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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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専守防衛に空白 クラスター爆弾全面禁止合意(産経)

■「クラスター爆弾禁止へ条約 日本など宣言に加わらず(朝日)」および「「クラスター爆弾は防衛に必要」?(朝日)」など、1年ほどまえにかいた旧ブログ記事の続報。
■とりあえず、『朝日』の関連記事をひとつ転載。

クラスター爆弾「全面禁止」
  日本も条約案容認へ

2008年05月29日15時06分

 【ダブリン=土佐茂生】不発子爆弾が一般市民に深刻な被害を与えているクラスター(集束)爆弾の禁止条約づくりを目指す有志国の「オスロ・プロセス」は28日、ダブリンでの国際会議で、一部の最新型爆弾を除いて禁止する条約案に合意した。既存の爆弾のほとんどが禁止対象になり、事実上の全面禁止といえる内容だ。条約案は30日に正式採択される。

クラスター爆弾(投下型の一例)
クラスター爆弾(投下型の一例)

 これまで態度留保してきた日本政府は、一転して条約案容認の方針を固めた。12月の条約署名式にも参加する見通し。ただ、主要生産・保有国である米国、中国、ロシアなどはこのプロセス自体に参加していない。

 条約案は、子爆弾の不発率が低い新型の高性能爆弾は禁止対象から外した。日本や英仏独などが例外規定を広く求めていたのに対し、オスロ・プロセス提唱国のノルウェーなどが「例外なき禁止」を主張。最終的に、例外を設けても現在世界で保有されているほぼすべての爆弾が禁止対象になることから折り合った。条約に加盟する保有国は、8年以内に全廃を目指す。

 日本や英独が求めた、代替兵器を装備するまでの移行期間は設けられなかった。一方、条約加盟国は非加盟国との「軍事協力や作戦」ができるとした。米国と同盟関係にある日本や英国の対米軍事関係を妨げないという配慮だ。

 合意を受けてブラウン英首相は、「保有する全種類のクラスター爆弾を廃棄する」と声明を発表。仏も禁止対象の爆弾を廃棄することを明らかにした。

 関係者によると、日本は福田首相がクラスター爆弾禁止問題への前向きな対応を指示した。今後政府は、自衛隊が保有するクラスター爆弾の処置や最新型爆弾の導入を検討する。

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■『産経ニュース』の署名いり解説記事も。


専守防衛に空白
 クラスター爆弾全面禁止合意

2008.5.29 23:00
 日本侵攻阻止の切り札・クラスター爆弾が「即時全面禁止」になれば、日本政府は「専守防衛」という“国是”を含む戦略・戦術の抜本的見直しを強いられる。新型クラスターの大量導入で回避するだろうが、それには莫大(ばくだい)な支出を伴う。それ以前に、配備完了まで「空白の10年」が生じる。確かに、着上陸侵攻の可能性は冷戦時に比べ低いが、国土防衛は確率論ではない。国家の決意を示し、途切れることのない抑止力につなげることが大原則である。禁止の背景である不発弾による非戦闘員の殺傷多発は痛ましい。だが、国家・国民の安全が損なわれる事態も悲劇ではないか。(野口裕之)

 クラスター爆弾は1発の爆弾に数十から数百の子爆弾を詰め、投下後に空中で子爆弾を飛び散らせる兵器。戦闘機や多連装ロケットシステム(MLRS)から発射し、敵頭上で子爆弾の雨を降らせ、一気に撃退する。米軍は湾岸戦争でクラスターを多用し、イラク軍から「鋼鉄の雨=アイアンレイン」と恐れられた。イスラエル軍もテロリスト殺害に使ったが、いずれも攻撃後、不発弾に触れた非戦闘員が死傷している。

 だが、専守防衛という、国土防衛力を著しく阻害する“戦略”を信じる日本の場合、クラスターの使用は海空自衛隊の装備がほぼ全滅、敵が着上陸侵攻を仕掛けてくる、いわば本土決戦の時。運用は次のように“最終兵器”としての重要性を帯びている。

 《襲来する敵に湾内遠方、次いで水際でクラスター攻撃。それでも、敵の一部は上陸に成功する。だが、上陸地点には地雷原がある。敵が地雷原を前に前進をやめれば、味方火砲・戦車が攻撃するから、敵は動きを止められず、地雷のない地点に移動・集中する。実はトラップ=ワナで、味方火砲・戦車が移動地点を狙い集中攻撃する》

 「誘致導入攻撃」という戦法だが、従来型対人地雷は禁止され、もはやない。クラスターまで失えば戦法は絶望的だ。従って(1)子爆弾が10個未満(2)攻撃対象識別機能(3)不発時の自爆-など、条約の定義をクリアしているドイツ製など、極めて限られた新型クラスターを新たに大量導入しなければならない。しかし、過去4年、平均年340億円も減らされ続けている防衛費を考えると、段階的に導入せざるを得ない状況で、配備を完了するには10年の空白を覚悟せねばならない。


