プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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ミサイル防衛システムの茶番劇(田中宇の国際ニュース解説)

■旧ブログ「ミサイル防衛」関連記事の続報。■ジャーナリストである、田中宇さんのメールマガジン、『田中宇の国際ニュース解説』の注目すべき記事を転載(本文中リンク以外に、ハラナがかってに補足リンクをつけてある。URL部分は、田中さんのメールマガジンのもの)。


━━━━━━━━━━━━━━━━
★ミサイル防衛システムの茶番劇
━━━━━━━━━━━━━━━━

 世界の外交軍事の関係者は皆知っているが、一般市民はほとんど知らない話の一つに「米軍が開発しているミサイル防衛システムミサイル迎撃ミサイル、Ground-Based Midcourse Defense、GMD)は、実は迎撃能力がほとんどない」という件がある。日本ではまったくマスコミに載らないが、米英ではときたまこの話はマスコミの記事になり、政治分析者のウェブログでも話題になる時がある。私も以前から何回か、この件を記事にしている。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/aug/19/usforeignpolicy.russia
http://tanakanews.com/f0317canada.htm
http://tanakanews.com/d0905korea.htm
 GMDは、敵国から飛んできた弾道ミサイルに対して迎撃ミサイルを発射して命中させ、着弾前に撃ち落とすシステムである。問題は、弾道ミサイルの多くは、迎撃ミサイルの目をくらますため、飛行中に「おとり」のミサイル状の金属筒を何発も分離して近くに並行して飛ばし、迎撃ミサイルは本物のミサイルではなくおとりの金属筒に当たって終わる確率が高いことだ。米国防総省はこれまでに何千億ドルもかけてミサイル防衛システムを開発してきたが、ロシアは数十億ドルで高性能のおとりシステムを開発し、米が露の100倍の金をかけてもかなわない状況になっている。
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/eo20080826gd.html

 米はミサイル防衛システムの開発を50年以上続け、ときどき迎撃実験を実施するが、最近の5回の実験のうち、迎撃に成功したのは2回だけだ。しかも実験の多くは、敵方のミサイルが「おとり」を発射しない前提で行われている。加えて、迎撃ミサイルには、敵方のミサイルがいつどこからどのような軌跡で発射されるかというデータを、あらかじめ入力した上で実験を行っている。本物の戦争では、敵のミサイルがいつどこから飛んでくるかわからず、おとり技術も搭載されているはずだから、米軍の迎撃実験は茶番劇である。

 こんな茶番が続いている理由は、米中枢で軍産複合体が幅を利かせ、軍事予算の水増しを画策してきたからである。一般的な新兵器開発は、いつまでにどんな性能の武器をいくら使って開発するかという目標設定がなされているが、ミサイル防衛システムの予算にはこの制限がない。無限に性能を向上させる名目で目標値が設定されないので、予算の妥当性を検討するはずの米議会は、開発が成功しているのかどうか判断できないまま、毎年100億ドル以上の予算を計上している。その何%かは、軍事産業から議員への献金としてキックバックされる

 ミサイル防衛システムの構想が最初に描かれたのは1946年で、当時は「50年後に完成する」とされていた。それから60年たち、ずっと予算が計上されているが、今でもシステムの完成予定は「50年後」だ。軍産複合体にとってこのシステムはいくら食べても減らないプリン」だと指摘されている。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/aug/19/usforeignpolicy.russia

 軍産複合体の一翼を担う米政治家の役目は、ミサイルや核弾頭を作れる敵性諸国の脅威をできるだけ煽り、おいしいプリンの構図を恒久化していくことだ。イラク、イラン、シリア、リビア、北朝鮮、ロシア、中国などが、プリン作戦に協力させられている

▼パトリオットの無能

 北朝鮮のミサイル脅威に対しては、日本でもパトリオット(PAC-3)ベースのミサイル防衛システムを、米から総額5000億円を出して購入する話が進んでおり、すでに首都圏に4基が配備され、迎撃実験も行われた。
http://wiredispatch.com/news/?id=272029

 パトリオットは、複数の種類があるミサイル防衛システムの中でも、比較的飛距離の短いミサイルを迎撃するもので、冒頭に紹介したGMDよりも先行し、すでに日本のほか、ドイツやオランダ、イスラエル、台湾、クウェート、エジプト、ギリシャなどに売られ、配備されている。

 パトリオットは、1970年代に開発され、91年の湾岸戦争で初めて実戦使用され、命中率は97%だと当時のパパブッシュ大統領が豪語した。だがその後、米MITとテルアビブ大学の専門家らが、パトリオット発射時のビデオ映像を解析したところ、ほとんど当たっていないことがわかり、彼らは92年に米議会で「命中率は10%以下で、もしかするとゼロかもしれない」と証言した。米議会も、米政府が発表した命中率はウソだと断定する報告書を発表した。
http://tanakanews.com/f0317canada.htm
http://tanakanews.com/d0905korea.htm

 パトリオットは03年のイラク戦争でも使われ、米政府は「ミサイル迎撃は大成功をおさめた」と発表した。しかし、イラク戦争をめぐるブッシュ政権の発表はウソだらけだから、これも信用できない。そもそもイラクは、90年代から国連(米英)の査察を何度も受け、ミサイルのほとんどを破棄させられている。イラク戦争後、パトリオットは、バグダッドの米軍基地に配備されたが、基地に着陸してくる米英の戦闘機を、敵のミサイルと誤認して迎撃してしまう事故を繰り返している。
http://en.wikipedia.org/wiki/PAC-3

 以前、東京の外国人記者クラブ(FCCJ)で防衛省の研究員が記者発表した際、日本に配備されるパトリオットの迎撃能力を疑問視する質問が出た。その際、研究員は迎撃能力について直接答えず「実際にどの程度迎撃できるかということより、迎撃システムを持っていることで国民が安心できることが重要だ」という趣旨の回答をした。
http://tanakanews.com/070710korea.htm

 私がこの回答から感じた意味は「確かにパトリオットは迎撃能力に疑問がある。しかし、たとえ実際に迎撃できなくても、日本のマスコミはそんなことは書かず、日本国民はパトリオットは迎撃能力を持っていると考えるだろうから、北朝鮮のミサイル攻撃を恐れる日本国民は安心感を持てる。この安心感が重要」ということだった。

 実際には、北朝鮮のミサイルは実験時にろくに飛んでいないので、たとえパトリオットに迎撃能力がなくても、かまわないのだろう(北朝鮮は新たなミサイルエンジン開発をしていると報じられているが)。
http://www.nytimes.com/2008/09/17/world/asia/17korea.html

