プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

愛知が小学生にメタボ診断 いじめや差別の懸念も(『産経』2008.2.13)

■もう4か月もまえの記事だが、たぶん ふるくなった話題ではないはず。

愛知が小学生にメタボ診断
 いじめや差別の懸念も

2008.2.13 20:04
このニュースのトピックス:いじめ問題

 愛知県は平成20年度から、小学4年生の腹囲などを測定、メタボリック症候群や予備軍と診断した児童に、3年間継続して健康面の指導をするモデル事業に取り組む。

 子供の時点からメタボリック症候群を予防するのが狙いだが、専門家の中には成長期の子供を一律で診断できないとの指摘や、いじめにつながるとの批判もある。

 県によると、事業は一つの市を選び、小4の腹囲、血圧、血糖、血中脂質などを測定して、腹囲75センチ以上など厚生労働省研究班が暫定的に定めた小児メタボリック症候群の基準値を参考に、独自の基準で対象児童を選び、指導にあたっては保護者の同意を得る。対象児童には保健師などが卒業まで指導する。

 県は「悪い生活習慣が出来上がってから変えるのは大変で、子供の時から関心を持つことは大切。病気の予防になる」と強調。いじめへの配慮も検討するとしている。

 こうした取り組みに「成長途上で個人差のある子供に一律の基準を当てはめることに強い疑問を感じる」と話すのは北里大の新村拓教授(日本医療社会史)。「基準から外れた子供にレッテルが張られ、いじめや差別につながる恐れもある」と危ぶむ。

 日本福祉大の二木立教授(医療経済学)も「現代の子供は肥満への嫌悪感が強い。個別の児童を患者のように取り出すのではなく、授業などの場で全員に規則正しい生活や食事を教えるべきだ」と指摘する。

 一方、立命館大の柿原浩明教授(医療経済学)は、いじめへの配慮は必要としつつも「悪い生活習慣を放置するより、指導する方が一定の意義があるのではないか。そもそも成長期の指導に効果があるのか、というデータ収集にもなる」と理解を示す。

 厚労省生活習慣病対策室は「子供の時から食事や運動に気を付けるのは良いことで、愛知県の独自の取り組みとして注目したい」としている。

-------------------------------------------
■昨今の、いわゆるメタボリック症候群騒動をはじめとした、健康不安をあおる風潮については、急ブログ記事「あやしいメタボリック症候群騒動」や そこにトラックバックした記事、そして「あやしいメタボリック症候群騒動2」と「あやしいメタボリック症候群騒動3」、およびそこにリンクした記事群で、いろいろかいきた。■とりわけ「メタボリック症候群」については、専門家から詳細な疑義が大量にだされている(ウィキペディア「メタボリックシンドローム」:5 問題点)。

■また、今回のように学校現場にはりめぐらされた パターナリスティックな問題については、旧ブログ「食育イデオロギー 1」「食育イデオロギー 2」と、本ブログでも「食育・体育・パターナリズム」などといった記事で、批判しておいた。


■旧ブログ記事 「やせ過ぎ女性の比率の国際比較(社会実情データ図録)」「若い女性、終戦直後よりスリムに(朝日)」などで指摘しておいたとおり、現代日本のわかい女性には、潜在的な摂食障害層が かなりいるとおもわれる。■みずからの やせすぎを自覚せず、むしろ まだ やせかたが不充分などと回答している層がすくなくない点をみるなら、「俗に醜形恐怖また醜貌恐怖といわれる」「身体醜形障害」の一種が、集団ヒステリー的に伝染中といえるかもしれない。カガミにうつった自分のすがたを、おそろしく ゆがめて認識してしまい、医学的・生理学的に やせすぎであるという現実を直視できない。周囲の客観的評価を拒絶しつづける神経症の集合体、ないし相互コピーという社会病理だ。■おおげさにきこえるかもしれないが、わかい日本人女性たちの身体感覚は、到底健康体とはいいがたい、モデル・タレントなどの身体イメージにひきずられ、単なる趣味としての流行の摂取といった次元をはずれており、しかもそれは、ごくわずかな例外的な女性たちの個人的病理ではなくて、あきらかに社会病理として、くりかえされ、ひろがっていると。
■こういった現代日本の風潮・病理をかんがえるなら、愛知県のとりくみは、単なるイジメの助長にとどまらず(いや、それだけで 大問題だが)、摂食障害予備軍をさらにふやすおそれさえあるといえそうだ。■おそらく、そんな疫学的配慮なんてのは、絶対していないだろう。■だって、もともと、メタボリック症候群ブーム自体が、未開拓のまま放置されていた最後のダイエット市場としての中年男性層、という業界団体連合が画策した「標的」(社会的属性)だった可能性がたかいのだから。

