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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム7

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム6」のつづき。


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     世界の環境ホットニュース[GEN] 668号 08年03月07日
         ご意見・投稿 → post_ende23@upken.jp

           毒餃子事件報道を検証する【第7回】         

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第7回 ジクロルボス

 2月5日に生協連合会が重大な発表をしました。2007年11月に販売された中国製冷凍餃子からメタミドホスとは別成分の有機リン系農薬が検出されたというのです。なぜ複数の有機リン系農薬が使われたのでしょうか? 複数の犯行グループがいるのか? それとも何かの目的で使い分けられたのでしょうか?

2月6日の朝日新聞より引用。


 日本生協連合会は、福島県喜多方市で販売された天洋食品製冷凍餃子から有機リン系農薬成分「ジクロルボス」を検出したと発表した。千葉、兵庫両県の被害者が食べたギョーザから検出された「メタミドホス」とは別成分で、一連の回収商品から検出されたのは初めて。皮部分から 110ppm が検出されており、日本生協連は「通常では考えられない高濃度」としている。新たに薬物が検出された商品は、中毒事件と同じ「CO・OP 手作り餃子(ギョーザ)」。

 中毒を起こした商品が07年10月20日製だったのに対し、今回のは07年6月3日製だった。製造日が異なる商品の袋内から高濃度の農薬2種が相次いで検出されたことで、汚染の範囲はさらに広がり、製造段階での混入の疑いはより強まった。

 新たな検出について日本生協連は5日、千葉県警に連絡した。日本生協連によると、ジクロルボスが検出されたのは、07年11月10日。コープあいづ(本部・喜多方市)の「コープバリューぷらざ店」で同店従業員が自家用に買った商品1袋。中毒事件の発覚を受けた今月4、5両日の再検査で、ギョーザ全体から10ppm、皮部分から 110ppm、中身 部分から 0.42ppm を検出した。この製造日の商品に関する健康被害は寄せられていないが、今回検出された濃度は2個で体重50キロの人の1日の許容摂取量を超えるレベルという。

 問題の商品は、同店従業員が「オイルのようなにおいがきつくて食べられない」と言って、購入日のうちに返品。近くの店の同一製造日の商品からも異臭がしたため、コープあいづは全店から238袋の商品を回収したという。(引用終わり)


 さて、問題の濃度ですが、「今回検出された濃度は2個で体重50キロの人の1日の許容摂取量を超えるレベル」ですから、毎日2個食べ続けるとそのうち何か変調をきたすことがあるかもというレベルです。実際にこれを食べた人がいなかったので食べていたら どのような症状が出たかは不明です。しかし、「高濃度の」メタミドホスが検出された千葉、兵庫のケースと同様で、今回もジクロルボス以外の毒物が混入していなければ、「死をも予感させる」ような急性症状が出るとは考えにくい濃度でした。

 ところで、福島県喜多方市のケースでは、なぜメタミドホスではなく、ジクロルボスだったのでしょうか? ヒントは記事の最後の部分です。

 問題の商品は、同店従業員が「オイルのようなにおいがきつくて食べられない」と言って、購入日のうちに返品。近くの店の同一製造日の商品からも異臭がしたため、コープあいづは全店から 238 袋の商品を回収したという。

 このように、ジクロルボス入りの餃子は「においがきつくて食べられない」代物でした。一方、メタミドホス入りの餃子は一様に「苦いと感じ」ています。千葉市の主婦は吐き出しました。高砂市の家族は「ハーブ入りだからこんなものかな」と食べてしまっています。こちらは口にしているのです。

 つまり、メタミドホスとジクロルボスの違いは臭いです。ジクロルボスはきつい臭いに気付いて口にする可能性はほとんどないと考えられますが、メタミドホスでは無臭に近く、口にするまで気付かないのです。

 しかし、2種類の毒入り餃子には共通する点もあります。どちらも「食べたとしても死ぬことはない」という絶妙な量が混入されていたという点です。これらのことは一体何を意味しているのでしょうか?

 喜多方市の毒入り餃子は、食べてしまう可能性がとても低い上に、購入日がメタミドホス入りの餃子よりも1ヶ月以上早いことから、ジクロルボス混入の目的は、食品に毒物が仕込まれていることがアナウンスできればよかったのではないかと推定されます。つまり、食品テロの予告です。グリコ森永事件の最初もそうでした。コンビニのグリコ製品に青酸化合物を仕込んで「毒入り危険。食べたら死ぬで。」と警告文が貼付されていたように。

 グリコ森永事件を思い返すと、犯行の手口も意外と簡単なものかもしれません。千葉市の餃子は「CO・OP手作り餃子40個」(製造日2007.10.20)で、兵庫県高砂市の餃子は「ひとくち餃子(20個入)」(製造日2007.10.1)と別物ですから、それぞれに購入しても問題ありません。そして、針で毒物を注入した後、再び購入した店に戻り、スキを見て店頭に戻すという手口です。千葉県市川市の餃子は千葉市の餃子と同じですから、最初に同一製造日の商品を複数個購入しておけば、後は同じ手口でよいのです。このとき毒入りの商品を一番上に戻せば、ほぼ望み通りのタイミングで事件を起こすことができます。

