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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム58=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第5回 わずか3日でシナリオ崩壊?

■「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム54=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第1回 宮崎の家畜はなぜ殺される」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム55=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第2回 10年前の口蹄疫騒動」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム56=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第3回 偽装工作のルーツ」「生活保守主義としての「食の安全」意識とナショナリズム57=原田和明「宮崎口蹄疫騒動を検証する」第4回 口蹄疫診断の国際標準」の続報。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
世界の環境ホットニュース[GEN] 757号 10年6月18日
……

宮崎口蹄疫騒動を検証する(第5回)

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 宮崎口蹄疫騒動を検証する                原田 和明

第5回 わずか3日でシナリオ崩壊?

 「口蹄疫発生」発表からわずか3日、予想外に次々と舞い込む検査依頼で早くも動物衛生研究所は自ら仕掛けた口蹄疫騒動をコントロールできなくなっていたと思われます。さらに追い討ちをかけたのが、パニックに陥った現場の暴走です。前回、この騒動は「農水省と専門家委員会が画策」と書きましたが、今回の検証で、PCR検査を行なっている「動物衛生研究所と専門家委員会が主導」に変更したいと思います。

 最初に「口蹄疫」の疑いをかけられた水牛が「患畜」と判定された経緯は次の通りです。

 4月20日早朝に動物衛生研究所のPCR検査で「陽性」→「疑似患畜」と診断
 4月23日に同所のエライザ検査でO型と判定→「患畜」と確定
 5月2日にO/JPN/2010と確定(※)

※「動物衛生研究所が実施したウイルス遺伝子の解析データを同研究所及び英国家畜衛生研究所(英国、パーブライト)が分析しました。この結果、当該ウイルスが アジア地域で確認されている 口蹄疫ウイルスと近縁のウイルス(O/JPN/2010)であることが確認されました」(2010年5月2日 農水省プレスリリース)



 この例から、農水省は当初、ウイルスの型が特定できるかどうかで「疑似患畜」と「患畜」を区別するという考え方だったようです。しかし、そんな区別は国際標準や2000年の宮崎口蹄疫騒動をもちだすまでもなく、言葉の意味からしてもおかしいと言わざるをえません。「疑似」とは、「本物によく似ていてまぎらわしいこと」(大辞泉)ですから、「疑似患畜」とは、

(1)症状が口蹄疫によく似ているが、感染が確認できない。
(2)口蹄疫ウイルスが検出されたが、症状がみられない。
(3)過去に感染した形跡があるが、ウイルスが検出されず症状もみられない。

のいずれかであるはずです。ウイルスの型が特定できるかどうかは関係ありません。
国際標準の判定方法では、言葉の意味通りの区分になります。口蹄疫の症状が見られることが前提ですが、PCR 検査ならびにエライザ検査、抗体検査で「陽性」ならば、口蹄疫ウイルスに現在感染していることになるので「患畜」。一方、症状がなく、抗体検査だけが陽性ならば、過去に感染したことがあるものの、検査時にはウイルスは検出されなかったということになりますが、ウイルスを放出する可能性があるということで、「疑似患畜」とするという考え方です。(第2回第4回

 農水省の判定基準が このように国際標準から 外れたのは、捏造の疑いがある2000年の北海道口蹄疫騒動がきっかけでした。ところで、今年、宮崎県川南町で見つかったとされる2例目、3例目(ともに 4月21日)、4例目(4月22日)の「疑似患畜」に関する農水省のプレスリリースでは、「現在、ウイルス分離による確定診断を実施しており、ウイルスが分離されれば、家畜伝染病予防法に基づく患畜となります。」と説明されています。従って、ウイルスが分離されて、その型が特定されれば「患畜」、分離できなければ「疑似患畜」という北海道での騒動時に突然持ち出された区別が、今回は最初から 4例目まで踏襲されていることになります。

 ところが、この農水省方針は、早くも4月23日には消滅しています。4例目を最後に、5例目、6例目の「陽性」確認を伝えるプレスリリース以降、「ウイルス分離による確定診断」に関する説明が一切なくなりました。「確定診断」は、農水省の判定基準からいえば「患畜」と「疑似患畜」を分ける重要な作業のはずです。

 農水省が最初から、「確定診断」は途中で放棄する予定だったのか、あるいは想定外の検査依頼の多さに対応が追いつかず、「確定診断」まで手がまわらなくなったのでしょうか?

「確定診断」を途中で放棄した理由を農水省と宮崎県の発表から探ってみます。すると、農水省の発表は、「?」だらけであることがわかりました。まず、15例目までの発症家畜数と PCR 検査での「陽性」数を列挙します。

1~15例目(※PCR「陽性」頭数/発症頭数)

      農水省発表  宮崎県発表    備考(発表日、農場所在地)

 1例目  ?/?     ?/?     (4/20 都農町)異常は3頭
 2例目  ?/?     ?/6     (4/20 都農町)
 3例目  3/3(検体) ?/4(検体=頭)(4/21 川南町)
 4例目  2/3(検体) 2/3(検体=頭)(4/22 川南町)
 5例目  1/?     1/3     (4/23 川南町)
 6例目  1/?     1/8(検体) (4/23 都農町)
 ※疫学調査のため、発症家畜はナシ。4/22に任意の血液採取5体、3/31 にスワブ(のどの粘膜)採取3体。陽性は3/31採取のスワブ1体より。
 7例目  4/?     4/5     (4/25 川南町)
 8例目  5/?     5/5     (4/28 川南町)
 9例目  4/?     複数/9    (4/28 えびの市)
●10例目  5/?     5/5     (4/28 川南町)
 11例目  2/?     2/4     (4/29 川南町)
 (※3検体/5検体)
●12例目  4/?     4/4     (4/30 川南町)
 13例目  1/?     1/2     (5/1 川南町)


