全身マヒの憲法学者に博士号 立命館大、要望受け授与『朝日』2010年7月25日10時11分
ドイツ・ワイマール憲法や生存権の研究で知られ、今は脳障害で寝たきりの状態が続いている憲法学者の鳥居喜代和(きよかず)・札幌学院大元教授(58)に24日、母校の立命館大学から特別博士号が授与された。
入院先で車いすに横たわったまま博士号を授与される
鳥居喜代和さん。妻の美門さん(左)、水島朝穂・早大教授
(左から2人目)らが見守った=24日、札幌市清田区
鳥居さんは12年前、過労による脳出血から倒れ、一時回復したが3年前に再度発症して寝たきりに。倒れる前に自分の論文をファイルにまとめており、かつて札幌学院大で研究生活をともにした水島朝穂・早稲田大教授(57)らが「憲法的価値の創造 生存権を中心として」の題で本にまとめ、日本評論社から出版した。立命館大は、本人が病気などで明確な意思を示せなくても、関係者の要望で業績を評価できるよう規定を整備し、「大学をあげて思いに応えた」という。
この日は、立命館大の倉田玲(あきら)・前副法学部長が札幌市内の入院先を訪ね、鳥居さんに博士称号記を手渡した。「よかったわね」と妻の美門(みかど)さん(59)が耳元で語りかけると、鳥居さんは目を見開いた。水島教授も同席し「今こそ生存権の理論が求められているんだ」と声をかけた。
26年前、「地域に根ざした法学部を創(つく)る」との理念のもとに全国各地から札幌学院大に研究者が集まり、その中に鳥居さんと水島教授もいた。水島教授は、ワイマール憲法で普及した社会権・生存権を深く分析した鳥居さんを高く評価。入院後も鳥居さんを何度も見舞った。鳥居さんは全身マヒと意識障害に苦しみながらも、語りかけると顔を紅潮させたり、目を見開いたりする。水島教授は、鳥居さんに何度も語りかけながら論文集の編集を進め、学位申請を立命館大とかけあった。(本田雅和)----------------------------------------------------
■この記事で報じられた事実自体は、めでたいことなので、まったくケチをつける気などないが、記事を報じた記者たちの姿勢は、よくわからない。
■現行の学位授与制度には うといので、たしかめるべきなんだろうが、いわゆる「課程博士」というものには、最終審査における口頭試問が絶対といっていいほどくみこまれいるだろうが、いわゆる「論文博士」(非「課程博士」)には不要じゃないのか?■不要だとすれば、要するに提出された論文単体の学術的価値に対して授与されるものであって、ご本人を口頭試問等で、学識をたしかめるだの、疑問点を確認するといったプロセスは、意味をなさないと。
■もし、ファイルを、かみに印刷した形式での提出が必要で、そういった物理的カタチにするまでの過程で、校正・校訂・確認作業が必要で、それがご本人との意思疎通がかかせないというなら、それはそれで、
障害学的に重要な意義がありそうだけど、大体「
特別博士号」って制度自体が、ちょっと あやしげな印象はぬぐえない。
■「
博士号」という学術的な制度の本旨はなんなのか、この際、ちゃんと確認しておく必要があるんじゃないか? ■世間には、あやしげな
学位商法(
ディプローマ・ミル)がはびこり、著名人等が うれしそうに「
名誉博士」をたくさんもらっている。■それらの実態をしらないひとがたくさんいて、権威主義的に ありがたがったりする。だから、それをハクつけのために、政治利用・商業利用する連中もいると。
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