プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム25

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム24」の続報。前回同様、第23回分の改訂版第2弾。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
     世界の環境ホットニュース[GEN] 685号 08年06月26日
         ご意見・ご投稿 → このメールに返信

          毒餃子事件報道を検証する【第24回】        

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第24回 ポッカ缶コーヒー事件の背景

 毒餃子事件に毒飲料事件、長野聖火リレーなど一連の騒動に対して、日本政府は国民に気付かれないようにする以外どうすることもできなかったようにみえます。そこへ長野では、聖火リレーの妨害を阻止しようと中国人留学生の大動員が計画されていました。妨害活動を数で圧倒しようというわけです。しかしながら、彼らの目前で挑発行動が繰り返されれば何が起こるかわかりません。日本政府はそれでも、警備の強化以外に打つ手がありませんでした。

 そこに、日本旅行業協会がひとつの対策を示しました。中国人留学生の大動員は「旅行業法違反」にあたると指摘したのです。中国人留学生の長野集結がなければ、暴動に発展する危険性は非常に小さくなります。ところが、日本政府は、この指摘を握りつぶしてしまいました。ポッカ缶コーヒー事件はちょうどこのタイミングで発生しています。ほとんど何も知らされていない国民には、突然、数千人の中国人留学生が長野に押しかけた光景を見ることになりました。一触即発の雰囲気の中、聖火リレーはスタートしたのです。


 中国政府は、キャンベラでの聖火リレーに続いて日本でも中国人留学生を動員して、聖火リレーの妨害運動を数で圧倒、封殺しようというわけです。しかし、これは諸刃の剣です。封殺できればよいでしょうが、もし彼らの目の前で挑発行為が繰り返されたら、群集をコントロールできるかどうかはわからないのです。いきおい、日本政府は警備体制を強化せざるをえません。

 中国人留学生の動員は当初、民間の協賛による「学友会」の自主的な企画だと発表されましたが、後に、キャンベラと同様、中国大使館が指導していたことが判明しています。

 「学友会」は「在日留学生長野五輪聖火リレー参加組織委員会」を独自に結成して、大学だけで7万人以上いる中国人留学生や卒業生に、ホームページ上で、「聖火リレーが、中華民族の空前の団結力を示している」などと参加を呼びかけてきました。そして、参加費2000円で往復バス代+軽食2回、Tシャツと小旗が含まれる、日帰りの“弾丸ツアー”を企画、ホームページで大々的に参加を募っていました。(4.24 IZA ニュース)

 聖火リレー当日、長野には予定数を大幅に上回る4000人が集まりました。日帰りだとしても、全国一律2000円で長野往復+2食+αとは破格の料金です。大口のスポンサーがなければできないツアーです。不足分は、企業などからの献金でまかない、主催の「組織委員会」は、あくまで“民間”で、中国大使館からは 国旗など物品の提供だけを受ける(4.24 IZA ニュース)ということでしたが、実際のスポンサーは中国大使館でした。(4.29朝日新聞)

 東京から参加した複数の留学生によると、1人2000円の交通費は負担したが、残りの費用は、すべて大使館側が負担してくれたとのことです。そして、配られたマニュアルには、「体を張って 妨害を食い止めてもいいが 暴力を振るってはいけない」「大声を出してもいいが、相手を侮辱するような言葉は使わない」など、法律やルールを守るよう呼びかけ、現場でも注意されたといいます。中国のイメージが損なわれないよう配慮していることがうかがえます。

 パリやロンドンで聖火妨害が相次いだため、各大使館が中国人留学生や在外中国人を動員し、聖火を防衛することを決めたとのこと。4月24日にあった中国外務省の定例会見で、「中国大使館が費用を負担して現地の中国人を動員しているのか」という記者からの質問に対し、姜瑜副報道局長は「そのような質問をして、どんな意味があるのか」と回答を拒否しています。(4.29 朝日新聞)

ところで、このツアーについて、日本政府はどのような見解をもっていたのかは明らかになっていません。オーストラリアの首相のような、大動員に対する怒りのコメントは聞こえてきません。聖火リレーコースの変更・短縮は認めない、留学生は動員するという中国政府の意向を、日本政府は粛々と受け入れたということになります。ところが、日本の旅行業界を統括する「日本旅行業協会」(通称 JATA、東京・霞が関)が、「学友会」の企画したツアーは 旅行業法に抵触する可能性が あると、「待った」をかけたのです。(4.24 IZA ニュース)日本旅行業協会とは、JTB や近畿日本ツーリストなど国内の登録旅行業者1243社が加盟する社団法人です。

