プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム32

■『朝日』の記事の紹介などがならんだ、前回・前々回とは別のシリーズ記事、「世界の環境ホットニュース[GEN] 689号 08年07月21日」の次便が1週間ちかくまえに配信されているので、一応紹介しておく。■ここ数日で新展開があったから、原田さんの記事にも、なんらかの改変があるとか、なにかありそうな予感もあるし。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 690号 08年08月03日

          毒餃子事件報道を検証する【第29回】        

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第29回 東北2事件の意味

 福田内閣発足後に、水面下で起きていた東北の2つの事件(仙台市、福島県喜多方市)の目的は何だったのでしょうか? 一連の毒餃子事件とそれに続く毒飲料事件は、日中関係の分断が目的だったと推理してきましたが、今年一月末に毒餃子事件が大きくとりあげられてから掘り起こされた東北地区の2つの事件については犯行の動機に違いがあるのではないかと感じられます。


 福田内閣が誕生してからの日中関係は、福田首相が訪米中に、崔天凱(サイ・テンガイ)駐日中大使が着任の挨拶に町村官房長官を訪問したところから具体的に動き始めています。崔大使はこのとき、「中日関係は現在良好な発展の勢いにあり、重要なチャンスに直面している。双方は福田総の早期の訪中、胡錦濤国家主席の訪日の準備を積極的に行っており、これらのハイレベルの往来通じ、戦略的互恵関係を更に充実させていきたい。各分野における協力が成果を挙げ、また、人的流、青少年交流を強化し、両国の国民感情を改善したい。東シナ海の問題について、中国側は日本側と共に努力し、早期に妥当に解決する誠意と決心を有している。」と語っています。

 一方、福田首相は、訪米を終えた11月20日にシンガポールで温家宝首相と会談し、「12月初めに日中ハイレベル経済対話第一回会合、早ければ年内にも福田訪中」で合意しています。毒餃子事件が日中分断工作の一環であるならば、この頃が「警告」のタイミングとしては狙い目だったように思います。しかし、仙台市の事件は 10月8日に配送されていて、時期が離れすぎています。福島県喜多方市の事件は11月10日ですから、一応、崔大使との会談直前と言えるかもしれません。しかし、この時期は テロ特措法の延長問題の方が 最重要課題のように扱われていました。

  9月12日 安倍退陣表明。
  9月20日 市民団体ピースデポが「海自艦が給油した
    米艦はイラク作戦に参加した。米艦への給油量も
    政府の説明と違う」と指摘。
  9月21日 防衛省、海自補給艦の米空母キティホーク
    への給油量を訂正。
  9月26日 福田内閣発足。
 10月 2日 小沢「給油は戦争そのもの。憲法違反である
    以上、協議しようもない。」と発言。
 10月 5日 国会承認を必要としない「新・テロ特措法」
    骨子案提示。
★10月 8日 仙台市で毒入り餃子が宅配された。
★10月26日 毒入り餃子の異臭に気付き、返品。
 10月26日 軍需商社・山田洋行の元専務が元防衛相
    ・久間章生を接待していた疑惑発覚
 10月29日 防衛省前事務次官・守屋武昌の証人喚問
 10月30日 福田・小沢秘密党首会談
 11月 1日 テロ特措法期限切れ。
 11月 2日 福田・小沢の党首討論が密室の党首会談に
   変更
 11月 4日 民主党役員会が大連立を拒否、小沢辞任
   表明。
 11月 7日 小沢、民主党両院議員懇談会で辞意撤回。
★11月10日 福島県喜多方市で毒入り餃子購入。臭いに
   気付き即日返品。
 11月12日 衆院特別委で、新テロ特措法可決。13日
   衆院通過。14日参院趣旨説明。
 11月15日 福田訪米に出発。
 11月16日 駐日中国大使、町村官房長官に着任表敬
 11月20日 日中韓首脳会議(シンガポール)

 こうしてみると、仙台と喜多方市の毒餃子事件は、その前後に起きたことから推定して、日中関係 改善問題ではなく、インド洋での給油 問題にこそ関係がありそうにみえます。民主党・小沢代表が「海上自衛隊の給油活動は憲法違反」とさらに踏み込んだ発言をした後に、仙台で毒餃子が宅配されていますし、餃子の異常に気付いて、返品された直後に福田・小沢の秘密会談が行われています。しかし、その時点ではまだ何も分析されていないのですから、密談はテロ特措法の期限直前など、毒餃子とは別の事情によるものと思われます。