 バグダッドの誤射の例から考えて、自衛隊の戦闘機が東京の上空で間違ってパトリオットに迎撃される事故が今後起きるかもしれないが、このリスクも日本国民の「安心感」の対価としては安いと考えられているのかもしれない。日本政府にとっては、北朝鮮のミサイルの脅威より、パトリオットを購入しない場合の米政府の怒りの方が怖い

 米政界の方も、日本は徹頭徹尾の対米従属だから、巨額だが無能なシステムを売りつけても文句は言わないだろうと、馬鹿にしているのだろう。わが祖国ながら、日本はあまりに情けない。米の同盟国の中でも、カナダはすでに2005年に、米のミサイル防衛システムの能力を疑問視し、米との共同開発を断っている
http://tanakanews.com/f0317canada.htm

▼ロシアの拡張主義を助長するポーランド配備

 日本をめぐるミサイル防衛システムの茶番劇は、米は日本に売りつける、日本は対米従属を維持するために買う、北朝鮮は米を交渉の場に引っぱり出したいのでミサイル試射をする、という構図になっている。これとは別の種類の茶番劇が展開されているのが、ポーランドをめぐるミサイル防衛システムの話である。

 米は911後、単独覇権主義を標榜するようになった02年、東欧にミサイル防衛システム(GMD)を配備する構想を提唱し始めた。公式には「イランなど中東から米国に向けて発射された弾道ミサイルを迎撃する」という名目で、ポーランドに10発の迎撃ミサイル、チェコに精密レーダーを配備する交渉が始まった。ロシアは、イランではなく自国に対する挑発だとして激怒し、照準をポーランドなどに合わせた短距離核ミサイルを配備するなどの対抗手段をとると表明した。
http://en.wikipedia.org/wiki/US_missile_defense_complex_in_Poland

 ロシアを挑発するリスクの見返りとして、東欧2国側は、米に安全保障の確約などを求め、それを拒否する米側との交渉は平行線だったが、今年8月、ロシアとグルジアの戦争が始まった後、米とポーランドの間の交渉が急に進展し、8月20日、米のGMDをポーランドに配備する協定が調印された。GMDは、ロシアから米に向かって飛ぶ弾道ミサイルを迎撃するシステムであり、ロシアからポーランドに向けて発射される短距離ミサイルは迎撃できない。そのためポーランドは米に、GMDとは別に、短距離ミサイル用のパトリオット迎撃システムをポーランドに配備することを求め、米は了承した。
http://news.xinhuanet.com/english/2008-08/16/content_9406604.htm

 GMDやパトリオットが効果のある迎撃システムなら、米露対立が高まる中でポーランドもミサイル抑止力をつけた、という話になる。だが、迎撃ミサイルには効力がなく、しかも米・ロシア・ポーランドのいずれの関係者も、迎撃ミサイルの無能さを知っていると指摘されている。それを踏まえた上でこの話を分析すると、非常に複雑な、常識と全く異なる、奥の深い話となる
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/eo20080826gd.html

 ロシアは、米がミサイル防衛システムを使って敵対的な行動をとっている(露のミサイルは迎撃されるが、米は露に自由にミサイルを撃ち込める)という建前的な状況に対して怒り、対抗的に、米の裏庭・カリブ海岸にあるベネズエラの反米チャベス政権と一緒に、軍事演習を始めたりしている。
http://news.yahoo.com/s/nm/20080907/wl_nm/venezuela_russia_dc

 ロシアは、ポーランドに配備されるGMDが、無能な張り子の虎だと知っている。それでもロシアが怒って対抗手段をとるのは、米のGMD配備が、ロシアにとって「対抗手段」という名目の拡張主義戦略を容認する正当性を与えているからである。つまり米政府はポーランドにGMDを配備することにより、ロシアの拡張主義を煽っている。

 露の拡張主義は、米英マスコミでは暴虐な行為と非難されているが、米英日など世界のごく一部の国々以外の国際社会では、米がポーランドにGMDを配備して露への敵対を強めたのだから、露が対抗するのは当然だと見られている。

▼ロシアの気兼ねを解いてやる米

 ロシアは冷戦終結時、米を敵視することをやめる代わりに、米から仲良くしてもらい、G7に入れてもらうなど、米英中心の国際社会から尊重してもらうという見返りを得られるはずだった。レーガンとゴルバチョフの間でそのような約束があったからこそ、ロシアはワルシャワ条約機構(NATOに対抗していたソ連東欧の軍事組織)をすすんで解体した。しかし、米英中枢では、英と軍産複合体がロシア敵視をやめることに抵抗し、ワルシャワ機構が解体されてもNATOは残った。しかもNATOは東欧やバルト3国を取り込み、ロシアに迫ってきた。

 クリントンが試みた米英中心の金融覇権体制が97年のアジア通貨危機によって崩壊した後、再び軍産英イスラエル複合体が強くなり、新たな仮想敵になる中東に加え、ロシアが再び仮想敵にされる傾向が強まった。ネオコンがチェチェン独立を煽る組織を作り、97年秋にはグルジア・ウクライナ・アゼルバイジャン・モルドバという、旧ソ連圏で反ロシア的な国々が集まって米英から支援を受けるための組織「GUAM」が作られた。対露包囲網が再び強まったが、ロシアは引き続き冷戦直後からの「米敵視をやめる」という戦略を維持し、米英から意地悪されても反攻しなかった。
http://en.wikipedia.org/wiki/GUAM_Organization_for_Democracy_and_Economic_Development

 このような米英に対するロシアの気兼ねは、米がイラク占領に失敗して覇権が陰り出すとともに弱まり、今年8月のグルジア戦争によって完全に消えた。ポーランドに対する米GMDの配備はまさに、ロシアが米に気兼ねしなくなったタイミングを狙って、ロシアの拡張主義を扇動するものとして発せられている。

 米は、国際政治上のいくつもの問題に関して、ロシアの助けが必要な状況にある。たとえば、イランの核兵器開発疑惑では、国連安保理常任理事国である露の協力がない限り、米はイランを制裁し続けられない。露は、米主導のイラン制裁にはもう協力しないと表明した。イランの隣国イラクでは、米の傀儡だったはずのマリキ首相が、米のいうことを聞かなくなってきた。米がイランを抑止できないと、イラク占領が失敗して米軍撤退の可能性が強まる。米は、イランとイラク問題で露の協力が必要なときに、露と敵対してしまっている。自滅的である。
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-influence16-2008sep16,0,7178094.story
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=69577§ionid=351020104

