■いわゆる「
浜岡原発訴訟」の続報。『毎日新聞』の記事から。
浜岡原発運転差し止め訴訟
:「厳しい地震想定必要」と原告側が主張
--控訴審 /静岡 住民などが中部電力を相手取り、浜岡原発1~4号機(御前崎市)の運転差し止めを求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が28日、東京高裁(富越和厚裁判長)であった。原告側は、想定を超える揺れを観測した中越沖地震や岩手・宮城内陸地震の揺れの特徴を挙げ、東海地震の想定震源域に建つ浜岡原発ではさらに厳しい地震想定が必要だと主張した。
原告側は、今年6月に起きた岩手・宮城内陸地震は、地震を引き起こす断層の動きが、予測される東海地震と同じだと指摘。岩手・宮城内陸地震では水平の揺れに比べ上下の揺れが大きかったことや、発生前に震源断層を予測することは難しかったとの専門家の見解を紹介し、上下動を考慮した耐震性を検討すべきだなどと主張した。
これに対し中電側は、「岩手・宮城内陸地震について専門家の知見は確立しておらず、原告は東海地震との相違点を無視している」と書面で反論した。
弁論の最後に富越裁判長は「原告側は地震による原発事故がいつ起きるかわからないと訴えており、ゆっくり審理を進める話ではないが、地震に関する新たな知見が出てきている」と発言した。
新たな知見とは、震源の地下構造が揺れを増幅させる可能性があることが中越沖地震で分かったことなどを示すとみられる。中電は3、4号機について、06年に改定された国の耐震指針に基づいて安全との報告を国にしたが、国はまだ判断を示していない。「新たな知見」を基に国が中電に評価のやり直しを求めれば、訴訟にも影響が出るとみられるため、富越裁判長は審理を国の判断を待って進めるべきかどうか原告、被告の双方に意見を求めている。【望月和美】
毎日新聞 2008年11月29日 地方版--------------------------------------------
■電力会社の この方面での主張で、まともなものを めにしたことがない。■「
「岩手・宮城内陸地震について専門家の知見は確立しておらず、原告は東海地震との相違点を無視している」と書面で反論した」というが、説得力が全然ない。
“東海地震”以外に指摘される
活断層の存在はもちろん、これまで各電力会社の原発における耐震基準がおそろしくひくかったことなど、うえの「反論」がかりにただしかろうと、浜岡原発が安全だという証拠をあげることには全然ならない。
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浜岡原発訴訟」
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たんぽぽ舎も参加している『もんじゅ・西村裁判を応援する会』が中心の実行委員会が以下の集会を予定していますので、ご案内いたします。
☆☆★ 原発3裁判支援 2・7集会 ★☆☆
(もんじゅ・西村裁判、JCO健康被害補償裁判、浜岡原発差し止め裁判)
浜岡に6号機はいらない!
「もんじゅ」、六ケ所再処理施設もいらない!
東京高裁で反原発裁判を闘う3団体は、共にビラまきや傍聴支援などの協力をおこなってきました。この集会開催を機に更に多くの方々に知っていただきたいと本集会を企画し
ました。
中越沖地震で柏崎刈羽原発は今も全機停止状態。浜岡原発1、2号機は予想される大地震に耐えられないと廃炉決定。トラブル続きで再開のめども立たない高速増殖炉「もんじゅ」や六ケ所再処理施設の間近にも活断層が走っています。地震と原発についても考えてみませんか。
■日 時:2月7日(土)午後5時30分~8時30分
■場 所:東京学院
(JR水道橋駅西口2分、千代田区三崎町3-6-15
TEL 3261-0017)
■内 容
1.地震と原発…海渡雄一(3裁判担当弁護士)
2.浜岡から現状報告…浜岡原発本訴訟団
3.「もんじゅ」の事故を振りかえる…
槌田敦(核開発に反対する会代表)
4.3裁判原告ほかからの発言
■参加費:500円
■主 催:実行委員会
問い合わせ先 藤田(042-592-2806)
加田(080-5180-6344)
■『もんじゅ・西村裁判』
1995年12月8日、動燃(当時)の高速増殖炉原型炉もんじゅでナトリウム漏れ事故が発生。動燃本社のビデオ隠しが社会問題化したが翌年1月、社内調査担当の総務部次長・西村成生さん(当時49)が「謎の死」。これを機に報道は沈静化。西村さんの遺族は動燃に対し安全配慮義務に違反したとして04年10月、損害賠償を求める訴訟を起こした。07年5月1審敗訴。
★次回は1月20日(火) 1時30分、809号法廷
■『JCO健康被害補償裁判』
1999年9月30日、東海村の核燃料製造会社JCOで臨界事故発生。死者2人、被曝者667人、10キロ圏内30万人が避難するという大惨事となった。
02年9月、事故現場から道路を隔てた向かい側で工場を営む大泉昭一、恵子夫妻がJCOと親会社である住友金属鉱山に対して健康被害を被ったとして提訴。
08年2月1審敗訴。
★次回は1月20日(火)3時30分、822号法廷
■『浜岡原発差し止め裁判』
将来予想される東海地震により浜岡原発で重大な事故が発生する蓋然性があり、それにより生命、身体に重大な被害を及ぼす放射線被曝を受ける恐れがある。また事故や被害発生の不安など、平穏な環境を享受する権利を侵害されているなどとして03年7月、浜岡原発1~4号機の運転差し止めを求めて提訴。07年10月1審敗訴。
★次回は2月20日(金) 11時、101号法廷(前回は102号法廷)
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ひとごとではない訴訟
■もし、「すがるほかない」といった、心理的依存で原発経済がなりたっているなら、そろそろ覚醒しないと、某イギリス映画のように、ヤバい状況がせまっていると、きづかないことには…。
まえにきいたおそろしいはなし…って、以前このブログにかいたかも?
