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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム27

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム26」の続報。

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    世界の環境ホットニュース[GEN] 687号 08年07月08日
         ご意見・ご投稿 → このメールに返信

          毒餃子事件報道を検証する【第26回】        

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第26回 第5の毒飲料事件

 日中両政府は6月18日、懸案となっていた東シナ海のガス田の共同開発で合意しました。これで、5年前に中国が白樺(しらかば)(中国名・春暁)ガス田の開発に着手して以来、世論も巻き込んで両国の最大の対立点となっていたガス田問題は一応の決着を見たのです。福田首相はこれまで対立してきた東シナ海を「平和、友好の海にしていこう」と合意を歓迎する談話を発表しました。ところが、その直後、またしても、毒飲料事件が発生したのです。


 高村外相と甘利経産相が6月18日夕、外務省で記者会見して、東シナ海のガス田の共同開発で合意したと発表しました。合意内容は、中国側が先行開発している白樺(しらかば)(中国名・春暁)ガス田に日本法人が出資するほか、日本側が主張する「日中中間線」をまたぐ北部の海域で新たに共同開発に着手するというものです。日中間の最大の対立点だった白樺では、日本側が権益の一部を確保することになりました。

 福田首相は 記者団に「東シナ海を平和、友好の海に していこうという趣旨にのっとって、相互協力してガス開発を進めていきたい」と合意を歓迎する談話を発表すると、中国の国営新華社通信も18日、「中国と日本が対等の立場による協議を通じ、東シナ海問題で 原則的な共通認識に 達した」と伝えました。(6.19 朝日新聞)しかし、この記者会見は、毒餃子事件がなければ、5月7日の福田首相と胡主席の首脳会談後の共同記者会見で行なわれるはずだったのではないかと思われます。その席上で併せて、福田首相から北京五輪の開会式出席が表明されれば、日中関係は大きく前進したことを強くアピールできたことでしょう。一連の事件は、それを妨害するために仕組まれたと推測されます。それでも、大きな歴史の流れは変えることができないということなのかもしれません。

 これまで、中国側が嫌う靖国問題を敢えて利用することで日中間の緊張状態を作り出していた小泉首相が退陣すると、一転して日中間の融和は一気に進んだようにみえますが、その流れは小泉の首相就任以前から始まっており、小泉時代だけが流れに逆行していたと考えられます。そして、続発する毒餃子事件・毒飲料事件は、福田内閣発足直後から始まり、特に日中の首脳の往来とか、聖火リレーなど日中友好の起点ともいうべきタイミングに合わせて発生しています。このことから一連の事件は、福田内閣の親中政策に対する威嚇であり、東アジアの安定化という流れに逆行する動きであると推測されます。そして、その法則に従うように、ガス田合意の発表直後のタイミングに、第5の毒飲料事件が兵庫県神戸市で発生しました。

 今回の事件に使われた毒物はテトラメスリンというピレスロイド系の殺虫剤で、毒餃子事件から爽健美茶事件まで続く一連の有機リン系の農薬でも、直近のポッカ缶コーヒー事件で検出されたプロポキスルというカーバメート系殺虫剤とも異なります。しかし、ガス田合意の直後というタイミングで発生していますし、毒餃子事件以来頻発している兵庫県内で発生してことから、単なる愉快犯のいたずらでは片付けられません。そして何よりも、捜査に当たった兵庫県警が高砂市の毒餃子事件のときと同様に、流通段階で毒物が混入した可能性が高いことを隠蔽するために様々な情報操作をしている形跡が見つかりました。少なくとも、兵庫県警は今回も国民に隠さなければならない事件であると認識していることだけは間違いなさそうです。

 まずは、事件が発生した地元・神戸新聞(6月23日)の記事から 第5の毒飲料事件を紹介します。(以下引用)

