プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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「ゴッド・ブレス・アメリカ」は苦肉の策!?(『ニッポン あ・ちゃ・ちゃ』)

■もう、8月もおわってしまう。■時期はずれにならないうちに、ワシントンDC郊外におすまいの、もとジャーナリスト、おぐに あやこ さんの連載エッセイ(『週刊ポスト』)、『ニッポン あ・ちゃ・ちゃ 日本人だから見えるアメリカ、アメリカだから見えた日本』の先日の記事(第16回)を転載。

 日本では、お盆シーズンを迎えて久しぶりに皆“宗教”を身近に感じている頃だろうか……。
 ブッシュ大統領もそうだが、米国の政治化はたいてい演説の最後をこの一言で締めくくる――「メイ・ゴッド・ブレス・アメリカ!」(アメリカに、神のご加護を)。聴衆が拍手喝采するのを見ながら、私はフシギに思う。「「ゴッド」って、どの神様?」
 アメリカは宗教の国だ。なにしろ天国や地獄はもちろん、天使の存在を8割以上の国民が信じている。国民の5割強がプロテスタントで2割強がカトリック。キリスト教徒が圧倒的に多いが、無宗教の人を除いた残りの1割強を、ユダヤ教、イスラム教、仏教、ヒンズー教など多種多様な宗教で分け合っている。ということはつまり、大統領候補オバマ氏が「ゴッド・ブレス・アメリカ!」と叫び、キリスト教徒とイスラム教徒の支持者が仲良く一緒に歓声を上げていても、それぞれが心に描く「神様」は異なる、というわけ
「……ってことが気になって仕方ないのよ」と、アメリカ人ばかりのホームパーティーの席で、私は皆に聞いてみた。その瞬間、テーブルに広がる気まず~い雰囲気。その日のメンバーは、ユダヤ人教徒の夫妻と、プロテスタント夫妻、元ボスニア難民のイスラム教徒十歳に、無宗教の私。思えばビミョーな取り合わせだった。先日も友人から、「政治と宗教の話は場所と相手を選ぶこと」と忠告されたんだっけ。あーあ、大失敗。
 すぐにフォローに走ってくれたのは、気遣いのできるユダヤ教徒のエディスだ。「イスラム教の教祖ムハンマドも、イエス・キリストも、神の預言者の一人よね。ユダヤ教にしろイスラム教やキリスト教にしろ、私たちは唯一の存在である同じ神を信仰する兄弟だと思うの」
 す、すごい。世界は一家、人類はみな兄弟。全員の信教に配慮した見事な話の収め方! ところが一件落着と思われたところに、空気を読めないキリスト教徒のディックが「仏教は? ヒンズー教徒なんてたくさんの神様がいるんだろう?」と乱入これを妻フィリスが笑顔でたしなめる。「宗教は個人的な問題だから、もうよしましょうよ」。見れば、彼女の目は全然笑っていないのだった。
 つまりこの国では「ゴッド・ブレス・アメリカ」のゴッドの正体を<明確にしちゃいけないのだ。キリスト教に基づいた国ながら、異なる宗教を信じる多くの移民を抱え、憲法では政教分離をうたうアメリカ。ゴッドの正体を特定しないまま「ゴッド・ブレス・アメリカ」と叫ぶのは、多様な宗教を信じる国民を、あいまいな「ゴッド」の名のもとにたばねようという苦肉の策なのだろう。
 ところで、油断してたら「君の宗教は?」と逆に突っ込まれた。「私は無宗教。日本人の多くは葬式を仏教の寺で、結婚式を着たければ神社、ドレスを着たければ協会でやるよ。私は教会だったな」。正直に答えたのに、これがまったく理解してもらえない。おまけに、彼らの次の質問は、「つまり君が挙式した教会ってどの宗派だったの?」
 ……そんなの知らないよ、とは口が裂けても言えない雰囲気。アメリカってホント、宗教国家なんだなぁ。

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■一番空気がよめなかったのは、おぐにさんご本人だろう(笑)。
■しかし、アメリカ建国の偽善性(先住者を抑圧しての殖民)という最大のタブーにつぐ、最重要クラスのタブーを、空気よめない率直さゆえに、さぐりあててしまったともいえる。

■ちなみに、「イスラム教の教祖ムハンマドも、イエス・キリストも、神の預言者の一人よね。ユダヤ教にしろイスラム教やキリスト教にしろ、私たちは唯一の存在である同じ神を信仰する兄弟だと思う」という論理は、旧約聖書中の「唯一神ヤハウェ」を共通にいただいているはずの、3宗教の信徒にはあてはまるが、おぐにさん以上に天然ボケというべき「善良な」ディックがいうとおり、ヒンズー教など多神教の信徒はもちろん、神の実在を原理的には否定しているも同然の仏教の信奉者(信仰者ではないはずだ)には、まったく無効な議論である。■所詮は、北米の9わり強をしめる多数派だけを、「統合」しうる論理だ。天然ボケ系の 無自覚な「知の産婆術」(ソクラテス)が、はからずも、ユダヤ教徒とキリスト教徒の偽善、ないしデマカセをひきだしてしまったといえる。
■ちなみに、ホロコーストを極点とするユダヤ系差別、「9・11テロ」前後を象徴とする、キリスト教徒/イスラム教徒間の憎悪、キリスト教徒間の宗派対立による膨大な殺傷など、「共有する唯一神」が、きいてあきれる「うちゲバ」世界史である。■よく、コミュニズムを奉じていたはずの新左翼各派間での「うちゲバ」は、その残忍さが ことさら強調されたが、キリスト教徒を軸とした殺傷のグロテスクな世界史をまえにすれば、ケシつぶのような質/量といえそうだ。

■それにしても、チャンプルーテーゲーな思想信条は、オキナワではなく、おぐにさんのような、典型的日本人にこそ、あてはまる。■こういった、なんでもあり。首尾一貫0のアタマのなかみを、世界中に理解してもらうのは、きわめて困難。すくなくとも、一神教が支配的な空間では、ほとんど不可能にちかい。なのに、能天気にのりこんでしまえる、この精神。これこそ、「ニッポン あ・ちゃ・ちゃ」ではないか?(笑)
■ま、しかし、このチャンプルーテーゲー主義こそ、世界をすくうかもしれない。■発信のしかたが、タイヘンそうだが。
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