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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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川辺川ダム 国は建設中止の早期決断を(毎日社説)=「ムダ」とはなにか31

■いわゆる川辺川ダム問題で、決定的な展開。
川辺川ダム建設予定地
建設予定地(2008年5月撮影):ウィキペディア「川辺川ダム


社説:川辺川ダム
 国は建設中止の早期決断を


 蒲島郁夫 熊本県知事が同県内の球磨川水系で計画されている川辺川ダムの建設について、「ダムによらない治水対策を求める」として、反対を表明した。

 公共投資改革が叫ばれてきたにもかかわらず、大規模公共事業は当初方針通りに実施、継続される状況は大きく変わっていない。そうした中で、蒲島知事の方針表明の持つ意味は大きい。福田康夫首相は「地元の意向は優先されるべきだ」、谷垣禎一国土交通相は「省として今回の判断を重く受け止めたい」とそれぞれ発言した。

 政府は見直しの方向へ動いたと見ることができる。国交省はダムによらない治水計画を早急に示すべきである。

 蒲島知事は、なぜ反対なのか。「流域住民にとって球磨川そのものが守るべき財産であり宝。そうしたローカルな価値観を尊重したい」ためである。国交省の「ダム至上主義」には同意できないということだ。


 公共事業には、計画策定当時と経済社会状況が変わり必要性が低下している例が少なくない。環境への悪影響が懸念される事業も目に付く。90年代半ば以降、計画策定から長期間経過したが未着手の事業が中止された例もある。しかし小規模事業が中心で、大規模事業は基本的には当初計画に基づき続けられている。

 河川整備に限れば97年の河川法の大改正で、環境に注意を払うことや、住民の意見を整備計画に反映させることなどが盛り込まれた。これを受け、河川行政は洪水時にある程度、水があふれることも想定した治水政策に転換したはずだった。ところが、これまで国交省は川辺川のみならず、淀川水系でもダムこそが治水の切り札という姿勢を崩してこなかった。

 高度成長期に着手されたダム計画では、工業用水や飲料水の確保が上位に置かれていた。ところが、産業構造の転換で工業用水需要は見込みを大幅に下回り、飲料水需要も頭打ちになった。農業用水も新たなダムが必要な状況にはない

 かんがい、発電、治水の目的で始まった川辺川ダムでも農林水産省は農業用水への利用を断念、発電計画も中止され、残るは治水だけだ。

 国交省は最近になり環境配慮型ということで穴あきダムを選択肢のひとつに提示した。しかし、専門家の間で穴あきダムの評価はまだ定まっていない。「河床掘削や遊水池などハードと、緊急避難システムなどソフトの対策を進めたい」という蒲島知事の提案の方が現実的だ。

 川辺川ダムは計画が始まって42年になる。本体建設予定地では離村で集落がほぼ崩壊している。国が計画を見直す場合は、ダムによらない新しい治水対策を早急に策定するとともに、自治体と連携して地域社会の活性化策や産業振興策も提示しなければならない。

毎日新聞 2008年9月12日 0時12分

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蒲島郁夫先生、3月まで東大の先生だった。■無所属での立候補といいつつ、結局は自民党の組織票で当選。
■だから、じもとの自民党関係者の大半は、ダム建設容認派だったはず。■たとえば、つぎのような記事。

川辺川ダム知事意見聴取…「ダム以外治水ない」「地元の意見重視を」県議会主要4会派賛否を表明

 蒲島知事が5日行った川辺川ダム計画に対する県議会(定数49)の意見聴取。主要4会派の代表は、それぞれの立場から賛否を表明し、知事に決断を迫った。ダム建設予定地を地盤とする県議は「ダム以外に治水方法はない」と、強く推進を訴えた。各会派の主張は次の通り。

 ■自民党県議団(34人)

 馬場成志議員「県と県議会は一貫してダム建設推進の立場だった。流域の治水対策は最も安全度の高い科学的、合理的な根拠を持つものでなければならない。財政問題や自然環境、動植物も大切だが、政治の要諦(ようてい)は地域住民の生命、身体、財産を守ること。歴史的な厳しい判断になると思うが、建設を決断することを願う」

 ■民主・県民クラブ(7人)

 渡辺利男議員「この42年間、球磨川の氾濫(はんらん)による死者は1人もいない。国交省がダム建設の根拠とする資料やデータは信ぴょう性がない。公共事業の弊害を地方からただすことができるかどうかの象徴的な問題。治水対策は土砂の撤去や堤防の強化、遊水地整備などで十分可能。国と県、地元が力を合わせてダムによらない治水のあり方を追求していく道を選択してほしい」

 ■公明党(3人)

 竹口博己議員「『短期間で結論を出す』と明言し、公約通り取り組んでいる知事の姿勢を高く評価する。『ダムが最も有力な治水対策』とした有識者会議の議論を尊重したい。治水対策は不可欠だが、環境との両立や費用対効果も考慮すべき。知事の態度決定を重く受け止めたい」

