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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム12

前回のつづき。■ただし、このヘンで誤解のないようにことわっておくと、このシリーズは、原田さんの記事の転載シリーズではない。シリーズ第4回以前をよんでもらえればわかる。


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     世界の環境ホットニュース[GEN] 673号 08年03月26日
          ご意見・ご投稿 → このメールに返信

           毒餃子事件報道を検証する【第12回】         

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第12回 アセフェート

 これまでの経緯を振り返ってみると、警察庁は、3つの事件の関連性を強調しようとして、単純な勘違いによるミスを連発しているように見えます。その結果、偽装工作、情報操作を疑わせる痕跡を多数残すこととなりました。

 ところで、今回の事件に警察庁が首をつっこんできた経緯は、警察庁が毒物の共通性に気付いたというのです。アエラ2月18日号に次の記載があります。(以下引用)

 実際、警察当局も異例の対応をとっている。千葉、兵庫両県警は当初、別々に毒餃子事案を捜査していた。警察庁は、餃子やメタミドホスなど、両県警の捜査内容に共通点があることを知り、重大性を認知。30日午後に記者会見を開き、餃子への毒の混入を発表した。

 直接の捜査権を持たない警察庁が、各県警が捜査する事件の内容について発表することは、普通はありえない。

 2月5日には殺人未遂事件として共同捜査本部を立ち上げた。米田壮(つよし)刑事局長は、「今度の事態は通常の捜査本部とは比較にならないほど重大。捜査は密行が原則だが、早期の事実解明に向け、今回はできるだけ情報を開示する」と表明している。
(引用終わり)

 これまで調べたところでは、警察庁が「両県警の捜査内容に共通点があることを知り」という状況はありません。むしろ、警察庁が「両県警に共通の事件であることを伝え、共通点(メタミドホス)を探させた、と言った方が妥当です。

 具体的には、警察庁が指揮し始めた段階というよりも、記者会見が開かれた1月30日の朝の時点で、兵庫県警は まだ胃洗浄液を 分析中でした。餃子の袋からはメタミドホスを検出したことになっていますが、その後胃洗浄液からはチオグリコール酸しか検出されていませんので、メタミドホス検出の信憑性はかなり値引きして考えなければなりません。一方、千葉県警に至っては千葉市の被害者に連絡すらとっていませんでした。だから、警察庁が何をもって「重大性を認知」したのか不明なのです。

 警察庁がいう、事件の共通性も重大性も根拠はとても希薄です。千葉市と兵庫県高砂市の事件で検出された毒物が異なっていましたので、「3つの事件の関連性」の根拠となっている毒物の共通性も、実は別々のものだったということはないのでしょうか

 ここで、3つの事件での症状を列挙してみます。

 千葉県千葉市 → 「薬のような苦味を感じた」2個目は吐き出した。
            視界がぐるぐる回る。しゃべるのがつらい。下痢、
            嘔吐。

 兵庫県高砂市 → 完食「ちょっと苦いと思ったがこんなもんだろう」。
            両目の焦点があわない。嘔吐、涙、鼻水、意識朦朧、
            手足のしびれ、体温低下。「血圧も腎臓も肝臓も数値
            が異常」

 千葉県市川市 → 完食。「餃子が少し苦い。おかしいな。」めまい、
            縮瞳、下痢、嘔吐。

 千葉市の女性は異常を感じて餃子をすぐに吐き出しています。それに対し、他の2事件では 異常に 気付いても「ちょっと苦い」「少し苦い」くらいで、さほど気にすることもなくすべて食べてしまっています。

 このことは千葉市と他の2事件では毒物が異なるか、あるいは濃度がかなり違うことを示しています。実際、高砂市の被害者の吐物からはメタミドホスは検出されませんでした。市川市の餃子にも千葉市のケースと同じくメタミドホスが混入されていたのなら、千葉市の餃子よりも濃度が低かったから完食できたのだと考えられます。ところが、千葉市の餃子で検出された 110ppm のメタミドホス濃度でも、重篤な症状が出るとは考えられないのです。

 千葉県警は、市川市の家族の吐物から餃子の皮と具の部分を0.1gずつ別々に採取して、それぞれ高濃度のメタミドホスが検出されたと発表しました。(3.14朝日新聞)

 餃子の皮:3580ppm  具:3160ppm

 そして、「この商品はギョーザ1個 約14g で、1個あたりでは 約45mg(0.045g)になるという。」「極めて高濃度で、専門家は「(同じ濃度で汚染されたギョーザであれば)数個で死に至る可能性もあった」と指摘。製造工程で農薬が混入された可能性がさらに高まったとみている。」(3.14 朝日新聞)と結論付けています。

 この記事を読むと、「市川市の餃子には千葉市の餃子よりも30倍も高濃度のメタミドホスが混入していたのだ。だから重体になるような大きな被害が出たのだ」と納得してしまいそうです。ところが、この結論では、「千葉市の女性が濃度の低い餃子を吐き出したのに、市川市の家族は濃度の高い餃子を全部食べてしまった」ことになり、状況の不自然さを説明できません

