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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

前ブログ: 『タカマサのきまぐれ時評

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ドル安と国際情勢

旧ブログでは、かなりお世話になった、『田中宇の国際ニュース解説』。こちらに移転してから、ほとんどふれていないが、ひさしぶりに一部転載。■今回のネタは、ドル安。

ドルの崩壊が近い
2008年3月18日  田中 宇


 先週、米英のマスコミやアナリストらが、いっせいにドル崩壊の可能性を指摘し始めた。米ワシントンポストは3月13日に「アメリカは巨額の貿易赤字、不況、原油高、インフレ、金融危機など、あらゆる経済難を一挙に受け、ドルの大幅下落に直面している。しかも、危機からどうやって脱出できるかわからない状態だ。連銀は追加利下げしそうだが、それによってますますドルは危機になる」という趣旨の記事を出した。(関連記事

 英ガーディアン紙は、3月14日の「自己増殖する金融危機」(This crisis has a life of its own)と題する記事で「米連銀は事態を制御できていない」「この危機はソフトランディングできるという予測は間違いだ」「1930年以来の巨大な金融危機になる」「市場の混乱は今後もっとひどくなる」「ドル安は加速し、近く先進各国の中央銀行がドル救済のため協調介入するだろうが、歯止めにはならない」「相場の下落は、アメリカの不動産市場に底値が見えるまで続くが、底が見えるのは、まだまだ先の話だ」と指摘している。(関連記事

 また、英テレグラフ紙は3月14日の記事で「インフレに苦しむアジア(中国)や中東(GCC)などは、インフレの元凶である自国通貨の対ドル為替連動(ペッグ)を外すことを検討しているが、ペッグが外れたら、ドルは急落する。世界的に過剰なドルが貯まっているので、ドルはいったん急落すると、どんどん下落幅が拡大するだろう」とするアナリストの指摘を載せている。(関連記事
 フィナンシャルタイムス(FT)は、毎日のようにドルの危機を警告する記事を出している。「債券市場は、底が抜けた感じになっている。連銀は有効な対策を打ち出せていない」「IMFは、先進各国政府に、最悪の事態に備えよ、公的資金を使って国際金融危機の悪化を食い止めよ、と要請している」「米欧日の当局が市場介入してドルの下落を抑えるべき時がきているが、介入で現在のドル相場を維持することはできず、ドルの下落速度を遅くするだけだ。(対米貿易黒字が多い日中など)アジア各国は、自国通貨の対ドル為替の大幅切り上げを容認せざるを得なくなる」などと、一連の記事で書いている。(関連記事その1その2その3

 米AP通信は3月13日、世界中の商人たちが、米ドルでの支払いを受け取らなくなり、ユーロなどドル以外の通貨が好まれるようになった現状を書いている。各国の当局は、まだドル本位制にこだわっているが、すでに民間の商売人たちの間では、ドルは基軸通貨ではなくなっている。(関連記事

 米政府は以前から「強いドルが望ましい」と言い続けているが、彼らの発言と行為は全く正反対で、やっていることはドル安を扇動する行為の連続である。そのためロイター通信などのマスコミも今や、米政府高官が「強いドル」と言うたびに、それは実は「弱いドル」のことだと考えざるを得なくなったと書いている。(関連記事

 ブルームバーグテレビの取材に応じた投資会社の経営者(Marc Faber)は「ドルは紙くずになった」(Dollars are printed on toilet paper)と宣言した。この発言を紹介した分析者は「G7(先進各国)がドルを買い支える話が出ているが、馬鹿げている。米当局がドルをどんどん増刷し、どんどん利下げして、米自身がドルを下落させている時に、他国がいくら買い支えても、下落が止まるはずがない」と喝破している。(関連記事

 ドル崩壊の可能性については、私も何度か指摘してきたが、これまでは極論とみなされてきた。しかし今や、ドル崩壊は急速に現実の事態になりつつある。(関連記事その1その2その3

▼債券の信用崩壊が拡大

 今、アメリカの金融市場で起きていることの基本は、昨年夏に発生したサブプライム住宅ローン債券の市場破綻(売れ行きの急激な悪化)が、劣後のローンであるサブプライムの市場から、今年に入って、優良な一般の住宅ローン債券や、商業地の不動産を担保とした債券へと感染したことである。

