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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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イラク空自違憲の判断 政府の理屈の矛盾突く(朝日)

イラク空自違憲の判断
  政府の理屈の矛盾突く

2008年04月18日06時02分

 周辺でゲリラ攻撃や自爆テロが頻発しても、航空自衛隊の輸送機が離着陸するバグダッド空港は「非戦闘地域」。戦地への自衛隊派遣と憲法とのつじつま合わせのために政府がひねり出した理屈の矛盾を、名古屋高裁が突いた。空自の活動は来年7月に期限切れを迎えるが、違憲判断で派遣継続のハードルが高まった。


イラク空自違憲1

空自小牧基地を出発するイラク復興支援派遣隊
第15次隊=14日、愛知県小牧市、遠藤啓生撮影
イラク空自違憲2


 ■あいまいな「非戦闘地域」

 「政府は総合的な判断の結果、バグダッド飛行場は非戦闘地域の要件を満たしていると判断している。高裁の判断は納得できない」。町村官房長官は17日の記者会見で、あからさまに不満を示した。

 高裁判決は「バグダッドは、国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し、物を破壊する行為が現に行われている。イラク特措法にいう『戦闘地域』に該当する」と指摘。空自の活動はイラク復興支援特措法にも憲法9条にも違反するとした。

 政府はバグダッド全体が戦闘地域か非戦闘地域かの判断はしていないが、少なくとも「バグダッド空港と輸送機が飛ぶ経路は非戦闘地域」(防衛省幹部)と認定している。

 町村氏は会見で、「バグダッド飛行場には商業用の飛行機が多数出入りしている。本当に戦闘地域で、俗な言葉で言うと、危険な飛行場であれば、民間機が飛ぶはずがない」と反論した。

 高裁判決は戦闘地域であるバグダッドに多国籍軍の武装兵員を輸送することは「武力行使と一体化する」とも指摘したが、政府は「そもそも非戦闘地域だし、武力行使と一体化するものではない」(町村氏)との立場だ。

 ただ、あいまいな「非戦闘地域」という概念は、イラク派遣をめぐるこれまでの国会審議でも、たびたび大きな論争を巻き起こしてきた。

 政府はイラクへの自衛隊派遣が憲法9条に違反しない根拠として、「非戦闘地域への派遣」を挙げてきた。だが、非戦闘地域と戦闘地域の区別を聞かれた当時の小泉首相は「どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、私に聞かれたってわかるわけない」。さらには「自衛隊が活動しているところは非戦闘地域だ」との答弁まで飛び出した。

 政府は「戦闘」を「国または国に準ずる者による組織的、計画的な攻撃」と定義し、自衛隊や米軍などが攻撃を受けて反撃しても、「国家かそれに近い組織」が相手でなければ、その地域は「戦闘地域」にはあたらないとした。「弾が飛び交う状態でも戦闘地域ではない」との論法も成り立ってしまう。

 今回の判決は、この矛盾点を指摘した。武装勢力の攻撃や、米軍の度重なる掃討作戦を理由にバグダッドを「戦闘地域」と断定。「バグダッドへの空輸は、他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」とした。

 特措法策定にかかわった政府関係者は「『非戦闘地域』の概念は(インド洋で給油活動をする)テロ対策特措法にも盛り込まれた。だが、イラクの治安がここまで悪くなるとは予想できず、結果的にこの概念が大論争を招いた」と漏らす。
イラク空自違憲4

 ■特措法延長に障壁

 「それは判断ですか。傍論。脇の論ね」

 福田首相は17日夜、名古屋高裁の違憲判断への感想を記者団に聞かれ、こう語った。そして、空自の活動について「問題ないんだと思いますよ」と言った。

 06年7月に陸上自衛隊をサマワから撤退させた後も、日本政府はイラクでの空自活動を継続してきた。「日米同盟維持と国際貢献の観点から、当面、活動を続ける必要がある」との判断で、イラクでの空自は「日米同盟の象徴」の役割を引き受けてきた。