 パキスタンでは、軍を統制できた親米のムシャラフ大統領が辞任に追い込まれ、後任には、軍を統制できず、世論の支持も弱く、人気取りのために反米に傾きかねないアシフ・ザルダリ(昨年末に暗殺されたブット元首相の夫。妻の権力を使い、公共事業のキックバックで儲けたことで有名)が大統領になった。ムシャラフが辞めた直後、米軍は、アフガニスタンのタリバンがパキスタンを拠点にアフガンに越境攻撃してくるので退治するとの名目で、初めてパキスタンに米地上軍を侵攻させることを決め、パキスタン世論の反米感情を扇動している。
http://news.antiwar.com/2008/09/11/tensions-with-pakistan-rise-amid-reports-bush-authorized-ground-forces/

 パキスタンは、アフガンに駐留するNATO軍への物資の補給路として機能しており、パキスタンが反米になってアフガンへの物資補給が阻止されると、NATOはアフガン駐留の続行が難しくなる。すでに、パキスタンからアフガンに向かうカイバル峠では、大型トラックがタリバン系ゲリラ(山賊)にしばしば襲撃されている。
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/onthefrontline/2651894/Taliban-ambushes-threaten-Natos-vital-logistics-route-into-Afghanistan.html

 今後、NATOがパキスタンを補給路として使えなくなった場合、代わりの補給路として使えるのは、ロシアから中央アジアのウズベキスタンを経由してアフガンに至るルートである。ロシアは今年初め、NATOがこのルートを使うことを許可し、すでにある程度の物資運搬が開始されている。ロシアがNATOに協力する姿勢を見せたのは、それによってNATOがロシア敵視を和らげ、ウクライナやグルジアの加盟を見送ると思ったからだろう。しかし米は、ロシアを怒らせた。しかも米は、同時にパキスタンの反米感情を扇動した。米の言動は、NATOのアフガン占領を失敗させたいかのようである(ブッシュ政権が隠れ多極主義であると前提すると、NATOを潰してロシアやイランを強化するのは納得できるが)。
http://tanakanews.com/080322russia.htm

 元ネオコンの米学者フランシス・フクヤマは「失策続きのブッシュ政権は、米の覇権を立て直すため、ロシアの協力を得ることが不可欠だ。しかし実際には、米政府は逆に(今年2月の)コソボ独立の容認、今年8月のポーランドへのGMD配備など、ロシアと協調するための外堀を自ら次々と埋めてしまい、ロシアとの和解を不可能にしている。米の覇権は衰退し、次の米政権は、覇権衰退への対応に追われることになる。これは仮定の話ではなく、現実である」と書いている。
http://www.ft.com/cms/s/0/66ca01da-78fa-11dd-9d0c-000077b07658.html

(コソボはセルビアから独立した。セルビアは、民族がロシアと同じスラブ人であり、ロシアの支援を受けている)
http://tanakanews.com/080226kosovo.htm

 フクヤマの理論を拡張すると、もしブッシュ政権が隠れ多極主義の戦略をとっているなら、ロシアと和解せず、ますます敵対し、結果として、米の覇権衰退と多極化を進めるだろうということになる。

▼米英で逆方向の「熊回し」

 ロシアはこの100年間、米英という覇権国にとって、世界支配のための「敵」もしくはその逆の「パートナー」としての役割を演じさせられ続けている。鈍重だが挑発されると攻撃してくるロシアは、動物の熊に例えられることが多いが、米英は覇権運営の一環として、サーカスの「熊回し」のようなこと
をやり続けてきた。

 ただし、ここで問題なのは、米英中枢で、ロシアに「敵」を演じさせようとする軍産英複合体と、ロシアに「パートナー」を演じさせたい多極主義勢力では、熊回しの方向が全く逆で、米の対露戦略は、両方の熊回しが錯綜する複雑な事態となっていることだ。

 冷戦を終わらせたレーガンや、プーチンの台頭、中露結束の上海協力機構に対する容認(軽視)などの裏には多極主義勢力がいる。半面、チェチェンの対露独立戦争を扇動したり、冷戦後オリガルヒー(新興財閥)にロシアのエネルギー資産を私物化させたり、98年のロシア金融危機、そして先日からのロシアの株価暴落などの裏には、軍産英複合体がいると思われる。プーチンやメドベージェフは、特に英を嫌っており、英の石油会社BPをロシアから追い出す意地悪を展開している。軍産複合体の反露戦略の絵を描いているのが英だから、プーチンらは特に英を嫌っているのだろう。

 今年起きた、米によるコソボ独立の容認、ポーランドへのGMDの配備、ロシアの反撃を誘発したグルジアの南オセチア侵攻は、いずれも熊を怒らせて「敵」に仕立て、米露間の冷戦構造を復活させようとする軍産英複合体の戦略に合致している。だが、これらの戦略は、間違った時期に発動されており、米は覇権が弱まって露の協力が必要な必要なときに露と対立して自滅を早める結果を生んでいる。その意味で、ブッシュ政権の対露戦略は、軍産イスラエルに牛耳られてやらされたが「やりすぎ」で自滅的に失敗しているイラク侵攻と同様、多極主義的である。

 米議会を中心とする米政界では軍産複合体が強く、ホワイトハウス、特に共和党政権(ニクソン・レーガン・ブッシュ)は、多極主義の傾向が強い。ホワイトハウスは、米議会を煙に巻くため、冷戦派のふりをしつつ、やりすぎによって多極化を行う「隠れ多極主義」をやっている。

 私は、多極主義者の黒幕はニューヨークの資本家のことだと考えてきたが、実際に世界が多極化しつつある中で、リーマンブラザーズなどNY資本家の象徴とされる投資銀行が次々と破綻している。この現象からは「資本家と多極主義者は別物?」「そもそも多極主義者なんかいない?」といった論議が出てきうる。だが、この40年間の歴代共和党政権が多極主義的な傾向を持っていたことは間違いないし、第一次大戦前からのNY資本家の動きを見ても多極主義的な感じがする。投資銀行が潰れることと多極化との関係は、今後も分析を続ける。
http://tanakanews.com/071218multipolar.htm
http://tanakanews.com/080903russia.htm

 最近、ロシア軍はグルジア本土からの撤退を開始したが、それと同時に、グルジアでは無謀な戦争を起こしたサーカシビリ大統領に対する野党からの非難が始まっている。NATO内では、米英が反露だが、独仏伊西といった西欧諸国はロシアとの敵対に強く反対している。西欧からは、サーカシビリが昨秋、野党を弾圧したことから「グルジアは民主政治の面で、NATOに入る資格がない」という議論が出てきた。
http://news.antiwar.com/2008/09/15/nato-head-reiterates-georgia-support-slams-eu-brokered-peace-deal/

 ウクライナでは、親米派のユーシェンコ大統領と、親露派の野党(ヤヌコビッチ)の対立が激化しているが、ここで第3勢力として漁夫の利を狙う戦略をずっと続けてきたティモシェンコ首相(「ガス利権プリンセス」のあだ名を持つ)が、ロシアの優勢を見て親露派に微妙に味方し、親米派が不利になって9月16日に政権崩壊した。
http://www.irishtimes.com/newspaper/world/2008/0917/1221599424461.html