 計画としては、最初に、においがきつくて誰でも気付く毒物を仕込む。念のために予定外に食べてしまうことがあっても死ぬことはない程度に混入量は調整しておく。そして、その次に無臭で「食べてしまうかもしれない」毒物を「食べても死ぬことはない」程度に抑えられた量だけ仕込んだ。さらに東日本(千葉市)と西日本(高砂市)で同時に発生させることで、次第にエスカレートしていることが標的である人物あるいは部門に伝わるという仕組みです。「次には無味無臭の毒物が全国でばらまかれるかもしれない。」との恐怖心を与えることができるでしょう。

 ところが、その後の意外な展開で、犯人の目論見は外れてしまいました。喜多方市の生協は製品を回収しただけで、化学分析をしなかったため、毒物ジクロルボスは発見されなかったのです。そして第二の事件が起きた千葉市では、年末年始ということもあったかもしれませんが、千葉市保健所のサボタージュによって、これまた毒物は検出されませんでした。以下、2月2日毎日新聞から引用。

 (被害にあった)女性は4日午前10時半ごろ、昨年12月28日に食べて中毒症状が出たギョーザの食べ残しと口から吐き出した数個を持ち込み、「薬品のにおいがするので調べてほしい」と検査を依頼した。食べた後に下痢や嘔吐(おうと)の症状が出て入院し、購入先のコープに同じ袋に入っていた冷凍ギョーザなどを渡したことも伝えた。

 保健所食品衛生課職員は、コープに連絡し、冷凍ギョーザを鑑定に出しているとの回答を得たため、「国内で何万個も流通している。食中毒なら他の患者が出てから検査しても遅くない」と持ち帰りを指示した。

 この後、保健所は調査を行わず、1月7日になってコープから「食中毒の原因となる菌は発見されなかった」との報告を受けたため、結果を22、23日ごろ女性に連絡し、処理済みとした。30日に厚生労働省から「有機リン系中毒が発生している」と連絡があり、初めて女性が中毒症状だったことが分かった。

 三井良雄食品衛生課長は「職員は薬品臭くないと判断した。においと殺虫剤を結びつける発想がなかったのは反省するが、初めての経験なので仕方ない」と釈明した。女性の父親は「1月4日の段階で、保健所がしかるべき措置を取っていれば、被害が広がらずに済んだ」と話した。(引用終わり)


 メタミドホスは保健所の職員でも臭いに気付かれなかったのです。ところが、そのことで放置されるとまでは犯人は予想していなかったと思われます。

 一方、兵庫県 高砂市で起きた 第三の事件では、毒餃子の購入者の家族が年末に「たまたま毒物が仕込まれていない側の一列の餃子だけを食べただけだったため、無事故のまま年越しをする」という奇跡的な偶然が起こり、ここでも毒物には気付かれませんでした。こうして、年末に騒動を起こしたかったであろう犯人の目論見と違って、表面上は何事もなく2007年は暮れたのでした。

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原田さんの文章のおおくは、このようなミステリーじみた展開になる。いや、メディアが誤解やデッチあげや、悪意の有無はともかく、さまざまなニセ情報をながし、それで世論がヘンテコな方向にそれていくことを冷静にふりかえるためには、「なぞとき」が不可欠なわけで、それは、ある意味しかたがないことなのかもしれない。
■それにしても、なぞがおおいね。しかし、中国現地で混入したとか、もともと素材自体が農薬で汚染されていたという可能性は、ほぼきえたんじゃないか? ■その意味では、今回のケースにかぎっていえば、中国がわの反応の方が妥当性がたかいと。それを全否定するかのように、報道がくりかえされるのは、やはりまずかろう。
■と同時に、犯人がなにを目的にしていたかはあきらかでないが、グリコ森永事件とにた典型的な「劇場型犯罪」が、なぜおきたかをかんがえたとき、中国大陸の資本主義のはやすぎる進展があることは、うたがえない。中国がわは、北京オリンピックまえなどの時期もふくめて、ブランドにきずがつかないかと、保身にばかりはしっているが、かなりの程度自業自得の面があるだろう。
■そして、何度ものべたとおり、これらの不祥事に「過去の自分自身」を投影している日本人の防衛機制もみのがせない。■中国がわのナショナリズムが自己批判を機能停止させているのと同様、日本がわもナショナリズムがらみで、防衛機制の存在にはトコトン視線をそらすだろうから、こういった愚劣な騒動はしばらくくりかえされそうだ。■逆にいえば、こういったおろかな文脈がつづくかぎり、おなじような「愉快犯」が、ときどき騒動をくりかえすことになるだろう。このてのリスクをへらしたければ、「素地(=スキ)」自体をへらすしかない。しかし、日中双方に、そういった発想はしばらくそだちそうにない。たがいの おちどばかり さがして、自己正当化に終始するだろうから。


●「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム3
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