 住宅や商業地を担保とした「不動産担保債券」はこれまで、アメリカを中心とする国際金融界で「現金並みに安全な資産」として保有され、売買され、融資の担保として扱われてきた。その多くは、今も最優良格付け(AAA)を保っている。

 だが、金融危機が悪化し、格付け会社がAAAとみなした債券の中からも破綻が続出し、格付けも信用できないという懸念が金融界に広がり、不動産担保債券の全体が、もはや安全ではないとみなされるようになった。これまで皆が大事に持っていたお金が、実はタヌキが化かした葉っぱだったとわかったような状態で、金融界のパニックは拡大した。

 先週前半には、米大手投資銀行の中でも不動産担保債券の取引を積極拡大していたベアースターンズが、他の金融機関から担保の積み増しなど取引条件の引き締めを迫られて、資金難に陥っているという噂が金融界に広がった。(関連記事

 ベアースターンズは噂を否定したが、その数日後には、連銀と、連銀に頼まれた同業他社のJPモルガンチェースが、ベアーに緊急融資を行う事態となり、週末の3月16日には、JPモルガンがベアーを買収すると発表された。買収前のベアーの株価は1株30ドル(昨年の高値は169ドル)だったが、JPモルガンはベアーを1株わずか2ドルで買いたたいた。事態は、火事場のたたき売りになっている。(関連記事
……

▼見当違いな米連銀の利下げ
【中略】

▼日米欧協調介入は愚策
【中略】
 日本の政界では、日銀総裁人事をめぐって与野党が対立し、総裁が決まらず、金融の政策決定に支障が出そうな事態になっている。これはひょっとすると、日本に損をさせるアメリカからの要請を断るための芝居として、福田首相と小沢民主党代表が事前に談合して演じていることではないかとも勘ぐれる。福田と小沢は、従来の日本の基本戦略である対米従属には未来がないと思っている点で意見が一致しており、日本を対米従属から引き剥がしていくための与野党大連立を、以前に画策している。

▼日米欧の外側で破れそうなドル覇権

 ドルが大幅下落しても、ドルに代わる基軸通貨(経済覇権)の重荷は、ユーロも円も引き受けたくない。日本は、覇権を持つことを嫌って対米従属に固執してきた。EUは、欧州周辺の地域覇権にはなるつもりがあるが、世界覇権にはなりたくない。重すぎる。日本は、円の国際化には一貫して消極的だった。EUは、ユーロが欧州圏から遠い場所での決済に使われることを望んでいない。米欧日(G7、先進国)が世界の中心である限り、ドルがいくら下がっても、基本的なドルの単独覇権には揺るぎがない。

 だが、G7以外の世界の状況を見ると、ひょっとするとドルの単独覇権が揺らぐかもしれない事態が起き始めている。
その一つは、以前の記事で書いたように、中東大戦争が起きた場合、イスラエルを支援するアメリカに打撃を与える目的で、アラブ産油国(GCC)が、今は何とか続けている為替のドル連動(ペッグ)をやめ、同時にOPECが石油の非ドル通貨建て販売を増やし、ドル建て販売を縮小する可能性である。

 GCC、イラン、ロシア、ベネズエラなど、産油国の多くは、反米・非米的な国々である。そして、先物相場の動向から見ると、原油は今後もかなり長い間、1バレル100ドル以上の水準を維持しそうである。(関連記事

 原油を100ドルで計算した場合、産油国の埋蔵石油の総額は104兆ドルになる。この額は、世界中の上場株価の総額と、債券の発行残高総額の合計とほぼ等しい。このうち48兆ドル分が、GCC諸国の地下にある。OPEC全体では92兆ドル分である。年ベースでは、産油国は毎年総額で2兆ドル分の石油を産出している。(関連記事

 これだけの資産があり、しかもドルは下落して使いものにならなくなっていくとしたら、GCCやOPECの諸国は、いつまでもドルを自国通貨の価値を計る道具として借りておく必要はない。石油の埋蔵資産、もしくは売った石油の代金の現金資産を背景に、自分たちの通貨に自前の価値を持たせた方が得策である。

