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Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム8

前便続報

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     世界の環境ホットニュース[GEN] 669号 08年03月09日
         ご意見・投稿 → post_ende23@upken.jp

           毒餃子事件報道を検証する【第8回】         

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第8回 情報操作?

 ここまでの経過で重要なことがあります。それは死者を出さないことへの配慮が一貫して感じられることです。この点からは複数の犯行グループがあったとしてもその目的、動機は同一で、あくまで「脅し」の範囲内だと思われます。

 中国の工場で、製造段階で毒物が混入したとの説が日本国内では有力ですが、工場労働者でこのような毒物の知識を持っている者は日本でも皆無でしょう。中国にいたとしても彼らの雇用条件に関する不満が原因ならば、そのような配慮をする必然性がありません。もし毒物の揮発などで、食べても中毒が起きなければ意味がないからです。この点からでも中国の工場労働者が毒物を混入させたという説には同意できません。

 ところで、朝日新聞は「製造日が異なる商品の袋内から高濃度の農薬2種が相次いで検出されたことで、汚染の範囲はさらに広がり、製造段階での混入の疑いはより強まった。」と書き、他紙も同様のコメントを掲載しています。この論理は不可解です。なぜ、「製造日が異なる商品の袋内から高濃度の農薬2種が相次いで検出された」ら、「製造段階での混入の疑いはより強ま」ると言えるのでしょう? 複数の犯行グループの存在を示唆するものか、混入の意図が異なるのか、ということは 考えられます。だから 混入の意図を推理して犯人像に近づくべきところを、いきなり、思いつきで「犯人は○○だ」と決め付けるような乱暴な論理になっています。それでもマスコミ各紙が異口同音に、「製造段階での混入の疑いはより強まった。」と結論だけ連呼すると、読者はそうなんだと思い込まされてしまうかもしれません。

 報道では、当初「縮瞳」という特徴的な有機リン中毒症状を隠し、被害者は最初から有機リン中毒だと認識されていたかのように伝えていました。その上でしきりと「製造段階での混入の疑い」を流布しています。

 この傾向は各紙共通ですので、「共通の情報源」であるはずの公安当局が報道陣に対して「製造段階での混入の疑いはより強まった。」と重ねてコメントしているのではないかと思われます。なぜ無理なこじつけで国民の注意を外へ外へと向けようとするのでしょうか? とにかく「混入は製造段階」にしたい動機が公安当局にはありそうです。これは明らかに情報操作が行なわれていると思われます。

 その意図は何でしょうか? 毒物は日本国内で混入された可能性があることを隠したいために、公安当局が注意を「製造段階で混入」に向けさせたいということはないでしょうか?

 その点を意識してこれまでの報道を振り返ると、不思議なことがいくつも出てきます。まず兵庫県警の発表です。これまで「メタミドホスが検出された」と何度も発表していますが、一向にその濃度を発表していません。濃度の数値は、農作物に散布された農薬が残留したものか、それとも意図的に混入されたものかを決める重要な要素です。その濃度を発表しないなら、区別がつけられないことになり、事態を混乱させるだけです。

 二つ目の疑問点は、「密封の餃子袋の内側からメタミドホスが検出された」という2月7日の兵庫県警発表です。「針穴はなかった」との発表に続いて「製造段階での毒物混入」を強く印象付けました。これで「製造段階での混入の疑いが確実」とされたという意味で重大な発表でした。ところが、このとき兵庫県警が鑑定したという餃子袋は「密封」どころか、何を鑑定したのかさえあやふやなのです。2月8日付毎日新聞から引用。

 大阪のスーパー返品分、密封袋の内側に殺虫剤 製造時の混入確実

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で兵庫県警は7日、大阪府枚方市の小売店から返品された冷凍ギョーザ11袋のうち新たに2袋から、有機リン系殺虫剤メタミドホスを検出したと発表した。ともに未開封で、1袋はパッケージの外側だけに付着。もう1袋は内側からも検出し、パッケージに穴はなかった。一連の事件で、完全に密封状態のパッケージの内側からメタミドホスを検出したのは初めて。中国での製造過程で混入したことが確実になった。

