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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム4

■シリーズものだが、前回とは ちょっとちがった きりくちで。

■『憂国広場Ace』の先日の記事「北京市 オリンピック食料持参を禁止 選手の健康維持絶望」(2008-02-23)

日本では中国産冷凍食品が農薬まみれであることが発覚し、国中がパニック状態になっているが、外国でも中国食品に対する不信感は根強い。
アメリカなどは代表チーム用の全ての食材・飲料水を中国の外から持ち込む予定だった。
ところが、それを国辱と感じた中国政府は強硬措置に出た。

北京市食品安全弁公室の唐雲華氏は21日の記者会見で、「北京五輪大会用の食材の安全基準は国際基準より厳しいものとなっているばかりでなく、食材の種類では各国選手の食習慣の違いを配慮している。選手らの食安全需要に対し完全に満足でき、海外から食材の持参は認めない」と述べ、アメリカの計画を禁止する見解を示した。

アメリカ五輪委員会(USOC)は、大手食品企業のケロッグやタイソンなどの支援を受けて、同国の代表チームに牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類11トン3000キロを北京に空輸する計画だった。

記者会見に同席した北京五輪組織委員会競技サービス部の向兵萍副部長は、「国際五輪委員会の規則に基づいて、大会期間中、選手村に食材や薬の持ち込みは禁止となっている」と主張した。

一方、ウィーンに本部を置く国連工業開発機関(UNIDO)の残留性有機汚染物質問題の専門家は「中国は生産禁止された化学物質を依然、完全には生産・使用をストップしていない。なぜなら中国政府は経済成長を食の安全問題より優先しているからだ」と指摘した。

また、UNIDOの専門家は「中国製は食品だけではなく、衣服、おもちゃ、器具などに、禁止された化学物質が使用される一方、安価な代用物質が利用されているケースが少なくない」と述べた。

毒性が強く、分解が困難で長期間、人体や環境に悪影響を与える残留性有機汚染物質は数年後、十年後にその影響が現れる。汚染された土壌から生育する食物の安全問題は深刻である。
中国政府は先日、国連機関に中国国内の汚染土壌図の作成支援を要請してきた。「中国当局は自国の汚染地域を把握していない」とこの専門家は呆れ気味だった。

北京オリンピックに関しては、「北京市の大気汚染はひどい。五輪競技の中でも陸上競技が最も被害を被るだろう。北京大会では、百メートル競走を含め、世界記録は期待できない。選手も呼吸系の後遺症を懸念せざるを得ない」と説明し、「陸上競技は北京市以外の空気のいい都市で実施すべきだ」と提言もあった。
しかし、残念ながら中国には大気汚染がひどくない大都市はない。辺境地区の小都市なら該当するところがあるかも知れないが…。

食料持参が禁じられた以上、今回のオリンピックでは絶食して競技に臨んだ方がいいかもしれない。


(記事)

北京市、五輪食品安全を保障できる 食材・薬持参禁止

期待できない陸上新記録 オーストリアから

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中国大陸の大気汚染等については、作家の井沢元彦氏が、北京オリンピックでのマラソン競技を開催させるべきでないといった主張を展開していた(「北京五輪マラソンは東京で開催せよ」)。■数週間、東京都心部を「歩行者天国」にするならともかく、東京マラソン等が健康によさそうでないことは、あきらかなので、井沢氏の提言には同意しかねるが、北京と東京の大気汚染リスクの水準が相当ちがうことは、たしかだろう。
■そして、ことは、北京で滞在中呼吸しつづける選手・関係者・観客の健康リスクにとどまらず、滞在期間中、なにをくうかという食品リスク問題にも関係するのは当然だ。


■前回、神里達博氏の、先日の『朝日新聞』の「文化」欄(2008/02/05,首都圏版23面)で、つぎのような指摘をしていることを紹介しておいた。

 …昨年様々な老舗の食品偽装を我々の社会が強く非難した理由には、そのような近未来の「中核産業」(世界的な健康ブームのなかでの日本食ブランドという意味:ハラナ注)において不始末を見せつけられたことへの、無意識の苛立ちも含まれていたのではないだろうか。そしてきっと我々は、中国の食の現状にも、多くの犠牲者を伴う食品公害が頻発した「昭和の日本」の幻を見ているのだ。忘れかけていた過去の自分に似た「他者」に遭遇し、社会の底に沈殿していた不快な記憶が呼び覚まされたとしても、不思議はないだろう。
……


