プロフィール

ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

家庭内殺人大幅増は錯覚です(凶悪犯罪増加の誤解を解くページ)

■「犯罪被害者暗数への想像力」の関連記事。■少年犯罪の3題ばなし、「激増化/凶悪化/低年齢化」という、ねもはもないデマについては、旧ブログで、何度かかいてきた(たとえば「わかものの「殺人率」」)が、学者さんで同様の趣旨のブログ(『凶悪犯罪増加の誤解を解くページ』)をおかきのかたを発見。■「家庭内殺人大幅増は錯覚です」をほぼ全文転載させていただく【改行・強調等は、ハラナの編集】。


……2007年の日本は殺人認知件数最低を記録しました。。
http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/51518805.html

家庭内殺人数はそんなには上昇してません。昭和中期と比較すれば大幅に減少してますし、ここ10年でわずかに増加してますが。微々たるものです。
顕著に上昇しているのはあくまで「全体殺人数の中の家庭内殺人比率」です。

まず子殺しは激減してます。
http://kangaeru.s59.xrea.com/G-baby.htm
親殺しについては確かに増減はありますが、昭和三十年代が一番多いようです。
http://kangaeru.s59.xrea.com/G-sonzokusatu.htm
親族間殺人数は近年、少々、増加してますが度外れたものではありません。何より昭和中期よりはずっと少ないです。
http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20060806


日本で家庭内殺人が多いってのはちょっと意味が違います。
単なる「総殺人数の中の家庭内殺人比率」と「家庭内殺人発生数」をゴッチャにしている事からくる錯覚です。
それどころか家庭内殺人が多く感じるのは皮肉にもいかに日本が治安がいいか示す証拠になってます。

というのはアメリカや途上国のように日本の何倍、何十倍も殺人が起きている国のように 「町を歩いていたら突然、ギャングに襲われて殺された」というような 治安の悪さゆえの面識のない加害者被害者による乱暴な殺人が警察の努力により根絶されて極端に減少し、 比較的減りにくい家庭内や知人同士の殺人が目立つようになっただけです。
街中の強盗殺人などは警察の努力で減らせますが家庭内殺人は家庭内のいざこざが原因で起こるので警察の努力では比較的減らしにくいのです。
日本で家庭内の殺人が多いのではなく殺人件数の低下から全体から見た割合が変化しただけです。
しかも日本ではその家庭内殺人すら外国よりはずっと少ないですし減少もしくは横ばい傾向です。
よく日本で家庭内殺人割合が多いことについて「日本人特有の病理」とか「家庭内の愛情が薄くなった」とかいうご高説をたれる人がいますが大嘘
です。

こういう事です。
日本の家庭内殺人の比率は一説40%。アメリカは25%だと言われてます。ブラジルは10%だといわれてます。
これだけ見ると日本がいかに異常であるかに感じますが、問題は殺人発生率がアメリカは日本のほぼ10倍ブラジルは30倍だという点
です。
アメリカと日本が仮に同じ人口として、 日本の殺人件数が仮に1000件でアメリカが10000件でブラジルが30000件だとしますと。
日本の家庭内殺人率を40%で計算すると400件。
しかしアメリカを25%で計算すると2500件、ブラジル は3000件です・・・
家庭内殺人比率だと日本>>>>アメリカ>>ブラジルなのに家庭内殺人発生数はブラジル>>アメリカ>>>>>>>>日本になります。
「日本は家庭内殺人が多い」という理屈はこういうカラクリがあるのです。
家庭内殺人比率ではなく人口比率で割り出さないと意味があまりないって事です。

要するに国の治安がよくなり殺人発生数が減れば減るほど、面識のない人間同士の殺人数が大きく減少していき、そして家庭内殺人や知人同士の殺人数が小さく減少していきその減少格差から全殺人数の中の家庭内殺人比率が上昇していくというわけです。
非常に語弊のある言い方ではありますが、全体殺人数の中で家庭内殺人の比率が高まっていくのは「悪くない傾向」だったりします。

なお今年の日本の家庭内殺人(正確には加害者が何らかの親族であった)比率が42%と史上最高でしたが、これは若干、例年より家庭内殺人認知件数が多く、しかも殺人認知件数戦後最低だったことが大きいです。
家庭内殺人が若干増えたのは問題ですが、統計には増減がつきものですし、昭和中期とは比べ物にならないほど少ないレベルです。

