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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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強盗事件は、「おとり捜査」の対象なのか?

■『西日本新聞』の記事から。

佐賀・強盗予備事件 「共犯」発表は名誉棄損 捜査協力の男性が県提訴〔西日本新聞〕
 強盗をやめさせるために犯行計画を佐賀県警に通報したのに、強盗予備の共犯容疑で逮捕された上に氏名を報道各社に発表され名誉を傷つけられたとして、佐賀市の自営業原一弘さん(36)が7日、佐賀県に330万円の損害賠償を求める訴えを佐賀地裁に起こした。

 訴状などによると、原さんは昨年7月、中学の同級生だった暴力団組員の男=強盗予備罪で服役中=から目出し帽の購入を頼まれたり、佐賀市内の民家の下見に同行させられたりするうちに強盗の計画に気付いた。

 実行日の同28日に佐賀署へ通報したが、刑事から「(強盗団を摘発したいので)計画通りに動いてくれ」と協力を求められた。組員の男を除く仲間3人を襲撃予定の民家付近に車で連れて行ったところ、身柄を拘束され、翌日、組員の男を含む4人とともに逮捕された。原さんはその後、起訴猶予処分となった。

 原さんは「捜査に協力したのに目出し帽を買った共犯容疑で20日間も拘置された。新聞各紙に報じられ苦痛を負った」と主張している。

 県警は「主犯が暴力団員だったので、原さんの身の安全を考え、情報提供者が誰か分からないようにと5人を同列に発表した」としている。

=2008/03/08付 西日本新聞朝刊= 2008年03月07日23時56分

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■要するに、「おとり捜査」を成功させるためには、通報者に演技協力を実行してもらう必然性があり、しかも、あとで報復されないために、通報者をかくす必要があって、通報者自身を共犯者として発表する必要があったと、佐賀県警がわは、いっているわけだ。■しかし、ほかの媒体の報道をよむと、だいぶ印象がちがう。 おとり捜査に協力させられ逮捕、損害賠償求め提訴…佐賀〔読売〕
 知人らが強盗を企てていることを警察官に知らせたのに「おとり捜査」に協力させられた末、逮捕されて名前を公表され、精神的、肉体的苦痛を被ったとして、佐賀市兵庫町、中古自動車販売業原一弘さん(36)が7日、佐賀県を相手取り、330万円の損害賠償を求める訴訟を佐賀地裁に起こした。

 訴状などによると、原さんは昨年7月23日ごろ、中学の同級生だった暴力団幹部(36)から、同28日に佐賀市の民家まで軽乗用車を運転するよう頼まれ、目出し帽を購入することも指示された。幹部と別の男との話から、強盗を計画していると直感。28日の“犯行”約2時間前に佐賀署を訪れ、刑事に「強盗をやめさせたい」と相談した。

 しかし、刑事から犯行計画に加わるよう言われ、軽乗用車に男3人を乗せて目的の家へ行ったところ、覆面パトカーで追跡するなどしてきた同署員に4人全員が拘束された。原さんは翌29日、事前に強盗目的で目出し帽を買ったとして強盗予備容疑で逮捕され、20日間拘置された後、不起訴(起訴猶予)となって釈放された。

 原さんは「パトカーで現場を巡回してくれれば、仲間が犯行をあきらめると思って話した。逮捕され、共犯者として名前を公表されたのは納得できない」と主張。県警は「知人らを逮捕するためにはやむを得なかった」としている。

(2008年3月8日01時01分 読売新聞)

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■通報者は、「刑事に「強盗をやめさせたい」と相談」したというのに、「刑事から犯行計画に加わるよう言われ」ってのは、おかしなはなしだね。■犯罪をおこさせないのではなくて、犯罪の準備をし着手しようとしたという証拠を確実につかまえて、逮捕することが目的みたいだ。これって、警察の正常な公務だろうか?



