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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム5

前便で紹介した、「毒餃子事件報道を検証する」は、有害物質と政官財のかくれた関連性を歴史的検証してきた 原田和明さんの新シリーズ(旧ブログでは、大量に紹介した)なのだが、緊急性がたかい時事的話題をあつかっていることもあってか、異例のペースで、はやくも第5回が配信された。■ここでは、最近メディアでかわされている構図とは全然ちがった印象をあたえるだろう 原田さんの最新号をはりつけておこう(改行・リンク等は、旧ブログ等、ハラナによる編集あり)。■「メディアを まにうけるな」という、リスク対策としても、かっこうの事例研究になる。


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     世界の環境ホットニュース[GEN] 666号 08年02月29日
         ご意見・投稿 → post_ende23@upken.jp

           毒餃子事件報道を検証する【第5回】         

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 毒餃子事件報道を検証する   原田 和明

第5回 第二成分はあったか?

 さて、いよいよ本題です。千葉市と高砂市の2家族はメタミドホスを食べた量が少ないと推定されるのに、なぜ「死をも予感」させるような重篤な症状に陥ったのでしょうか? その答えは、「メタミドホスはダミーだったのではないか」という仮説をたててみると、見えてきます。つまり、重体に陥った主因の毒物は他にあり、メタミドホスは主因となる毒物をカムフラージュするために仕込まれていたというわけです。そして、その主因となる毒物は、通常の化学分析では検出が難しいもの、あるいは通常の分析では気付かない程度の微量で劇的な効果を表すものであったなら、メタミドホスの陰に隠れて見落とすこともあろうと推測されます。

 主因となる毒物を仮にAとします。もし、餃子にAだけが仕込まれていたとしたら、重篤な症状がでたが、原因物質は見つからないという状況になり、様々な分析が試みられることでしょう。すると、そのうち、Aの痕跡か、あるいはAそのものが検出されてしまうかもしれません。

 ところが、ダミーにメタミドホスを入れておけば、こちらは容易に分析可能です。それが残留農薬とは桁違いの濃度で検出されれば、誰もメタミドホスが中毒の原因物質と信じて、それ以上の分析は行なわないでしょう。ダミーの存在によって、Aの存在を気付かれずに済むのです。

 これが、「重篤な症状でありながら、有機リン中毒に特徴的な縮瞳は起きなかった」と「メタミドホス濃度が低いのに、重篤な症状になった。」という現象を同時に説明できる数少ない可能性であると考えています。


 旧日本軍でも作っていたような毒ガスを第一次世代とすると、有機リン系農薬は第二世代の毒ガスとして開発されたという経緯があります。1925年に毒ガス兵器の使用を禁じたジュネーブ議定書がとりかわされた結果、先進国は毒ガス兵器の使用を止めたのではなく、使用しても後に証拠が残らない毒ガスの開発を進めたのです。その結果登場したのがオウム真理教事件で登場したサリンVXなどの有機リン化合物でした。そして、有機リン系農薬とは毒ガス兵器の平和時の利用形態にすぎません。

 通常の分析方法では 検出できない化合物の 創出と、その分析技術の開発といういたちごっこは、オリンピックなどでのドーピング検査で繰り返されてきました。興奮剤、筋肉増強剤の類です。それとは限りませんが、分析が難しい興奮剤のような薬剤が通常より高濃度に、メタミドホスとともに餃子に仕込まれていたら、今回のようなことが起きることもありうるのではないかと思われます。

 もし、この仮説が 真実に近いと したならば、犯人は、メタミドホスの致死量やADI(一日許容摂取量)を熟知しており、被害者がメタミドホスで死ぬことはないが、何らかの症状がでてもおかしくはないという絶妙な量のメタミドホスを配合していたことになります。致死量に近ければ、メタミドホスで死ぬ可能性があり、ダミーの 意味が ありません。また、少なすぎると、これくらいで症状が出るはずがない となり、第二成分の存在が 疑われます。つまり、犯人は毒物の知識が極めて豊富な者である可能性が高いということになり、巷間言われているような中国の工場労働者の経営者への不満が動機とする「製造段階混入説」とはまったく異なるということになります。

