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Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム60=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第7回 ワクチンで感染拡大?

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム54=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第1回 宮崎の家畜はなぜ殺される」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム55=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第2回 10年前の口蹄疫騒動」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム56=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第3回 偽装工作のルーツ」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム57=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第4回 口蹄疫診断の国際標準」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム58=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第5回 わずか3日でシナリオ崩壊?」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム59=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第6回 狙い撃ちされた?スーパー種牛「忠富士」」の続報。


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世界の環境ホットニュース[GEN] 760号 10年6月29日
・・・…

宮崎口蹄疫騒動を検証する(第7回)

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 宮崎口蹄疫騒動を検証する          原田 和明

第7回 ワクチンで感染拡大?

 農水省は、牛豚等疾病 小委員会の提言(5月18日)を受け、「口蹄疫発生農場から10km以内の牛と豚すべてをワクチン接種後に殺処分」との方針を打ち出しました。ところが、この方針はもともと農水省の意向だったと考えられるにも関わらず、補償問題が未解決というお粗末さを露呈していました。さらに、ワクチン接種を受けた家畜がその後次々と発症。新たな騒動の発火点になった模様です。

 「政府は、宮崎県内で感染が続く家畜伝染病の口蹄疫対策で、発生が確認されている農場から半径10キロ以内のすべての牛や豚にワクチンを接種し感染拡大を抑制後、全頭を殺処分する方針を決めた」(5月20日西日本新聞)とのことですが、牛豚等疾病小委員会で提言に至った議論の内容は、次のように報じられています。(毎日新聞 2010-05-18 22:02:38 より以下引用)


 委員会は非公開で開催され、終了後に寺門誠致(のぶゆき)委員長代理らが記者会見した。

 会見によると、ワクチン使用によって、感染しても家畜からのウイルス排出量を減らすことができ、殺処分の時間を稼ぐことができる。今回流行しているO型ウイルスのワクチンは現在、70万頭分の備蓄があるという。

 一方、殺処分より制圧まで時間がかかるうえ、抗体を持った家畜が感染したものかワクチン由来なのかの識別が困難となり、感染の広がりが分かりにくくなるというデメリットもある。使用に否定的な意見を述べた委員もおり、過去に外国でワクチンを使用したケースでも、成功例だけではないという。

 委員会はさらに、接種した家畜は計画的にすべて処分し、すべての家畜にウイルス抗体のない状態をつくるべきだとした。寺門氏は「そうでないと、いつまでたっても(口蹄疫)清浄国の国際的認定が得られないという意見が出た」と述べた。

 予防的見地から感染の疑いのない家畜を含めすべての家畜を殺処分にする措置については、欠席した委員から実施の検討を求める意見が寄せられた。だが、委員会では「今ですら埋却ができないのに、どんどん処分するのは大変だ」などの意見が出ただけで、議論にはならなかったという。
(引用終わり)

 まず、ひっかかるのが、ワクチン使用の是非についてです。「委員会は『ワクチンの使用を検討するべきだ』との見解でも一致した。」(朝日新聞 2010年5月18日21時11分)というのですが、「使用に否定的な意見を述べた委員」は会議の中でどのように説得されたのでしょうか? まず、備蓄ワクチンの有効性の問題からみてみます。

 「今回流行しているO型ウイルスのワクチンは現在、70万頭分の備蓄がある」というのですが、国内唯一の検査機関である動物衛生研究所は、今回流行しているウイルスがO型だという証拠を提示していません。わずかに、最初に感染が確認されたことになっている水牛を含む3例で「O/2010/JPN」が検出されたと言っているだけです。4例目以降は、動物衛生研究所が確認を怠ったままですから、その後の陽性事例がすべてO型かどうかは特定できていないのです。

 それに、最初の水牛と同じ型のウイルスがその後拡散していったと仮定しても、「O/2010/JPN」の名称から わかるように、今年、日本(宮崎)で発見された「新型」ウイルスというわけですから、備蓄していたという70万頭分のO型ワクチンが有効かどうか誰にもわからないはずです。新型インフルエンザ騒動では、季節性と同じA/H1N1型でも、「新型インフルエンザ」だと大騒ぎして、季節性ワクチンとは別に、「新型」用ワクチンを大量に購入したのは、ついこの前のことではありませんか。