(以下4.24 IZA ニュースより引用)
「不特定多数を対象にした『募集型企画旅行』を取り扱う場合、
 主催者はあくまで、国土交通省認可の『第一種旅行業務』
 (海外・国内可)か、都道府県知事の認可を得た『第二種旅行
 業務』(国内のみ可)の免許を持った旅行会社でなくてはなり
 ません」 (以上、JATA 法務担当者の解説)

 ここでいう主催者とは、今回のケースでいえば、『組織委員会』
 に該当するが、当然、旅行業の免許など持っていない。また、
 一定の組織内で旅行を企画し、その構成員に限って募集する
 場合(職場旅行、同窓会など)はこの限りでないが、

 「留学生というくくりで、対象者が7万人もいるうえ、ツアー申し
 込みの条件が代表者の口座への2000円振り込みとなっている
 以上、事実上『不特定多数』に向けた企画旅行の募集です」
 「募集型企画旅行の募集広告では『法定表示事項』が定められ
 ていますが、ホームページの募集案内を見る限り、何一つ要件
 を満たしておりません。日本国内において、金銭を伴った旅行
 イベントを行う以上、これらの法律はキチンと順守していただく
 必要があります。知らなかったでは済まされません」(JATA
 法務担当者)

 これらの違反が 確定すれば、ツアーは中止のうえ、100万円
 以下の罰金が科せられることになる。JATA では、事実関係を
 正確に調査した上で警告もあり得るとしているが、留学生学友
 会関係者は「大丈夫だろう」と話している。
 (引用終わり)

 日本旅行業協会の指摘はもっともなことだと思われます。ところが、その後の事実から言えば、この学友会関係者の「大丈夫だろう」との言葉通りに、ツアーは実施されて、長野には予定数を大幅に上回る4000人が集まりました。法律違反は明白だと思われますが、なぜツアーは実施できたのでしょうか? 留学生学友会関係者は JATA の指摘にも動じることなく、「大丈夫だろう」と話しているのはどうしたわけでしょうか?

 中国人留学生の長野集結は、中国大使館の動員によるものと考えて間違いないでしょう。従って、「日本旅行業協会」の異議申し立ては、中国政府の要求で、日本政府により握りつぶされたのかもしれません。しかし、ひとつの可能性として、ポッカの毒コーヒー事件との関係も否定できません。「日本旅行業協会」の異議申し立ては4月24日に報じられ、ポッカの毒コーヒー事件は4月25日に発生しているからです。多くの中国人応援団の目前で挑発行為を繰り返せば暴動に発展する可能性が高まることが犯行の狙いと考えられます。ポッカの事件は有機リン系農薬ではありませんでした。急遽対応しなければならなくなったので、毒物の用意が間に合わなかったとも考えられます。それに毒コーヒーはコンビニなどの店頭ではなく、自販機に置かれていました。これも急な対応だったことをにおわせます。

 中国人留学生の大動員の実現が、中国大使館の要請であるか、ポッカ缶コーヒー事件での脅迫の結果だったかに関わらず、中国大使館の目的は達成されました。

 「(聖火リレー)の沿道には五星紅旗が林立した。長野に
 集結した中国人留学生らは当初予想の倍近くの約4000人
 にもふくれあがり、『北京がんばれ』の叫びは、中国政府の
 人権抑圧を 訴える亡命チベット人や『国境なき記者団』など
 活動家を数で圧倒した。」(4.27 産経新聞)

 ただし、いくらマニュアルを作って、ルールを徹底させたところで、現場で挑発行為が繰り返されれば、何が起こるかわかりません。現場で暴動とならなくても、その後の日中関係に悪影響が出るだろうと指摘する専門家がいます。

 CIA出身で、天安門事件のとき北京の米国大使を務めていたジェームズ・リリー氏は、産経新聞とのインタビューで、26日に長野市内で行われるリレーが強い抗議や妨害に遭遇すれば、(中国で)反日デモなど日本への「報復」があり得ると警告した。こうした行動のコントロールを誤った場合、批判の矛先が中国政府に向かう危険も あると同氏は指摘しました。(4.23 産経新聞)日中分断は毒餃子事件にも共通する狙いと考えられます。