■「オタクは エコ指向で、あぶらぎった性欲・権力欲がないかから、市場にとって中長期的に有害(≒「オタク市場」なんて、あまり巨大とはいいかねる市場に期待なんぞかけると、消費全体がひえこむ)といった、説得力のある分析があるとおり、世間は市場関係者の連合体としても、「オタク・バッシング」をくりかえした。「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」以降、一部の例外(たとえば「秋葉系」ブーム)をのぞいて、20年間一貫してね。
■おなじように、「メタボリックシンドローム」キャンペーンによって、デブおやじ差別を展開したあとは、「肥満児」攻撃というわけだ。■いずれも、「本人の健康」「家族の心配」をもちだした点で、反論の余地がほとんどなく(「自己決定」「自己処分」などの思潮以外)、それらをなかばみこしたらしいキャンペーンが、実にうすぎたない。タバコのリスクやら、アルコールのリスクやら、クルマのリスクやら、社会に多大な負荷をかけている大問題が、ほかにいくらでもあるだろうに、そこへの キャンペーンは、熱心におこなわれないという、矛盾・理不尽。■あやしいね。
■少々過食系の層がへったって、外食産業ほか業界の需要が激減するわけじゃない。もともと、大量廃棄が前提で、胃袋にはいらない料理が GDP上は全部計上されているんだから。■そんなことより、やせるための運動、やせるための 健康補助食品、それらを指導してれる「専門家」、……等々の「ニーズ」がふえた方が、業界としておいしいと。■いや、だって、「メガマック」をうりだしたマクドナルドが「食育」指導とかを学校でやるとか、みみをうたがうようなご時世なんだから、飽食業界が、マッチポンプでダイエット業界に参入するって、悪魔的な構図は、全然珍奇ではない(「わるい冗談かとおもった(マクドナルドによる食育?)」)。むしろ「想定内」なんじゃないか? 退廃したローマ貴族たちが、摂食障害とそっくりで、珍味の美食を大量摂取しては、ゲロゲロはいてい、また つぎの美食に はしったように、現代は、「うまいものをたべたい。しかし、ふとりたくない」とかいった、ふざけた 欲望を肥大化させて、そこでもうけようという業界人が、どんどん増殖しているんだとおもう。
■そういった 古典的な「マッチポンプ」戦術をちらつかせる業界がすけてみえる以上、行政やら医療関係者やらが、もっともらしい「肥満児」対策をもちだしたって、「はい、そうですか」などと、すなおにうけとれるはずがあるまい。■「わるい冗談かとおもった(マクドナルドによる食育?)」であきらかにしたとおり、行政が業界と むすんでいない公正中立な組織だなんて、ソボクに権威主義が、いまどき成立するはずがなかろう。■いや、もともと、足尾鉱毒事件のむかしから、行政は業界のみかただった。いまはなき社会学者、梶田孝道が『テクノクラシーと社会運動――対抗的相補性の社会学』(東京大学出版会, 1988)で指摘したとおり、行政組織や学問体系自体が、被害者・住民本位の 処理組織ではなくて、業界団体の振興組織・利害調整組織だったんだから。

■ちなみに、愛知県の教育関係者、厚生関係者が、かりに利害に無関係で完全に善意であろうと、ことの本質には、かわりがないことは、再確認しておこう。■うえで検討したとおり、「現代日本の風潮・病理をかんがえるなら、愛知県のとりくみは、単なるイジメの助長にとどまらず(いや、それだけで 大問題だが)、摂食障害予備軍をさらにふやすおそれさえあるといえそう」なのだから。■統計上、ボディマス指数が標準値の22よりも いくぶん おおきめの方がながいきし、それをしたまわると 平均余命がみじかいという疫学的データもある以上、適正体重といった、もっともらしげな不安のあおりは、やめたらどうか?(「高齢者に最適なBMI値は25-30 65歳以上の米国人を対象とした解析結果」)


●「とうとう学校給食法が「食育」イデオロギーの装置へと」 
●「コレステロール低いと危険 富山大など、17万人分析(共同通信)
●Wikipedia“Healthism
スポンサーサイト

テーマ : 医療・健康 - ジャンル : ニュース

タグ : 食育 ヘルシズム ダイエット メタボ 平均余命

<< 地震の加速度、国内観測史上最大を記録…中越地震超す(読売) | ホーム | 【主張】慰安婦番組訴訟 NHKと朝日は再検証を(産経) >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


「高齢者に最適なBMI値は25-30」(65歳以上の米国人)

■「愛知が小学生にメタボ診断 いじめや差別の懸念も(『産経』2008.2.13)」の関連記事。■そこで引用した医療関係サイト(『日経メディカル...


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。