 ■無所属改革クラブ(3人)

 大西一史議員「最も重視しなければならないのは地元の意見。建設予定地の相良村長と最大受益地の人吉市長は反対や計画の白紙撤回を表明した。その意見を無視して計画を進めることは無責任。環境へのリスクや財政負担などを考えればダムによらない治水方法も検討すべきと考える」

 ■個別意見

 岩中伸司議員(新社会)「地元首長の反対の意思表明や環境、厳しい財政事情などの面からもダムは中止すべき」

 前川收議員(自民)「知事の決断でダム論争に終止符を打たなければならない。ダム以外の選択をするなら、代替案を示すべきだ」

 溝口幸治議員(自民)「人吉市長の白紙撤回の表明には生命、身体、財産を守る視点が抜けている。ダムしか住民を守ることはできない

(2008年9月6日 読売新聞)



翻弄42年清流守った 川辺川ダム知事反対 傍聴の反対派拍手 五木村関係者「拙速だ」怒りあらわ

2008年9月11日 13:45
 「決断」の瞬間、傍聴席に拍手とため息が交錯した。「川辺川ダム計画の白紙撤回を求める」。11日、蒲島郁夫熊本県知事は県議会でダムによらない治水対策に取り組む意向を表明した。ダム反対派から評価する声が上がる一方、ダム計画で移転を余儀なくされた五木村の関係者には「この40年は何だったのか…」と落胆の表情が広がった。計画発表から42年。ダムに翻弄(ほんろう)され、引き裂かれた地域の苦難をあらためて浮き彫りにした。

 議会棟には開会前から大勢の傍聴希望者が次々と到着。200席の傍聴席はほぼ満席となり、ダム賛成、反対両派がかたずをのんで蒲島知事の発言を見守った。開会から25分。知事の「白紙撤回」の瞬間、ダム推進を訴えてきた自民が過半数を占める議場は静まりかえった。対照的に傍聴席では反対派が拍手し、互いに笑顔で握手する光景も。

 ダム反対派でつくる住民団体「川辺川を守る県民の会」の中島康代表(68)は「ここまで踏み込んだ発言をした知事はいなかった。素晴らしい決断で言葉では表せないほどうれしい」と高く評価。「国や県議会から知事に大きな圧力があると思うが、みんなで支えたい」と気を引き締めた。

 水没予定地の五木村の村議ら約10人は、すぐに席を立った。田山淳士(きよし)議長は「この40年は何だったのか」と絶句。元村議の照山哲栄さん(76)は「村の再生振興策を国交省と考える前に白紙撤回とは、まさに拙速だ」と怒りをあらわにした。

 流域自治体の首長にも複雑な波紋が広がった。川辺川ダムの最大受益地で、蒲島知事に先立ち、計画の白紙撤回を求めた人吉市の田中信孝市長は「流域住民の民意をくんでもらって大変ありがたい。苦渋の選択だったと思う」とコメント。市議会の一般質問の最中にメモが手渡され、知事決断を知ったという。

 地元民放の報道番組に出演していた五木村の和田拓也村長は「非常に残念。もう一度考え直すことができないかという思いを強くした。五木村の振興に取り組むというが、具体性がなかった」と失望した様子で話した。

=2008/09/11付 西日本新聞夕刊=



知事の決断大きな波紋
 川辺川反対表明


 国土交通省が相良村に建設予定の川辺川ダム計画について、蒲島知事が反対を表明した11日、ダム計画に対してどういう立場をとるかで、関係者の評価は分かれた。長年、地域を二分するような論争が繰り広げられてきた問題だけに、県政トップの決断は、関係者の間に大きな波紋を広げた。

 ――■傍聴者

 県議会傍聴席には川辺川球磨川の流域住民やダム問題を巡り活動を続ける団体関係者らが詰めかけた。

 五木村の水没予定地から移住した村民が暮らす同村の頭地(とうじ)代替地で区長を務める犬童雅之さん(72)は傍聴後、「頭の中が真っ白になった。知事は五木村の振興と言うが、何一つ具体的な話はなかった。泣いて見せたが白々しい」と声を荒げた

 県庁1階のモニターで傍聴した同村の農業松永泰男さん(57)は、時折メモを取りながら表明を聞いた。「行政のトップがようやく決断したことはよかった。ただ、ダムに頼らず水害から下流住民を守る安全対策や、村の振興策をもっと具体的に示してほしかった」と注文をつけた。

 一方、計画に反対する「子守唄(うた)の里・五木村を育(はぐく)む清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表(68)は「知事の勇気と決断を高く評価する。今後、流域の住民と一体となって知事を支えていきたい」と喜んだ。

 ――■県議会会派

 県議会会派でも評価が分かれた。最大会派・自民党の前川收県連幹事長は「意外だった。ダムの代替案はなく、今後どうするのかは分からず残念。冷静に議論していきたい」と述べた。