 それだけに政府は、違憲判断にかかわらず、「(空自の活動を)今の時点で見直す考えはない」(増田好平防衛事務次官)との立場だ。

 ただ、自衛隊のイラク派遣に反対してきた野党側は勢いづく。民主党の菅直人代表代行は17日の記者会見で「非戦闘地域の判断が、しっかりやれていなかった」と批判。そもそも「非戦闘地域を線引きできるという発想がおかしい」(幹部)との意見が民主党内では大勢だ。

 政府・与党は今年1月、インド洋での給油活動を可能にする補給支援特措法を、国会の大幅延長と衆院の3分の2再可決を使ってようやく通したばかり。イラク特措法が来年7月に期限切れとなることから、早くも「(苦労した給油継続の)二の舞いになることだけは避けたい」との声が出る。

 そんななか、政府・与党が検討を進めているのが、自衛隊の海外派遣を随時可能にする一般法(恒久法)だ。

 自民党は10日、イラク特措法と補給支援特措法、国連平和維持活動(PKO)協力法の3法を統合した形での法整備を目指すプロジェクトチーム(PT)を発足させた。座長の山崎拓・元幹事長は「今国会中に一般法の政府案を提出しないと間に合わない」と意欲を示す。

 ただ、公明党が慎重姿勢を崩しておらず、与党間協議のめどすら立っていない。そのうえ、民主党も17日の判決を受け、「まだ一般法の議論をする時期ではない」(幹部)。今回の違憲判断は今後の一般法の議論にも影を落としそうだ。
イラク空自違憲5

 ■緊張の離着陸、700回近い輸送

 空自によるイラクでの空輸活動は、小牧基地(愛知県)から派遣された3機のC130輸送機が担っている。クウェートを拠点に、当初はイラク南部のアリとを結んでいたが、06年7月に初めて首都バグダッド、同年9月にはイラク北部アルビルの各飛行場への輸送を開始した。04年3月の活動開始から4年。派遣が5回目となる隊員もいる。

 これまでの派遣隊員数は延べ約3千人。クウェートとイラク国内の3空港との間を週4~5日結び、輸送回数は総計694回、運んだ物資の量は約600トンに上る。15次となる派遣隊は3月10日と4月14日に派遣されたばかりだ。

 空輸活動では、米軍など多国籍軍の兵士や国連要員、武器・弾薬以外の物資を運ぶとされているが、日本政府・防衛省は詳細を明らかにしていない。差し止め訴訟の原告らによる空輸実績の開示請求でも、開示資料はいずれも日付や内容の部分が「黒塗り」の状態だった。

 日本政府は「バグダッドなどの空港は非戦闘地域」としているが、実際は「飛行場の離着陸時に地上から攻撃を受ける危険性が高い」(自衛隊関係者)とされ、隊員の精神的負担は大きい。C130がイラク国内で離着陸する時には、通常時に比べて急角度での上昇や降下をすることで低い高度にいる時間を短くしているという。

 バグダッドなどへの飛行では、C130に取り付けられたミサイル警報装置が鳴り、旋回やフレア(おとりの熱源)を出すなどの回避行動をとることもある。昨年12月、現地を視察した田母神俊雄・航空幕僚長もC130でバグダッド空港に着陸する間際、「ミサイル警報装置が鳴り、一瞬緊張した」と話した。

 これまでの飛行で、C130が実際にミサイルの追尾を受けたことは確認されていない。しかし、05年には英空軍のC130が、バグダッド空港離陸後に地上からの攻撃を受けて墜落するなどの被害が出ている。

 「空輸活動が武力行使になるのか」「インド洋の給油活動なども違憲になってしまうのではないか」。活動を続ける制服組は今回の判決にとまどう。ある自衛隊関係者は「判決に法的な効力がないなら活動にすぐに影響はないが、今後は政治で議論されるのではないか」と、判決の波及を懸念した。「活動を続ける隊員や家族がかわいそうだ」との声も漏れた。

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■『朝日』は、かたよっている、といった批判をおさえこむためにか、違憲判決に対する批判や不満のこえをあわせて記事化することで、「バランス」をとったつもりらしい。■では、『朝日』のこの件に関する記者・編集部の面々のなかに、「違憲とはいいきれない」と、おもっている人物が、ひとりでもいるのだろうか? いないのだったら、偽善というより、あざといアリバイ工作だ。