 従来のGCCは、国家の安全保障をアメリカの軍事力に頼っていたのでドルペッグは意味があったが、アメリカがイラク占領に失敗して中東からの撤退に向かい、追い詰められたイスラエルが中東大戦争を起こしそうな中で、GCCは考え方を変えつつある。(関連記事

▼チベット騒乱と中国のドル離れ

 もう一つのドルペッグ大国である中国では、先週からチベットで騒乱(自治要求運動)が起きている。中国は今夏の北京オリンピックを成功させ、欧米中心の国際社会の中で大国として認めてもらおうとする戦略をとっているが、チベット人は北京五輪の5カ月前という今のタイミングで騒乱を起こし、欧米日にもともと多かった反中国的な世論を喚起して、欧米を五輪ボイコットまで引っ張っていこうとしている。

 チベット人による独立・自治拡大要求の運動は、中国共産党が政権を取った直後の1950年代から、冷戦の一環として米英の諜報機関が亡命チベット人を支援して持続させている、米英の諜報作戦でもある。その歴史から考えて、今回の騒乱も、北京五輪を成功させて大国になっていこうとする中国政府の戦略を壊そうとする、米英諜報機関の支援・扇動を受けて行われている可能性が大きい。


(アメリカでは「多極主義者」と「米英中心主義者」が暗闘しているという私独自の図式から見ると、五輪の選定会で北京を勝たせたのは多極主義者であり、五輪を潰すために「これが最後のチャンスだ」と言ってチベット人の運動を扇動したのは米英中心主義者である)

 チベットの騒乱が今後どこまで拡大するかわからないが、もし国際的な五輪ボイコットに発展した場合、中国は面子を激しく潰され、絶望する。すでに中国のテレビでは、チベット族の暴徒が、ラサの漢民族の商店を破壊する映像が繰り返し放映され「勤勉な漢民族をねたむ一部のチベット族が暴動を起こしている」という図式が、中国人の大半を占める漢民族の頭の中にインプットされている。騒乱での死者の多くも、チベット族に殺された漢族であるとされている。

 やがて中国の世論は「米英がチベット族を扇動して暴動を起こし、北京五輪を潰そうとしている」という見方になる。最終的に五輪がボイコットされた場合、中国の世論は反欧米の方に傾き、ロシアと似た反米ナショナリズムが席巻する。


 従来の中国は、親欧米を保ち、欧米に認められて大国になろうとしてきた。プーチンのロシアは、中露の安保組織である「上海協力機構」などを通じて、中国をロシアと結託した反欧米の方向に持っていこうとしてきたが、中国はロシアの画策には乗りたがらなかった。しかし、チベットの騒乱が五輪失敗につながり、中国政府が親欧米を保った大国化の戦略に見切りをつけたら、その後の中国はロシアと結束し、反欧米の色彩を強めるだろう。

 以前なら、中国とロシアが組んでも大した影響はなかったが、今は違う。中国・ロシア・中東産油国が、世界の富のかなりの部分を握るようになり、しかもアメリカはドル崩壊と金融危機で急速に経済力を減退させている中で、中露が結束し、そこにGCCとイラン、ベネズエラなどの産油国が加勢したら、欧米中心の世界は終わり、覇権は非米諸国の間で多極化する事態になる。

 日本人の多くは中国が嫌いなので、チベット騒乱で北京五輪が失敗したら「ざまあみろ」と思うだろう。しかし、実はそれは自滅的な間違いである。北京五輪の失敗は、中国をドルから自立させて、ドルの崩壊、ひいてはアメリカの覇権崩壊を早めることにつながる。中東大戦争が起きた場合のGCCの反応と同じで、中国に関しても、米中政治対立が通貨のドル離れを引き起こす。ドル崩壊でアメリカは弱体化してアジアから撤退し、日本は唯一絶対の後ろ盾を失い、中国に頭を下げて友好国にしてもらうか、自閉的に衰弱をしのびつつ鎖国するしかなくなる。