 そして、聖火リレーでは中国人留学生を挑発するように、妨害行為が頻発しました。これらが各自の思いつきなのか、シナリオに沿った挑発行為なのかは不明です。

 (以下、4.27 朝日新聞から引用)
 タレント萩本欽一さんに対してチラシなどが投げ込まれ、
 神奈川県の男(30)が道路に飛び出した。卓球選手福原愛
 さんの時は、チベットの旗を持った台湾人の男(42)が列に
 飛び込んできた。ほかにも東京都の男(25)が飛び出して
 卵のパックを投げ込んだ。愛知県の男(63)がトマトを投げ
 込み、東京都の男(38)が走者の列に飛び込もうとした。

 県警はトマトを投げた男を暴行容疑で、4人を威力業務妨害
 容疑で、それぞれ現行犯逮捕。沿道から火のついていない
 発煙筒と抗議ビラを投げ込んだ神奈川県の会社員の男(33)
 を暴行と道交法違反の容疑で逮捕した。いずれも容疑を認め
 ており、神奈川県の30歳の男は「チベット問題の解決を訴えた
 かった」、台湾人の男は「中国人がたくさんいたので興奮した」
 などと話している。また、県警は観客同士の暴行、傷害事件
 2件を調べている。(引用終)

 聖火リレー終了までに、沿道では断続的に小競り合いが起き、中国人男性計4人が病院に運ばれましたが、いずれも軽傷でした。こうしてみると、毒飲料事件との関連は不明ながら、善光寺の辞退、聖火リレーコースの変更なし、中国人留学生の大動員、そしてリレー中の挑発行為はいずれも一連の出来事のようにもみえます。それでも大きな騒乱にならずにすんで、福田首相はホッと胸をなでおろしたことでしょう。5月1日の午後、福田首相が、中国人留学生の応援ツアーを仕切った全日本中国留学人員友好連合会会長・李光哲らを官邸に招いて、学業に励み、日中友好に貢献するよう留学生らを励ましたことを新華社のウェブサイト「新華網」が伝えています。(5.2 人民網日本語版)聖火リレーでの慰労が目的だと思われます。日本政府は、中国の応援ツアーが旅行業法違反であるとの日本旅行業協会の申し立てを握りつぶした挙句、その「違法ツアー」の主催者を官邸に招いたことになります。

 もし、中国人留学生の大動員が日本政府の懸念を無視する形で中国側からの強い要請により実行されたものだったならば、福田首相は代表数名を官邸に招いて慰労するという破格の待遇をするでしょうか? いくら福田首相が中国贔屓だったとしてもです。それよりも、中国政府からの強要がなくても、日本旅行業協会の申し立てを握りつぶさなければならない事情が日本政府の方にあったと仮定すると、より福田首相の心情が理解できます。胡錦濤国家主席の来日を目前に控えて、中国「学友会」の協力で無事に聖火リレーを乗り切ったという認識が福田首相にあったからこそ、彼らを慰労したかったのだと考えられます。日本のマスコミは、中国「学友会」を官邸に招待したこと自体をまったく伝えていません。そして、ポッカ缶コーヒー事件が聖火リレーの前日に発生していたことも、胡錦濤が主要行事を済ませて東京を離れた後に、小さな記事で報道されただけでした。

--------------------------------------------------------
■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム23」で転載した記事と、微妙にちがうのだが、原田さんが、どうして改編したのか、よくわからない。■ただ、異様な事態が発生していたこと、それをメディアがなぜか報じなかったという、これまた異様な事態は、まえの文章より鮮明になった。
■それにしても、安保体制のまえで憲法が容易にねじまげられ、人権も平然と無視されるように、法律の適用も、政府のサジ加減次第であるという現実を、ここでも再確認させられているわけだ。■条約は憲法より上位法規であるというのが、国際法と憲法論とのすりあわせだそうだが、条約をむすばずとも、政府間で合意されとれれば、国内法規の運用はまさに如意と。■しかし、この「柔軟性」は、「法治国家」というタテマエを完全にくずして、権力による二重の基準の恣意という現実をさらけだし、結局政府や国際社会の正統性をうばう自滅行為だとおもうんだがね。■ちがうのかな? 大衆は「こんなもんだ」と、日常に回帰・埋没するから、「問題なし」なのだろうか?
スポンサーサイト

テーマ : 憂国ニュース - ジャンル : ニュース

タグ : ナショナリズム 安全 食品 1984年 真理省 警察

<< 生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム26 | ホーム | 沖縄戦:小学校の新指導要領解説書に初めて明記(文科省) >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。