■前線部隊の軍事活動に直結する後方支援が、軍事行動にあたらないなどという、曲芸的な解釈がゆるされる方がどうかしている。朝鮮戦争やベトナム戦争に対して日本政府・日本経済が米国支援をしていなかったという詭弁はともかく、自衛隊のイラク派遣が、軍事行動でないとか、「非戦闘地域」への派遣だなどという、ウソがまかりとおってきた、この国は、どうかしている。「言霊」論をいいたてるなら、こういった、ヘリクツ=形式的にげにこそ、あてはめるべきだろう。
■だから、実質的に憲法9条違犯であると判断した今回の高裁判決が画期的だなどという見解がでる方がまちがっている。
■形式的とはいえ、日本軍の総責任者として法的に位置づけられていたはずの、ときの首相が「今イラクのどこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、そんなの私に聞かれたって分かるわけがないじゃないですか!」(2003年7月23日、党首討論) などと、しらをきれてしまう このくには、トコトン トホホな空間だ。■この ふざけた発言のぬしは、在任中圧倒的な人気をほこり、いまだに人気がおとろえないというのだから、あきれたはなしだ。「美しい国へ」と みえをきった人物が、もっとも「美しくない」政治家である(すでに「過去のひと」だが)といった、わるい冗談がまかりとおってしまう ご時世なんで、「なんでもあり」なんだろう。■阪神ファンなどとおなじく、どんなに だらしなかろうと、どんなにデタラメであろうと、愛情がうせることがないのが、真の純愛というべきもの。その意味では、このくにの保守派・右派は、純粋にこの「国体」を愛しているのかもしれない。まあ、どんな事態になろうと、まさか「亡命」はするなよ。するはずないよな。


■ちなみに、今回の判決は、形式的に原告敗訴で、日本政府がわは控訴できないため、これで判決が確定し、実質違憲判決という意味では、実質原告勝訴といわれている。■が、こういった判事の結論のだしかた自体が曲芸的だ。本人は、実質違憲判決で、しかも上告を封じて確定させてしまうという、虚をついた「美技」のつもりだろうが、違憲でありながら、飛行さしとめは はねつけるという、自己矛盾をきたしている。■憲法9条違犯でも、このまま米軍の後方支援をつづけられるなら、政府は公然と憲法違反をくりかえしていいとか、裁判所の判断にはしたがう必要がない、ということになってしまう。■要するに、衆議院議員選挙で圧勝してしまいさえすれば、そこからえらばれた政府首脳は、憲法のしばりなど実質なく、三権分立原則など単なる「おかざり」として無視してよいということになる。■裁判所は憲法の番人とかいうが、要するに国家神学者でしかなく、基本的には政府の言動の追認装置としてしか作動せず、かりに相互牽制・権力の自浄作用のようにみえても、茶番劇の舞台装置にすぎないということを、今回の判決は立証してしまいかねない。■判事にはそういった みとおしがあったのだろうか?
■ 青山邦夫裁判長の「依願退職」は、さまざまな重圧をうけての判断だというのが、法律家たちのよみのようだが、要するに、判事個人の良心にてらした合法性判断がゆるされない、実に政治的文脈にみちみちているという事実こそ、異様だ。■判事に自殺者がでるような異様な空気が支配する司法に、冷静な判断などあるはずがなかろう。

■保守派・右派による、「媚中外交」とか「媚韓政権」などといった表現で、いわゆる「よわごし外交」がとりざたされるのは、対アジアにかぎられていて、こと 屈辱的なしうちをうけようと 沈黙か、くちさきばかりの「遺憾」発言で風化をまとうとする「媚米」姿勢は、戦後一貫して、ゆらぐことがない。なにしろ、民族主義的左派政党のはずの社会党が与党になったときでさえも、自民党と大差なかったんだからね。