「おとり捜査」に協力し逮捕 男性が佐賀県相手に提訴
2008年03月07日22時09分

 複数人による強盗計画を佐賀県警に通報したのに、「おとり捜査」に協力させられて強盗予備容疑で逮捕され、「共犯」だと虚偽の報道発表までされて名誉を傷つけられたとして、佐賀市兵庫町の中古車販売業、原一弘さん(36)が7日、佐賀県を相手取り、総額330万円の損害賠償を求める訴えを佐賀地裁に起こした。原さんは「強盗をするつもりはなく、共犯ではない。計画を警察に知らせたのに逮捕された」と主張。代理人の弁護士は「違法なおとり捜査だ」と訴えている。

 県警は「捜査は適正だった」としたうえで、報道発表については「原さんが情報提供したことを疑われないようにするため、一部事実を変えた」と認めている。

 原さんは昨年7月29日未明、少年2人を含む3人の男とともに強盗予備容疑で佐賀署に逮捕された。同署は同日、「被疑者らは共謀の上、佐賀市内の民家に押し入り強盗することを企て、目出し帽やバールなどを準備。軽乗用車にのせ、佐賀市の民家の前まで行き、強盗の予備をした」として原さんの名前も発表。一部の新聞に掲載された。

 主犯格の男は現場に行かず、29日午後に同容疑で逮捕。原さんも含め逮捕者は計5人だった。

 訴状などによると、原さんは7月21日、中学時代の同級生で暴力団組員だった主犯格の男から呼び出され、他の男らと一緒に民家を下見。その後、男が強盗計画をほのめかしたという。23日には男に電話で目出し帽を買うように言われ、三つ購入した。

 しかし原さんは、犯行を予定していた28日昼過ぎ、強盗をやめさせようと佐賀署に行き、刑事に計画を知らせたところ、「予定通りやってくれ」と言われたという。犯行に使われる予定だった軽乗用車からバールと目出し帽を取り出していたが、「のせておいてくれないと困る。証拠にならない」とも言われ、再び積み込んだという。

 その後、主犯格の男を除く3人を車に乗せて同日午後3時ごろ、民家に到着。待ち構えていた警察官から任意同行を求められて佐賀署に連行され、29日未明、目出し帽を23日に購入した事案について強盗予備容疑で逮捕された。約20日間の勾留(こうりゅう)の後、8月17日に佐賀地検から不起訴処分(起訴猶予)とされ、釈放された。他の4人のうち成人の2人は起訴され、主犯格の男は実刑が確定している。

 訴状で原さんは「少なくとも28日の件で共犯になることはあり得ない」と主張している。

 記者会見した原さんは「釈放され、初めて警察の発表を知った。名誉を損なわれたうえ、仕事もできなくなった。警察にいいように利用された」と訴えた。原さんの代理人の本多俊之弁護士は「国民を犯罪に駆り立てており、この事案でおとり捜査は問題だ」としている。

 佐賀県警の江口民雄・刑事部管理官は取材に対し「捜査は適正だった。報道発表については、原さんがほかのメンバーから情報提供したことを疑われないようにするため、一部事実を変えた。捜査に協力してくれた原さんが提訴したことは残念」と話している。

    ◇

 〈おとり捜査と泳がせ捜査〉おとり捜査は、捜査員やその依頼を受けた協力者が身分や意図を隠して相手方に犯罪の実行を働きかけ、犯罪に着手したところを検挙する捜査手法。大麻不法所持事件を巡る04年7月の最高裁判決で「直接の被害者がいない薬物犯罪などの捜査で、通常の捜査方法だけでは摘発が困難な場合、機会があれば犯行を行う意思があると疑われる者を対象に行うことは、刑事訴訟法に基づく任意捜査として許される」と、限定的に認める判断が示された。

 泳がせ捜査は、密輸された薬物や拳銃などが発見された際にあえて押収や容疑者の逮捕をせず、不正物そのものや、すりかえた偽物を流通させるなどして追跡し、関係者を一斉に摘発する手法。麻薬特例法や銃刀法で認められている

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■「「直接の被害者がいない薬物犯罪などの捜査で、通常の捜査方法だけでは摘発が困難な場合、機会があれば犯行を行う意思があると疑われる者を対象に行うことは、…捜査として許される」」って判断は、こういった強盗の準備過程には、あてはまらないだろう。かりに、民家の住民が絶対に危険にあわないという保証があってもね。
■また、通報者が犯行を事前にとめようとして相談したのに、わざわざ着手直前までおよがせること自体、倫理的な次元ではもちろん、法的にも大問題だろう。
■しかも、通報者が特定されないために、起訴猶予という形式をとる必要があり、わざと事実とちがえて報道させたというのだが、それは約束違犯(拘留のうえとりしらべをうけるとか、起訴猶予という汚名をきせられるなどは、全然想定外のはずだ)というものだし、一旦とりだしておいた「バールと目出し帽」を捜査のためにわざわざもどさせた行為で起訴されそうになるのは、まったく違法な過程だろう。
■さらにいえば、通報者は、自力では主犯をとめられないと判断したからこそ、警察に相談にいったわけだし、すくなくとも報道によれば、「パトカーで現場を巡回してくれれば、仲間が犯行をあきらめると思って話した」とのべている以上、実行犯らが着手まえに拘束されただけで、「強盗予備」で実刑になるという、法解釈と警察当局の意図を充分説明すべきだった。
■いや、「充分な説明と同意」に失敗して、通報者が「協力できない」といってかえり、通報者が警察の意図を告白することで主犯たちが計画を中断して準備過程の証拠隠滅をおこなっても、警察は逮捕する権限をもちあわせなかったのではないか?■だって、通報者が警察にではなく、主犯にむかって「パトカーがいくから、現場にいくな」とこっそりしらせれば(内容が通話記録やメール・データなどとして確認できないかぎり)、準備過程の証拠を警察当局がおさえることはできなかったはずだから。■警察当局の違法スレスレの捜査は正当化され、相談にためらっていたはずの通報者と主犯たちの関係性は平気で否定できるというのは、ちょっとムシがよすぎるだろう。