日本の家庭内殺人比率上昇は基本的には家庭内殺人以外の殺人の激減によるところが大きいです。
なんせ昭和50年あたりは子殺しだけで500件も発生していたのですから。

----------------------------------------------
■実にわかりやすい。■よってたつ資料も、当ブログおなじみ『少年犯罪データベース』などなので、立脚点もちかくで、論理もよくわかる。
■最近でた、後藤和智氏の俗流若者論批判 『「若者論」を疑え!』などもそうだが、こういった啓発活動を いちいちやらないと、俗論がはびこり、それによって刑事政策などが ドンドン おかしな方向に暴走していく。それをメディアが全然とめきれないし、それどころか、おおかたは(俗論としってかしらずでか)助長・加速化させる始末だ。■このブログの先生も、きっと そういった日本の現状に義憤にかられて、更新をくりかえしているんだなぁ、とおもうと、「おいたわしい」と、ついいいたくなる。こんな徒労ともいえる作業なんぞせずに、もっと本質的で生産的な学問的営為に専心したいでしょうしねぇ。
■もし、この議論に、日本特殊論的な補足をくわえるとしたら、虐待による傷害致死とせなかあわせの、女性による乳幼児の殺害、血統上のムスコなど、孤立した介護づかれによる高齢者殺害、抑圧的なオヤなど、保護者への復讐ないし無理心中的殺害、等々、「社会学的密室」の典型例としての居室(家庭)という「心理的密閉空間」がひきおこす さまざまな愛憎劇もくわえるべきだろう。■まあ、アメリカのばあいは、おっとや恋人をもつことが女性が殺害される確率を急上昇させるといわれているんで、通底する面がないといえば、ウソになるけど。


若者論を疑え

● 『「若者論」を疑え!

戦前の少年犯罪
管賀江留郎『戦前の少年犯罪(築地書館)

鮎川潤『少年犯罪―ほんとうに多発化・凶悪化しているのか』 (平凡社新書)
浜井浩一犯罪不安社会 誰もが「不審者」? 』(光文社新書)
赤木智弘若者を見殺しにする国』双風舎
河合幹雄安全神話崩壊のパラドックス 治安の法社会学』(岩波書店)

●旧ブログ「安全神話崩壊のパラドックス 治安の法社会学」関連記事
スポンサーサイト

テーマ : みんなに紹介したいこと - ジャンル : ブログ

タグ : 密室 暗数 統計 犯罪 被害者

<< 情報収集の効率は、マイナー路線をとれば あがるのか? | ホーム | 専守防衛に空白 クラスター爆弾全面禁止合意(産経) >>


コメント

専門家による、微妙な見解

■桐生正幸(http://promotion.yahoo.co.jp/charger/200806/contents07/vol20.php)という、プロファイリングの専門家の議論が実に微妙。

…「凶悪犯罪の件数そのものは、決して増えているわけではない」と前置きしつつ「1997年の神戸連続児童殺傷事件(いわゆる酒鬼薔薇事件)以降、従来の常識では理解できない事件が増えている。ことに、動機は大きく変容しています」と指摘する。

従来型の殺人事件には『対人関係のあつれき』にまつわる動機が存在していることが多かった。ところが、人間的なつながりのない誰かの命を奪う事件が増えている。……

日本における少年犯罪の発生件数にはいくつかのピークがあった。「ひとつは戦後まもなくの頃、貧困が原因による犯罪の多発です。次に、団塊の世代が少年だった頃。これは少年の人口が多かったために生まれたピークといえるでしょう。ところが、最近のデータを見ると、少年の人口は減っているのに、少年犯罪の件数はさほど減っていない」(桐生氏)のが不気味な兆候だ。

しかも、いわゆる不良っぽい少年が道を踏み外すのではなく、外見はまったく普通の子が凶悪犯罪を引き起こすケースが目立っている。……



■ほんとかよ? こういった、慎重ぶった発言によって、結局は「体感治安」の悪化をあおる御仁には、こまったもんだ。

『リベラルタイム』9月号については

すでにさきほどふれましたが、本ブログのこの記事と関連するモノとしては同誌の「『二十代』を上回る殺人検挙数」(22~3ページ)や「性犯罪を生む『明治民法』世代」(26~7ページ)が関連するとおもいます。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


「児童虐待が4万件突破 8年で4倍」(厚労省集計)

■『中日』経由の「共同通信」の記事。 児童虐待が4万件突破   8年で4倍、厚労省集計 2008年6月17日 13時28分  2007年度に全国の...


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。