●「名ばかりソ~リ・フクダは「傍論、判決は国の方が勝った」だってさぁ。名古屋高裁で空自のイラク活動は違憲の判決が下る。『平和憲法この国にあり!』 」『晴天とら日和』
●「青山邦夫裁判長について」『反戦な家づくり』
●「自衛隊イラク派遣違憲判決を書いた裁判長の決意~裁判官の独立について一言」『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)』
●Google検索「青山邦夫裁判長
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コメント

時期おくれだが一応

2008年5月3日(土)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-03/2008050301_01_0.html
違憲判決が確定
自衛隊イラク派兵
名古屋高裁

--------------------------------------------------
 日本国憲法施行から六十一周年を前にした二日午前零時、自衛隊のイラク派兵を憲法九条違反とした名古屋高裁の画期的な判決が確定しました。自衛隊違憲判決が確定したのは初めてです。
--------------------------------------------------

 判決が確定したのは、愛知県の住民らでつくる原告側が上告しないことを決定、上告期間(判決から二週間)が過ぎたためです。被告の国側は、判決で原告の損害賠償請求などが棄却されたため上告できませんでした。

 判決は、首都バグダッドを「戦闘地域に該当する」と判断、米軍など多国籍軍の武装兵員をバグダッドに空輸する空自の活動は「他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない」と認定。

 「政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合であっても、憲法九条一項に違反する」と結論づけました。

 また、憲法の平和的生存権をすべての基本的人権の基礎と位置づけ、裁判で救済を求めうる具体的権利としました。

 自衛隊を違憲とした判決では一九七三年の長沼ナイキ訴訟の札幌地裁判決があり、安保条約にもとづく米軍駐留を違憲とした判決には一九五九年の砂川事件・伊達判決があります。しかし、いずれも上級審で覆されました。

 政府は「(空自の活動に)なんら影響を与えるものではない」と居直ってきましたが、判決確定で司法判断を尊重する義務がより明確になりました。

--------------------------------------------------
■関連キーワード
・憲法(http://www.jcp.or.jp/akahata/keyword/001_inc.html

小泉純一郎のおきみやげ

つながりで、「かんぽの宿」について。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/kanponoyado/

あと、同じネタについては『サンデー毎日』2.1号と2.8号のおのおの49ページで佐高信氏がかいています。さかのぼれば、2005年8月初版の『だまされるな!郵政民営化』(新風舎)が指摘していたとおりになったという気もします。

共産党はこの点(郵政民営化)についても、いまだに対抗していますね。

http://www.jcp.or.jp/seisaku/2008/20081003_senkyo-seisaku-bunya/index.php?bunya=22

これであとは社民党との連体さえしてくれれば文句なしの政党なんですけどね、共産党。いや、それは社民党についてもいえますが。

『JANJAN』などの追加記事

「イラク派兵違憲」判決を「差止訴訟の会」代表に聞く
上野数馬2008/05/01
http://www.news.janjan.jp/government/0805/0804296005/1.php
……
記者: 判決主文が控訴の棄却で、原告敗訴ということから、政府首脳などの反応は無視に近いものでしたが、それについては?

池住氏: 判決主文は「本件控訴をいずれも棄却する」の13文字です。しかし裁判所はこの結論を導く「本論」である「事実及び理由」で、航空自衛隊の空輸活動を証拠に基づいて憲法違反・法律違反と断罪しました。政府には憲法尊重擁護義務(憲法99条)があり憲法や法律に従わなければなりません。司法府には、法律を執行する行政府の行為が憲法に違反するかどうかを審査する権限(違憲立法審査権)があります。名古屋高裁が下した違憲判断を、政府が無視または軽視することは、憲法が定めた「法の支配」の原則を否定するもので許されません。

記者: そもそも原告の訴えは、どんなことでしたか?