▼通貨の多極化

 チベット騒乱が早期に下火になり、五輪開催に影響が出ない場合、中国は親欧米を維持し、米国債を売ってドル下落に拍車をかけるようなことはしないだろう。中東が大戦争にならない場合も、GCCはドルペッグを維持しようとするだろう。しかしこれらの場合でも、ドル下落とインフレ悪化はひどくなるばかりなので、早晩、いずれ中国やGCCはドルを見限り、自国の資産を背景に、通貨に自前の価値を持たせていくだろう。

 今後のアメリカは、一時的には破綻した状況になるだろうが、もともと国土の大きな潜在力のある国なので、何年かすると立ち直り、近隣のカナダやメキシコとの連携を重視した地域覇権型の国に生まれ変わっていくだろう。イギリスの黒幕的覇権から脱出する「第2の独立」である。(関連記事


 ドルは破綻するので廃止し、代わりに北米共通通貨「アメロ」に切り替える構想がある、という指摘もある。ドルが破綻する前に、米国債が債務不履行(紙くずに近いもの)になるかもしれない。世界の通貨体制は、ドルの一極体制から、ドル(アメロ)、ユーロ、GCC共通通貨、人民元(もしくは日中基軸のアジア共通通貨)などの多極体制になる。基軸通貨が多いと、投機的為替取引が絶えないので、国際協約をして、新たな国際基軸通貨が作られるかもしれないが、今はまだその辺の予測はつかない。(関連記事

 この時期になっても、日本が「どうしても」というなら、太平洋をまたいでアメリカの属国であり続けることはできるかもしれない。だが、そのころの日本は、除夜の鐘が鳴って昨年を忘れるように、1945年8月15日に軍国主義をきれいさっぱり忘れたように、対米従属の「戦後」を忘れ、気分を一新して「アジア重視」になっているのではないか。そのころには、アメリカよりアジアの方が儲かる地域になっているだろうからである。
【以下略】

------------------------------------------------
田中宇さんについては、あやしい解釈だとか、予想がはずれるという酷評もあるが、依然として魅力的な記事。■それにしても、国際社会というのは、おどろくような要因であみのめ状に連動してしまうものだ。そして、これらの大半は、新聞紙上やテレビなどにながれない。当局発表のタレながしは、依然としておおいし。
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以下、お知らせまで。

「すべての人にフィナンシャル・リテラシーを!金融知力通信教育」
http://apfl.ocnk.net/

「IISIA 原田武夫国際戦略情報研究所」
http://www.haradatakeo.com/shiome.html

さらに参考になりそうな情報

『お金のために死なないで』(岩波書店)という本も出ましたが、Amazonによれば出版早々品切れだそうです。

『朝日』も、一面で特集はじめましたね

■きのうの朝刊1面トップは、「米国発 金融動乱」でしたね。■田中さんの指摘どおり、今度は決定的な破綻がくるかもしれません。
■ちなみに、田中さんのようなうがった見解をきかさせれると、おなじ1面のすみにおいやられた「日銀総裁、空席濃厚に」という記事も、ちがってみえてきます(笑)。

新日本出版社の月刊誌『経済』の

最新号(9月号)の特集は「企業の社会的責任」と「現代イギリス研究」で、トヨタやキヤノンをとりあげていますが、8月号の特集は「金融投機化への対抗」です。そのなかには「ドル体制の変容と現代国際金融」という記事がありますので、よかったら参考までにどうぞ。

『大転換の時代』(原田武夫・ブックマン社)

という本がでました。

『大転換~』のうちオススメな箇所をageておきます。

だからこそ今、戦争という究極の手段をもって、自らが起こしたサブプライム問題以降の「金融メルトダウン」にまつわる片をつけようとしていないかどうか、米国の動向が私は気になって仕方がないのだ。そして実際、こうした問題意識に基づいて公開情報分析(OSINT)を日々重ねる中で、彼らが明らかに「その時」に向かって着実に動いているという動かぬ証拠を最近になって見つけた。それが、「2018年戦略爆撃機問題」である。(『大転換の時代』139ページ)

今から十年後。私たちが知らない間にそこで戦争が始まることがワシントンではもはや自明になっているのである。(同148ページ)

そう、私たち日本人にとって問題は「2020年」ではない。むしろ「今から2020年までに間」にこそあるのだ。(同159ページ)

