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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム41

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム40」ほかの続報。■シリーズで転載している「毒餃子事件報道を検証する」シリーズ(メールマガジン『世界の環境ホットニュース[GEN]』)の最新号がでてしまったので、その直前の号を一応あげないと。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 699号 08年11月07日
……

          毒餃子事件報道を検証する【第38回】        
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第38回 カップラーメン「移り香」事件

 毒インゲン事件がどのように展開するか筋道が見えないまま、今度は防虫剤の成分が カップラーメンに混入していた ことが明らかになりました。神奈川県藤沢市で日清食品のカップヌードルからパラジクロロベンゼンが、同じ県内の横須賀市では生協が販売していたCO・OPカップラーメン(明星食品に製造委託)から、パラジクロロベンゼンとナフタレン(ともに防虫剤成分)が検出されたと発表されました。保健所は「意図的な混入の可能性」を指摘しましたが、神奈川県警は早々に、今回の防虫剤混入の原因は人為的なものではなく、流通段階か 自宅で保管の際に 防虫剤が近くにあって、揮発した防虫剤成分がカップラーメンに付着した「移り香」が原因だとの見解を表明しました。

 ところが、防虫剤が混入していたと発表された生協のカップめんは明星食品製ではなく、日清食品製であると 考えられる証拠が 見つかりました。防虫剤はほぼ同時期に日清食品製のカップめんに混入していたことになります。そして、その時期は 麻生太郎が首相に就任した頃と 重なります。早々に根拠の乏しい「移り香」原因説を警察が主張しなければならなくなった理由との因果関係は不明ですが、気になるところです。
 「事件」は毒インゲン事件の直後、10月23日に、神奈川県藤沢市と横須賀市で相次いで発表されました。事件の概要は次の通りです。

《藤沢市のケース》
  藤沢市の女性(67)が 9月29日頃にフードワン
 藤沢店で購入したカップヌードル(日清食品関東
 工場で製造)を10月20日に食べたところ、嘔吐
 した。その後に舌の痺れを感じた。開封直後に
 薬品臭がした。夫(75)も食べたが ごくわずか
 だったため発症しなかった。夫が保健所に届出
 て、神奈川県衛生研究所で検査した結果、パラ
 ジクロロベンゼンが検出された。濃度については
 未発表。女性は軽症で、現在は回復している。
 (藤沢市役所記者発表資料)目視では 問題の
 容器に穴などの異状はみられず、他に苦情は
 出ていない。

  女性宅では9月中旬ごろ衣替えでたんすの防虫
 剤を入れ替えた。パラジクロロベンゼンも含まれて
 いるが、その後さわっていない。保健所は少量の
 パラジクロロベンゼンが意図的に混入された可能
 性もあるとみている。(10.24朝日新聞)

  藤沢市は10月23日に事件について記者発表した。
 日清食品は商品の回収を始めたが大半は消費され
 たとみられる。

《横須賀市のケース》 
  藤沢市の発表があった同日夜、横須賀市が、「市内
 のコープかながわ岩戸店で男性が購入した『CO・OP
 カップラーメン(しょうゆ味)』(明星食品・嵐山工場=
 埼玉県で製造)から殺虫剤などの成分に使われる
 パラジクロロベンゼンとナフタレンが検出された」と発表
 した。
  
  発表によると、男性は9月27日、同店で買った3つ
 のカップめんのうち1個に湯を入れようとして異臭を
 感じ、もう1個からも薬品臭がしたため食べるのを
 やめた。(10.24 中日新聞)男性が店に持参した2つの
 カップめんを製造元の明星食品で分析したところ
 (10.24 東京新聞)、防虫剤のパラジクロロベンゼンと
 ナフタレンが検出された。両方のカップめんから検出
 されたのか、片方だけだったのかは 不明。分析結果
 は 10月20日に出ていたが、発表はしなかった。
 (10.24 朝日新聞)しかし、横須賀市が 藤沢市のケース
 を市内の販売店に紹介、注意喚起したところ、コープ
 かながわ から 類似の事例として報告があったので
 横須賀市が発表することとなった。
  (10.23 横須賀市 発表資料)



  10月20日にカップヌードルを食べて嘔吐(おうと)
 した藤沢市の女性宅と、9月27日、食べる直前に
 異臭を感じた横須賀市の男性宅には、商品から
 検出された成分を含む芳香剤や防虫剤があること
 が同県警の調べでわかった。いずれも購入から
 約1か月間、近くに芳香剤や防虫剤が置かれて
 おり、県警幹部は「成分が気化して容器内に染み
 込んだ可能性が高い」との見方を示した。
   (10.25 読売新聞)


 以上のような経緯ですが、横須賀市の事件はあいまいな点が多く、特に次の部分でどうも腑に落ちないのです。「男性が店に二つのカップめんを持参し、日本生活協同組合連合会本部経由で明星食品に検査を依頼。生活協同組合コープかながわ(横浜市)に検査結果が伝えられたのは今月20日だったが、23日夜まで公表しなかった。パラジクロロベンゼンなどが両方のカップめんから検出されたのか、片方だけからなのかは、横須賀市は「現時点では不明」としている」(10.24 朝日新聞)

