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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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「ひきこもり」を推計する意義

都が初の推計 ひきこもり2万5千人

 東京都は22日、都内に在住している、ひきこもりの人は推定で約2万5000人との調査結果を発表した。

 都は昨年9月から10月に初の実態調査を実施。15歳以上、34歳以下の男女3000人のうち、1388人が回答、10人がひきこもり状態だった。対象世代約349万人に当てはめて推計、出現率は1000人当たり約7人となった。

 10人のほか、相談機関などのひきこもり状態の18人の聞き取り内容を加えて分析したところ、ひきこもりは男性が7割を占め、きっかけは「職場不適応」と「病気」が各25%で最も多かった。 厚生労働省研究班の2004年度調査では、ひきこもり状態の人がいるのは全国で推計約32万世帯。
[ 2008年02月22日 18:36 速報記事 ]

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■いわゆる『スポニチ』の記事。■いや、スポーツ新聞だから、スポーツ以外のネタは水準がひくい、なんていいたいからではない。そうではなくて、「ひきこもり」の実態を地方自治体など行政組織が「推計」することの意義を、かんがえてみようということ。 ■いつもいっているとおり、母集団(推計したい対象集団全体)をきちんと推計するためには、ぬきとられた標本(サンプル)が 全体を代表していなければならない。■まさか、「男女3000人」ってのが、デタラメに コネとか、応募とかでえらばれたわけではなく、RDD(Random Digit Dialing)とか、住民基本台帳あたりをつかった、無作為抽出を実践したのだろうと、好意的に解釈する。
■だとしても、この記事は、そのまま信じていいのか、微妙な気分にさせられる。なぜか?

■①サンプル数の回答者1388人というのは、3000人の44.6%で、普通代表性を確保するために必要だとされる経験値である60%をおおきくしたまわっている。■いつもいっているとおり、この60%超という基準だって、回答拒否層というべき4わり弱のひとびとの実態がどうでるかわからん以上、かなりリスキーな推計なのに、この調査は半数以上の拒否されている。つまり、ハナから信頼できそうにない調査というほかない。■はっきりいって、「自分、ひきこもってます」って正直に告白するっていうのは、勇気がいりそうなご時勢のなか、10名ってのは、例外的な層だとおもう。「ホントは、ひきこもってます」層が、「水面下」に、膨大な暗数として潜在していそうな気がする。■だとすれば、巨視的な推計は「えにかいたモチ」どころか、「過小に推計された、あやまった数字」の可能性がたかい。

■②「15歳以上、34歳以下の男女」っていう、属性のくぎりは、どうよ?(笑) ■これって、「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」とかいう、厚生労働省あたりの定義とかと全然関係ないよね。■ これって、行政のニートの定義行政のフリーターの定義に共通している、わかもの・青年層っていう、つぎりの踏襲でしょ?■だけど、30代後半以降は、「ひきこもり」からはずしていいの? そんなはずないでしょ?

■③推計がかりにただしいとしてだよ。4分の1をしめるらしい「病気」って、「ひきこもり」なの? いや、いわゆる「メンヘル」系でくるしんでいる層は、これにいれることが、そんなに問題ないとはおもうけど、心理的な要因がからまない病気療養でも、「ひきこもり」に分類してしまうのか?■あるいは、重度の身体障碍や内臓障碍をおったひとびと(通常、障害者手帳と福祉年金を支給されている層=慢性疾患の療養生活ではなく、障碍がご本人の身体性=「日常」である点に留意)が、自宅や施設から当然のように外出しているとはおもえないし、その相当数は職業生活ほか社会生活への参加がままならないだろう。■15~34歳という年齢層の限定と「就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」といった官庁統計的な分類わくぐみをかぶせると、そこには、過去の「徴兵検査」などの発想を極度に洗練化した現代社会版って、気がしてくる。「社会貢献ができていない、ごくつぶし層」みたいな、「やっかみ」まじりの蔑視が ただよってくるんだ。

■④「厚生労働省研究班の2004年度調査では、ひきこもり状態の人がいるのは全国で推計約32万世帯」という部分は、もとネタにあたっていないので、不用意なことはいえないが、親きょうだいや、パートナーと一緒のばあいと、ひとりぐらしのばあいは、当然実態がちがうよね。資産とか収入とか、はたらかないですんでいる経済的基盤は、世帯ごとに条件・状況がちがうはず。そのヘン、ホントに推計できているの?■たとえば、派遣社員としてはたらいていた女性が、心身をこわして、しごとがつづけられなくなったとき、求職活動をしなければ「失業者」として計算されないように、ある期間以上、自宅にこもっている層全部が「ひきこもり」って、認識・分類されるのか?

