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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム38

■前便の「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム37」の続報。連射されるのかな?

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世界の環境ホットニュース[GEN] 695号 08年09月27日
……

          毒餃子事件報道を検証する【第34回】        

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第34回 メディアコントロール?

 中国政府が、7月末にわざわざ「オリンピック期間中は何もできない」と言ってきていたのだとしたら、8月末の中国公安部からの連絡は、朝日新聞が報じたような詳細なものではなく、「オリンピックが終了したので、ギョーザ事件の捜査を再開する」程度のものだったと考える方が妥当な感じがします。すると気になることがいくつも出てきます。

(1)日本政府は「知らなかった」ことを、なぜ「隠していた」という立場で 「口裏合わせ」をしたのか?
(2)中国国内での中毒事件の情報を読売新聞と朝日新聞はどうやって入手したのか?
(3)NHKニュース「中国、内部犯行説認める。」の情報源は何か?


 (1)については、積極的に「隠していたこと」を選択したわけではなく、読売に断定的に書かれた、中国も事実関係を認めた等で、早くも同日夕方には既に「今更、そんな情報は受け取っていない、知らなかったとは言えない雰囲気」になっていたのではないかと推測されます。福田首相が広島の平和祈念式典に出席する日にスクープが出たことで、官邸の対応の遅れは致命的だったことでしょう。


 (2)2つのスクープに共通するのは、中国政府から日本政府に伝えられたとされる中国国内のギョーザ中毒事件の詳細情報を日本政府が隠していて、それを日本のマスコミが暴露したという筋立てです。しかし、もともと日本政府には中国国内のギョーザ中毒事件は2度とも一切伝わっていない可能性が高いと考えられるのですから、その筋立てそのものが虚構ということになります。両紙の記者の独自の取材に基づくものなら、なぜ同じ間違いをしてしまっているのかという疑問が生じます。そして、読売新聞はなぜ今回はスクープできなかったのかも謎ということになります。
 どうも、中国でのギョーザ中毒事件の詳細を知る人物がいて、前回は読売新聞に、今回は朝日新聞に情報を流したのではないかと考えられます。その人物は日本政府関係者とは考えられません。日本政府はスクープの基となる情報をもっていなかったと推定されるからです。情報提供者は、中国の秘密の捜査情報を知りうる立場にあるのですから、たとえば中国公安部に在籍するスパイということも考えられます。情報提供者は、なぜ中国政府の秘密主義を批判するという筋書きではなく、日本政府(福田内閣)が情報を隠していたという筋立てにしたのでしょうか? そのシナリオは、福田内閣に対する国民の不信感を増幅させるには有効でした。毒餃子事件、毒飲料事件が福田内閣の親中国政策への警告または妨害工作だとすると、中国毒餃子事件についての読売・朝日のスクープは、親中国政策を変更しない福田内閣に対する倒閣工作ではなかった(ママ:ハラナ注)と推定されます。

 (3)8月30日昼のNHKニュースにより、朝日新聞を除く新聞各紙が根拠もないままに、一斉に「中国が内部犯行説を認めた。」と報じたのですから、なんだか我も我もと雪崩を打って書きたてたという感じがします。日本のマスコミ各社は、読売がスクープするまで中国国内のギョーザ中毒事件発生を知らなかった(8.10 TBS「サンデーモーニング」にて与良正男 解説委員)ために遅れをとった反省?から、そのような現象を生じたのかもしれません。ところで、9月1日には地方紙が一斉に「中国が内部犯行説を認めた」と報じましたが、今回のスクープで唯一具体的な情報を提供した朝日新聞が自ら「中国が内部犯行説を認めた」ことを否定する記事を、同じ9月1日付で出しています。(以下引用)

 外務省から中国側の捜査経過について連絡を受けた
 警察庁幹部も「中国側はまだ自国で混入があったと
 までは認めていないが、捜査が進展する可能性が
 出てきた。」
(引用終わり)

 このように、8月30日 昼のNHKニュースをはじめ、マスコミ各社が 流した「中国が内部犯行説を認めた」という報道は結局、根拠がなかったのです。では、その肝心の情報源についてですが、前述の阿比留記者は「中国によるアドバルーン情報ではないか?」と見ています。

「今回はNHKが、中国側がアドバルーン情報を流すのに利用されたのではないか、と咄嗟に受け止めた次第です。そして、事態が今後、報道通りに進もうと進むまいと、それは今回は日本側に根回しされたものではなかったのだろうと」と書いています。

 そして、「問題の早期決着のために、じっくり真相を解明するよりもとにかくスケープゴートを見繕って捕まえたり、自殺させたり(中国流)して、ギョーザ事件はもう終わりましたというストーリーを中国がつくり、それに日本側も官邸主導で乗ったのではないか、そして報道もそれに利用されているのではないか」(8.31 阿比留のブログ