 毒餃子事件を経験している生協がなぜ調査結果を公表しなかったのか? どのカップめんから何が検出されたのかという基本的な問題がなぜ「現時点では不明」なのか? という疑問があります。

 「どのカップめんから何が検出されたのか」を明らかにするために、まず、どこで何が分析されたのかを確認することにします。

 横須賀市で防虫剤が検出されたという「CO・OPカップラーメン」は明星食品・嵐山工場(埼玉県)に製造委託されており、防虫剤の分析も明星食品で行なわれたことになっています。(10.24 産経新聞他)ところが、明星食品は日清食品の子会社であることから、分析は日清食品で行なったとする報道もあります。(10.25 毎日新聞)どこで分析したかもあいまいになってきました。

 コープかながわ の上部組織・ユーコープ事業連合の発表資料(10.24付)によると、当該製品の分析は日清食品で行なった、となっています。なぜ分析を請け負った機関が食い違っているのでしょうか? 食い違いの原因は横須賀市の記者発表(第二報=10月24日)にあるようです。分析の経緯は次の通りです。
(以下引用)

 1.経緯
 申出のあった販売店では、残品を冷凍保管し
 日本生活協同組合連合会本部へ報告し、9月
 29日、日本生活協同組合に苦情品が回収され
 ました。本部からメーカーへ検査を依頼し、メー
 カーで検査を行ないました。その結果、パラジク
 ロロベンゼン及びナフタレンが検出されました。

 2 当該品の概要
 商品名:CO・OPカップラーメン(しょうゆ味)、製造
 者:明星食品株式会社・嵐山工場

 3 検査機関
 日清食品食品研究所  滋賀県草津市野地町
                   2247
(引用終わり)

 「本部からメーカーへ検査を依頼し、メーカーで検査を行ないました。」となっているにも関わらず、明星食品の製品を「日清食品食品研究所」で分析したと発表しているのです。なぜこのような矛盾が生じているのでしょうか? 日清食品ニュースリリース(10月30日発表)にはさらに驚きの記載があります。
(以下引用)

 「滋賀県食品安全監視センターは、日本生活協同
 組合連合会が、「CO・OPコープヌードル」で異臭等
 の苦情があったことから当該商品を店頭から撤去し
 たという情報に基づき、10月24日(金)、当該商品を
 製造した弊社の滋賀工場に立ち入り検査を実施し
 ました。」
(引用終わり)

 日本生協連合会の下部組織であるユーコープは明星食品嵐山工場に「CO・OPカップラーメン」を、日清食品滋賀工場に「CO・OPコープヌードル」を製造委託しています。(ユーコープのホームページ)このうち、生協連合会と横須賀市が「異臭があった」と10月23日に発表した製品は「明星食品に製造委託している『CO・OPカップラーメン(しょうゆ味)』であって、日清食品製造の『CO・OPコープヌードル』ではありません。

 従って、日清食品に立入検査があったなら、藤沢市の事件の関係であるはずです。しかし、藤沢市の事件のカップヌードルは日清食品関東工場(茨城県取手市)で製造されたものですから(10.25 毎日新聞)、滋賀工場が立入検査を受けるいわれはありえません。

 一方、滋賀県食品安全監視センターが日清食品滋賀工場に立入検査を行なったというのが事実ならば、防虫剤が混入していたカップめんは、発表されたような明星食品の製品ではなく、日清食品の製品だったことになります。

 どうも、横須賀市が10月23日の夜記者発表した直前に、防虫剤が検出されたという商品の取り違え(あるいは すり替え)があったと 考えられます。これが「何をどこで分析したのか?」があいまいだった理由だと思われます。

 これは単純なミス(取り違え)ではなく、意図的なすり替えではないかと思われます。というのは、日清食品の製品で類似の事件が続発していたからです。

 「日清食品によると、両市のケース以外に特に
 今年7月以降、「薬品のようなにおいがする」と
 いう苦情が全国から相次ぎ、このうち日本生活
 協同組合連合会(東京都渋谷区)が「CO・OP
 コープヌードルしょうゆ」などのブランドで製造
 委託した2件4個から最大92ppm のパラジクロロ
 ベンゼンが検出された。また18件22個からも、
 測定できないほど微量のパラジクロロベンゼン
 やナフタレンが検出された。健康被害は報告
 されていない」(10.25読売新聞)

 「日本生協連合会には今年3~9月に29件の
 苦情が寄せられていたが、いずれも公表されて
 いなかった。日清食品によると、同社に寄せら
 れた苦情のうち、保健所が検査中の藤沢市の
 商品を除き21件で防虫剤成分を検出した。うち
 2件の濃度は18~92ppm で、残り19件はごく
 微量で数値が出なかった。
 同社は健康被害を訴えている人がいないことを
 強調し、「健康に影響はないレベルの濃度」と
 している」(10.25 毎日新聞)


 防虫剤の混入は日清食品の製品に集中して発生していたのです。他社の製品でも同様の混入事例がなければ、神奈川県警が「原因は移り香」というには都合が悪かったのではないかと思われます。神奈川県警は、その後も、容器の外側やフィルムから微量のパラジクロロベンゼンが検出された(11.6朝日新聞)などと、「移り香原因説」に誘導しようと躍起になっています。

 しかし、藤沢市の女性は一部を食べて嘔吐しているのですから、容器内部は嘔吐するほど高濃度だったにも関わらず、容器外部は微量しか付着していなかったことに
なります。これでは、外部から浸透したとする「移り香原因説」で説明がつきません。神奈川県警は自ら否定する鑑定結果を公表したことになってはいないでしょうか?