■だから、井沢氏やwarabidani氏らの反応に、過去の 「はずかしい自分」の投影意識があると、ハラナはうたがっている。■とはいえ、こういった周囲の反応を「国辱」と感じて「強硬措置」をとるという、北京政府もオトナげない。いや、そりゃ、政府高官も基本的に中国大陸に常住して、大気・飲料・食糧を吸収しているわけで、「こうやって、ピンピンしている。だから安全な環境だ。ちがうというなら偏見だ」というのは、タテマエ・メンツとしては、なりたつ。■しかし、「成田や羽田についた中国の政府要人たちは、おいしそうに空気をすいこむ」といった、いじわるなツッコミをうけるような現状があることは、否定できまい。
■今回の「農薬いりギョーザ」騒動だって、ミートホープの「牛肉ミンチの品質表示偽装事件」とか、赤福の偽装騒動といった次元にない汚染・毒物リスクが頻発しているから、躍起になって否定しようとしているはずだ。■「やすく安全なものを」という、先進地域の都市住民のみがってな要求はあるにせよ、安全な食糧を提供できているとはいいかねる現状が、残念ながらある。■第一、「輸出むけには最大細心の配慮・管理をしている」といった論理がもちだされること自体、輸出むけや要人・富裕層むけに用意されている食品全体がハイリスク要因だということは、否定できないだろう。「巨視的な高度経済成長第一で、貧困層を中心にした国民の安全など二の次三の次……」という体質が露呈してきたわけだ。■これらのリスク問題は、日本国民の心理的投影の次元とは別に成立する。

■ただしだ。アメリカや日本などの政府の反応も、実に不可解なことも事実だ。■こういった北京政府の強硬措置に方針を転換するとしたら、あるいはそれを傍観するとしたら、選手団の健康について責任放棄するということになるからだ。■オリンピックという巨大イベントが、軍事という物理的暴力をつかわないかたちでの国威発揚ゲームであることは、いうまでもなかろう。つまりは、オリンピック会場は「戦場(アリーナ)」なわけだ。だったら、そこに将兵たちの食糧をもちこむのは当然だ。「戦場(アリーナ)」を提供するといったホスト国政府が、「食糧はこちらが用意する」というのはいいとしても、「食糧をかってにもちこむな」といった、某巨大テーマパークのような横暴がゆるされるはずがない。
■結局、日米政府をはじめとして、各国政府は、中国大陸という巨大な市場がおしいばかりに、北京政府のかおいろばかりうかがっているのではないか? ■あるいは、北京政府に恩をうる(東京オリンピックソウル・オリンピックのように、高度経済成長を欧米列強にほめてもらうイベントのコピー)ことで、あとあと「友好関係」の担保にしておこういった魂胆もすけてみえる。
■ハラナは、石原慎太郎都知事のような方向でのナショナリストではないので、北京政府を政治主義的、あるいはイデオロギー的偏見から蔑視ししようとはおもわない。共産党政権がにくいから(あるいは、「そのリスクを過大評価して攻撃するとナショナリスト市場にうける」)といった魂胆から台湾チベットあたりに妙にかたいれする、といった政治主義にも反対だ。■しかし、だからといって、北京政府の姿勢や、それを基本的に容認する日米政府などの姿勢にも賛同しかねる。
■日米政府が、国益をまもる愛国者組織であると主張するなら、「選手・観客たちの健康リスクをかんがえたときに、開催には賛同しかねる」と、北京オリンピック・ボイコットを敢行すべきだろう。■これは、別に奇矯な発想ではない。実に政治主義的な発想から、モスクワ・オリンピックをボイコットしたではないか?■ボイコットしないとすれば、「要するに、スポーツの祭典とかいいながら、単なる政治の道具で、恣意的に参加/不参加は政府次第なんですね? 選手団もその『部品』にすぎないと…」という批判にこたえるべきだろう。

■一方、中国政府がおこなっている政治・経済政策等をあしざまにいったり、中国産食品をあしざまにいったりする層は、まさか北京オリンピックにいったりしないよね?(笑) ■「中国政府はきらいだが、中国人はすきだ」とか、「政治経済とスポーツは別」といった、いいわけは通用しない。■もともと、中国大陸という巨大な工場・市場をあてにしている この日本列島の住民の大半は、「チャイナ・アディクション」の典型的症例というべきで、生活保守主義から 安全性問題でパニックになったり、攻撃的に責任をといつめたりできるような たちばにないって(笑)。■だから、北京オリンピックに対する、複雑な心情というのは、日本列島の「チャイナ・アディクション」の諸症状というべきだろう。そっちこっちで、矛盾をきたしていて、その一部は確実に自覚されていて、それでもなお「わかっちゃいるけど、やめられない」っていう、まさに神経症的状況だと。


●「「農薬ギョーザ事件」に見る情報媒体の現在」『NBonline』
2008/02/22 [GEN 662] 毒餃子事件報道を検証する《第1回》
2008/02/26 [GEN 663] 毒餃子事件報道を検証する【第2回】
●ウィキペディア「ネット中毒
●「Wikipedia:ウィキペディア中毒
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