 グルジアもウクライナもいずれ、露骨な親米反露路線を取れなくなりそうだ。米に頼ってロシアに対抗しようとしているポーランドも、反露的な姿勢を和らげざるを得なくなるだろう。米が配備するGMDやパトリオットといったミサイル防衛システムが、本当にロシアのミサイルを迎撃してくれるなら、まだ頑張れるかもしれないが、これらのシステムは無能な張り子の虎である。ポーランドは歴史的に何度も経験した、大国に振り回された挙げ句に捨てられる悲劇を、再び味わうことになる。

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防衛利権については、何度もかいきた。フィクサー秋山理事が新刊で指摘しているらしいが、自民党の防衛族議員はもちろん、小沢一郎ら、民主党など、自民党以外の保守政治家にも、これら、ヤミ利権がひろがっているはずだ。■ま、これで、アメリカのご機嫌をとっているわけだし、膨大な国税を浪費している以上、売国奴だよね。
■ネット右翼のみなさんとか、なんで、くいつかないんだろう?
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タグ : 弾道ミサイル 迎撃 ハイパー独裁

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コメント

ミサイル防衛に関して補足

わたしの名前のもとネタでもある海江田四郎という人物が登場する『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ・講談社)は荒唐無稽な話ではあるが、原子力潜水艦からうたれるミサイルにはミサイル防衛が無意味である、という同書の指摘自体はおそらくただしい。というのも、原子力潜水艦は潜水できる時間がながく、どこからミサイルをうってくるかを事前に知っていないかぎりは迎撃できないミサイル防衛にとっては致命的な敵であるからだ。
あと、小沢一郎氏はタカ派であるという時点でわたしとはあいいれない政治思想の持ち主だが、米国の属国ではない軍事大国で、なおかつ国連での承認をえた場合のみ軍隊(いわゆる「自衛隊」)をうごかすべき、とする彼の主張は「アメリカのご機嫌をとっている」のとはちがう様に感じます。

【かきかけ】おわらないうちに、とりあえず、小沢一郎論補足

秋山 直紀『防衛疑獄』(講談社)
http://ameblo.jp/scalar/entry-10139500757.html
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062149427.htmlhttp://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080919/1221831404

■小沢氏の防衛利権については、よんでからにします。■ひとついえることは、自民党からでたあとも、国際貢献というかたちでの派兵を小沢議員は堅持することで、憲法9条の実質改憲をおこなった人物といえるとおもいます。■また、民主党議員の大半の本質として、対自民党(議会内・選挙民むけ)上のかけひきとして、対立軸が鮮明にあるような演出をしているだけで、与党になったら、現在の対米政策を堅持しつづけるとはおもえません。それは、公明党が護憲的支持票にのっかりながら、インド洋での給油なども容認したように、議員たちのゆるがない政治信条などではないものが、民主党にはただよいます。

佐藤優現象とにているかもしれませんね

小沢一郎氏のおよぼしてきた影響は、「佐藤優現象」(http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-1.html)とにているかもしれませんね。
ただ、佐藤氏よりは小沢氏の方が、まだしも一貫性があるような気はします。それでも、その差も一定程度にとどまり、ぶれていないようにみえて実はやっぱりぶれている。ただ、左派の感じる閉塞感ゆえに希望的観測がまじってしまい、結果としてぶれていないようにみえてしまう、ということですかね。
以上、自省もこめてのひとりごと。

力作(長文)だなあとおもったら、雑誌の論文全文でしたね

■Google「佐藤優」とひくと、おびただしく論じられていることがわかりました。■小林よしのり なんぞよりは、ずっと まともにきこえてしまうようなカラクリがあることをみても、ちょっと体系的にしらべておく必要があるのかな、と、認識をあらためました。■でも、時間がないんですよね。まあ、かれに イカれてしまった左派知識人は、おわったひとということで、試金石にしましょう。
■ちなみに、これも秋山本をよんでからでないと、断言はできないのですが、この時期に出版される暴露本というのは、あきらかに自民党をかたせるために しくまれたスキャンダル爆弾だとおもわれるわけです。■おそらく、よごれきった自民党は、防衛利権が暴露されても、大した致命傷にならない。久間のオッサンあたりが落選しようと、大したこっちゃないと、本気で信じているでしょう。そんなことより、総選挙で大敗したりすれば、単に民主党が与党になるだけでなく、自民等が分裂するでしょうから、そちらの方がずっと重要だと。■ひょっとすると、社会保険庁の内部リーク同様、すてみの自爆テロ戦術なのかもしれませんね。東京地検特捜部が政治家の立件をあきらめた時点で、政治家のヤミはおおいかくされたから、あとは、トカゲのシッポきりをやって、「浄化」をやりつつ、「クリーンじゃない小沢」キャンペーンを展開すると。
■それはそうと、小沢先生、もし小沢総理大臣におなりの際には、護憲の論理で国連軍に参画し、安保理常任理事国いりのためにも、充分な武装が必要…といった展開でもって、防衛費をふやしてアメリカから大量にかいこんで、同盟関係を維持するかもしれませんね。

一応わたしなりの力作(長文)はこちらです

佐藤優に関して、一応わたしなりの力作(長文)はこちらです。

http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-235.html

ほめてくだされ。って、それほど力作でもない?
つーか以下の『紙の爆弾』の引用にあるように、相手が左派論壇も席巻するほどの強敵である以上、こちらも真意が分からないほどに左右両陣営をかく乱するほど下品である必要があるのではないでしょうかね?いや、私の下品さはむかしからのことであって、上記の「きんようぶんか特集」も、実は佐藤優に対抗することが主旨ではないんですが。ともあれ、いたい自滅をすることで佐藤優幻想とともに無理心中する意図を上記の文章に多少なりともかぎとって評価していただければうれしいです。ま、そのような評価はかいかぶりですが(…って、結局オイラの真意はやぶの中ですよ。ニヤマリ)

