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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム23

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム22」の続報。


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     世界の環境ホットニュース[GEN] 684号 08年06月21日
          ご意見・ご投稿 → このメールに返信

           毒餃子事件報道を検証する【第23回】        

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

 第23回 応援ツアーの背景

 これら 一連の食品テロに対して、日本政府は 国民に気付かれないようにする以外どうすることもできなかったようにみえます。長野聖火リレーでも、直前に続発した毒飲料事件、善光寺の不可解な辞退、ネット上で飛び交う怪情報、聖火リレーコースを変更しないという不自然な決断、中国人留学生の大動員に打つ手なしと、翻弄されるだけの日本政府といった印象ばかりが目立ちます。その中で 意外な組織が ひとつの対策を示しました。中国人留学生の大動員は「旅行業法違反」になるというのです。ところが日本政府は、なぜか「地獄に仏」だったはずのこの指摘を握りつぶしてしまいました。大勢の中国人留学生が見守る中、長野聖火リレーがスタートすると次々に挑発行為が繰り返されました。聖火リレーの沿道は一触即発の雰囲気に満ちていました。

 長野県警が「聖火リレーに関しては、ネット上を含めさまざまな情報、通報が寄せられている」と話した(4.21日刊スポーツ)ように、善光寺放火の予告以外にも怪情報がネット上を飛び交っていました。


 全日本中国留学生学友会が二千人の動員をかけて聖火リレーを応援する計画を発表すると(4.18 産経新聞)、翌19日には、「学友会」に中国大使館から動員がかけられていて、聖火リレーへの抗議者を刺すためのペン、水をかけるためのペットボトルを持参するよう指示されている、との書き込みが掲載されています。

 さらには、レコード・チャイナ社が配信したYahooニュース(2008.4.25)では、中国でも怪しげな情報が流されていることを伝えています。(以下引用)

 2008年4月24日、新華社系「国際 先駆導報」の報道によると、今月26日
 に長野で行われる北京五輪聖火リレーには、「命がけで聖火を守る」
 ため、日本国内の中国人留学生約4000人が長野に集結することが
 わかった。
 
  記事は、東京に本部を構える「全日本中国留学生友好連合会」の
 李光哲(リー・グワンジョー)会長が、「日本で様々な困難に遭いなが
 らも奮闘している」様子を伝えた。それによると、李会長が4000人分
 のバス70台をいっぺんに借りようとして、「中国人には貸さないよう」
 「脅迫を受けていた」というバス会社から断られたが、「目立たない
 ように大学ごとに数台ずつ」借りて切り抜けた。

  このほか、「バスのブレーキを壊して全員死亡させる」「警察に捕まる
 よう仕向けてやる」などの脅迫電話を受けながらも、「それは犯罪行為
 だ。そんな脅しは全く相手にしない」と「見事に反撃した」逸話や、中国
 から送ってもらった「国旗」や「Tシャツ」が税関で止められ「26日過ぎな
 いと渡してもらえない」事態に陥っていることも伝えられた。

(引用終わり)

 レコード・チャイナ社は Wikipediaによると、ヤフーやニフティなどのポータルサイトに中国ニュースを配信している通信社(本社:東京・銀座)です。この記事では、「中国人には貸さない」だの「警察に捕まるよう仕向けてやる」などと中国に対して敵対的な勢力の日本国内での活動を連想させる挑発的な文句が並んでいます。実際にそのような脅迫があったのかどうか不明ですが、中国政府はこの情報に注目していたようです。「国旗やTシャツが日本の税関で止められている」との情報の真偽を問われて、中国 外交部の姜瑜 報道官は、「外交部はこの情報を知ってからこれを高度に重視し、在日中国大使館に状況確認を行うようすぐさま指示を出した。多くのルートを通じて事実の確認を行ったが、このような状況は見当たらなかった。」と記者会見で答えています。
(4.26 人民網日本語版)

 ただ、この Yahooニュースが伝える「学友会が遭遇している困難」は実際にあったようです。ただし、「国際先駆導報」が報道したとされる「様々な脅迫」とは異なるものです。日本の旅行 業界を統括する「日本 旅行業協会」(通称JATA、東京・霞が関)が、「学友会」が企画したツアーは旅行業法に抵触する可能性があると、「待った」をかけたのです。(4.24 IZAニュース)日本側の「法令違反を指摘」が、中国では、日本で「脅迫にあった」ことに変わってしまっています