 一方、福島県喜多方市の事件は、小沢が辞意を撤回した後に、毒餃子が店頭に置かれたことになります。こちらは購入当日に調理され、異常はその日のうちに見つかり、返品されています。そして、その直後に新・テロ特措法が衆院特別委員会で可決されています。しかし、ベンゼンなどの有機溶剤が検出されたのは10日後で、福田は訪米を済ませた後でした。しかもこのときにはジクロルボスは検出されていません。したがって、食品テロ発生との認識は ほとんどなかったと思われます。新法の衆院通過は毒餃子の影響というよりも、福田の訪米に合わせて行われたと考えられます。

 このように東北の2つの事件はともに、インド洋での給油活動継続(=テロとの戦い?)に反対する動きが出てくると、食品テロが発生するという構図になっているようにみえます。「テロとの戦い」をやめていいのか?と言わんばかりです。しかし、2つの事件とも臭いがきついことから、当時は揮発性の溶剤にばかり注意が払われて、農薬の分析は行なわれませんでした。そのため、毒物が検出されなかったことから、食品テロだとは認識されないままに終わってしまいました。毒入りがわかるように、指標物質として揮発性のベンゼンなどの溶剤を添加したことが却って、本体のジクロルボスを見えなくしてしまったのです。これは犯人にとって予想外の誤算だったことでしょう。犯行予告があったとしても、いたずら程度の認識しかされなかったと思われます。

 それでも、東北の2つの事件では日本政府に対し、犯行予告はあったと考えられます。その形跡もあります。東北の事件について、警察が一貫して無視し続けているのが不自然なのです。警察は、毒餃子事件が大きくとりあげられた当初から一貫して「製造段階混入説」を主張しているのですから、同じブランド名の冷凍餃子の異常であった東北の2つの事件にも大いに関心をもってしかるべきです。しかし、実態は無視というよりも、邪魔者扱いに近いのです。

 市川市の事件発覚後、日本生協連合会に対する千葉県警の事情聴取の際、コープあいづが福島県喜多方市でも同じブランド商品で異臭騒ぎがあり、現物も保管している、提供する用意もあると、千葉県警に申し出たにも関わらず、千葉県警は一切関心を示しませんでした。さらに、生協連合会が問題の餃子(市川市の事件と同じブランドの商品)から同じ有機リン系に属する農薬が検出されたと報告してもなお、餃子を鑑定しようとはしませんでした。(日本生協連合会、08.2.5発表資料)しかも、千葉県警は、コープあいづから毒入りが確認された餃子を一旦預かったものの、福島県警からサンプル提供を要請されるや、厄介払いとばかりに、コープあいづから渡された餃子を即座に福島県警へ放り投げています。(08.2.9 朝日新聞)

 重要な証拠たるべき毒餃子を、なぜ こんなに ぞんざいに扱うのでしょうか? 警察は大きく報道された当初から「製造段階 混入説」を主張していましたが、本気でそう思っていたわけではないということです。既に毒餃子事件で指揮をとっていた警察庁が、「何らかの情報」によって、一月末に発表された3つの事件以外にも毒入り餃子事件があることを知っていて、一連の事件との関連に気付かれないよう無視し続けるとの対策が周知徹底されていたと考えられます。何よりも緊急かつ重大な「何らかの情報」がなければ、市川市の事件が発生した段階で警察庁が千葉県警に代わって指揮をとっているはずがありません。この疑問については、第13回(GEN 674「千葉県警は無関心」)で すでに触れています。生協連合会が 申し出る前に知っていたからこそ 事前に対応を決めることができ、一貫した無視の態度をとることができたのでしょう。「何らかの情報」に相当するものとしては、犯人からの犯行予告以外にはみあたりません。

 市川市の事件が発生した直後に、政府内部で緊急の対策会議が開かれたことでしょう。そのとき、1月末に発表された3つの事件以前の事件については無視する、3つの事件も食品テロだったことを隠すために製造段階で混入したことにする、との方針が 1月25日(金)頃に了承されたと考えられます。週明けにJT株が急落しているからです。

 冷凍餃子の輸入元だったジェイティフーズ社が商品の自主回収を公表する2日前(1月28日)、親会社の日本たばこ産業(JT)株の売り注文が殺到し、株価が急落しました。直前の取引日(25日)の61万円から56.2万円と1割近くも急落していますが、株価の下落傾向は年明けから続いていました。JT株はもともと値動きが小さく、04年以降が緩やかに上昇し続けていたところに、1月の下落率は東証株価指数(TOPIX)の6.5%に対し、JT株は12.5%だったのです。毒餃子事件が公表されるまでは目立ったマイナス材料がない中での値下がりに、市場関係者の間でも不審を呼んでいたのです。(08.2.2 読売新聞)

