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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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「臓器移植」についての世論調査は、中立的か?

■貝枝氏からの報道の紹介をうけて、新聞記事をちょっと検討してみた。■「優先順位/存在証明/自己実現/自己満足3」の関連記事。


臓器提供の意思44%、過去最高
 …カード普及はままならず

11月8日22時38分配信 読売新聞

 内閣府は8日、「臓器移植に関する世論調査」の結果を発表した。脳死判定を受けた場合に臓器を提供する意思がある人は、前回2006年の調査より2ポイント増の44%で、1998年の調査開始以来、最高となった。

 ただ、臓器提供意思表示カードなどを所持している人は8%にとどまった。調査は9月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に行い、回収率は59%だった。

 現在は認められていない15歳未満の子供の臓器提供については、「できるようにすべきだ」との回答が、前回より1ポイント増え、69%だった。15歳未満の子供が提供の是非について意思表示した場合の対応は、「家族らが判断する」との回答が44%と最も多かった。「本人の意思を尊重すべき」は26%、「本人は適正な判断をできず、家族らが判断することも適当ではない」が19%だった。

最終更新:11月8日22時38分

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■「~ままならず」とは、どういった意味で編集部はつかっているのだろう?■記事から直接みちびきだせる論理にかぎるなら、「脳死判定を受けた場合に臓器を提供する意思がある人」が「臓器提供意思表示カードなどを所持」するに いたらない、障碍があって、「おもいどおりにならない」ということになる。ホントに、そんな風に回答者たちは整理して、こたえているだろうか?
■すくなくとも、「カード普及はままならず」とかかれているところをみると、「カード普及」をのぞんでいる層・組織にとって、「事態がままならない」ということを、はからずも 表出してしまっているんだろうと、推測できる。■つまり、世論調査という、「意識」調査をくりかえしてきた総理府など政府関係者が、「一枚いわ」で、「臓器提供」体制を推進したがっているかどうかはともかく、読売新聞という公器が、あたかも客観中立のようなそぶりで記事配信をしながらも、まさに、おもわずホンネをもらしたといっていいのではないか?■すくなくとも、この記事の副題をみるかぎり、編集部の動機はロコツともいえるもので、いくら編集権の自由とはいっても、キャンペーン記事のたぐい、という そしりをまぬがれまい。
■このように、いったん 疑惑がもたげてくると、記事も、けっして淡々と冷静に情報提供しているのではなさそうな ウラがスケてみえる。■たとえば、つぎのような表現は、とびいしに つなぐと、「臓器移植推進派」だと、いわんばかりではないか?


脳死判定を受けた場合に臓器を提供する意思がある人は、前回2006年の調査より2ポイント増の44%で、1998年の調査開始以来、最高となった。
……
 現在は認められていない15歳未満の子供の臓器提供については、「できるようにすべきだ」との回答が、前回より1ポイント増え、69%だった。15歳未満の子供が提供の是非について意思表示した場合の対応は、「家族らが判断する」との回答が44%と最も多かった。


■つまり、「ただ、臓器提供意思表示カードなどを所持している人は8%にとどまった」という、「客観情報」の指摘も、実際のところ、「カード普及はままならず」という、推進派の意図をくんだ「残念」という評価をうらづけるための数値にすぎないようだ。■いじわるな ヨミをするなら、「提供の意思44%、過去最高 」なのに、「カード普及はままならず」という、いかにも、〈実行がともなわない国民の意識のひくさ〉、みたいな非難が、ここには こめられていると。■巨大な部数にすられて膨大な家庭・売店に配達される紙面の一部をしめる記事であり、しかも、政府が特定の意図をもちあわせることなく国民各層の意識をサンプリング調査しただけ、といった体裁をとっているかぎり、これは、ほかの たくさんの記事同様、ちょうちん記事という そしりとまぬがれまい。■無名のブロガーが、意見を発信しているのではない。その社会的責任はおもい。かりに、「国民はアホなので、われわれエリートが善導しないと…」などと、かんがえちがいをしているのなら、一層ね。

■ちなみに、読者をなめているのか、こういった意図をもちながら墓穴をほっている点とすれば、「15歳未満の子供が提供の是非について意思表示した場合の対応は、「家族らが判断する」との回答が44%と最も多かった。「本人の意思を尊重すべき」は26%、「本人は適正な判断をできず、家族らが判断することも適当ではない」が19%だった」という2文。■「家族らが判断」(44%)≒「本人の意思」+「適当ではない」(45%)なのであり、「15歳未満の子供の臓器提供については、「できるようにすべきだ」との回答が、前回より1ポイント増え、69%だった」という数値が、なにやら、ものすごい前進みたいな印象をつくろうという あざとさが、バレるという点。■読者は、「7わりちかい回答者が賛成派なんだ…」みたいに、まるめこまれてはなるまい。■だいたい、このての世論調査でサンプリングの代表性として、一応のめやすといわれている6わりの回答率を確保できていない以上、こたえもしなかった4わりの市民が、どういった意識動向なのかは、結局不明なのだし。

公教育の構造的欠陥については、いろいろと批判・苦言を呈してきたが、アタマの体操という方向での確率論を、実際上の必要性をあんまり痛感していないらしい数学の先生たちにおしえさせるばかりで、現代社会をサバイバルし、詐欺にあわないための知的護身術として、統計学や、エセ統計の実態を つたえないのも、致命的ておちというものだろう。■というか、官庁にすくっている官僚たちや、議会にはびこる政治屋たちは、つかえる統計学の基礎を、大衆的素養としないことを、階級的基盤としているんじゃないかと、邪推したくなる。「邪推じゃなくて、ずぼし」だって?(笑) ■ま、「よらしむべし、しらしむべからず」式の、小役人・政治屋のたぐいは、詐欺師集団だからな。古今東西普遍的に(笑)。

■「万国のプレカリアートと、数学オンチに臆する人文系知識層は、『統計のウソ』にめざめて、たちあがれ!」
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タグ : 世論調査 統計学 公教育

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統計に関しては

『データ解析への洞察 数量化の存在理由』(西里静彦・関西学院大学出版会りぶれっとNo.18)という本をおすすめします。

臓器ネタ


『毎日新聞』(4月22日号)より

臓器移植法改正案本格審議入り

臓器移植法改正案の国会審議が21日、衆院公正労働委員会の臓器移植小委員会を舞台に本格的に始まった。世界保健機構(WHO)が5月の総会で海外での移植を原則禁止するガイドラインを示す可能性が高まる中、日本国内では認められていない14歳以下の臓器提供を早期に実現させることが狙いだ。ただ、推進派と慎重派の接点を見いだす作業は難航するとみられ、移植をめぐる議論が国民的な合意の下で収束するのかは依然不透明だ。
(2ページ)

斎藤謙次・日本宗教連盟幹事
(前略)
脳死では心臓が動き、温かい血が流れている。日本人は心臓や呼吸が停止し、瞳孔が開くことを人の死として受容してきた。脳死を一律に人の死とする改正案は、将来に禍根を残す。他者の臓器摘出を前提にした医療は緊急避難的であり、普遍的とはいえない。過半数で決するのではなく、社会的合意ができるまで検討を重ねるよう求める。
(29ページ)

法改正後で初脳死臓器移植


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