で、以下が『紙の爆弾』の引用ですが、こうした引用をよむだけでも予防薬というか解毒剤になるかもしれませんね。

「能天気な『状況』編集部」
私は佐藤優の書いた膨大な文章全てに目を通しているわけではないので、その全てにコメントできるわけではないし、また彼ほどの高度な知能も陰湿な執念もない。だが私の拙稿が出た前後に出版された『状況』二〇〇六年五・六月号掲載の対談はざっと目を通させていただいた。あいも変わらず佐藤優の百科全書的叡智は一層進化を遂げていることはよく理解できる。だが同志社に関する記述は拙稿との間に大きな落差があることに気付く。『状況』ファン書誌を意識してのリップサービスを忘れない、マスコミ応対で培ってきた文化人・佐藤優としては立派ではあるが。審議は読者の判断に委任するとしよう。何点か簡単に衝いておこう。
特に編集後記にあった「まっつぐ[ママ]な人柄だと判明」「佐藤優=(くまの)プーさん=幼児に愛されるキャラクター」といった能天気な賛美には私は笑った。顔つき目つきの悪い奴は、基本的に悪い奴である。脇が甘いよ、『状況』編集部、「知らぬが仏」かな。あるいは偉大なる首領様への賛美の歌かな。(『紙の爆弾』鹿砦社・2007年4月号88~9ページ)
(中略)
「政治主義者=佐藤優」
前稿を読んで頂ければおおよそお分かりいただけるであろう。佐藤優の本質は一般的なイメージのスパイ・間者ではない。彼はどこかで陸軍中野学校のスパイのことを引用して「石炭ガラ」あるいは「捨石」と書いていたな。だが佐藤優は国家の、政治権力者のために無名の捨石になるほど奉仕精神に富む愚直な、謙虚な、思いやりのある人間ではない。だいいいち、そんな人間は表の世界に出てくるわけがない。出てきた時点でその人の役割はもう終わりである。自殺か事故死、闇の中に消えていくのが捨石の役割、佐藤優はその程度では終わらない人物である。(同90ページ)

「顔つき目つきの悪い奴は、基本的に悪い奴」(笑)

■佐藤氏だけでなく、小沢氏とか、政界周辺には たくさん「人相・印象」が よろしくない御仁がおおいような気がします。■世襲によって苦労しらずなら、かおに なりあがるための 無用な緊張感もぬけて、おだやかな表情になりそうなもののはずなのに、世襲議員たちの人相のわるさというのは、政略結婚・世襲をくりかえすうちに、胎児性の生物濃縮(http://ja.wikipedia.org/wiki/生物濃縮)に なっていくんだろうな、とおもわされます。


■ちなみに、貝枝さんの力作の大半は、マニアックなので、ウィキペディアのようにリンクが必要ですね(笑)。

「青輝丸」ネタ…いや、安心してくれ。ちゃんと佐藤優氏ネタにつなげるから(次回には)。

■ちなみに、貝枝さんの力作の大半は、マニアックなので、ウィキペディアのようにリンクが必要ですね(笑)。

否定はしません。つーか禿しく同意(苦笑)。
で、以下また力作でつ。

あえて「いままでよんだなかでもっとも気もちわるかったマンガ」(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-353.html)でとりあげた作品を再度とりあげる。理由は、「『本能』の政治性」(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-63.html)でも「相変わらずのサブカルネタ」と題して指摘した様に、人物や言説のなかでも優先順位をつけてイデオロギー分析をすることが大切であると感じるからである。「青輝丸」の作者・大暮維人氏のマンガ界全体への影響は定量化がむずかしいであろうが、現時点でも大暮氏は『週刊少年マガジン』に『エア・ギア』という連載作品をもち、『一騎当千』の元ネタと評価するひともいる同氏の『天上天下』(貝枝としてはその評価に同意できないことはすでにのべたとおり(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-235.html)であるが)という作品の作者でもある人物の作品で、非常に濃厚にイデオロギーがにじみでていると感じる作品ならば、再度とりあげることも一定程度生産的であるとおもわれる。
とはいえ、今回とりあげたいのは同作品のイデオロギーが明記されている124ページと結論部の155ページについてである。まず124ページでは「彼女の父は日露戦争の時 俺の上官だった 共に死線をくぐった者同士の情義など女に話した所で理解はできんだろうがね」という台詞をはなつ男性が、主人公である女性をたすけようとする。そして155ページでは時代をはるかにくだり、女性主人公の娘が「そのテーシツコモンって人が私のお父様なの?」と主人公にたずね、主人公自身はうっすらと微笑をうかべる。
これらの箇所が特に明示しているように、「青輝丸」の作品世界が、性的関係を単に一定程度高密度でえがいているのではなく、性的関係において積極的に関係をむすぼうとする女性は利害のみのために行動しているようにえがかれていること(対照的に「父」が「共に死線をくぐった者同士」であるという「情義」で行動するのは、オ・ン・ナではなく、オ・ト・コである!ということですな)、そして、そのような利害のみのために行動しているようにえがかれている女性とは対照的な女性主人公は、社会的な地位のたかい男性(テーシツコモン)とのあいだに子どもをもうけた可能性という血統幻想が示唆されていることは155ページの台詞からして明確であろう。
それゆえ「青輝丸」は、ありがたいことに「血統幻想・戦争(しかも自衛ではなく侵略)礼賛・国家主義・女性差別は常時一体である」という、貝枝の直感を懇切丁寧なまでに再度補強してくれるのである。ありがたや。
というわけで、「非国民通信」(http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/c7c01549bdeb62f8234c45846d10cba8)でつかったネタを再利用しますが、おそらく、「日本語」が時代とともに変化して、「父親」と書いて「チショ――――――――――――――――ヤ」と読むようになっても(『オースティン=パワーズ』日本語ふきかえ版参照)、大暮氏のイデオロギーだけは、かわりますまい。
そして貝枝が恐怖を感じるのは、そうしたイデオロギーをもつ作者自身ではなく、同質なイデオロギーをもつ同氏の作品『天上天下』を、対照的なイデオロギーをもつ塩崎雄二氏の『一騎当千』の元ネタだと評価する人が一定程度とはいえネット上の評論空間(Amazonの書評欄)に存在する、ということである。部分的ににている箇所があっても、作品全体のイデオロギーにおいて根本的なちがいがある場合において、にていると感じさらにそのような評価をネット上の評論空間にかくひとが存在することは、貝枝としては非常におそろしい。
つけくわえると、『一騎当千』(ワニブックス)がえがくジェンダーやセクシュアリティをふくむ物語世界は実に異常である。すでにのべたとおりではあるが再度解説すると、作品全体としては、まるで『多様なセクシュアリティとジェンダーの公正』(田中弘子・明石書店)における提言のように多様なセクシュアリティとジェンダーの公正が実現されていながら、物語の6割くらいをになっている、登場頻度のたかい4人だけは旧来の物語にあるような「伝統」的な性役割分業規範にしたがった性格づけであり、しかもそうした規範にしたがっているひととそうでないひとのあいだで、(ほかのことに関していろいろと対立があっても、こと性役割分業規範にかぎっては)対立が生じない、のであるから。
たとえば、再編集された『一騎当千 激闘!爆乳闘士・孫策伯符!!編』からも引用できる興味ぶかい事例としては、「寝てる間に蒙ちゃん[貝枝注]の処女奪ったりしていないよ」(197ページ)などという台詞を、「普段は強気な姿勢だが、実際は純情である」(http://www.weblio.jp/content/%E4%B8%80%E9%A8%8E%E5%BD%93%E5%8D%83)女性が、しかも意中の、あそび人風の男性からいわれるという展開がある。このような展開は、旧来の物語においても十分ありそうな展開であると感じる。そして、そうした、部分的にはありがちな物語でありながら、同時に(くりかえしになるが)作品全体としては、実に多様なセクシュアリティやジェンダーがえが、各々を差別することなくえがかれていくのである。

