だけではなく従業員の標準報酬月額まで改ざんしたことを初めて認める証言もあった。これまで職員による改ざんを1件しか認めていなかった社会保険庁は、抜本的な対応の転換を迫られそうだ。
調査委は、社保庁本庁や社保事務所職員ら計約1万5000人にアンケートをした。
標準報酬月額の引き下げについて、首都圏の職員は「事業主から白紙の届け出書に社印と代表印を押させてもらっておき、後で職員が代筆した」と証言。事業主が行方不明なら三文判で勝手に脱退届を作る例もあった。都内の元社保事務所幹部は毎日新聞の取材に「各事務所に100〜200個も三文判があった」と話している。
従業員が受け取る年金を減らす標準報酬月額改ざんについて、ある社保事務所次長が「滞納額がどうしても減らない場合に行った」と述べた。徴収率の維持が目的だった。
さかのぼって厚生年金から脱退させる遡及(そきゅう)脱退については、従業員の政府管掌健康保険の無資格受診が発覚しないよう「レセプトの抜き取りをした」とある課長が証言した。「(レセプトの)特別な管理表が作られていた」との証言もあった。
休業などを装った偽装脱退では、別の課長が「標準報酬月額を引き下げるだけでは再び会社は滞納する」として、事業主を説得して脱退届を出させていたことを明かした。「必ず脱退処理を先にして、その後、滞納額を減らすため標準報酬月額をさかのぼって引き下げた」とする社保事務所次長もいた。【野倉恵】
毎日新聞 2008年12月2日 10時26分(最終更新 12月2日 10時45分)
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