 読売新聞は食中毒の調査、報告の過程で情報が取引先にももれた可能性に言及していますが、JTでは、28日までの社内状況について、「殺虫剤が原因という認識はなかった。中毒発生を知っていた社員も限定される。」と言っています。JTが千葉県警から事情聴取を受けたのは29日でした。(08.2.2 読売新聞)少なくとも28日の急落にはJT社員は関係ないと思われます。年初からの下落傾向は、水面下で事件が続発していることを知っている連中がいることを臭わせます。28日の急落は、市川市の事件などが近々、輸入元にも責任があるという形で大々的に報道されることなどを知った(知りうる立場にいた)特定の投資家がJT株の売り抜けをはかったものと考えられます。

 仙台市の事件でも千葉県警は無視しています。みやぎ生協に返品された餃子は残っていませんでしたが、包装袋は残っていました。その包装袋からジクロルボスの他に、パラチオン、メチルパラチオンが検出されたと発表したのは日本生協連でした。(08.2.20 日本生協連合会発表資料)生協連が分析したということは、千葉警察はこの事件についても包装袋を受け取らなかったとみられます。

 千葉県警は 市川市の事件で メタミドホスを検出した時点で、何の予備知識もなかったならば、日本では売られていない農薬だからといって、いきなり「製造段階混入説」などは言い出さなかったでしょうし、仮に情報操作のためではなく、思い込みで「製造段階混入説」を信じていたならば、東北の2つの事件に強い関心をもって捜査を進めたことでしょう。

 このように、2つの事件にはともに、冷凍餃子に有機リン農薬のジクロルボスのほかに揮発性の溶剤であるベンゼン、トルエン、キシレンを敢えて加えることで臭いで異常を知らせ、食べる前に気がつく工夫がなされていました。このように、一般市民には被害がでないよう配慮されていたわけですから、日本政府には気付いてもらわなければなりません。そのためにも、毒餃子が市中に出たときと前後して犯行予告があったものと推定されます。

 一方、年末の福田訪中の際に仕込まれた、千葉市と兵庫県加古川市(購入者は高砂市在住)の事件では、国内にパニック状況を作り出して、日中外交を妨害することが目的だったと考えられますから、犯行予告はなかったかもしれません。東北の事件で犯行予告を出していたならば、千葉市の事件との関連はすぐに気付くことでしょう。こちらは実際に事件になることを狙っていたわけですから、今度はベンゼンなどで毒入りを知らせたりせず、確実に誰かに食べさせ食中毒事件を発生させなければなりません。千葉市では口にする可能性が高いメタミドホスが使われ、さらに、メタミドホスでも気付かれた場合を想定して、兵庫では有機リン中毒と同じような症状を起こすパーマ液(チオグリコール酸など)が選定されたと推定されます。

 しかし、このときも偶然がいくつも重なり、犯人が期待していたような事件にはならなかったのです。福田首相は何事もなく訪中日程を予定通りにこなし、年の瀬も押し迫った12月30日、羽田空港に戻ってきたのです。こうして、07年に仕掛けられた4つの毒餃子は、ことごとく犯人の計画通りにはいかなかったと考えられます。

--------------------------------------------
■ちなみに、以前紹介したGEN 674「千葉県警は無関心」)の正式タイトルは「千葉県警はジクロルボスに無関心」。

■何度もいうようだが、かりに、中国での毒物混入が事実だったとして、原田さんが提起してきた問題点が解消されたことにはならない。前々回かいたとおり、警察当局とメディアのうごきを中心に、やはり異様なウラがありそうな予感は全然きえないからだ。
スポンサーサイト

テーマ : みんなに紹介したいこと - ジャンル : ブログ

タグ : 毒餃子事件報道を検証する ナショナリズム 食品 安全 警察

<< 取捨選択+補足版ウィキペディア「長崎の鐘」 | ホーム | 民主化へ新たな決意 ミャンマー、学生蜂起から20年(産経) >>


コメント

「和食普及研究会」だそうです。ネタとして…

「和食普及研究会」(http://www.wasyokuken.com/cstick/)なんていう団体もあるんですね。

「幻想としての和食」

■以前紹介した(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-304.html)『幻想としての人種/民族/国民』(http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/224.htm)には、「日本文化」の時空上の連続性なんて幻想だとかいてあるし、人口の一部しか日常的にくりかえさない文化なんて、民族文化といいはるのはおかしいって、主張しています。■ご紹介いただいた研究会なんぞも、むなしい運動、ないし差別的・復古主義的なエリート主義にみえます。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。