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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
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「高齢者に最適なBMI値は25-30」(65歳以上の米国人)

■「愛知が小学生にメタボ診断 いじめや差別の懸念も(『産経』2008.2.13)」の関連記事。■そこで引用した医療関係サイト(『日経メディカル』)の1年ちょっとまえの記事の紹介。

2007. 5. 14
高齢者に最適なBMI値は25-30
65歳以上の米国人を対象とした解析結果
大西 淳子=医学ジャーナリスト

関連ジャンル: 肥満 メタボリックシンドローム
 健康な老後を過ごすために最適なBMI値はどの範囲なのだろうか。65歳以上の米国人男女を対象に、7年間の死亡、障害発生、平均余命、無障害平均余命とBMIの関係を調べた結果、BMI25-30が最も好ましいことが示唆された。米国Texas大学医学部Galveston校のSoham Al Snih氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2007年4月23日号に掲載された。

 米国では、年齢、性別、学歴、人種などにかかわらず肥満者が増加している。そしてBMIと死亡の間には強力な関係が見い出されている。しかし、高齢になるとその関係は弱まり、死亡リスクは、肥満に近いBMI値で最も低い、と報告している論文も複数ある。そこで、高齢者については、BMIの推奨値を引き上げようという声も上がったが、高齢者の場合、BMIは体脂肪量を反映しないのではないか、といった疑問もあり、実行に移されてはいない

 著者らは、65歳以上の米国人を対象に、ベースラインのBMIと、その後7年間の日常生活に支障を及ぼす障害の発生、死亡との関係を調べた。また、平均余命、無障害平均余命の関係も評価した。

 対象は、……5地域の集団から選出。65歳以上で障害のない非ヒスパニック系の白人8359人、アフリカ系米国人1931人、メキシコ系米国人2435人(計1万2725人)が…参加した。

 ベースラインで、BMI、健康状態、日常的な活動性、人口統計学的情報を入手し、その後7年間追跡……その後の日常生活における障害と死亡のリスクを評価した。交絡因子として、年齢、性別、学歴、人種、喫煙、併存疾患(癌、高血圧、糖尿病、股関節骨折、心血管疾患)、……地域で調整した……。

 7年後、無障害者は2681人、日常生活に支障のある障害を1つ以上要する人が3570人、死亡していたのは2019人、追跡から脱落したのは1455人だった。これら4群のベースラインのBMI値の平均はそれぞれ、26.4、26.4、25.7、26.7だった。

 被験者をBMI値に基づいて、18.5未満(387人)、18.5以上25未満(4547人:参照群)、25以上30未満(5082人)、30以上35未満(2031人)、35以上40未満(517人)、40以上(161人)に分けた。18.5以上25未満を1とし、障害発生と死亡のハザード比を求めた。

 ……横軸をBMI、縦軸をハザード比とすると、障害の場合、どのモデルもBMI 24.1-24.2を最低とするU字型になった。死亡の場合には、25.1-27.2を最低とし、BMI高値側で上昇が緩やかなJ字型のグラフが描かれた。

 次に、対象者を年齢と性別で層別化し、平均余命と無障害平均余命を推算。男性では、平均余命、無障害平均余命の両方とも、BMI25-30が最長となった。女性では、平均余命が最も長かったのは30-35、無障害平均余命が最長となったのは25-30のグループだった。ただし、いずれも25-30群と30-35群の間の差は有意ではなかった。

 余命に占める障害無しで過ごせる期間の割合を求めると、男性の場合には18.5-25 が最も高く、女性の場合には25-30が最も高かった
。BMIが上昇するとその割合は急速に減少する傾向が見られた。

 得られた結果は、65歳以上の男女において、ベースラインのBMIは、その後の障害発生とも強力に関係してることを示した。

 この研究は、アジア系の被験者を対象者に含んでいないため、結果をそのまま日本人に当てはめて考えることはできない。しかし、最適なBMI値は死亡率のみを指標としてはならず、高齢者の生活の質に影響する種々の要因とBMIとの関係を調べて、総合的に判断する必要があることを示唆している。

 原題は「The Effect of Obesity on Disability vs Mortality in Older Americans」、概要はこちらで閲覧できる。

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■「ベースライン」ってのは、「研究開始時点」ってこと。「ハザード比」ってのは、死亡リスクの比率。■医学部の学生さんたちが、講義をうけているらしい、全然しろうとむけじゃない「解説」だが、プロが通常論文とか発表とかにもちいちている術語・論理のようすは、「臨床医学論文の読み方-2」あたりを参照〔うえの引用では、そういった部分を極力はずしたが〕。

■遺伝子情報と年齢によって、体格や脂肪のつきかたは全然ちがうわけで、これらがそのまま日本列島住民にあてはめられるわけではないが、やせろやせろの大合唱が、あやしいことだけは、たしからしい。■もちろん、こぶとりになるぐらいの消化器官の丈夫さ、こぶとりでも成人病を発症しないような体質のひとこそ健康なのであって、そういった、丈夫な層をとりだしても無意味じゃないか? って疑念をもちだすひともいそうだが、これは因果関係をみあやまっている。現象として、BMI=25をこえるような層が ながいきだし、障碍をおうような病気にならずにすんでいるんだから、すこしでも肥満になれば 「日常生活における障害と死亡のリスク」がたかまる、といったイメージは、俗流のイデオロギーだっていうこと。

■ちなみに、このサイトの 「メタボリックシンドローム」ってページには、つぎのような、実に興味ぶかい記事がたくさんある。


メタボ基準、女性のウエスト周囲径は「80cm以上」が適切?(2008/04/14)
糖尿病リスクを抱えた運動不足の人への行動介入は効果なし(2008/01/18)
メタボの腹囲径、日本基準より「IDF」の方が適切(2007/11/02)
……

女性の腹囲90cmの根拠とは?(2008/06/03)
メタボ健診に疑問はあれど、円滑実施に尽力(2008/02/29)
……
メタボ健診は非合理的な日本人の産物(2008/04/04)
続・メタボリックシンドロームは脳卒中と無関係?(2007/12/07)
メタボリックシンドロームは脳卒中と無関係?(2007/12/06)
Obesity Paradox : 肥満の方が予後がよい?(2007/10/18)


■「成長期のメタボリックシンドローム」という文章の筆者などは、先日紹介した愛知県のとりくみなどには、痛烈に批判するだろう。■もっとも優秀な頭脳が結集して、もっともゆたかな資金投入がなされているように、しろうとめにはみえる医学業界(軍事産業や宇宙産業の方がもっとすごい、って、お医者さんたちはいいそうだが)が、かなりあやしげな発信をして、大衆をまどわせていることは、たしかなようだ。
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テーマ : 医療・健康 - ジャンル : ニュース

タグ : 健康リスク ヘルシズム ダイエット メタボ 平均余命

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