(以下4.24 IZAニュースより引用)
 「学友会」は「在日留学生長野五輪聖火リレー参加組織委員会」を
 独自に結成して、大学だけで7万人以上いる中国人留学生や
 卒業生に、ホームページ上で、「(各地で行われている)聖火
 リレーが、中華民族の空前の団結力を示している」などと参加を
 呼びかけてきました。そして、参加費2000円で往復バス代+
 軽食2回、Tシャツと小旗が含まれる、日帰りの“弾丸ツアー”を
 企画、ホームページで大々的に参加を募っていました。

  JATAによると、「不特定多数を対象にした『募集型企画旅行』
 を取り扱う場合、主催者はあくまで、国土交通省認可の『第一種
 旅行業務』(海外・国内可)か、都道府県知事の認可を得た『第二
 種旅行業務』(国内のみ可)の免許を持った旅行会社でなくては
 なりません。」「ここでいう主催者とは、今回のケースでいえば、
 「組織委員会」に該当するが、当然、旅行業の免許など持ってい
 ない。また、一定の組織内で旅行を企画し、その構成員に限って
 募集する場合(職場旅行、同窓会など)はこの限りでないが、「留
 学生というくくりで、対象者が7万人もいるうえ、ツアー申し込みの
 条件が代表者の口座への2000円振り込みとなっている以上、
 事実上『不特定多数』に向けた企画旅行の募集」に当たるという
 のです。また、「募集型企画旅行の募集広告では『法定表示事項』
 が定められていますが、ホームページの募集案内を見る限り、何
 一つ要件を満たしておりません。日本国内において、金銭を伴った
 旅行イベントを行う以上、これらの法律はキチンと順守していただく
 必要があります。知らなかったでは済まされません。」

  これらの違反が 確定すれば、ツアーは中止のうえ、100万円以下
 の罰金が科せられることになります。JATAでは、事実関係を正確に
 調査した上で警告もあり得るとしています。しかし、留学生学友会
 関係者は「大丈夫だろう」と話している。
(引用終わり)

 その後の事実から言えば、この学友会関係者の言葉通りにツアーは実施されて、長野には予定数を大幅に上回る4千人が集まりました。法律違反は明白だと思われますが、なぜツアーは実施できたのでしょうか? 留学生 学友会関係者はJATAの指摘にも動じることなく、「大丈夫だろう」と話しているのはどうしたわけでしょうか? それに東京からJRで行けば 運賃だけで3890円かかります。全国一律2000円で長野往復+2食+αとは破格の料金です。大口のスポンサーがなければできないツアーです。

 不足分は、企業などからの献金でまかなう。主催の「組織委員会」は、あくまで“民間”で、中国大使館からは国旗など物品の提供だけを受ける(4.24 IZAニュース)ということでしたが、実際の スポンサーは 中国 大使館 でした。(4.29 朝日新聞)東京から参加した複数の留学生によると、1人2000円の交通費は負担したが、残りの費用は、すべて大使館側が負担してくれたとのことです。そして、配られたマニュアルには、「体を張って妨害を食い止めてもいいが暴力を振るってはいけない」「大声を出してもいいが、相手を侮辱するような言葉は使わない」など、法律やルールを守るよう呼びかけ、現場でも注意されたとのこと
です。(4.29 朝日新聞)

 4月24日にあった中国外務省の定例会見で、「中国大使館が費用を負担して現地の中国人を動員しているのか」という記者からの質問に対し、姜瑜副報道局長は「そのような質問をして、どんな意味があるのか」と明言を避けています
(4.29 朝日新聞)

 中国人留学生の長野集結は、中国大使館の強い要請があった結果のようにも見えます。「日本旅行業協会」の異議申し立ては中国政府の圧力で握りつぶされたのかもしれません。しかし、胡錦濤国家主席の来日直前に圧力をかけることがあるでしょうか? ひとつの可能性として、ポッカの 毒コーヒー事件との関係も否定できません。「日本旅行業協会」の異議申し立ては4月24日に報じられ、ポッカの毒コーヒー事件は4月25日に発生しているからです。多くの中国人応援団の目前で挑発行為を繰り返せば暴動に発展する可能性が高まることが犯行の狙いと考えられます。ポッカの事件は有機リン系農薬ではありませんでした。急遽対応しなければならなくなったので、毒物の用意が間に合わなかったとも考えられます。それに毒コーヒーはコンビニなどの店頭ではなく、自販機に置かれていました。これも急な対応だったことをにおわせます。毒コーヒー事件が大動員を止められなかった理由であってもなくても、中国大使館は、欧米諸国に口実を与えないために、留学生たちに冷静な行動を要請したことでしょう。