 さらに、「移り香原因説」に不利な材料は、次の常識的な指摘です。「成分がうつったとの説明について専門家は<パラジクロロベンゼンは昇華しやすく、容器をつくる化学物質と構造が似ているなどの理由で、ありうる現象。ただし、人がにおいを感じたり、食べておかしいと思うほど高濃度になるかどうかは検証が必要>と指摘している。」(10.25 毎日新聞)

 それに対し、神奈川県警は、藤沢市の事件では、「カップヌードルを保管していた段ボール箱の隣に和箪笥があって、中に防虫剤があった」とか、横須賀市の事件では「保管していた整理棚の横に、防虫剤を入れた衣装ケースがあった」(11.6 朝日新聞)とか、「移り香が 起きる 可能性」の証拠は 提供できても、「食べておかしいと思うほど高濃度になるかどうかは検証が必要」との指摘については未だに回答できていません。

 ところで、検出されたパラジクロロベンゼンの混入量はどの程度人体に影響するのでしょうか? 濃度が公表されているのは18~92ppm で、これが湯を注いだ状態でのスープの濃度か、湯を注ぐ前の乾麺の濃度かは不明ですが、スープの濃度として試算してみます。

 パラジクロロベンゼンのADI(許容一日摂取量)は 0.0714mg/kg体重/日ですから、体重 50kg の人だと、一日あたり3.6mg までなら毎日摂取しても影響がないことになります。カップヌードルの容量を 300ml と仮定すると、

 18~92mg/kg×0.3(リットル=kg)=5.4~28mg

となり、今回も ADIの数倍程度で、カップヌードルを「完食したとしても何らかの異常はでるが死ぬことはない程度」の量が混入していたことになります。藤沢市の女性が嘔吐し、わずかしか食べなかった夫には異常はなかったとの症状とも符合します。偶然かもしれませんが、毒物の混入量のレベルは毒餃子事件のときと同じです。今回も防虫剤の濃度が発表されない理由もこのあたりにあるのかもしれません。

 さらに、異臭の苦情が相次いだのが「今年7月以降」とは、毒餃子事件から毒飲料事件に続くタイミングとして重要です。毒飲料事件の最後は、6月21日に兵庫県姫路市のマンゴージュースにテトラメトリンが混入していた事件です。(第26回 第5の毒飲料事件 GEN 687)それ以降、7月に中国で毒餃子事件が発生しているほかは、日本国内で関連する事件は確認されていませんでした。ところが、この記事は、毒飲料事件の後、カップヌードルで毒入り事件が頻発していたことを明らかにしています。

 このような類似点があり、かつ当該商品のすり替えが行われていたとなると、毒餃子事件、毒飲料事件と無関係とは考えにくくなります。神奈川県警が早々と「移り香」原因説を持ち出して、被害者の保管方法に問題があったかのような印象を広めている点も、毒餃子事件で警察庁が「製造段階混入説」を主張して、国内での混入の 可能性を否定することに 躍起になっていたことを彷彿とさせます。ともに、根拠の乏しい理由をこじつけようとしている点も共通しています。

 日清食品や生協が標的になっている理由は、断定できませんが、最初の毒飲料事件の標的が花王だった ことと同じく、両者が ともに自前の化学分析機関をもっていることと関係があるのかもしれません。簡単に原因を突き止めることができるからです。しかし、日清食品は藤沢市の事件が明らかになるまで、自社の分析結果を公表しませんでした。すでに警察の監視下に置かれて、自由に記者発表はできなかった可能性もあります。もちろん、売上激減を心配しての対応だった可能性も十分にあります。

 日本の工場で製造されたカップブードルに、日本でも容易に手に入る防虫剤では原因を外国に求めることは困難です。食品テロではない理由を捜し求めた結果、たどり着いたのが「移り香」だったと推定されます。

 毒インゲン事件は警察の情報管理に対する警告だったのかもしれません。すると、福田前首相は就任から退任までずっと食品テロに悩まされていたことになり、さらには、麻生新首相に代わっても食品テロは続いていることを示しています。

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■論調・論旨に基本的修正はくわわっていない。要するに「仮説は棄却されていない」ということだ。警察など当局がウソをいっていること。当局のウソをメディアが必死にカバーしていること。しかし、馬脚をあらわして、“真理省”的、“ハイパー独裁”(田中宇)的情報操作に、大衆のほとんどは、まるめこまれ、中国など 東アジア地域の食糧リスク不安におののきつつ、政府などの責任転嫁の共犯者となっていること。



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タグ : ナショナリズム 食品 安全 警察 真理省 1984年 毒餃子事件報道を検証する

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