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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム19

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム18」のつづき。

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世界の環境ホットニュース[GEN] 680号 08年06月02日
          ご意見・ご投稿 → このメールに返信

           毒餃子事件報道を検証する【第19回】         

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第19回 犯行の動機

 毒餃子事件とそれに続く毒飲料事件が連続毒物混入事件であったと仮定して、犯人の動機を推測してみます。日中双方の警察が犯人を特定しないことで合意したと考えられる以上、真相が明らかになることも期待できません。従って、ここからの推測がどの程度真相に迫れているのか、明らかになることもなさそうです。

 新聞報道では、「毒物は中国国内で混入されたのはほぼ間違いない」との警察発表を繰り返しそのまま取り上げ続けていて、多くの国民もそれを受け入れているように見えます。ところが、これまでの連載で指摘してきたように、兵庫県警も千葉県警も、警察庁の指揮の下、数々の情報操作、恣意的な分析結果の誘導などを繰り返して、強引に「中国国内で混入された」という結論を導き出していたのです。それらのことから考えて、毒物は日本国内で混入された疑いが強いけれども、警察庁には日本国内で混入された可能性には言及できない理由があったと考えられます

 なぜ、警察庁は国内での混入との結論を避けたかったのでしょう? 国内での混入であったならば、犯行日は毒入り餃子が店頭に置かれた日(多くの場合、被害者が購入した日と同じ意味になる)と考えられるのに対し、製造段階で混入されたとなると、製造日が犯行日ということになります。


 警察庁が情報操作をしようとした目的は、犯行日に大きな意味があって、それを国民の意識から逸らせることだったのではないかと推測されます。改めて、毒入り餃子および毒入り飲料の購入日を列挙してみます。

《毒餃子事件》
事件発生場所 商品購入日 食べた日  症状      報道日

千葉県千葉市 12月27日 12月28日  母娘が一日入院      1月30日
兵庫県高砂市 12月下旬 購入5日後 長男が一列食べたが異常なし 1月30日
        1月5日   家族3人が入院
千葉県市川市 1月22日(東京新聞) 家族5人が入院、娘が重体 1月30日
       年末(読売)1月22日

《毒飲料事件》
事件発生場所 商品名(メーカー)   商品購入日 飲んだ日   報道日

東京都練馬区 ヘルシア緑茶(花王)  3月26日   3月27日
                          3月31日  4月6日
兵庫県加東市 爽健美茶(日本コカ・コーラ)4月4日 4月6日  4月7日
兵庫県姫路市 爽健美茶(日本コカ・コーラ)4月23日 4月23日  4月27日
東京千代田区 アロマックス・ラテ・イタリアーノ
 4月25日  4月25日   5月10日

 警察庁が情報操作してまで国民に隠したかったことが、犯行日(商品の陳列日)であったならば、その頃の出来事の中から犯行日に関連ありそうな事例が見つかるはずです。

 一連の毒餃子事件で初めて嘔吐などの症状が発生した昨年12月28日は、福田首相が中国を訪問している最中
でした。外務省のホームページによると、28日は温家宝総理との昼食会、呉邦国・全人代常務委員との会談に続き、胡錦濤国家主席との夕食会と、福田訪中のハイライトともいえる日だったのです。そして、犯行日と推定される、千葉市の女性が餃子を購入した12月27日は、福田訪中団が羽田空港から出発した日でした。(首相官邸ホームページ)

 もしも、千葉市の事件が発生直後に報道されていたら、福田訪中は大混乱に陥っていたのではないかと推測されます。すると、毒餃子事件の目的は、何らかの政治目的で福田訪中に反対する勢力が、いやがらせに及んだと考えることができます。

 しかし、第一の企ては失敗に終わりました。この事件は市川市の事件まで報道されることはなかったからです。意図的に報道が伏せられたのではなく、年末も押し迫っていて、対応が年越しになったことに加えて、兵庫県の毒餃子で食中毒が起きたのも年越しになったことで、千葉市の事件が食中毒事件とは認識されなかったからです。

 それにしても、犯人が千葉市とともに二重に用意していたと考えられる、兵庫県にセットされた、もうひとつの毒餃子は、犯人がおよそ想定しなかった経過をたどりました。購入した家族の長男が年末に一列の5個(しかも毒が仕込まれていなかった部分)だけを食べた後、毒入り餃子は被害者家族宅の冷蔵庫で年を越したのです。そのため、兵庫県警は身内や近隣とのトラブルを疑い、まったく食中毒事件とは認識されないままでした。そうして、福田訪中期間内に事件そのものが起きなかったのです。外務省は福田訪中の成果を次のように謳っています。

1)首脳間の信頼関係を強化する上で有意義な訪問(胡主席の桜の咲く頃
 の訪日で一致)。
2)日中協力のアジア、国際社会における重要性、責任につき一定の認識
 を共有(創造的パートナー)。
3)幅広い分野での「戦略的互恵関係」の具体化につき合意。

 もともと、兵庫県の毒餃子は商品も毒物もそれまでの一連の事件でターゲットになっていた生協ブランドの商品でもないし、有機リン系農薬でもありませんので、最初から計画されていたものではなく、急遽作戦に盛り込まれた可能性もあります。それまでの東北の事例も公表されてないままでしたから、犯人は、有機リン系農薬では加熱調理後に臭いなどで異常に気付かれて食べないままに捨てられたのではないかとの不安がよぎったのかもしれません。確実に事件になるはずだった計画が不発に終わり、犯人には、2つの事件がなぜ表面化しなかったのかわからなかったと考えられます。