あとは最終章(220ページから最後まで)です。

上記のネタに関連しそうな本2冊

『国際社会における法と力』(日本評論社)
『戦争サービス業』(日本経済評論社)

関連文献データ

ソロモン ヒューズ『対テロ戦争株式会社―「不安の政治」から営利をむさぼる企業』(河出書房新社)
ロルフ ユッセラー『戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む』(日本経済評論社)
松本 利秋『戦争民営化―10兆円ビジネスの全貌』 (祥伝社新書)
P.W. シンガー『戦争請負会社』(日本放送出版協会)
菅原 出『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)
高木 徹『ドキュメント 戦争広告代理店』 (講談社文庫)
ポール・ポースト(山形浩生 訳)『戦争の経済学』(バジリコ)


「IISIA」の原田武夫氏によれば、先週末のドル価上昇には裏の意図がある可能性があるとのことですが、それはさておき…

「ブッシュ靴投げゲーム」という商品がリアルに発売されたようです。
http://www.recordchina.co.jp/group/g27024.html

貝枝としては上記ゲームの温家宝版をつくってうりたいんですが、そんなものを売ろうとしている私に対しても、某学生に対する態度のように(http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/china/)寛大でいてくれますか?温首相。

靴投げ事件をジョークにできない「国内事情」(『週刊ポスト』)

という記事が今週号にありますね(http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG8/20090209/102/)。■まあ、中国バッシンぐ・ネタがすきな週刊誌なので、ブッシュのユーモア精神を、えらく もちあげていますが(笑)。

『情況』(1・2月合併号)を読んでいるのですが、

その73ページに以下の様な記述があります。

今回わたくしがなぜ、中国の歴史を対象にしたかといいますと、古代以来の中国革命は、農民コミュニティを担い手にする革命の世界、易姓革命の世界です。それは、現在まだ継続中で、その過渡的産物が、中国新資本主義になっているにすぎないと思います。
(73ページ)

そうすると、アレですかね。『サンデー毎日』の「インサイド中国」において、現時点での中国を高度経済成長期の日本というより『戦前の少年犯罪』(築地書館)…もとい戦前の日本に似ているという、指摘があったとおもいますが、単純に日本における国粋主義のうえに人口や領土の大きさゆえに生じる影響力のおおきさをかけあわせたというだけでは説明できない政治力学が今後も長期にわたって存続しつづける、ということですかね。いや、反中右派にネタを提供する危険性は自覚したうえでの発言をこころがけるべきなんでしょうけれど、やはり我々(という言い方も曖昧ですが)の推測する国粋主義や軍事独裁とは異質なのかもしれない、という懸念を一応しめしておきます。

「易姓革命」は、支配者の合理化ですよね

■どなたが、どんな文脈でおかきか、よまずに判断するのは危険ですけど、「易姓革命」とは、基本的に、クーデタに成功した新権力が、体制変革を正当化するための合理化装置ですよね。■だから、「その過渡的産物が、中国新資本主義になっているにすぎない」といった、まとめかたには、違和感があります。
■もちろん、易姓革命という合理化は、それで恩恵をこうむった被支配層も支持するでしょうけど。

右であれ左であれ…

そのいずれにしても中国の政治的経済的影響力自体は無視できないであろうということで、『中英日対照「中国最新用語辞典」改訂版』(日本国貿易促進協会・2007年)という本を紹介します。いや、漢族語(いわゆる「中国語」)については良書のおおいベレ出版からでている『80パターンで話せる中国語会話』ほどの良書は存在しないとおもいますが、最新の用語を多彩に盛り込んだ資料集的な本としては、上記の『中英日~』が非常によさげです。
みぎ、おしらせまで。

米国ネタ

『毎日新聞』(3月4日号7ページ)には「シリアに米高官派遣へ」という記事があります。

中東歴訪中のクリントン米国務長官は3日、エルサレムで記者会見し、シリアに米政府高官2人を派遣して「予備的な対話」を始める方針を示した。
(中略)
クリントン長官は4日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラで、アッバス自治政府議長らと会談する。

「たぶん俺たちゃ最後にはシリアまで行っちまうぞ」(『アホの壁 in USA』マイケル=ムーア・柏書房・8ページ)という懸念が実現した模様。

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