タカマサさんの御意見や如何に?
土地への執着は、ときとして、すさまじい哲学をもたらすのかと…
■しかし、静岡県知事や県政与党=多数派が、ほぼ一貫して浜岡原発支持派系の人物でしめられていること…をみれば、それを、単に、土建業者等による地方ボス支配の産物などと解釈できるとは、おもえません。
■そうかんがえれば、貝枝さんが接触した農家のかたが、地域農民の代表例であるかどうかが、まず検証されねばならないでしょう。■たとえば、当時「過激派」よばわりされたけれど、ふりかえれば、もっともな義憤から国家権力に抵抗しただけの、三里塚農民は、いろいろな葛藤はあっても、哲学者集団でした(尾瀬あきら「ぼくの村の話」KCモーニング:講談社)。三里塚に戦後入植した農家のみなさんは、その後の保守県政をささえる周囲の千葉県農業関係者の代表とは、とてもいえないでしょう。ある歴史的偶然から、必然性をおびた哲学者集団へと、ある意味おいこまれたわけです。■ハラナの邪推かもしれませんが、貝枝さんが おはなしを うかがった農家のかたも、たとえば「何世代も精魂こめた耕作地を放りだせない」という労働倫理と、空港建設など以上の巨大迷惑施設の到来という現実に葛藤し、結果として、透徹した資本主義分析にいたってしまったのではないでしょうか?
■ともあれ、本ブログ(および旧ブログ)でも何度かとりあげましたが、関税をかけて農産物の流入をこばむ政策がいいかどうかはともかく、農業・林業は、基本的に地産地消が基盤となるべきなのであって、「やすければ、どこの産物でもよい」といった、愚劣な消費者根性からは、はやく「卒業」しないと…。■いや、「労働力の地産地消」問題と同様、「やすければ、どこの産物でもよい」といった、愚劣な消費者根性がブルジョア層にはびこったがゆえに、この列島が、実に貧相な経済倫理におおわれてきたことは、近年否定できない現実でしょう。■中国産食糧を、いたずらに危険視する姿勢は、それ自体、皮相でナショナリスティックな「免疫」意識ですが、一方、「やすければ、どこの産物でもよい」が、中長期的にまちがっているという知恵をそろそろ実践しないと。
■今回の件は、そういった一連の問題群を、再確認させられる、すぐれたケースでした。ありがとうございます。
『毎日新聞』(8月22日号)29ページには
静岡地震配管揺れ想定超え?
と題する記事があります。その結論部は以下のとおり。
中電によると、施設内で確認された被害は18日現在、5号機を中心に計46件。
記事をはりつけます
中部電力は21日、11日起きた最大震度6弱の地震に見舞われた静岡県御前崎市の浜岡原発3~5号機のうち、5号機の原子炉建屋内で耐震設計指針で想定する基準値を超える488ガルの揺れを観測したのは、配管部分の可能性があるなどとする分析結果を国に報告した。全体として5号機に損傷が目立つという。今後、配管などの設備のほか、地下構造を含めた調査を進める。
報告を受けて国は5号機の揺れが強かった理由や、制御棒の作動が適切かなどを点検するよう指示した。一方、3、4号機の建物、機器はいずれも基準値を下回った。
また、5号機の排ガスから微量の放射性物質であるヨウ素131が外気中に放出された原因については、原子炉緊急停止時の排水処理量が通常より多かったのが原因として、地震が影響したとの見方を否定した。
一方、浜岡原発の施設が21日、地震後初めて報道陣に公開された。5号機はタービン建屋床にある固定ボルト24本が破損し壁の一部にひびが入ったほか、屋外の変圧施設付近が地盤沈下のため、建物と路面境界に約10センチの段差ができた。1号機では取水槽の地盤の一部が最大約20センチ隆起した。中電によると、施設内で確認された被害は18日現在、5号機を中心に計46件。【舟津進、望月和美】
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