 代替火砲の導入となると、さらに非現実的だ。MLRSの1個発射機当たりの瞬間制圧面積は、155ミリ自走砲を主力とする1個特科(砲兵)連隊(1100人)の火力に匹敵。従って、現有5個MLRS大隊(90発射機/1500人)を廃止するのなら、90個特科連隊(9万9000人)の増強が必要となる。1分間に発射可能な弾薬重量でも、155ミリ自走砲と比べると3倍近くの開きがある。人員で計算し直すと、1個MLRS大隊(300人)の瞬間交戦能力は3個特科連隊(3300人)に相当。現有5個MLRS大隊を解隊すれば、その穴を埋めるため15個特科連隊(1万6500人)を新設しなければならない。

 ところで、クラスター反対国の共通項は非保有か、保有していても旧式である点。「人道」を隠れみのに、急進的規制を成功させ自国の安全を高める軍事上の計算が透けてみえる。終始、協議をリードしてきたNGO(非政府組織)が、非保有国を会議の場に引っ張り込み、反対を主張させてきた成果でもある。この点、非捕鯨国を参加させ、感情的意見に支配されてきたIWC(国際捕鯨委員会)での協議をほうふつさせる。

 それでも、日本政府の拙攻は目に余る。対人地雷禁止条約調印国の英国、豪州、ニュージーランドなどは、国益が損なわれた場合の地雷使用を「留保条件」としたが、自衛隊は約20億円もかけて従来型対人地雷約100万個を廃棄させられた。クラスターでは、日本も「主に侵攻軍に対する使用」など、条件を突き付けるべきであった。

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■「「クラスター爆弾は防衛に必要」?(朝日)」で、つぎのようにのべておいた。

■せまい国土ゆえ核兵器による国土防衛が無意味という地政学的現実を何度かのべた。■ながい海岸線(国土面積がせまかろうと、ほそながく/いりくんだ海岸線が非常にながい、という物理的現実は両立する)をクラスター爆弾で防衛するという論理がどうしてみちびかれるのか、シミュレーションとやらを公開してよ。■「極秘レベルの機密」とかいうなよ(笑)。

■こういった疑念に、軍事官僚が正面からこたえた記憶がない。■核装備と別の意味でクラスター爆弾が自衛策になるという合理化は地政学的に破綻している。是非ウンヌンは別に、軍事技術の論理の次元にかぎってね。
■したがって、『産経』の解説記事も破綻した議論というほかない。■地雷とクラスターが、かりに敵軍上陸をくいとめる意味が一部あるとして、住民を大量にかきぞえにしかねない人命軽視の作戦をどう説明づけるのか? 「イスラエル軍もテロリスト殺害に使ったが、いずれも攻撃後、不発弾に触れた非戦闘員が死傷している」と、ごていねいに解説してくれているとおり、不発弾を完全に回避できないかぎり、「同胞の民間人の多少の犠牲もやむなし」という、軍事官僚・政府中枢部による正当化でしかない戦略構想であることが、よくわかる。

■でもって、今回、メディアが実質「全面禁止」というんだが、各国政府が、不発弾がすくないとかいう、例外措置の対象とされた「一部の最新型爆弾」に移行していくことが、かんがえられる。■というか、「産経」や軍事官僚の論理からすれば、それへの予算措置をいそぐといった結論しかみちびけまい。■というか、この解説記事は、どんどん特別予算をくめ、ってキャンペーン記事としかおもえないね。
■そしてなにより、突出した軍事大国にして、同時にクラスター爆弾の「主要生産・保有国である米国、中国、ロシアなどはこのプロセス自体に参加していない」では、「全面禁止」なんて、「前進」をうたうのは、いかがなものだろう。■そりゃ、米中ロ3超大国と戦争するような無謀な国家などないだろうけど、すくなくともアメリカは、アフガニスタン・イラクと、ケンカをふっかけて ぶっつぶした記憶にあたらしいわけで、各国に戦意がなかろうと、クラスター爆弾のえじきになるおそれが全然きえない。
■核兵器だけではなくて、米中ロ3超大国の軍事的圧迫感におびえるしかない、おもくるしい世界がつづくわけだ。イヤなはなしだね。■米中ロ3超大国って国が、軍事大国・経済大国であることによって、強大な政治力をほこることはあっても、全然野蛮さを卒業できない、「ジャイアン」でありつづける、この21世紀は、20世紀後半と変質していないような気がする。

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テーマ : 国家防衛 - ジャンル : 政治・経済

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