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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート)1

■おととしでた『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)は、あやしげなビジネス書みたいな、あやしげな ふんいきを ただよわせる表題である(笑)。■だから、このての本は、まず よまない。
■大体、ビジネス書は、「人生の指南」みたいな 論調をとりたがる(か、あるいは、具体的なノウハウ本として、特定領域で「魔法」のように課題群が消失するといった、コピーをうちだす)が、(1)「人生の指南」といいながら、そこでいう人生は「職業生活」だけであり、家庭生活ほか職業以外の時間帯・領域が「二の次」なのがあきらかだし、(2)「魔法」のような解決策があるんなら、おおくのひとが実行して難局をぬけだせているはずなのだ。■要するに、「人生指南」の本旨とは、ビジネス至上主義(それも、顧客満足度だの社会貢献をもちだすが、要は利潤追求による、経営陣・投資家・債権者の利害擁護論)という宗教書・神学書であり(松下幸之助の資本主義=「水道哲学」は、ちょっと別種かもしれないが)、「魔法」のような解決策とは、大半の読者にとって実行不能な「正論」なんだとおもう(たとえば「ビリーズブートキャンプ」とか…)。

■が、本書は、かなり しずかなブームをひきおこして、それなりの読者が絶賛していることにきづいたので、時間ができたら、よもうとおもっていた。
自分の小さな「箱」から脱出する方法

■本書の本旨は、「箱」概念の具体的認識にある。それをまず整理(本書の表現をだいぶゆがめるが)しておこう。

■(1)「~した方がいい」という直感(「目的」にそった「善意」)をなんらかの理由で否認する【自己欺瞞】。
■(2)「~した方がいい」という直感を否認したことに、うしろめたさを感じ、自己欺瞞を否認する【自己正当化】。
■(3)自己欺瞞の自己正当化によって、自分が「した方がいい」ことを回避した事実を、周囲の人物・構造のせいにする【責任転嫁】。
■(4)自己欺瞞→自己正当化→責任転嫁という一連の防衛機制全体を正当化するために、周囲の人物・構造の欠点が過大評価され、自分自身のかかえる問題群がすべて過小評価される【評価の二重の基準による認知の構造的ユガミ】。

■要するに、「」とは、最初の現実逃避行動を、くるしまぎれに正当化しようとする「わるあがき」が構築した、〈不透明でユガんだレンズをまどと、周囲からの情報をユガませる カベでかこまれた小部屋〉みたいなイメージだろう。■へやの住人は、超自己中モードに「カスタマイズ」されたモニター・カメラをとおして、「外部」を「理解」すると。 ■これらの一連の過程・状態を「箱の中に入(ってい)る」と、日本語訳は表現している。■「箱の中に入っている」と、当人の主観的意識とは正反対に、周囲の状況が悪循環構造へと転化して、ますます「箱の中」状態が深刻化する。■なぜか?

■(5)「箱の中に入っている」人物は、自分の責任を転嫁したあいてを「箱の中」においこんでしまう【自己欺瞞の伝染】。
■(6)「箱の中に入っている」人物同士は、当然のことながら、たがいに責任転嫁合戦という、泥仕合にハマりこむ【相互非難による関係悪化】。
■(7)「箱の中に入っている」人物同士は、たがいのイメージする人物像へと「予言の自己成就」していく【無自覚な「共謀」関係をつくる】。
■(8)ひどいばあいは(しかし、しばしば)、あいてを、不如意なモノとしてみなすようになる【あいての「障害物」視】。

※ 以上、わかりやすい具体例をあげて紹介しているブログ記事として「「自分の小さな「箱」から脱出する方法」読了(メモ)その2」(『ぷりどうぐ』)
  簡潔な解説記事としては、「『自分の小さな「箱」から脱出する方法』が行う概念の可視化」(『nlog(n)』)

■「箱の中に入(ってい)る」という日本語訳がしめすとおり、24時間、全方位・全領域で「箱の中」状態の人物は、まず実在しない(それは、「他者への善意」とか「公共心」といったものが皆無の、ほとんど存在しない人物ということだから)。■要するに、当人が「箱の外」にいる状態が、すこしは あるのが普通だ。だれか、あるいは、どの領域かによって。
■本書は、「箱の中」状態から解放されないと、ロクでもない人生(ビジネスだけでなく)しかおくれない(「ブツブツ」モンクだけ 周囲にぶつけて、ズブズブ どろぬまにハマっていく、すくいようのない人生)と、警告するだけでなく、「どうやったら『外』にでられるか?」「どうやって『外』にいる時間・場面をふやせるか?」を提起しようというものだ(もちろん、自助努力が困難なので、自分たちの提供するシリーズ本とかセミナーとか商品かってね…って、プロモーションも 慎重に かくされているんだけど)。
■(1)~(8)をふくめた、これらの構造は同時に、つぎのような問題もふくんでいる。

■(9)「」の内外と、当人のでいりがあるだけでなく、複数の「」の携行がともなう。■この「箱を持ち歩く」構造は、当人にとっては「性格」として、周囲の人物に対しては「細菌」として伝染させる*という、結果をともなう【「携行」による「性格」化と「伝染」】。

 * 本書では、原因こそ特定できなったものの「院内感染」という現実に事実上きづき、これを予防するために、てあらい=塩素消毒を導入した産科医ゼンメルヴァイス(1818-65)の故事になぞらえている。

【つづく】
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