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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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◆社会科 入試の「地理外し」再考を(加藤淳史)【追記あり】

■前便「宮崎どこ? 小学生も??? 正答率46%、全国最下位(朝日)」の関連記事。■これも『朝日』の紙面から。
■4月29日の「声・主張」面の投稿記事を、全文転載。

私の視点

◆社会科 入試の「地理外し」再考を(加藤淳史:立命館慶祥高校教員・地理)

 日本地理学会が興味ある調査結果を発表した。全国の51高校の生徒と31大学の学生に白地図から都県や外国の位置を選ばせたところ、高校では宮崎県、愛媛県の位置がわからない生徒が半分以上だった。
 特に注目したのが大学生の正答率だ。高校で地理を履修しなかった学生は、そうでない学生より全般的に劣り、スイス、ケニアの正答率は15ポイントも差があった。地理教育の必要性を再認識した。
 長く地理教育にかかわってきた経験から言って、現在の地理教育の環境は厳しい。大学の入試科目から人為的に「地理外し」が行われ、高校現場に大きな影響を与えているからだ。
 センター試験は、理系学部の場合、「地歴・公民」(地歴は地理、日本史、世界史を指す)から1科目選ぶ仕組み。地歴や日本史は4単位、公民は2単位のため、負担が少ないとの消極的理由から公民を選ぶ生徒が多い。
 また、東京外国語大学は、前期日程の2次試験で地歴は世界史を指定、この制約で受験を断念した生徒もいる。08年度の国公立大学入試で、地歴科目を課すのは、146大学のうち19大学に主な文系学部のみだが、そのうち6大学が地理を外す。
 私立大学はさらにひどい。地歴を指定しながら地理を外すのは215大学。この中には観光学部、国際経済、環境学部など地理と深くかかわる学部も多い。主な理由として、多くの大学で地理の専門家が少なく、入試問題作成に労力を強いられるうえ、受験生が日本史や世界史より少ないことがあげられる。
 このため高校現場では文系志望者が地理を避け、どの大学も受験できる歴史を優先することになる。人為的な地理外しにより、生徒の地理離れが広がる。
 地理は地表空間を総合的に扱う学問である。地図、統計データ、写真を読み取り、現代的な問題を解決する能力を養う学問である。対象は気候・地形などの自然分野から民族、言語そして経済、国際関係に至る。世界的な課題である環境問題や地域問題も重要なテーマなのに、日本では地理の扱われ方が諸外国に比べると低い。
 もちろん、地理教育に改善するべき点は多々ある。例えば地名や物産などの暗記中心の授業では、その役割を果たすことができない。地球上の諸問題をダイナミックにとらえ、問題解決の糸口をつかむ授業をしなければいけない。そのためには、授業の工夫や新たな教材開発、優れた問題作成をする必要がある。
 外的要因から地理離れ、地理外しが行われる現状は、本来の教科教育の理念から反する。指導要領の改訂とあわせて、大きな議論を期待したい。

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■「地理教育専門委員会「大学生・高校生の地理的認識の調査報告」(日本地理学会)」の分析記事でのべたとおり、「地歴科など教職免許や入試科目として常連の「地理学」業界という利害」を度外視して、この議論をよむことは不可能だ。■「中高生で必修にした方がいいんじゃないか?」っておもえる(潜在的)教科内容はたくさんありえる。いまのところ、それらの大半は教科化していない。そして、現在の教科同士の「イスとりゲーム」だって、ホントに必要性の厳密な序列化の作業を、「業界関係者」がカンカンガクガク議論してきめたのかといえば、そんなことはなさそうだ。■ほかの科目との比較での「数学」の奇妙な重視、数学の実生活での適用問題についての、あきれるほどの うきよばなれの現状とか、大学入試での「英語」偏重とか、高校のカリキュラムや大学入試が、市民生活と全然すりあわせしようとなんてしていないことは、明白だ。高校の先生や大学の先生、反論があるなら、データをあげて説明してくれ!(笑)

