橋下知事「国と市町村でやって」
公開批判に反論
大阪府の橋下徹知事は17日、大阪府庁で記者団に、塩谷立文部科学相が学力テスト成績の部分開示を批判したことに対して「知事として情報公開条例の枠組みの中で判断した。文科省が序列化を懸念するなら、都道府県の平均正答率を出さずに国と市町村で勝手にテストをやってほしい」と反論した。
橋下知事は部分開示について「全く批判を受けないとは思っていないが、知恵を出しながら(部分開示を)やった。58億円かけて何のデータも出ないなら、国民は誰も納得しない」と文科相を批判した。
塩谷文科相は17日午前、橋下知事の対応について「情報開示請求への対応という点では理解できるが、基本的には好ましくない」と述べた。 2008/10/17 16:15 【共同通信】--------------------------------------
■まえから 感じていたが、卑劣という方向で 天才的というか、ずるがしこい頭脳の典型だとおもう。本人は自覚なく、単純に頭脳明晰だと誤解しているだろうけど(笑)。
■(1) 「
58億円かけて何のデータも出ないなら、国民は誰も納得しない」などと、いかにも おおむこううけする論法だが、こんな問題はもちろん、財政バランスや正当性問題自体に関心のない住民など、たくさんいるだろう。■たくさんいたら、もっと投票率がたかいだろうし、そうなったら当選できなかっただろう政治家など、たくさんいそうだ(笑)。■こういった、問題関心がたかい、しかし、肝心の論点の本質をはずしてしまうような読者むけの発信は、卑劣だとおもう。おそらく、そんな冷静な計算などしていないだろうが。
■(2) 「
文科省が序列化を懸念するなら、都道府県の平均正答率を出さずに国と市町村で勝手にテストをやってほしい」といった批判は、一見もっともらしくみえる。■しかし、そういう論法なら、「序列化を懸念するなら、都道府県の平均正答率はもちろん、市町村の平均正答率をふせればいい」と、一貫性をもった主張をすべきだろう。■「
勝手にテストをやってほしい」とは、一体なにを具体的にイメージしているんだろう。都道府県レベルでの教育委員会を無視したかたちでテストをおこない、自治体に平均点・得点分布等をしらせることは、充分合理的ではある(全数調査の意味などないことは、再三指摘したが)。■しかし、橋下知事ら、「なにがなんでも情報公開」派のばあい、市町村が独自の判断で、情報公開をひかえたばあいにも、「58億円かけて何のデータも出ないなら、住民は誰も納得しない」等々の、非難をくりかえすんじゃないか? 犬山市のような態度をとることを、「どうぞ ごかってに」と、冷静にながせるんだろうか?
橋下知事vsメディア
学テ・データ公表関連で「情報隠し」と批判
2008.10.17 12:42
全国学力テストの市町村別正答率を部分開示した大阪府の橋下徹知事は17日、データ公表をめぐる新聞各社の報道について「(載せない社は)情報を隠している。一般に開示されないものを報道するのが報道だ」と述べ、学習状況調査などの掲載がない報道を批判した。
橋下知事は「過当競争や序列化の最大の原因はメディアだ」と述べ、結果の公表とともに課題や情報を共有し、学校や地域、家庭がどう取り組むかを併せて報道すべきだと主張。課題などを掲載した報道については「府民の意識を喚起することもメディアの責任。喚起してもらえるのはありがたいし、ぼくが伝えようと思っていたことを費用をかけずに伝えられた」と述べた。
また、一部開示について、塩谷立文部科学相は17日の閣議後会見で、「あくまでも(公表は市町村の判断に委ねるとした)実施要領に基づくことが大前提であり、決して好ましいということではない」と苦言を呈する一方、「情報開示請求を受けて行ったという点では多少は理解はできる」とも述べた。--------------------------------------
■「
「(載せない社は)情報を隠している。一般に開示されないものを報道するのが報道だ」と述べ、学習状況調査などの掲載がない報道を批判した」というんだが、これって、少年法で公表がひかえられている、被疑者のプライバシーを、「顔写真つきで実名や背景などを全部あばくのは、報道の自由、知る権利だ」などと、いう、一連の野蛮な発想とかぶるね。■報道するかどうかなんて、それこそ報道機関の編集権じゃないのかね。■政治家のみなさんは、オフレコとかいった、いろんな配慮によって、自分たちがまもられているはずじゃないか? 大新聞がふせていた情報を週刊誌やゲリラメディアにあばかれて、いきりたっているのは、みなさんじゃないのかね?