 「ワクチン使用によって、感染しても家畜からのウイルス排出量を減らすことができ、殺処分の時間を稼ぐことができる」という理屈も納得できません。

 5月19日付日経新聞でも「小委の寺門誠致 委員長代理は同日の記者会見で『ウイルス濃度を下げないと、流行の拡大を抑えられない』と指摘。発生地域の牛や豚へのワクチン投与はやむを得ないとの認識を示した。ワクチンを打てばウイルスの量が減るため、感染防止に一定の効果が見込める」と報じていますので、確かに寺門氏が「ワクチンでウイルス濃度が下がる」と説明したのでしょう。

 ところが、山内一也・東京大学 名誉教授は「人獣共通感染症 第116回 口蹄疫との共生」(日本獣医学会のホームページ)の中で、口蹄疫ワクチンの問題として次の4つをあげ、まったく逆の懸念を表明しています。(以下引用)

 現在のワクチンには次のようないくつかの問題があります。
 (1)口蹄疫ウイルスには、7つの血清型があり、さらに多くのサブタイプがあるため、ワクチンは流行株に適合しなければ効果がありません。時折、これまでのワクチンが効果を示さない新しいタイプのウイルスが出現することがあります。流行株に合致しないとワクチン効果が期待できない点はインフルエンザの場合と同様です。
 (2)ワクチン接種した動物でも感染することが あります。その際には症状はほとんど出ませんが、動物はキャリアーになってウイルスを放出してほかの健康な動物に感染を広げることがあります。
 (3)不活化が不十分で ウイルスがワクチンの中に生き残ってしまうことがあります。現実に1980年代にヨーロッパでこの事態が起きて、それ以来、ヨーロッパでは口蹄疫ワクチンの使用は完全に中止されました。ただし、現在の品質管理システムでは、このような事態が起こることはないと考えられます。
 (4)自然感染とワクチン接種の区別ができないことです。
(引用終わり)

 上で述べた、備蓄ワクチンは 今回の流行に有効か? との疑問は、(1) に相当します。「感染しても家畜からのウイルス排出量を減らすことができる」という今回の接種目的に 疑問を投げかけるのが (2) の問題です。健康な家畜にワクチンを接種することで、新たな感染源を大量に作り出してしまう可能性があるというわけです。

(4) の問題は、ワクチン接種後に全頭殺処分することで区別する必要がないということなのでしょうか? 委員の中から「処分するのが大変ではないか?」との懸念が出されても、何か解決策が示されたというわけでもなく、スルーされて終わっています。委員会は提言しておきながら、どうもワクチン接種には関心が高くないような印象を受けます。

 さて、山内氏が指摘していた「ワクチン接種した動物でも感染する」という問題が現実に起きていました。5月22日に 豚で、23日には牛でもワクチン接種が始まりました(2010年5月23日21時24分 読売新聞)が、5月28日に発表された221例目から6月8日発表の279例目までの59の発症例は、農水省と宮崎県のプレスリリースによれば、すべてワクチン接種を受けた家畜ばかりです。

 横浜市衛生研究所のホームページによると、「病原体である口蹄疫ウイルスが体内に入ってから症状が出現するまでの期間(潜伏期間)は、24時間から10日ぐらいまでで、それ以上のときもあります。平均的には、3~6日です。」とのことですから、この間に発症した59例を、宮崎県のプレスリリースをもとに、ワクチン接種日から発症が確認された日までの日数別に整理してみます。

 ワクチン接種日から2日後…4件(牛3、豚1)
         同3日後…3件(牛3)
         同4日後…14件(牛12、豚2)
         同5日後…10件(牛9、豚1)
         同6日後…4件(牛4)
         同7日後…6件(牛5、豚1)
         同8日後…4件(牛3、豚1)
         同9日後…4件(牛1、豚3)
        同10日後…3件(牛1、豚2)
        同11日後…0件
        同12日後…2件(牛2)
        同13日後…2件(牛1、豚1)
        同14日後…1件(豚1)
        同15日後…2件(牛1、豚1)

 ワクチン接種日から3~6日後の発症例は半数以上の31件(53%)、24時間から10日までに範囲を広げると、51件(88%)にもなります。潜伏期間から推測すると、5月28日以降に発表された「疑似患畜」例は、ほとんどのケースで ワクチンが感染源と考えられます。さらに、発症例が多数にのぼることから、備蓄されていたワクチンについて、(3) で指摘されていた「不活化が不十分」だったという問題はないのでしょうか?