 枚方市のスーパー「ハッピース枚方」が昨年12月28日、「外側がベトッとしている」として輸入元のジェイティフーズ大阪支店に返品した「中華deごちそうひとくち餃子」11袋のうちの2袋。(引用終わり)


 枚方市のスーパーから返品された11袋の行方を追ってみます。まずはジェイティフーズ大阪支店。

(1)昨年12月28日、兵庫の事件と 製造日が同じ「中華deごちそう ひとくち餃子」2袋が客から「外側がベトッとしている」とのクレームで 枚方市のスーパー「ハッピース枚方」に返品された。
(2)同店は、そのとき店頭にあった9袋とともに計11袋を販売元のジェイティフーズ大阪支店に返品した。
(3)ジェイティフーズ大阪支店は、回収された11袋を ふたつ(6袋と5袋)に分け、6袋を輸入元の双日食料に送って原因調査を依頼した。
(4)原因調査を製造元の天洋食品にも依頼するために、手元に残った5袋をまたふたつ(3袋と2袋)に分け、2袋を天洋食品に送った。
(5)自社で原因調査するために、手元に残った3袋を「開封して」社員がその一部を食べてみた。
(6)異常がなかったが、「ベトベト」の原因を調査するため、そのうちの2袋を「都内の」民間検査機関に送った(1月7日)。残った1袋は廃棄した。
(2.4読売新聞)


次に双日食料。
(1)ジェイティフーズ経由で返品された 6袋から2袋を「神奈川県内の」民間分析機関に送った。(2.8毎日新聞)
 →民間検査機関は 分析の結果、1月18日に「合成洗剤の成分」と回答、2月4日に兵庫県警にこの2袋を提出。(2.8朝日新聞)
(2)返品された6袋を2月3日に 兵庫県警が鑑定、6袋すべての外表面からメタミドホスを検出。
 「同県警が メタミドホスを検出したのは、双日食料に 渡った6袋だった。」(2.4読売新聞)
 


 これはおかしい。ジェイティフーズ大阪支店から双日食料に返品されたのは6袋なのに、兵庫県警は8袋を鑑定していることになります。双日食料は枚方市のスーパーから回収された6袋と同時に動物検疫用に同社の倉庫に保管していた20袋も兵庫県警に提出していますので、兵庫県警が双日食料から入手した未開封の餃子袋を鑑定したのであれば、メタミドホスが検出された8袋のうち2袋は、国内では店頭に並ばなかった「動物検疫用」でなければなりません。「国内では店頭に並ばなかった」袋から検出されたとなると、輸入前に毒物が付着した有力な証拠となります。しかし、各紙とも兵庫県警が鑑定して外表面にメタミドホスが検出されたという6+2袋はいずれも「枚方市のスーパーから回収された」ものだと伝えています。

 このズレを修正しているのが朝日新聞と産経新聞です。両紙は「枚方市のスーパーから回収された餃子は2+9の11袋ではなく『10袋』で、返品先はジェイティフーズ大阪支店ではなく『双日食料』だと伝えています。このうち2袋は天洋食品に返品したという点は各紙共通です。これならば、双日食料が保管していた6袋と、民間分析機関に渡していた2袋の計8袋を未開封のまま兵庫県警に提供したことになって一見辻褄はあいます。しかし、これでは、枚方市のスーパーから回収された袋はひとつも開封されなかったことになる上、回収された餃子をジェイティフーズ大阪支店はまったく入手していないことになり、「食べてみて異常がなかった。」というエピソードが入る余地がありません。

 ことの真相はおそらく、

 枚方市のスーパー→ジェイティフーズ大阪支店   11袋 に対し、
 ジェイティフーズ大阪支店→双日食料     6袋(すべて兵庫県警へ提出)
 ジェイティフーズ大阪支店→天洋食品     2袋
 ジェイティフーズ大阪支店社内で食味検査   3袋(このうち2袋が「都内の」民間検査機関へ。1袋は廃棄)