[貝枝注:登場頻度のたかい4人の1人である、呂蒙子明という女性。ちなみに『一騎当千オフィシャル・アンソロジー』において貝枝的に2番目におもしろいとおもえる作品は、この呂蒙氏をネタにした「捨てられない女」(109ページ)である]

この項かきかけ

つづき

ただ、ここまで大暮氏を、そのイデオロギー性と影響力にかんがみ批判的に検討してきたが、いくら同氏が『週刊少年マガジン』に連載をもっているとはいえ、佐藤優氏が論壇にあたえた影響(もちろん負の影響)の方が一層おおきいことは、みとめるところである。とはいえ、『紙の爆弾』で「佐藤優外伝」という連載を執筆している山本信二氏とはちがって、知性も根気もない貝枝としては、佐藤氏のカリスマ性をうちくだくには、いたい自爆をすることで心中するしかない様な気もする。かくなるうえは、樋口一葉氏の小説「おおつごもり」の結末の様に、「後の事しりたや」と思われるほどに強烈な余韻をのこす心中にしたいものである。

「カリスマ性をうちくだく」ための、「強烈な余韻をのこす心中」の例(↓)
http://www.st.rim.or.jp/~r17953/impre/Anime/Gun/Counter/CHAR3.html
(いや、よくみると隕石の軌道修正後に脱出したとおぼしき光の点があるので、厳密には心中していない気がしなくもないのだが…まあ、あくまで強烈な余韻をのこす事例として参考にしたまで、ということで…(弱気))

あ、でも最後の台詞が「お母さん?ララァが?うわっ」(http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words_CCA.html)というのはいやだな。部下の年少女性を「かわいい」ではなく、さらに「かわいらしい」でさえない「チャーミング」と評したアムロ=レイの言語感覚をふまえつつのりこえるために、わたしの造語「すてきらしい」(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-227.html#comment-top)の拡散に希望をたくしながら散ることにしますか。

というわけで…

「タカマサさん、『すてきらしい』をひろめてくれよ!あれは、いいものだぁーーーー!!
」って、それじゃマ=クベじゃねーか!(http://www.bea.hi-ho.ne.jp/nukamisso/aku/meibo/aku_meibo_makube.html)

この項おわり

佐藤氏ネタ。たぶんこれが最後(にしたい、なるべく…)

「後の事しりたや」((c)樋口一葉)と思われるほどに「強烈な余韻をのこす心中」をしておわるはずだったので「この項おわり」としたんですが、以下のような記述があったので引用しておきます。

「佐藤優をパレスチナ問題から考えてみる」
学生時代に共産党や部落解放運動から逃げ出したものの、常に人が社会的存在であることからは逃げず、ものの考え方だけは維持できることから、何でもしようと思い、今は冤罪とパレスチナ問題を勉強しているところです。
佐藤優はパレスチナから考えると、一番よく解ってそのおかしさは明白です。これは天木直人さんの考え方とはまったく別です。同じ外務省出身なのに人間の品性でこれほどの差が出るものですね(天木さんが素晴らしく、佐藤優の権力志向が強烈)。毎月楽しんで、月初めを心待ちにしています。
古家真五(62)・大阪府
(『紙の爆弾』9月号110ページ「紙の爆弾投稿ページ 読者の爆弾」より)

ただ、このひとのいうことはみとめたうえで、佐藤氏にとりこまれる左派知識人がべつに不見識なのではなく、私が以前かいたとおりなのでしょう。
つまり採録すると「ぶれていないようにみえて実はやっぱりぶれている。ただ、左派の感じる閉塞感ゆえに希望的観測がまじってしまい、結果としてぶれていないようにみえてしまう、ということですかね。」

通りすがりですが

初めまして
私は軍事に関してそこまで詳しいわけではないので貴方の論に一から十まで答えられませんが、自分で反論できる範囲で反論させていただきます。
まず「迎撃ミサイルとおとり」に関してですが、兵器に限らずどんな物でもいきなり高性能な物は作れません。今では高度何万メートルもの高空を音速の何倍もの速度で飛べる飛行機も最初はたった数十メートルを飛ぶのがやっとでした。
ミサイル防衛の技術開発はまだまだこれからです、今はまだおとりに対処しきれない現在の迎撃ミサイルの技術も確実に進歩していくでしょう、どんな物でも技術の進歩にはステップが存在しますから。
万が一日本に向けて弾道ミサイルが放たれたとして、そのミサイルに全く無策でいるか、それとも完璧とはいえなくともその時点でできる限りの索を凝らすか、僕個人としては後者を取りたいですね。
そして誤射について。パトリオット、いやミサイルに限らず誤射は発生します。それは兵器に問題があるのではなく「運用する人間」に問題があるのです。(もちろん兵器側の欠陥も捨てきれるわけではありませんが・・・)
そこはパトリオットではなく運用側が責められるべきです。問題は他人の、または身内の不手際の内容をしっかり研究し、得た教訓を自衛隊がどう生かすかです。ここでミサイルそのものを疑うのはお門違いでは?