■⑤うえで年齢層の問題をとりあげたが、70代の高齢者世帯のばあい、最低でもひとりが自宅からほとんどでない、なんてのは、ごく普通なんじゃないか? ■もちろん、だから「15~34歳って、くぎったんです」と、お役人は主張するだろうが、30代後半以降、ながいながい後半生だって、当然のように自宅外にでていくことを自明視するのはまずいし、そういった せまい人間観から、推計にもとづく施策をうつとかいうのは、危険きわまりないような気がする。

■⑥これらの諸問題は、皮肉ないいかたをすれば、「ホームレスは屋外にダンボール・ハウス等を設営しているし、わずかではあれ現金収入が必要なことから、廃棄物の収集分別などで活動しているので、ひきこもりではない」といった、お役人的な定義・認識をパロディ化した分類と、せなかあわせだ。■ホームレスは、自宅に「ひきこもり」することさえ困難になったために、やむをえず、社会から「ひきこもり」を敢行した層のはずだが、そういった観点から統計作成にあたったお役人は、どのぐらいいるのか?(笑)
■あるいは、資産生活者のことを うえでとりあげたが、自己資産で充分ゆたかなくらしが成立するので、外出するのが難儀な事情で、全部自宅ですます障碍者などは、どうとらえるのか? ウェブ上の資産運用で資金調達は可能、必要とあらば、宅配や百貨店などの外商部のスタッフに自宅に商品をはこんでもらう…。■かれら/かのじょらは、「就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」といった分類になじむのか? 比率として少数だから、無視してよいのか?



■「ひきこもり」の原因が、ひとえに心理的な消耗・破綻のばあいは、「微視的にどう対応するか、巨視的データをとりあえずあつめる」という方針は、まちがっていないとおもう。■しかし、ひとえに身体的条件によって就職ができないばあい(資産活用によって、投資や事業をおこすこともままならず)とか、さまざまな具体的事例にあたったばあい、「微視的にどう対応するか、巨視的データをとりあえずあつめ推計する」という方針自体が偽善的だった可能性がある。


■どうも このてのはなしは、いわゆる「失業産業」の 体のいい予算獲得のダシではないかとね。■だとしたら、「一定のわりあいで発生する病気・ケガへの対策として、あらかじめ対応するスタッフ・手順を整備します」といった業界の合理化とは別個の論理がふきだすらしい。


●「むしろ矛盾しろ」『hituziのブログ
●「優先順位/存在証明/自己実現/自己満足6
●旧ブログ「ひきこもり」関連記事
●旧ブログ「失業産業」関連記事
●旧ブログ「ニートがひらきなおったら」「『「ニート」って言うな!』12
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思わず足跡がてらにコメントのこしときます。ブログの更新楽しみにしてますね!またカキコさせてもらいます( ̄m ̄〃)

「足跡」は基本的に自由ですが…

■こちらの日記は、ダイエット系の話題とは対極にあります。■かろうじて関係している記事(http://harana.blog21.fc2.com/?q=%A5%C0%A5%A4%A5%A8%A5%C3%A5%C8)でも、えびちゃん/もえちゃん系の文化とは異質です(笑)。■いえ、「肥満のどこがわるい」派ではありませんし、異性愛・美形の男女に無関心な修行僧のような禁欲的日々の実践者ではありませんし、日記全体はごくごく雑多な話題であふれているんですけど(笑)。この記事のコメント欄と、そちらのブログが、相性上、あいそうにないことだけは確実です。■最低でも「ブログ内検索」を、おつかいくださいね。

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