 NHKニュースが中国発のアドバルーン情報だったとの説は魅力的です。しかし、その目的については疑問があります。読売のスクープで、中国政府は機密情報の一部が日本のマスコミに流出していたことを認識しました。そして、毒餃子事件の犯人、中国毒餃子事件の犯人、中国機密情報の提供者のつながりはわかりませんが、いつも日中首脳会談の直前に事件が発生したり、問題が噴出したりすることで、かなり大掛かりな組織犯罪である可能性も否定できないことにも気づいているのではないかと思われます。そんな状況であれば、中国側がスケープゴートを作り出したとしても、それで毒餃子事件が終わるというストーリーになるとは限りません。その状況で、中国側が自国内に犯人がいるかのようなアドバルーン情報を流せば、それが既成事実化してしまうというリスクがあるわけですから、そこまでやるだろうかという疑問はあります。

 一方、朝日新聞社とNHKへの情報提供者が、同一人物だった可能性もあります。朝日新聞の記者にしてみれば、(中国側の)情報提供者から大スクープが手に入ったものの、産経新聞の阿比留記者と同様、自分の取材では外務省が中国からの情報を一部なりとも隠しているとの確信がもてなかったのではないかと考えられます。だからスクープの掲載に躊躇していた。だから、もう一押しが必要となり、情報提供者はNHKを利用したというわけです。

 8月28日の外務省プレスリリースは、中国が公開するようにとの要請付きながら、ほとんど内容のない情報だったことから、中国が仕掛けたアドバルーン情報だったと推定されます。目的は日本のマスコミがもっている、中国の毒餃子事件についての情報を吐き出させること。中国はこの作戦を、阿比留が言うように日本側にまったく根回しなしに実行したと考えられます。情報が漏れることを恐れてのことと思われます。

 一連の毒餃子事件の目的が日中関係の改善阻止ならば、今回の朝日新聞のスクープも当初は次回の日中首脳会談にあわせて、ぶつける予定だったはずです。次回の首脳会談は、韓国も含めた日中韓首脳会談が、9月21日に神戸市で開催される見通しで、温家宝首相が来日する予定になっていました。(8.20 読売新聞)福田政権になって、日中関係だけでなく、日韓関係も改善が進んでいたのです。ただ、この三国首脳会談も9月に日本で開催することで合意されていましたが、小泉時代に決まっていた「中学の学習指導要領に『竹島は日本領』明示」問題で、韓国が態度を硬化させ、日程が決まらずにいました。(8.18 韓国中央日報)

 情報提供者は日中韓首脳会談の日程が発表された8月20日以降、9月21日に合わせて準備にとりかかったと推定されます。本来ならば温家宝首相の来日直前にスクープを流したかったはずです。そこへ8月28日に突如、外務省から「中国から新たな情報提供」との発表があって、対応に慌てたのではないかと思われます。今回は朝日新聞自らがスクープした翌日に「中国は内部犯行を認めていない」という記事を掲載したり、NHKニュースに対しても、外務省が事実無根と断定するなど、今度ばかりは犯人のペースでコトが運べていません。9月16日に共同通信が「天洋食品の従業員9人が容疑濃厚/捜査で絞込み、中国が中間報告」との記事を配信していますが、本来のスクープはこちらだったのかもしれません。しかし、自民党総裁選、汚染米問題、リーマンブラザーズの破綻と大きなニュースに隠れてしまってほとんど注目されませんでした

 中国側は今度の情報戦の実施について、8月28日をタイムリミットにしていたのではないかと推測されます。翌日の8月29日には、日本と中国の犯罪捜査協力を強化する日中刑事共助条約が、中国の全国人民代表大会(全人代)で承認されています。日本でも5月に承認されていますから、これで同条約が発効することになり、外交ルートを通さずに捜査当局間で直接連絡が取れるようになるのです。(8.29 時事通信)日本の警察と協議するなら、条約成立後の方が都合がよかったはずです。しかし、その場合は公開条件付というわけにはいかなかったでしょう。中国公安部が外交ルートを通して、公開条件付の情報を送ってくるには8月28日まででなければならなかったのです。

 今回の騒動は、ほぼ中国がその目的を達成したと考えられます。しかし、大きな代償を払うことになりました。福田首相が突然辞任を表明したのです。当然、日中韓首脳会談は延期されましたが、後継の麻生内閣は日中関係をどうしようと考えているのか不透明なままです。

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タグ : 毒餃子事件報道を検証する ナショナリズム 食品 安全 警察

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