 21日午後4時15分ごろ、神戸市西区の無職男性(47)が
 「紙パック入りのジュースを飲んで気分が悪くなった」と
 兵庫県警に届けた。県警が調べたところ、ジュースから
 家庭用殺虫剤成分を検出、神戸西署は異物混入事件
 として傷害容疑で調べている。命に別条はないという。
 調べでは、男性は神戸市西区の薬局でジュース(200
 ミリリットル)を購入。ストローをさして 玄関先の洗濯機の
 上に置いたまま犬の散歩に出掛け、帰宅後、ジュースを
 飲み気分が悪くなったという。男性は病院で診察を受けた
 が入院はしなかった。

 (引用終わり)

 神戸新聞は、高砂市の事件で、兵庫警察が チオグリコール酸を検出しながら、毒物は メタミドホスと 発表したことを報道しています。(GEN 671、第10回)しかし今回は共同通信が配信した記事そのもので、地元紙ならではという情報はありませんでした。この記事からは、紙パック入りのジュースに毒が仕込まれていて、飲んだ男性の具合が悪くなったということしかわかりません。毒物がどこで仕込まれたのかについても言及していません。ただ、「ストローをさして玄関先の洗濯機の上に置いたまま犬の散歩に出掛けた」と書いているので、犬の散歩の隙に毒物を仕込まれたのだろうかと想像するだけです。ところが、記事が詳しくなってくると疑問符だらけとなっていきます。(以下6.23 朝日新聞より引用)

 調べでは、検出されたのは家庭用殺虫剤に含まれる
 テトラメスリン。男性は近くの薬局で21日正午すぎに
 ジュースを購入し、開封して飲まないまま、屋外の
 洗濯機の上に置いて犬の散歩に出かけた。15分後に
 戻って全部飲んだところ、気分が悪くなって病院で診察
 を受けたという。
(引用終わり)

 神戸新聞は「ジュースから家庭用殺虫剤成分を検出」と言っているのに、朝日新聞はそのジュースを「全部飲んだ」と言っています。全部飲んだのなら、分析に供されるジュースそのものが残っていないことになり、分析不能です。その矛盾を解消してくれているのが、毎日新聞の記事です。男性が薬局で買ったジュースは1本ではなく、2本だったのです。以下6.23毎日新聞より引用。

 調べでは、男性は21日、自宅アパート近くの薬局で 紙パック
 (200ミリリットル)入りのマンゴージュース2本を購入。うち1本
 にストローを挿したが、飲まずに自宅玄関先の洗濯機の上に
 置き、犬の散歩に出かけた。帰宅後の午後0時半ごろ飲むと
 苦味を感じ、もう1本を飲んだ後、吐き気を覚えたという。県警
 科学捜査研究所の分析で、1本目のジュースからテトラメスリン
 を検出した。紙パックに穴などはなく、薬局の他の商品にも異常
 はなかった。

 (引用終わり)

 朝日も毎日も「男性は紙パックにストローを挿したが、飲まずに自宅玄関先の洗濯機の上に置き、犬の散歩に出かけた。」と言っています。今まさにジュースを飲もうとしているところを思いとどまって、犬の散歩に出かけたというのも妙な行動です。しかし、ここは重要なところです。なぜなら、「男性はストローをさしたまま自宅アパートの玄関先前に約30分間ジュースを起きっぱなしにしており、署はこの間に何者かがジュースの中に異物を混入したとみて、傷害事件として捜査している」(産経関西)からです。

 ところで、男性は散歩から戻って、2本のジュースを飲んだことになっています。「(苦味のあった)1本目のジュースからテトラメスリンを検出」(毎日新聞)したというのなら、「全部飲んだ」のは2本目ということになります。男性はその後に気分が悪くなっていますので、2本目にも毒物が入っていたかもしれません。しかし、現物がないので特定不能だということになります。