池住氏: 政府の自衛隊イラク派兵により、私たちが戦争の加担者・加害者にさせられて精神的苦痛を受け、権利(平和的生存権)が侵害された。そうした「精神的苦痛」「権利侵害」を受けたことに対して、国に慰謝料を請求する国家賠償法第1条に基づく損害賠償請求訴訟です。損害賠償請求が認められるには、1.国が行っている行為の違法性、2.それによる権利侵害の2つの要件が満たされることが必要です。


「望みうる最高の判決だった」と語る池住氏
記者: 訴えの趣旨はわかりました。判決文を読めない、普通の人たちにもわかるように「実質的勝訴と原告団が主張する根拠と理由」をわかりやすく話して下さい。

池住氏: 主文だけでは「国側勝訴・控訴人敗訴」です。しかし実質は、ほぼ全面的に私たちの勝訴判決です。勝訴した国側は上告できません。敗訴した私たち控訴人は上告しませんから、この控訴審違憲判決は上告期限が切れる5月2日に確定します。

 「実質」というのは主文に続く本論「事実及び理由」のなかで、証拠に基づいて「国の行為の違法性」と「権利侵害」の有無を詳細に検討しています。傍論どころか、判決に必要不可欠な本論そのものです。

 裁判所はまず、政府の「憲法9条」解釈、更に「武力の行使」、「自衛隊の海外活動」「他国による武力行使との一体化」、「イラク特措法」、「戦闘行為」、「国際的な武力紛争」、「戦闘行為」についての政府解釈を明らかにしています。次に、証拠に基づいて「米軍を中心とする多国籍軍の活動」、「現在のイラク状況」、「イラク国内における戦闘状況」、「航空自衛隊の空輸活動」の事実を認定しています。

 そして、証拠に基づいて認定した事実を「政府と同じ憲法解釈」に立ち、かつ「イラク特措法を合憲」だとしてみても、現在イラクで行われている航空自衛隊の空輸活動は、憲法9条1項、イラク特措法2条2、3項に「違反する活動を含んでいる」と判断したのです。

 国賠法上の第1要件である、政府の行為の「違憲性」を明確に認定しました。しかし、第2要件である「権利侵害」については、私たちの「具体的権利としての平和的生存権が侵害された」とまでは認めず、「民事訴訟上の損害賠償請求において認められるに足りる程度の被侵害利益が未だ生じているということはできない」として棄却しました。

 この部分に、とても含蓄があるのです。第1に、裁判所はイラク特措法が合憲だとは言っていないこと。裁判官の真意を推察すると「イラク特措法は違憲の疑いがあるが、政府が解釈するように合憲であると仮定しても、空自の空輸活動は違法ですよ」ということです。第2に、被侵害利益が「未だ生じているということはできない」との表現。「未だ」ということは「今後、生じる可能性が十分ありますよ」と政府に対して警告しているのです。

記者: なるほど。で、代理人・弁護士の方たちからはどんな見解が出されましたか?

池住氏: 名古屋訴訟弁護団事務局長の川口創弁護士は、この判決を「国はギリギリのところで勝たせてもらっただけ」という意味で「寸止め」判決と表現しています。また今回の「イラク派兵違憲判決」を「政府自らに違憲の政策を見直す機会を与えた」という意味で「執行猶予」判決と言えるとも述べています。実に的確な表現だと思います。

記者: 問題は、いかに政府がこの判決を真摯に受け止めざるを得ないようにするか、ですね。

池住氏: 形では敗訴ですが「本論」で航空自衛隊の空輸活動を違憲とした本判決は歴史的な意味を持ちます。日本社会の重要な規範として法的拘束力に近い力をもつことは間違いないでしょう。政府を動かすためには今後どのような活動を展開するか、それを今日の総会で話し合ったのです。……



・イラク空輸「戦闘地域の認識なし」と斎藤統幕長
http://www.news.janjan.jp/government/0804/0804235589/1.php
・9条のある国に生きていてよかった 自衛隊イラク派兵は違憲 名古屋高裁判決
http://www.news.janjan.jp/world/0804/0804175157/1.php
・なぜ憲法違反なのか-「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」代表・池住義憲氏に聞く
http://www.news.janjan.jp/area/0804/0804104621/1.php
・名古屋で全国集会 イラク派兵撤退・違憲判決から8ヵ月
http://www.news.janjan.jp/area/0812/0812234075/1.php

追加

『空自撤退!みんなで勝ちとった違憲判決全国集会』
2008年12月23日 愛知県勤労会館(鶴舞プラザ)2F小ホール
http://www.asahi-net.or.jp/~np9i-adc/hahei001.htm

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