 メタミドホス以外の薬剤が問題の餃子に含まれていた可能性を示す証拠も出てきました。

 千葉、兵庫両県で被害の出たギョーザから検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」について警察庁科学警察研究所が詳しい成分分析を行ったところ、不純物や副生成物が混じっていることがわかりました。(2.16毎日新聞他)しかし、このことは問題の餃子にメタミドホス以外の第二成分が入っていたという解釈ではなく、メタミドホス中の不純物と解釈されています。そして、不純物の存在は、日本で流通している高純度の分析用試薬メタミドホスではなく、不純物が含まれていても特に支障がない農薬として使用されるメタミドホスと断定されたようです。その結果、「中国の工場内で密封された包装の内側から検出されていることなどと合わせ、メタミドホスは中国国内で混入した疑いが一段と強まったと警察当局はみている。」(2.16朝日新聞)という状況になっています。

 「中国の工場内で密封された包装の内側から検出されている」ことについても疑義がありますので、これについては別途述べることにしますが、ここで検出されたという「不純物や副生成物」というのが、メタミドホスに「特有の」不純物や副生成物なのかが問題です。

 「通常、薬物は 原材料などの違いで 不純物や副生成物の 種類や割合が異なる」(2.16朝日新聞)からです。中国で流通していたメタミドホスの不純物の種類と割合が、毒餃子や包装袋から検出されたという不純物の種類と割合に一致して初めて「中国で流通していたメタミドホス」だと特定できるのです。

 ところが、その重要なポイントは曖昧なようです。「科警研は、両県で検出されたメタミドホスが同一かどうかについても分析を続けている。しかし成分の劣化が激しいことなどから、同一かどうかの鑑定は難航している。」(2.16毎日新聞)とのことですから、メタミドホス以外の成分が検出されたというだけで、中国で使用されている農薬メタミドホスの不純物と、問題の餃子に含まれていた不純物とみなされるものが同じであるかどうかについては特定できていないと考えられます。

 つまり、不純物の検出は、第二成分の混入という新たな仮説を考慮にいれたならば、その仮説を 補強する証拠には なりえても、「中国国内で混入された疑いがさらに強まった。」とはいえないということになります。

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■要するに、日中双方、政府・メディア・国民各層が、責任転合戦をくりかえすという、なんとも はや、みぐるしい ドロ仕合をやらかしていることがわかる。■後世、みんな あざわらわれるにちがいない(笑)。


●2008/02/22 [GEN 662] 毒餃子事件報道を検証する《第1回》
●2008/02/26 [GEN 663] 毒餃子事件報道を検証する【第2回】
●2008/02/27 [GEN 664] 毒餃子事件報道を検証する【第3回】
●2008/02/28 [GEN 665] 毒餃子事件報道を検証する【第4回】


■関連記事も、データとしてはりつけておく【リンクは、ハラナがウィキペディアで】。

2008/02/20-21:50 袋から高濃度ジクロルボス=中国ギョーザ別の農薬成分も-日本で入手困難・生協連
 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、販売していた日本生活協同組合連合会(日本生協連)は20日、宮城県内で回収された天洋食品(中国河北省)製の「手作り餃子」の袋から、180ppmという高濃度の有機リン系殺虫剤ジクロルボスを検出したと発表した。新たに有機リン系農薬成分のパラチオンパラチオンメチルもそれぞれ、微量ながら見つかった。
 パラチオンとパラチオンメチルは日本国内で30年以上前から農薬や殺虫剤に使われておらず、研究目的以外での入手が難しいとされる。一方、中国での使用禁止は昨年1月になってからだった。
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