 一方、民主・県民クラブに所属する民主党の鎌田聡県連代表代行は「民意を踏まえ、大変な決断をしたことを評価する。党としても、ダムによらない治水対策、五木村の振興策に取り組みたい」と語った。

 ――■九州地方整備局

 国土交通省九州地方整備局(福岡市)河川部では、職員らがパソコンの前に集まり、熊本県議会がインターネットで生中継した本会議の様子に見入った。

 知事が川辺川ダム問題について言及し始めると、ほかの仕事をしていた職員も集まり、一言一言をメモした。「現行のダム計画を白紙撤回し……」という言葉が流れると、終始無言で一様にため息をついたり、天井を見上げたりした。

 松木洋忠・河川調査官は「ダムが必要という見解には変わりはないが、知事の判断は重く受け止めざるを得ない」と厳しい表情。同局では、水系の治水策を決める河川整備計画の策定が大幅に遅れるとしている。

(2008年9月12日 読売新聞)




■しかし、県議会や国会議員たちで、この まくひき劇のながれを くいとめることは できないだろう。農水省と電力会社がなげてしまって、あとは国土交通省の官僚・建設族のメンツだけだろうから。ウィキペディア「川辺川ダム」をざっとみるだけでも、うんざりするような経過であり、40年以上の年月というのは、異様というほかない。■これで、諫早湾などとおなじような しがみつきをやらかしたら、早晩、ものすごい後悔をすることになるだろう。
■それにしても、多目的ダムという、巨大建設の発明は、これまで、どんな破滅的なことをくりかえしてきたんだろう。補償金もらって移住させられた もと住民の人生はなんだのだろう?■そして、「一度うごきだしたら、二度ととまれない」という、日本の官僚制の巨大な慣性(惰性)は、いつ修正されるのだろう。こんなことをやらかして、教育・福祉予算などとけずって、歳出削減・財政再建などといっているうちは、巨大な漏水みたいなもので、一部の人間にしか うるおいは、いきわたらないだろう。


【つけたし】
■裁判であろうが、議会運営であろうが、所詮市民は、カヤのそと。傍聴をゆるされたり、証人としてよばれることはあっても、基本は「頭上」。
■たとえば、インド洋での米軍の後方支援などをみても、民主党が反対するのは、自民党との対比をねらっているにすぎず、与党がわにまわったら、軍事同盟や公共工事のゴリおしなど、自民党と大差ない選択をするんじゃないだろうか? そういったメンツが大半なのに、社民党や共産党と大差ない方向で「民意」というのは、ごつごう主義的な気がする。社民党や共産党と大差ない政治判断を政争の具にする、偽装保守派というのは、実に気色わるい。■利権にずっとかかわってきたから、利権配分しか興味がない自民党周辺と、利権にずっとかかわれなかったから、利権配分批判にしか興味がない社民・共産周辺とは、「わかりやすい」対立図式だ。本心の政治信条はともかく、政治経済学的な利害関係をロコツに反映した党派的分布。■しかし、民主党は、くちでは社民・共産と大差ない判断を「民意」とウソぶき、政権をとったら 自民そっくりの政治姿勢に豹変するのではないか? ■くちでは世界平和をかたりながら、政府・自民党の軍事同盟をしっかり後方支援していた公明党と同様にね。

■それにしても、資本主義は市場原理が機軸なはずだが、その基盤整備をやるのは、公共セクターしかムリって論理で政府は肥大化してきたわけだ。■しかし、公共工事をはじめとして、税金の配分に民間企業がたかっていきている。それに、半失業層になりかねない部分が、しがみついている(たとえば、建設事業や自衛隊関連業界など)って構造は、グロテスクだな。いや、あの資本主義の総本山であるはずのアメリカでさえも、死の証人たちをはじめとして、国税にたかっている寄生虫たちだ。
■それはともかく、土建官僚たちにしろ、族議員にしろ、連中がくちにする「公益」って、なんなんだ?■連中は、幕藩体制期の武士層と同様、支配地域住民からの収奪にたかって、その配分合戦(=「調整」というなの利害配分闘争)を同業者内部でやらかしているだけじゃないか? 連中が「公益」としての なんらかの「福音」をもたらしたことがあったか? 連中が、なにか 小価値の素材を意義のおおきな実体をくみたてる という、「虚業」でない「工作」をつづけたことが、かつてあっただろうか? ■東京市の計画とくみたてた後藤新平とか、たとえば東名高速道路東海道新幹線の計画を実行した官僚たちとか、資源の地域格差をわりびけば、巨大な事業をおこなった人物が実在したことは否定しない。■しかし、多目的ダムやら原発やら、巨大施設を計画した連中が、地域住民や国民全体の福利厚生をホントにかんがえていたのか、ちゃんと検証すべきときがきているとおもう。



●ウィキペディア「多目的ダム
●ウィキペディア「治水ダム
●ウィキペディア「国土交通省」「建設省

●旧ブログ「「ムダ」とはなにか」シリーズ
●ブログ内「「ムダ」とはなにか」関連記事
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