大阪の学力調査市町村別成績、
2紙が掲載 揺れる現場2008年10月17日
大阪府の橋下徹知事が情報公開請求を受けて開示した全国学力調査の市町村ごとの科目別平均正答率などが17日朝、一部の新聞で一覧表の形で報じられた。公表の是非をめぐり議論があるなか、各紙はどう判断したのか。「地域の子が『あかん』と思われるのはたまらない」「開示された以上、仕方ない」。教育現場に様々な受け止めが広がった。
◇
市町村別平均正答率などを一覧表の形で掲載したのは産経と読売の2紙。いずれも情報公開請求し、部分開示されたものという。
産経は朝刊2面で、小中学校別に43市町村ごとの国語や算数・数学の平均正答率を一覧表にまとめ、吹田市など非公表や検討中の自治体は空欄にした。同じ表に生活習慣に関する4項目の調査結果も掲載した。3面には大阪本社の今村義明・社会部長名で「市町村別の成績が地域ごとに異なる教育課題を知るうえで有用なデータであるという判断」と掲載理由を載せた。
読売は社会面に「大阪府が公表した市町村別平均正答率」の一覧表を掲載。非公表や検討中の自治体については、それぞれの理由を載せたうえ、記事で全自治体の公表状況を説明した。紙面上で掲載に至った経緯や理由は明記しておらず、生活習慣に関する調査結果は大阪府の地域面に「目立つ夜更かし、塾通い」として生活実態の傾向を紹介している。
朝日、毎日、日経の3紙は平均正答率を市町村名が分かる形で一覧表にして載せることはしていない。
掲載の仕方が分かれたことなどについて、橋下知事は17日朝、「僕は情報公開条例に基づいて資料を渡した。あとはどう報じるか。過当競争や序列化が生じるとすれば、最大の原因はメディアだと思う」と報道陣に語った。ただ、報じられた一覧表については「1位から序列化して報じたら問題だと思うが、今回の出し方なら全然過度な競争にならない」との考えを示した。朝日新聞などが掲載しなかったことについて情報を隠していると思うかと聞かれると、「そうじゃないですか」と答えた。
一方、文部科学省学力調査室の担当者は「調査は国語と算数・数学の一部の学力を示すものでしかなく、市町村別平均正答率を比べることに意味はない」と話した。
◇
市町村別の一覧表が掲載されたことに、教育委員会などは複雑な反応を示した。
泉佐野市教委学校教育課の中上一彦課長は「『なんでやねん』という気持ち」。その上で、「知事に科目別の数値を開示され、マスコミに報じられることは非常に残念。どうしても比較される。現場は一生懸命やっているのに、泉佐野の教師と子どもはあかんと思われるのは不本意」と話す。
泉大津市教委指導課の小川隆夫参事は「科目別の数字が独り歩きすることは私たちの本意ではない」と語る。市教委は科目ごとではなく設問別の分析をホームページに掲載しているが、市内の学校長から「新聞を見た教職員から『市の方針が変わったのか』という問い合わせを受けた」と連絡があったという。
豊中市教委は17日午前、市立小中学校の定例校長会を開き、山元行博教育長は冒頭、「知事と府教委、市教委との関係性を立て直してほしいということを府教委に伝えていくつもりだ」と述べた。科目別の数値が掲載されたことについて、事務局側はこの場で「あくまで知事が判断したこと」と説明した。
一方、門真市教委学校教育課の川本雅弘課長は「情報公開請求は公開が前提になっていると思うので、そのことに市がとやかく言う立場にはない」と話す。
府教委は、どんな反響が出ているかをつかむため、主だった教委に電話で問い合わせるという。
◇
大阪府が情報公開請求した住民や報道関係者ら17人に16日に開示したのは、今年4月に中3と小6を対象に実施された学力調査の市町村ごとの平均正答率。中学は国語A・Bと数学A・B、小学は国語A・Bと算数A・Bの計8科目と、小・中それぞれの各科目を合わせた平均値。ほかに「就寝時間が遅い」「朝食をあまり食べない」「塾に通っていない」など6項目に当てはまる児童・生徒の割合を示した学習状況調査の結果も開示された。
学習状況は全市町村の調査結果を開示したが、平均正答率は部分的な開示とした。開示対象はすでに何らかの形で自主的に公表している市町村に限定。正答率の非公表を決定、または検討中の8市町の小中学校は非開示とした。中学校が1校しかなく、小学校のみ公表した3町村については、中学校のみ非開示とした。