 ところが、「男性が買ったもう1本や、薬局で販売している他のジュース類には異常はなかった。」(6.22産経関西)というのです。「異常はなかった」とは、分析したが毒物は検出されなかったか、あるいは、被害者の男性以外に、ジュースを飲んで嘔吐したなどの通報がなかったことを意味します。おそらく、兵庫県警は分析したのではなく、通報がなかったから「異常はなかった」と判断したと考えられます。「男性が買ったもう1本」は全部飲んでしまっているのですし、薬局で販売している他のジュース類も分析する時間がなかったと考えられるからです。男性が警察に通報したのは6月21日(土)の午後4時すぎでした。そして産経関西は22日(日)の9時前には事件を配信していますので、兵庫県警は22日の早朝に記者会見を開いたことになります。そんな短時間で、男性が買ったもう1本や、薬局で販売している他のジュース類までという多くのサンプルを分析できるはずがないのです。すると、おかしなことになります。散歩から帰宅後に2本とも飲んで、気分が悪くなった(毎日新聞)のならば、「男性が買ったもう1本にも異常があったかもしれない。」との結論でなければなりません。「男性が買ったもう1本には異常がなかった」というためには、男性はそのジュースを飲んでからしばらくの間、気分が悪くなったりしなかったことになります。男性は薬局でジュースを買ってからすぐに犬の散歩に出かけています。男性がジュース購入後になんともなかった時間帯は犬の散歩の間だけです。「もう1本には異常がなかった」と言えるのは、男性がジュースを飲まずに散歩に出かけたのではなく、まず1本を全部飲んでから出かけた場合だけです。紙パックは空っぽならば、男性は玄関先にストローを挿したまま放置していったとしても不思議ではありません。そして、散歩中には異常は発生せず、帰宅後にもう1本のジュースを飲んだところ、苦味を感じ、気分が悪くなったものと推定されます。

 兵庫県警は神戸新聞の記事のような、ジュースの本数すら曖昧な発表をしたものと思われます。これに疑問をもった朝日、毎日、産経の各記者が個別に警察から聞き出した内容を加筆して記事にしたのでしょう。兵庫県警はまたしても情報操作をして、流通段階で毒物が仕込まれていたことを隠蔽しようとしたことになります。さらに、「紙パックには穴などなかった」(毎日新聞)とのことですが、兵庫県警には高砂市の毒餃子事件の際、当初、穴はないと説明していた包装袋に針穴があったことが、事件発生から一ヶ月以上もあとになって発覚した(2.2 神戸新聞)という前科があります。そして、国内関係者の関与も視野に事情聴取を始めるなど、穴の発見を機に捜査方針の変更を余儀なくされた矢先に、大阪のスーパーから回収された餃子袋の内側から次々とメタミドホスが検出されたと発表して、製造段階混入説が強く印象付けられたのでした。しかし、そのときも、分析したサンプルがあやふやで本当にメタミドホスが検出されたかどうか疑わしいことは第8回(GEN669)で説明しました。

 兵庫県警は今回も流通段階混入説を否定するためには、強引な筋立てとせざるをえず、結果として曖昧で、矛盾だらけの記者会見になってしまったものと思われます。

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■『神戸新聞』は、あきらかに タレながし記事をかいているが、『毎日』など全国紙は、兵庫県警の発表に疑問をいだいている。■しかし、その続報によって、県警のあやしさをあばくには、いたっていないようだ。これは、実に奇妙だね。
■再三のべていることだが、これらメディアの姿勢は、実にあやしげだ。■ここまで詳細に微にいり細にいり分析をこらす原田さんが、県警や警視庁や政府発表などにだけ照準をおくのは、理解しにくいね。■以前、原田さんも指摘したとおり、「アセフェートは、生体内でメタミドホスに変化して、より強い殺虫効果を発揮することを想定して開発されたプロドラッグ(前躯体)で、従ってアセフェートを摂取すると体内でまさに中国製ギョーザを汚染したのと同じメタミドホスに」かわってくれることを『AERA』は報じているのに、『朝日新聞』はもちろん、『週刊朝日』も報じた様子はない。いや、『AERA』自体は、続報をくりだすなど、キャンペーンをやれない(やれない)編集体制にあること自体が異様だ。■今回も、全国紙を中心に記者たちは、警察当局の発表に疑念をいだいている。しかし、そのあとで 具体的に 矛盾をつくような行為にはでていない。おそらく「記者クラブ」の病理だろう。
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タグ : ナショナリズム 安全 食品 1984年 真理省 警察 毒餃子 中国製ギョーザ ジュース ガス田

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