 「ワクチンが原因とは限らない。同時期に自然感染した可能性もある」という反論もあるでしょう。しかし、それこそ、「(4) 自然感染とワクチン接種の区別ができない」という指摘の通りです。潜伏期間から推定すると、自然感染した可能性がゼロとは言えませんが、高いというのは難しい
気がします。
 
 これでは、「家畜からのウイルス排出量を減らす」どころか、家畜を介してウイルスを撒き散らしているようなものです。農水省もこれほど発症例が多くなるとは予想していなかったのではないかと思われます。ワクチン接種を行なっていない家畜では、5月28日以降 6月8日までの間、発症例はありません。ところが、ワクチンが新たな感染源になっているのではないかという問題はマスコミでは報道されていません。5月末に口蹄疫対策 特別措置法が成立、6月4日施行により、ワクチン接種後の殺処分が始まったとのニュースにかき消された格好です。

 「口蹄疫問題で宮崎県は6月4日、発生地から半径10キロ圏内でワクチン接種を受けた日向市の豚約600頭の殺処分を、5日にも始める方針を明らかにした。ワクチン接種を受けた健康な家畜の処分は初めて。口蹄疫対策特別措置法で定められた予防的殺処分の初適用となる。県によると、農家は処分に同意しているという」(西日本新聞 2010年6月4日 23:15)

 新たな感染事例が報道されずに、予定通りの殺処分だけが粛々と実施されているとの報道に接すると、なんとなく政府の対策が奏功して、口蹄疫の封じ込めがうまくいっているような錯覚を覚えますが、事実はまったく逆で、ワクチン接種が本物の口蹄疫禍を作り出してしまった可能性さえあります。

 ところで、「ワクチンの使用を検討するべきだ」との提言に至る議論がいかにいい加減だったかは、提言後のドタバタ劇から明らかです。

 「委員会の提言を受け、今後、政府はワクチンを投与する時期や範囲を決定する。(中略)政府が使用を判断した場合、ワクチンは県に配布される」(日テレニュース 2010年5月19日 3:03)ということですが、「ワクチンは5月19日夜、宮崎市内に到着」(朝日新聞2010年5月21日23時7分)しています。輸送作業時間を考えると、判断のための検討時間はほとんどありません。農水省の方針の方が提言より先に決まっていたと推測されます。

 農水省の方針は、既に決定事項だったはずなのに、個別の課題はほとんど検討されていなかった模様です。赤松農相は「ワクチン接種は今日以降、ただちにする」と述べた(大分合同新聞[2010年05月19日 16:59])というのですが、農水省のその後の対応は場当たり的で、ワクチンを送る以外のことには関心がなかったかのようです。
 
 「農水省は地元の合意を得て、接種を始める予定だった。しかし、ワクチン接種した牛や豚は全頭殺処分されるため、感染していない健康な牛や豚も含まれる。このため、対象区域に入る地元の首長らが20日、『ワクチン接種に反対ではないが、十分な補償内容の提示が必要』などと反発。接種開始の見通しが立たない状態が続いていた。」その後、「農林水産省が経営再開までの生活支援など追加の補償案を示したことを受け、東国原英夫・同県知事と地元首長が21日、県庁で協議。感染拡大を抑えるため、接種を始めることで大筋でまとまった」それで、「家畜へのワクチン接種が22日にも始まる見通しになった」(朝日新聞 2010年5月21日23時7分)

 農家への補償内容も提示しないままに、提言の翌日にはワクチンが宮崎に到着しているというのですから、委員会の提言は、農水省の思惑が先にあっての、通過儀礼に過ぎなかった疑いが濃厚です。委員会の提言のうち、もうひとつの「全頭殺処分」も農水省の意向で委員会の方針を変更させていたことを隠していないのが、読売新聞です。