 千葉市保健所は被害者からの申告を拒否していますし、兵庫県警も身内のトラブルを捜査していたのですから、誰も毒物の特定すらしていなかったのです。犯人にとって、再度の失敗は許されません。確実に被害者を発生させなければなりません。そのために、犯人は千葉市や兵庫県高砂市のときとは違う毒物を用意したことでしょう。

 連載の第12回で、私は千葉県市川市の事件で混入させた毒物はアセフェートではなかったかと推定しました。アセフェートの代謝物はメタミドホスですから、千葉県警が市川市の事件で被害者家族の便を分析した結果、メタミドホスを検出したという事実と矛盾しません。そして何よりも、千葉市の女性がメタミドホス入り餃子にはすぐに気付いて吐き出したのに、市川市の家族は、ちょっと変わった味は感じながらも完食しているのですから、千葉市の餃子と市川市の餃子には違う毒が盛られていたと考えられます。

 このことから、市川市の事件ではメタミドホスよりも臭いの少ない毒物が使われたのではないかと推定しました。確認されているわけではありませんが、アセフェートが使われたのであれば、確実に食べさせて被害を発生させるという犯人の強い意思の表れでしょう。

 理由はわかりませんが、警察庁はこの時点で市川市の事件で使われた毒物の正体を知っていて、メタミドホスが検出されたら、メタミドホスつながりの事件として他の事件もセットで発表しようとしていたようです。警察庁は、千葉県警が市川市の事件でメタミドホスを検出してから突然、兵庫県高砂市の事件について千葉県警の発表(1月30日)に合わせて、兵庫県に記者会見を開かせるよう、兵庫県警に指令をだしています。

 ところが、メタミドホスつながりだったのは千葉市の事件だったのです。警察庁の誰かが勘違いした上に、兵庫県警ががんばって、高砂市の家族の嘔吐物から メタミドホスではなく、チオ グリコール酸を検出、兵庫県の担当者にしゃべってしまったという想定外の事態が起きました。毒物は3つの事件ともバラバラだったと考えられるのに、このような舞台裏のドタバタの影響で、警察はいずれもメタミドホスが原因物質と発表しなければならなくなったのです。

 ここから警察庁の辻褄合わせの情報操作が始まります。その中のひとつが、有機リン中毒の特徴である「縮瞳」が市川市の被害者にしか起きていないという矛盾を合理化するために、報道では症状の説明から「縮瞳」を削らなければならなくなったのです。

 では、市川市の事件で、「福田訪中に反対する勢力のいやがらせ」の目的に相当する出来事とは何でしょうか? 私は、唐家セン(とう・かせん)中華人民共和国国務委員(副首相に準ずる役職、外交担当)の来日ではないかと推定しています。唐家セン国務委員は、福田訪中で確認された「胡主席の桜の咲く頃の訪日」の具体的スケジュールを打ち合わせるために、外務省賓客として2月20日に来日しています。そして、24日までの滞在中、福田康夫首相、高村正彦外相、民主党の小沢一郎代表ら、政府、与野党幹部と会談しています。(外務省ホームページ)

 犯人は唐家センの来日まで1か月の猶予を見て毒餃子を仕込んだことになります。前回(年末の福田訪中)のように失敗しても、もう一度毒餃子を仕込める時間的余裕をみていたのかもしれません。警察庁が1月30日の発表に拘ったのは、早く発表することで、第四の毒餃子事件発生を未然に防ぐという狙いもあったのでしょうか?

 ところが、警察庁のもうひとつの狙いであったと思われる「犯行日の曖昧化」(製造段階での毒物混入というシナリオにして、製造日を犯行日に見立てる)は大きな副作用をもたらしました。マスメディアが警察発表を検証もせずに中国国内での混入と断定的に報道しつづけた結果、日本国内にくすぶっていた反中国的なものに火をつける結果となりました。

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■なんどか、このシリーズ(12回めで、ことわったとおり4回までは、別の話題を展開していて、こちらのメールマガジンのシリーズを目的としていなかった)で紹介したとおり、全体像の概略は、つぎのとおり。

■①「新聞報道では、「毒物は中国国内で混入されたのはほぼ間違いない」との警察発表」をタレながしつづけているが、警察当局自体が、あきらかに かくそうと、画策してきた。■②しかし、警察当局の かくしだては、さまざまな混乱もあって、バレバレである。■③メディアは、当局の意図をくんで、ウラに きづいていながら、『1984年』の「真理省」ばりの 情報操作に加担している。■④事態を複雑にしているのは、犯人たち(複数、別個に策動している可能性あり)自体が、想定外の事態にあせって、さまざまな策動をしているらしい点。

■おそまつなのは、日本政府の 気にいらない部分を徹底攻撃する右派たちは もちろん、反体制的とおもわれる層も、原田さんたちのような ツッコミを展開してこなかった点である。■結局、日中の大衆が、さしたる根拠も もたないまま 責任転嫁の応酬をくりかえして、たがいの反目をたかめ、自国民同士でかたまるという、うんざりするほど くりかえされた 愚劣でトホホな構図が再燃しただけだった。
■「食の安全」などというが、「地産池消」とか、かおのみえる生産者とか、自己責任で食生活を確保する消費者とか、そういった根本が かけているんだから、今回の件で、両国の市民は、ほとんど なにも教訓は えていないんじゃないか?
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テーマ : 食に関するニュース - ジャンル : ニュース

タグ : ナショナリズム 安全 食品 1984年 真理省 警察

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