■ちなみに、通報者の安全を保証するためになんていっているけど、主犯にとって、通報者が「チクった」という直感は、すぐついてしまうはずで、かくしきれるもんじゃなかろう。■じゃ なにか? マフィアの巨大犯罪の内部通報者みたいに、安全を保証するために社会から隔離した保護態勢をしぬまで維持できるのか? レイプ被害者がさかうらみされて、出所後に加害者にころされたなんて、むごい事例があるぐらいなのに、ヘタな茶番劇をくんだぐらいで、おとり捜査のウラがバレないなんて、あるわけなかろうが?

■これをみてもわかるとおり、警察権力って連中は、あまりに自分たちの「正義」をうたがえなくなっているらしく、冤罪や「でっちあげ捜査」なんてものの被害者にまともに謝罪する気などないし、そういったデタラメによって、メチャクチャにされた被害者の人生をどううめあわせられるのか、といった想像力の欠如した連中だらけらしい(じゃなきゃ、こんなににたような事例がくりかえされてきたはずがない)。■「被害者にもうしわけがたたない」などと捜査を正当化するくせに、警察権力・検察権力による権力犯罪の被害者への想像力は、おそろしいほど欠落しているわけだ。■こういった、権力犯罪の被害者の人生への想像力がマヒした連中にねらわれたばあいは、まさに「交通事故」のように、被害者はたえねばならなくなる。なんと理不尽なことか? 警察・検察権力の連中は、「数%とか0.1%のミスなど必要悪」ってのがホンネだろうから、たまったもんじゃない。

●ウィキペディア「おとり捜査
●旧ブログ「志布志」事件関連記事
●旧ブログ「富山・冤罪」事件関連記事
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コメント

佐賀県警またやりましたね

佐賀県警がまたやらかしたなと地元民は思っておりますよ。
初動捜査が遅れた為に強引に容疑者を時効ギリギリに逮捕した結果、証拠などが足りずに無罪になった北方町の連続女性殺人事件や、知的障害の方を死なせてしまった警官の暴行疑惑事件など数え切れません。
アウトローの力が強く、経済事情の悪い佐賀県ですので、びっくりするような事件がとても多いけど、今回の件は「お粗末」としか言いようが無い事例であって、トップが何らかの謝罪と懲罰を受けなければいけない事件だと思います。
それ以前に、佐賀県警に対する地元民の不信感を払拭しないといけませんが・・・・。

■佐賀県警察に関しては、「権力犯罪としての誤認逮捕」(http://tactac.blog.drecom.jp/archive/104)ぐらいしか、記事をかいたことがないんですが、ウィキペディア「佐賀県警察 最近の主な事件」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%B3%80%E7%9C%8C%E8%AD%A6%E5%AF%9F#.E6.9C.80.E8.BF.91.E3.81.AE.E4.B8.BB.E3.81.AA.E4.BA.8B.E4.BB.B6)とかでは、すまない、いろいろな権力犯罪があったように、うっすらと記憶があります(http://news.google.co.jp/news?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLJ,GGLJ:2006-29,GGLJ:ja&q=%E4%BD%90%E8%B3%80%E7%9C%8C%E8%AD%A6&um=1&sa=X&oi=news_result&resnum=1&ct=title)。
■佐賀県警にかぎりませんが、各県警がたたかれるのは、単なるヤッカミだけではなくて、構造的な病理があるようにおもえます。構造的病理と認識せず、単に「例外的不祥事の発生」と、おもいたがる心理そのものに、組織犯罪をうみだす病根があるように。

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