長々としてしかも貴方の論すべてに反論したわけではありませんが自分にわかる範囲で言いたいことを言わせていただきました。

うすしおさま

■コメントありがとうございます。

万が一日本に向けて弾道ミサイルが放たれたとして、そのミサイルに全く無策でいるか、それとも完璧とはいえなくともその時点でできる限りの索を凝らすか
 ↑ ■①「万が一日本に向けて弾道ミサイルが放たれた」という仮定と、②「完璧とはいえなくともその時点でできる限りの策を凝らす」という対策の是非は、あくまで、費用・効果(コスト・パフォーマンス)の現実性と、財政負担上の現実的優先順位という次元ではかられるべきでしょう。
■③「国民の安全は『聖域』なのだから、最優先事項であることは問答無用」とか、④「日本は充分財政負担にたえられるのだから、最新鋭の迎撃システムをそなえるのは当然」、といった論理は暴論だとおもいます。■世界中が、こういった論理でアメリカの迎撃ミサイルを導入していないことひとつとっても、これらの「正論」が充分な根拠をもちあわせていない証拠になるとおもいます(もちろん、「アメリカ合州国に準ずる世界第2位のGDPをかかえる経済大国は、アメリカ合州国に準ずる防衛負担をになうにあたいする経済圏=利害空間である」、という論理が成立することは、理解はできますが)。
■旧ブログ時代からくりかえしてきたことですが、巨額の「防衛予算」とやらをつぎこむことは、親米姿勢(軍事同盟)の確認行為、アメリカ国民への「みつぎもの」的な本質をこえないとおもいます。■もし、真剣に安全保障をかんがえるなら、ほかにやるべきことが、たくさんあるだろうと。
■たとえば、⑤「日本にくし」という勢力があるとしたら、簡単におこなえるはずの、原発テロがおきそうにない(そんなことをして、大規模経済圏としての日本列島という集金・消費マシーンを破砕しても、全然得にならない)ことをかんがえて、むしろ原発震災という破局(チェルノブイリ級の大災害になるでしょう)をさけるために、原子炉を早急に停止し、放射性物質の封じこめをはかること。■⑥あまり感謝されていないらしく、単に国内の大手企業の草刈場になっている、ヒモつきODAのような商業主義的・偽善的援助をやめて、「ペシャワール会」をささえる青年のような人材を育成する教育環境を整備すること。■⑦アメリカなどの留学生政策のよい部分だけとりいれ、すくなくとも、戦前のアジアからのエリートたち(たとえば、魯迅とか)が好意をもって帰国した水準にはもどすこと。……こういったところでしょうか?
■現金をかけさえすれば、最善の危機管理をしているかのような自己満足的な姿勢こそ、無責任ではないでしょうか?■すくなくとも、軍事評論家は、田中宇さんらの批判に具体的データをもって反証する責務をおいます。また、防衛官僚や防衛族議員も、「聖域」論にとどまることなく、費用・効果(コスト・パフォーマンス)の現実性と、財政負担上の現実的優先順位という次元での、充分な説明責任をおっています。
■かりに、「今後の技術革新」とやらが根拠にしても、改善・完成までの具体的期間の試算と、総コストについて、充分な説明ができないようでは、とても財政負担にあたいしないでしょう。■それは、田中さんが、「ミサイル防衛システムの構想が最初に描かれたのは1946年で、当時は「50年後に完成する」とされていた。それから60年たち、ずっと予算が計上されているが、今でもシステムの完成予定は「50年後」だ。軍産複合体にとってこのシステムはいくら食べても減らないプリン」だと指摘されている」と指摘しているとおり、現時点では、到底容認できない論理です。

一応かきたしますか

いや、ただの引用で、しかも前回の「一応わたしなりの力作(長文)はこちらです」で引用した箇所ににていますが、

しかしながら前『状況』編集部の「佐藤優=くまのプーさん=まっすぐな人」は超マヌケである。前『状況』編集長殿、アンタ昔階級闘争やっていたんでしょ。佐藤優賛美歌を唄いながら私のスパイやっている暇あったら、プロレタリアートの階級的怒りを国家権力の走狗=佐藤優にぶつけなさい。顔洗って、歯を磨いて出直してきなさい。
(『紙の爆弾』2008年1月号79ページ)

この箇所はわたしなりに解釈すると、冷静にかんがえれば博学ではあっても誠実ではない、所詮は詐欺師である人物なんかにだまされているおろかな(たぶん律儀な)ひとへのツッコミであるが、この箇所のおもしろさはたぶん、そのツッコミを素直にうけとめれば、だまされたことをかるくわらいとばせることにあるとおもいます。つまり佐藤優による被害がおおきいとしても、その手口および対策は、わらいとばせるほどかるいものであるのだ、と。佐藤優があたかも重視しているように感じる「国家」なるものはかるく、そのかるさをみぬけていないひとは、佐藤優のくちぐるまにのせられてみずからもおちいってしまったまちがいのショボさゆえに深刻にとらえることなく「うわー、こんなショボイものにだまされていた自分はバカだったなー」と、かるくわらいとばせるとおもうのです。その意味でこの箇所を引用する意味はあるとおもうのです。

というわけで、佐藤優ネタはここでうちどめにし…たいなぁ……うん。
…まあ今度こそ多分うちどめにできそうな気がしなくもないかもしれないなどと、おもわなくもないかもしれない。(どっちやねん)

つーわけで、今後は以下の3点に専念する……予定。

1.人権派的視点から人権侵害を批判する。
2.人権派同士で連帯できそうな案を提言する。
3.反人権派でうちゲバがおきそうなネタを記述する。

人文・社会系の疑似科学こそ、対策がいそがれる

■国家という怪物に対しては、過大評価も過小評価もしないように、警戒する。これにつきるでしょう。が、これが 存外むずかしい。「たかが国家、されど国家」と。■国家は、「合法化された暴力団」「違法にみえない大規模詐欺組織」で、なにしろ支配されている人口ボリュームが半端じゃないので、やっかいです。■はむかいかたまちがえると、本気でころされるし。

■ま、当方の今後の課題は、①自分自身が「箱の中」から脱出すること、②「佐藤優現象」みたいな、疑似科学的風潮がはびこる状況を解明して、奔流にまきこまれないようにする。このあたりでしょうか。

『現代思想』10月号に

「国家を見据え、だが国家を超えて」(8~13ページ)という論文があります。著者は川田順造氏というひとで専門は人類学とのことです。たぶん、ドイツとともに資本主義のショウウィンドウにしてやれ、という戦勝国の政策により、うわべだけは発展したかの様にみせかけられているが、戦後補償についてはドイツにくらべてとてつもなくおくれをとっている某「創造の共同体」(アンダーソン)のショボさは、1994年に出版された『国家主義を超える』(阿満利麿・講談社)で、基本的には説明しつくされているとおもうのですが、そんなショボいネタに寄生する極悪人どもがあとをたたないので、再度詳細に論じることには一定程度の意味はあるのでしょうね。ご苦労様なことです。

たしかに「想像の共同体」というより、「創造の共同体」ですね(笑)

■川田順造先生、ウィキペディアにもあります著名なかた。

■某「創造の共同体」も、経済規模は大国ですからね。以前もかいたとおり、大都市圏ひとつひとつが、経済大国なみなので。たかるハエは、それは無数に…。

おそれていたことが

現実になりそうでつ。

小沢代表、クリントン長官会談
「政権交代」現実味帯び
中川昭一財務・金融担当相が辞任して麻生太郎首相の政権基盤がさらに弱体化した17日に、クリントン米国務長官と会談した民主党の小沢一郎代表。クリントン氏が呼び掛けた「日米同盟の強化」に小沢氏が「全面的に同意する」と応じるなど、時期衆院選後の民主党への政権交代が現実味を帯びたことを印象づける会談となった。
(『毎日新聞』2月18日号5ページ)