橋下知事は開示後に記者会見し、報道陣に開示範囲と非開示部分の理由を説明。A4判1枚の資料を配ったが、平均正答率と学習状況調査の数値は示さなかった。知事は「情報公開の枠組みの中で出せるのは請求者に限る。メディアがどう報じるかは報道の自由だ」と話した。
◇ ◇ ◇
朝日新聞社は9月、大阪府に対し、全国学力調査の市町村別の結果の開示を府情報公開条例に基づいて担当記者名で請求し、データの開示を受けました。橋下徹知事が市町村別結果を開示するかどうかが注目を集めるなか、知事の判断をいち早くつかむことと、学力調査の結果をより幅広い視点で分析するための、取材の一環です。
教育現場には「一覧的な結果の公表は序列化や過度な競争を招く恐れがある」という指摘があります。また自治体によって意見が異なるなど、市町村別の公表をめぐってはなお議論が続いています。
これらの点を踏まえ、朝日新聞社は、今回開示されたデータを市町村名と合わせて一覧的に紙面に掲載することは控えました。(朝日新聞大阪本社社会エディター 前田史郎)--------------------------------------
■読売や産経が、俗情にそうものであることは事実。■ほかの全国3紙が、文科省など政府の姿勢をおもんばかって、ふせたなどと安易に批判するなら、それは暴走というもの。■現場が混乱していること、公表をよろこばない住民もたくさんいるだろうことぐらい、容易に想像がつくだろうに、これも、「報道の自由」ですか? だったら、もっとヤンチャに、政府批判をくりかえせばいいのに。いろいろあるでしょ? 政府が公表をいやがりそうな、さまざまな秘密・オフレコ情報。
沖縄密約なんぞもそうでしたね。…
■なにをあばき、なにをかくすかは、発表媒体の基本理念と品位をあらわすわけで…。
■どうみても、全国的な学力テストといったもの全体がムダにしかみえない。すくなくとも全数調査と、自治体ごとの成績評価の公表は、ムダ以外のなにものでもない。■こういった批判が一般化するのは、いつのことだろう。こういった基本的なことが全然常識化しないままでの、公表の是非がたたかわさせるとか、記者会見がひらかれるとか、全国紙に記事がでかでかのること事態が、巨大なムダにおもえる。■ほかに 投入すべき、資金・資本・時間・労力が膨大にのこっているだろうに。
●日記内
「全国学力調査の利用方法」シリーズ●旧ブログ
「学力」関連記事●旧ブログ
「義務教育」関連記事●旧ブログ
「「ムダ」とはなにか」シリーズ●ブログ内
「「ムダ」とはなにか」関連記事
テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済
ここにも、野蛮な競争至上主義者登場
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20081018ddlk08100121000c.html
◇「競争原理も必要」
県教委の和田芳武・新委員長(64)は17日、県庁での就任会見で、全国学力テストについて「学力向上のために使うのが本来の目的だ」などと述べ、県内各市町村教委にテスト結果の公開を働きかける方針を示した。
和田氏は、テスト結果は教科別の正答率だけでなく、生活習慣や家庭学習の時間に関する項目も含まれていることから「学力向上に資する貴重なデータ。引き出しに閉まって鍵をかけておくのはもったいない。市町村教委に対し、公表することをお勧めしたい」と持論を展開した。
市町村別の結果公開については「地域の序列化につながる」との批判もあるが、和田氏は「公開しないのであれば、どうやって学力を向上させるか考えてほしい」「競争の原理も必要だと思う」と述べた。公開する項目については、市町村単位で協議することが望ましいとしている。
また、年度内に今後3年間の中期計画をまとめ、部局横断的に性教育のあり方などについて議論を積み重ねるとした。
和田氏はネッツトヨタ会長兼CEO(最高経営責任者)で、任期は今月15日から1年間。01年12月に教育委員に就任後、04年10月から1年間教育委員長を務めた。【八田浩輔】
毎日新聞 2008年10月18日 地方版
コメントの投稿