と推定されます。つまり、兵庫県警が「密封包装」と発表した商品は、双日食料の手元にあった6袋のうち神奈川県内の検査機関に送った2袋をダブルカウントしたものだと思われます。あるいはジェイティフーズが「都内の」民間検査機関に送った2袋と取り違えた可能性もありますが、こちらは既にジェイティフーズ大阪支店で食味検査のため開封されていて、「密封」ではありません。そうまでして「密封包装の内側からメタミドホス検出」というビックニュースに仕立てなければならない事情が急遽生じたのでしょう。その矛盾を取り繕った痕跡が「すべて未開封なのに食味検査」(朝日・産経)と「6袋しかない双日食料が8袋を兵庫県警へ」(毎日・読売)というおかしな記事に残ったと考えられます。

 それに、民間検査機関が袋表面の「ベトベト」を分析したということは表面を溶剤で既に洗い流して抽出したことを意味します。洗い残しがあったとしたら、表面からメタミドホスが検出されるというのもなくはない話ではありますが、検出はとても難しいと思われます。それを短期間で検出したという兵庫県警の発表は、上の話を勘案すると、ホントかな? という印象があります。

 兵庫県警は、その前の6袋についてもおかしな発表をしています。

 大阪府枚方市のスーパー「ハッピース枚方」から回収し、パッケージの外側から有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出した6袋のうち、1袋のギョーザの皮とパッケージ内側からもメタミドホスを検出したと発表しました。しかし、その袋の右下に内側まで達するスジ状の傷があったため、内側から染み出したのか、その逆かはわかっていません。妙なのはその次の件です。「ギョーザは1袋20個入りで、5個ずつ4列にトレーに並べられている。何個の皮からメタミドホスを検出したのかは不明。筋状の傷と、検出されたギョーザの位置関係も明らかになっていない。トレーと具からは検出されなかった。」(2.5 山陽新聞)

 トレーに付着していなければ、トレーに付かずに外に染み出すとは考えにくいです。しかし、それよりも「筋状の傷と、検出されたギョーザの位置関係」は毒の混入経路を考える上で重要な情報です。しかも、位置関係は簡単に答えられる情報です。なぜ兵庫県警は公表しなかったのでしょうか?

 兵庫県警が情報を小出しにしたり、逆にニセ情報を出さなければならなかった事情とは何でしょうか? 兵庫県警が2月7日に「密封包装からメタミドホス」と発表するには、6日から7日にかけて慌てて分析を行ったと推定されます。すると、「ニセ情報 発表の事情」は2月5日頃に 起きたと考えられます。その日は生協連合が「餃子からジクロルボス検出」を発表しています。兵庫県警は国民の耳目をジクロルボスから逸らす必要に迫られていた、そのため「密封包装の内側からメタミドホス検出」というビックニュースを偽装しなければならなかったのではないか? それほどにジクロルボスが餃子に仕込まれていたということに重大な意味があったということを兵庫県警の行動が示しています。それは、ジクロルボスが食品テロの予告であるとした前回の推理と矛盾しません。



 「6袋すべてからメタミドホス検出」との情報を小出しにしたのも不可解です。ひょっとしたら鑑定結果自体がニセ情報という可能性でもあるというのでしょうか? 濃度を発表できない理由も実はこのあたりにあるのかもしれません。
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■警察当局はもちろん、メディア各社は、こういった疑念にちゃんとこたえる必要がある。■そして、「大本営発表」のタレながしにおどって、中国バッシングとパニックに狂奔している日本国民は、そろそろ、おのれの愚劣さを自覚し、少々かしこく冷静にふるまえるよう自助努力が必要だろう。■まあ、現在のところ、そういった機運は全然みあたらない。自覚がないんだから、なおしようがないけどな。
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