■ただ、そういった政治性の問題をとりあえずおくとすれば、「地図、統計データ、写真を読み取り、現代的な問題を解決する能力を養う学問である。対象は気候・地形などの自然分野から民族、言語そして経済、国際関係に至る。世界的な課題である環境問題や地域問題も重要なテーマ」って指摘はもっともだ。
■世界史なんてのは、旧ブログ「サービス商品としての授業1」「「必修科目の履修漏れ」その3」などでのべたとおり、破綻した科目だからだ。■西洋史・東洋史といったぐあいに、大学の専攻にあわせて ふたりで分担したって、まともな感覚なら、双方とも ひとりで担当なんてできないはず。これを入試科目でとして(分担しているんだえろうけど)出題してしまえる大学の先生はすごすぎ(笑)。■だから、世界史を課して当然といった判断をくだした東京外国語大の先生の認識には、おおきな疑問符がつく。

■しかしだ。旧ブログ「サービス商品としての授業2」でのべたとおり、「たとえば、「地理」の教科書・参考書・資料集のあつかっている範囲は、単なる「地誌」なんかじゃなくて、民族学、国際政治学、国際社会学、地域経済論、地政学、……などなど、それこそ 博覧強記の 御仁でないと、とても やれそうにない「広域」」で、これまた誇大妄想的なんだよね(笑)。


【17:10 追記】
■それはともかく、高校現場では、政治経済とか倫理とか、とてつもなく広大な教科を公民科担当教員とかいって兼務してしまうだけでなく、上述した世界史をあわせもつといった曲芸をやらかしているようすは、「世界史を授業する 1 授業の骨格」で確認できる。高校現場、おそるべし。■ちなみに、「日本史」って教科は、本質的に「世界史」の「各論」にして「真部分集合」なわけだから、「世界史担当の教員が日本史のほうが楽しいから日本史ももちたいとぬかしていた」なんて事態は、むしろ禁欲的で かわいいものなのだろう。
■これって、予備校みたいなところのばあい、「生活指導とかクラブ活動とか 講師が担当しないから、専門職として教科指導を充分できる」といった、(公教育がになっている)託児所的機能の不在では、説明できないよね。■単に、生徒をナメているっていうか、「おまえらに あてがう授業レベルなら、綿密な授業準備しなくたって、どうにでもなる」って感覚を、高校の先生方の相当部分が共有しているってこと。■たしかに、こんな意識水準なら、予備校などと競合したときに(高校が義務的でなく、大学受験のバイパスが たくさんできたばあい)、すくなくとも公立高校の相当部分は雲散霧消し、託児(収容所)機能以外、およびでない、って あつかいをうける可能性大だね。■ま、もともと、公立校を中心に、小中高は受験塾のための託児所的機能をはたしつつあるんだけど。特に大都市部では。
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コメント

震災対策こそ必要度が高いと思うが、いかがか?

震災対策こそ必要度が高いと思うが、いかがか?
「日本」という国家は「想像の共同体」(アンダーソン)にすぎず、天皇個人・皇族・天皇制(度)に特段正当化すべき根拠などない(もちろん、この場合の「ない」は、「ある」とする立論を丹念によみとくと毎回自滅する、という論理構造ですぞ、右派の下衆ども)のは事実であるが、原発震災という現代特有の問題を排除するとしても避難訓練を含めた震災対策こそ、しばしば「日本列島」とよばれるところの列島にすむ人々にとっては必要度が高いとおもわれる。
もちろん、小中学校はもとより高等学校でも火事のみならず地震も想定した避難訓練が、すくなくとも一部では行われていることは承知している。しかし、その回数を増やし、なおかつたとえば情報を得ながら自分のみを守り可能であれば他人の身も守れる人材を養成することに教育行政はもっと熱意をあげるべきであるとおもう。そうでなければ学校文化に適応しにくい人や就学の機会がすくない人は災害時に自力だけでいきのびねばならない社会になってしまう。もちろん、そのような社会を問題視しないのであれば、もはやいうべきことはなにもないが。

保健体育とかに、アリバイ的に救急法がおさまっていますけど…

あれって、体育の授業は実際問題、大ケガして、意識不明とかなりかねないリスク科目で、そのために くみこんでいるって感じがぬぐえませんよね。実際、柔道出身の体育教員とか整骨の免許、もっていそうだし(笑)。■わたしのかかっていた整体師の先生、高校のときの柔道部の顧問が、しめおとしては、カツいれて めざめさせるといった、あきらかなパワハラをくりかえしていた、っていってました(笑)。■体育教員による、体育やクラブでのセクハラ問題も深刻らしいし…。

■それはともかく、原発震災をしのぐための、サバイバル授業をやるべき静岡県とか、いろいろ現実的なリスク回避のニーズがあるはずですが、以上のような実態のもとでは、まともに具体化しそうにありませんね。

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