 「委員会ではこれまで『徹底した消毒が最善の感染防止』としてきたが、政府内では『今の方式では爆発的な拡大に追いつかない』として全頭処分すべきだとの声が強まっていた。(2010年5月19日03時14分 読売新聞)

 委員会は農水省の意向に従っただけ。だから、「委員会では『今ですら埋却ができないのに、どんどん処分するのは大変だ』などの意見が出ただけで、議論にはならなかった」(毎日新聞2010-05-18 22:02:38)のでしょう。

 農水省の幹部の誰かが「どうせ家畜はどのみち処分されるんだし、ワクチンも期限がきたら捨てなければならない。この機会にちょっとワクチンを使ってみようか?」程度の思いつきを口にしたことから、誰も詳細を詰めずに実行に移されたということではないかと思われます。症状も出ていない(読売新聞は「症状が出ていた」と報道)のに、エース級種牛「忠富士」の検体を名指しで要求されたのは 5月20日ですから、まさにこの間のことでした。(第6回 GEN758)地元の首長らの反発に対し、「お上に逆らうことは許さない」という農水省の執念を感じます。

 「忠富士」を人質?にとられた東国原知事は 5月21日夜、「我が国で初めてとなる口蹄疫対策。防疫処置のためにワクチンの接種を実施したい。日本の畜産を守るために、断腸の思いでありますが、ぜひともご理解とご協力をお願いしたいと思います」(日テレニュース24<2010年5月22日 1:48>)とワクチン接種受け入れを表明、翌22日から接種が始まりました。

 東国原知事の「断腸の思い」とは何でしょうか? ワクチン受入れを表明しなければ、残るスーパー種牛5頭も処分するぞ というような脅しにあっていたということはなかったのでしょうか? 時間的経過をみると、東国原知事のワクチン受入れ表明直後に、残りの5頭の助命嘆願が例外的に認められています。

 「家畜伝染病予防法などでは、(「忠富士」と)同じ敷地内で飼育されている5頭も通常は殺処分の対象となるが、(中略)農林水産省と協議の上、約1週間、経過観察することを決めた。」(西日本新聞2010年5月22日 13:39)

 もちろん、表向き 助命の 理由は「宮崎ブランドを 支える 種牛を守るため」、「全国の和牛産地に子牛を供給する宮崎の種牛の貴重性から、異例の措置をとった」でありますが、本当の理由でないことはその他49頭の種牛の助命についての、山田副大臣の「示しがつかない」発言が物語っています。

 山田副大臣は「(49頭の種牛が)今も生きていると聞き、驚いた。知事の思いはわかるし、何年もかけて育てたこともわかるが、県が『例外を』と言うと、民間の人も特別扱いを求め、ワクチン接種なんてできなくなる。相談する余地はない」と話した(5月24日 読売新聞)とのことですから、何よりもワクチンの強要が優先課題で、スーパー種牛 5頭の助命はワクチン受入れの代償だったことを暗に認めているようでもあります。

 この5頭は 6月6日に 感染の疑いがない ことが判明、殺処分を免れています。(朝日新聞 2010年6月7日 13時45分)この頃、農水省は、ワクチン接種した家畜で次々と発症例が報告されていたわけですが、ワクチン接種が失敗だったと認識していたかどうかは不明です。

 自然感染との区別は困難だから、この問題を追及される心配はないし、全頭処分が滞りなく進捗すれば本物の流行に発展することはないと高をくくっていたかもしれません。ところが、6月9日にまたしても「想定外」と思われる事態が起こりました。

 ワクチン接種が行なわれていた川南町から50kmも離れた宮崎県都城(みやこのじょう)市の畜産農家で、口蹄疫の疑いのある牛3頭が見つかったのです。これが280例目で、5月27日以来久々の、ワクチン接種を受けていない家畜の発症例です。

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■おもったとおり、殺処分も、ワクチンも、あやしかった。
■「新型」インフルエンザ同様、なにもなかったところに、混乱と騒動だけをおこし、カネもうけと おかみ依存意識の徹底だけ、追求するつもりだろうか?
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タグ : ハイパー独裁 1984年 真理省 安全 食品

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