佐藤優死ね…もとい佐藤優氏ネタ

『創』(3月号)より
http://www.tsukuru.co.jp/gekkan/index.html

ついに貧困問題も金ヅルにしやがった。

「北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込めない」(あつこばのブログ)

http://atsukoba.seesaa.net/article/114942049.html
……
「テポドン2」が日本に落とされる可能性は、とても低いです。

軍事アナリスト、江畑謙介さんの『日本の防衛戦略』(P66)によると、
↓ここから引用
--------------
テポドン2は米国の基地を狙うものであり、日本に向けて発射されるミサイルではない
--------------
↑引用ここまで
とのことです。(■注1参照)
つまり、「テポドン2」はアメリカを狙うためのものなので、日本は近すぎるのですね。


では、北朝鮮が「テポドン2」よりも射程距離が短いミサイルを日本に撃ち込む可能性があるかどうかですが、これもないでしょう。

軍事アナリスト、小川和久さんの『日本の戦争力』(聞き手は坂本 衛さん)によると以下のように書かれています。(P236)
↓ここから引用
--------------
万が一にも日本にミサイルを撃ち込めば、金正日体制の崩壊どころではありません。それは、北朝鮮という国家の消滅を意味します。【中略】彼らは日米同盟に本気で反撃されたら一巻の終わりだと知っているのです。
--------------
↑引用ここまで

つまり、仮に日本にミサイルが撃ち込まれたら、アメリカがそれを口実に北朝鮮を攻撃するので、そうすると北朝鮮は「一巻の終わり」になってしまうというわけです。
北朝鮮の指導者は、なんとかして自分たちの体制を維持しようとしています。ですから、北朝鮮側が自分たちの体制を潰されるようなリスクを犯してまで日本にミサイルを撃ち込むなどということはあり得ないわけですね。
……


■すでに、かいてきたとおり、朝鮮がわの陽動作戦は、日米国民の不安をあおること、日米政府をテーブルにつかせる(援助等をひきだす、等々)よう、両政府に口実をつくらせること、『1984年』のオセアニア/ユーラシア/イースタシアの みつどもえ関係のように、対立を演出することで、たがいの内政上の矛盾を「外患」に転化する、みせかけの危機を継続させるための、プロレス的な「共犯」関係の産物にすぎない。
■それと、これも 前述したとおり、朝鮮がわが、日本をホントに攻撃したいのなら、原発テロや化学兵器・生物兵器など、いくらでも作戦があるはずなのに、一向にそんなそぶりさえみせない。■(1) そんなことをして 日本を混乱させても、国際的孤立をふかめるだけで、中長期的に 全然得でなく、また 戦争継続のための後方=経済的基盤がなく、中期的な戦略さえたたない。■(2) 日本が混乱して、救援物資や資金援助(在日「同胞」による送金等もふくむ)がとだえることは、それ自体が体制のクビをしめる自滅行為であること。などが、あきらかなわけである。■つまり、朝鮮政府は、せとぎわ外交をつづけるほかなく、しかも日本列島には、ガンガン資本主義的に機能してもらわないと、体制維持そのものが危機的な事態におちいることを、充分わかっている。■それは、日本にかぎらず、韓国も米国もそうだ。敵対しているフリだけが、かれらのとれる選択肢なのだ。

■おそらく、右派はともかく、保守派の政財界関係者は、充分このカラクリを熟知している。熟知しているがゆえに、報道関係者をグルにまきこんで、ハイパー独裁のもと、国民をだましつづける必要があるのだ。
■それをかんがえると、江畑氏やら小川氏ら軍事評論家の分析も、その政治的含意は、理解しがたい。かれは、どんな動機・利害のもとに、こういった「情勢分析」を公言しつづけるのか? 不可解だね。

ミサイル防衛に関して補足


ミサイル防衛システムの「自衛力」で、政府内に 不協和音

ミサイル防衛、当たらない? 河村長官「そういう懸念ない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090324/plc0903241054002-n1.htm
2009.3.24 10:53
 河村建夫官房長官は24日午前の記者会見で、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合に備える日本のミサイル防衛(MD)システムに関連し、政府筋が「いきなり撃たれたら当たらない」と発言したことについて「政府としては国民の安全を確保することに最善を尽くす。そういう懸念は持っていない」と強調した。
 発言の事実関係については「政府の立場(の発言)ではない。一切承知しない」と述べ、調べる予定はないとの考えを示した。


■「政府筋」とは、中曽根外務大臣だそうだ。

『サンデー毎日』(4.26号)40~1ページより

ミサイル防衛という「壮大なおもちゃ」に大金が注ぎ込まれる

「誤発表」騒ぎで幕を開けた北朝鮮のミサイル騒動は、4月5日、発射から18分にわたって日本および世界を揺るがせて幕を下ろした。”被害”といえば、配備中に野球場の照明灯に車体をぶつけたPAC3(地上配備型迎撃ミサイル)の積載トラックぐらい。だが、この「壮大な空騒ぎ」の裏で、ほくそ笑む人々がいる。
(中略)
1発の価格が、SAM3は20億円、PAC3は5億円するという。「壮大なおもちゃ」に、さらに大金が注ぎ込まれようとしている。

『サンデー毎日』(5.3号)の122ページに

さいとうたかを氏もとい斎藤貴男氏による『宇宙開発戦争』(作品社)という本に対する書評がのっています。その結論部は以下のとおり。

本書が暴いた事実の数々はあまりに重要だ。憲法九条を有する唯一の被爆国が、アメリカ宇宙軍拡の片棒を担ぐ愚を犯す事態にだけはしてはならない。

国民保護法の魔の手はすでに各自治体(市町村まで)にひろがっており、いったん緩急あれば義勇公に奉じ…もとい、いったん北韓(「北朝鮮」)からの飛翔物体が、べつに「日本」をねらったわけでなくても日本領土内に落ちた場合には各自治体も自衛隊の指揮下にはいらねばならない、というところまですすんでいるのだそうです。

ネタとしてどうぞ


『毎日新聞』(5月21日号)27ページより

MD国産レーダー公開
(前略)
防衛症では1基約180億円の同型基を11年度までに下甑島に加え▽佐渡(新潟県)▽大湊(青森県)▽与座岳(沖縄県)の計4分屯基地に設置する。

よく考えたら・・・

2009/05/02 18:51の書き込みって、すげーコワイ内容だな。

佐藤優被告の有罪確定

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/breach_of_trust/

とのことで、ある意味めでたい。でもって、ヤツをいまだにもちあげているサヨクはオメデタイ。でもあれだな、有罪になったらかえって殉教者の様なイメージをおびそうな気がしてきた。それもイヤだな。

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