 実は千葉県警の分析方法にカラクリがあるのです。「(千葉)県警は吐瀉物(としゃぶつ)を採取。皮と具をそれぞれ0.1gグラムずつ取り出して調べ」(3.14 朝日新聞)ています。ところが、この方法では、検出された値が平均値なのか、最高値なのか、あるいは最低値なのかさっぱり判断がつきません。そこで、通常は複数個のサンプルをミキサーで混合粉砕して、その一部を分析するのです。そうすれば平均値を得ることができます。平均値が得られて初めて、「(同じ濃度で汚染されたギョーザであれば)数個で 死に至る可能性も あったと指摘」(3.14朝日新聞)することもできるのです。平均値でない今回の数値で(同じ濃度で汚染されたギョーザであれば)との仮定を置くことは危険です。

 そもそも、千葉県警が市川市の家族の吐物からメタミドホスを検出したのは1月末でした。なぜ濃度を求めるのに一ヶ月半もかかるのでしょうか? 残留農薬か故意の混入かを推定する重要なポイントです。まず何よりも優先すべき分析項目でしょう。こうしてみると、ここにも偽装工作の疑いがあります。

 市川市の毒物がメタミドホスだとすると、このように説明がつかない状況に陥ります。従って、毒物はメタミドホスではなかったと考えざるをえません。混入段階ではメタミドホスではなく、しかも吐物や検便を分析するとメタミドホスが検出されるという毒物がひとつだけあります。しかも、日本国内で簡単に手に入れることができるのです。

 警察庁が中国での混入説に固執する理由のひとつが「メタミドホスは日本国内では一般に流通していない。」という事実です。ところが、それはとんでもないニセ情報だと教えてくれているのがアエラ2月18日号です。

 確かにメタミドホスは日本では農薬に登録されておらず、使用、流通は禁止されています。ところが、メタミドホスをちょっと加工したアセフェート(商品名:オルトランなど)は、2006 農薬年度(05年10月~06年9月)に日本で生産された53種類の殺虫剤原体の中で5番目に生産量が多く、インドからも輸入されているというのです。(日本植物防疫協会「農薬要覧 2007」)

 アエラは、さらに次のように書いています。

 「このアセフェートは、生体内でメタミドホスに変化して、より強い殺虫効果を発揮することを想定して開発されたプロドラッグ(前躯体)で、従ってアセフェートを摂取すると体内でまさに中国製ギョーザを汚染したのと同じメタミドホスに変わり」、朝倉書店刊「農薬学」などによると「毒性も30倍に強まる特性のあることが確認されている。」(2.18 アエラ)

 しかも、アセフェートは無臭です。これなら、千葉市の女性がすぐに異常を感じてメタミドホス入りの餃子を吐き出したのに対し、市川市の家族がアセフェート入りの餃子を異常に気付きながらも全部食べてしまった状況も説明できますし、市川市の被害者に縮瞳の症状が出たこと、千葉県警が吐物から高濃度のメタミドホスを検出したことも矛盾なく説明できます

 ちなみに、「オルトラン」をヤフーショッピングで検索すると82件がヒットしました。このようにアセフェートは日本国内でも容易に購入できる商品なのです。このことを公安当局が知らないはずがありません。マスコミも知っているのです。その上で週刊誌には書けても、新聞やテレビでは取り上げられないということは、それなりの事情があるということでしょう。

 希釈したアセフェートを野菜に散布した場合、数週間出荷が禁止されています。そういった危険な有機リン系農薬が日本で大量に使われているという事実を知らないまま、「中国製餃子のこの有機リン汚染に興奮状態の日本の姿は相当に滑稽であり、喜劇的にすら見えないか。なぜなら、有機リン汚染、それによる心身の被害の広がりを長年にわたり放置している点で日本は、得られる情報による限り、先進国で最悪の国家なのだ。」(2.18 アエラ)

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■週刊誌にはかいても新聞にはかけない、朝日新聞社。不可解だね。■ま、読者数が全然ケタちがいだろうから、さわぎのケタもちがうんだろう。
■ついでだから、朝日は『AERA』の方だけでも、原田さんの記事にふれて、警察庁が偽装工作をしている。中国悪玉説は、デッチあげの可能性大、ってかいてしまったらどうか?(笑)

■ちなみに、おなじ『AERA』2月18日号には、「中日関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」といった、おっそろしい中国高官のセリフも紹介されている(p.21)。■どいつもこいつも、って感じだね(笑)。
■もちろん、「中国側が明確な容疑者像を持っているとは思えない。もし反日的な分子がなにか行動を起こすとすれば、今回のような陰湿な方法ではなく、もっとわかりやすい手段を取るはず」(富坂聰氏)というコメントも紹介している(p.22)んで、『AERA』の特集記事は単なる「あおり」ではないんだが。
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