 ただし、いくらマニュアルを作って、ルールを徹底させたところで、現場で挑発行為が繰り返されれば、何が起こるかわかりません。「(聖火リレー)の沿道には五星紅旗が林立した。長野に集結した中国人留学生らは当初予想の倍近くの約4000人にもふくれあがり、「北京がんばれ」の叫びは、中国政府の人権抑圧を訴える亡命チベット人や「国境なき記者団」など活動家を数で圧倒した」(4.27産経新聞)という状況
なのですから。

 CIA出身で、天安門事件のとき北京の米国大使を務めていたジェームズ・リリー氏は、産経新聞とのインタビューで、26日に長野市内で行われるリレーが強い抗議や妨害に遭遇すれば、(中国で)反日デモなど日本への「報復」があり得ると警告した。こうした行動のコントロールを誤った場合、批判の矛先が中国政府に向かう危険もあると同氏は指摘しました。(4.23 産経新聞)日中分断は毒餃子事件にも共通する狙いと考えられます。

 そして、聖火リレーでは中国人留学生を挑発するように、妨害行為が頻発しました。これらが各自の思いつきで実行したものなのか、シナリオに沿った挑発行為なのかは不明です。(以下、4.27 朝日新聞から引用)

 タレント萩本欽一さんに対してチラシなどが投げ込まれ、神奈川県の男
 (30)が道路に飛び出した。卓球選手福原愛さんの時は、チベットの
 旗を持った台湾人の男(42)が列に飛び込んできた。ほかにも東京都
 の男(25)が飛び出して卵のパックを投げ込んだ。愛知県の男(63)が
 トマトを投げ込み、東京都の男(38)が走者の列に飛び込もうとした。

  県警はトマトを投げた男を暴行容疑で、4人を威力業務妨害容疑で、
 それぞれ現行犯逮捕。沿道から火のついていない発煙筒と抗議ビラ
 を投げ込んだ神奈川県の会社員の男(33)を暴行と道交法違反の容疑
 で逮捕した。いずれも容疑を認めており、神奈川県の30歳の男は「チ
 ベット問題の解決を訴えたかった」、台湾人の男は「中国人がたくさん
 いたので興奮した」などと話している。また、県警は観客同士の暴行、
 傷害事件2件を調べている。
(引用終り)

 聖火リレー終了までに、沿道では断続的に小競り合いが起き、中国人男性計4人が病院に運ばれましたが、いずれも軽傷でした。こうしてみると、毒飲料事件との関連は不明ながら、善光寺の辞退、聖火リレーコースの変更なし、リレー中の挑発行為はいずれも一連の出来事のようにもみえます。それでも大きな騒乱にならずにすんで、福田首相はホッと胸をなでおろしたことでしょう。

 5月1日の午後、福田首相が、中国人留学生の応援ツアーを仕切った全日本中国留学人員友好連合会会長・李光哲らを官邸に招いて、学業に励み、日中友好に貢献するよう留学生らを励ましたことを新華社のウェブサイト「新華網」が伝えています。(5.2 人民網日本語版)聖火リレーでの慰労が目的だと思われます。日本政府は、中国の応援ツアーが旅行業法違反であるとの日本旅行業協会の申し立てを握りつぶした挙句、その違法ツアーの主催者を官邸に招いたことになりますが、このことを日本のマスコミはほとんど伝えていません。善光寺の辞退の理由も、そこに至る経緯も不透明ですが、その後の顛末も国民には隠されたままなのです。

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■ききばきくほど、奇怪で不気味な一連の経緯というほかない。■いずれにせよ、愚劣なナショナリズムのぶつかりあいの背後に、国家権力がうごめいているということ、あいかわらず「しらしむべからず」の エリート意識がすけてみえることには、かわりない。
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テーマ : 憂国ニュース - ジャンル : ニュース

タグ : ナショナリズム 安全 食品 1984年 真理省 警察

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