 一見して、農水省発表資料の「?」の多さにビックリです。3, 4例目を除いて、検査数が不明なのです。そして、宮崎県発表でも、3 例目までいくつの検体がPCR検査で陽性だったのかが明記されていないのもヘンです。これは、2例目まで動物衛生研究所が農水省に対しても、宮崎県に対しても、検査数、陽性数の両方を報告していない(つまり、検査の内容を明らかにしていない)ことを意味し、3例目からはやっと、陽性数だけは報告するように なったものの、相変わらず検体数はどちらにも報告しなかったことによると推測されます。宮崎県のプレスリリースに検体数があるのは、動物衛生研究所に検体を送った数を公表しているためであって、動物衛生研究所が宮崎県だけに検体数を報告しているというわけではありません。

 私は動物衛生研究所では PCR検査そのものが行なわれていないのではないかと疑っていますが、この報告状況からは、その疑惑は払拭されていないばかりか、ますます疑惑が深まったと言わざるをえません。動物衛生研究所では3例目から検査内容を報告しようと した形跡があります。しかし、3例目でさっそく、報告した検査数と、宮崎県が送付した 検体数が合わないというドジを踏んでしまったために、早くも4例目までで、検査数を報告することを止めてしまったと推測されます。ところが、検査数の報告だけ止めるつもりが、「ウイルス分離による確定診断」まで止めてしまったところに、舞台裏のドタバタぶりが垣間見えるようです。

 家畜伝染病予防法では、「患畜」も「疑似患畜」も区別なく殺処分の対象ですから、動物衛生研究所は区別する必要はない(「ウイルス分離による確定診断」をしなくてもよい)と考えていたのかもしれません。しかし、「確定診断」を放棄するということは、どんなウイルスがどのように分布しているかが把握できないことを意味します。つまり、感染源や感染ルートがまったくわからないという事態に陥るということには気がつかなかったのでしょうか?

 そのため、感染ルートを捏造しようといた痕跡が次の記事です。(2010年 6月7日21時25分 読売新聞より以下引用)

 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、農林水産省の口蹄疫疫学調査チーム(チーム長=津田知幸・動物衛生研究所企画管理部長)は7日、川南町の発生農場と、えびの市で発生した1例目の農場で同じトラックが使われていたことを明らかにし、同町からえびの市に感染が広がった可能性を示唆した。

 発表によると、川南町川南で4月24日に発生した農場と、えびの市島内で4月27日に発生した農場。二つの農場は同じ会社が運営しているという。津田部長は「二つの農場では、飼料の運搬車、動物を出荷するときの車両が同じだった。時期的にもそこが一番疑われるので調査した」と説明している。これらの車両は、口蹄疫が発生した4月20日以前に何度も両農場で使われていたという。

 ただ、川南町の農場の牛を、えびの市の農場に移したかどうかは確認されていない。
(引用終わり)

 この記事をみると、読売新聞の記者が、「えびの市の感染源はトラック」とする口蹄疫疫学調査チームの見解に疑問をもち、「経営者が、川南町の牛を、感染を知らずにえびの市に移動させた可能性はないのか?」と質問したであろう、記者会見の様子が想像されます。経営者が家畜の一部を自分の別の農場に移動させるということはいかにもありそうな状況ですが、調査チームはまったく想定していなかったようで、「確認しておりません…。」としか答えられなかったのでしょう。

 ウィキペディア「疫学」によれば、「疫学とは生物集団における病気の流行状態を研究する学問」がある。すなわち、ある一時点/一期間での、ある 一集団において、ある特定の病気が流行した場合、その流行の原因を調べ、その原因を除去することにより流行そのものを制御(終熄、予防)するための学問である。」とあります。

 農水省から派遣された疫学調査チームが、川南町の農場の牛を、えびの市の農場に移したかどうかも確認していないとすれば、「疫学調査」はほとんど行なわれていないと推測せざるをえません。発症した家畜だけしか検査せず、しかもウイルスの型も特定せず、周辺農場の立入調査をした様子もなく、それで疫学調査をやろうというところにもともと無理があります。

 同チームのリーダー・津田知幸は 今回の口蹄疫騒動を コントロールしている(はずの)(独)動物衛生研究所・企画管理部長であり、かつ、口蹄疫判定権をもつ、牛豚等疾病小委員会のメンバーでもあります。(第4回=GEN756)つまり、この騒動のキーマンの一人なのです。官製パニックの辻褄あわせのための調査だったのでしょうが、却って墓穴を掘った格好です。

 ところで、6例目では、このあたりで騒動を打ち止めにしようと したのではないかと思わる形跡があります。(宮崎県4月23日プレスリリースより以下引用)

 平成22年4月22日、1例目の飼料関係の疫学関連農場として、立入調査を実施。

 調査の過程で、農場主からこれまでの臨床症状の聞き取りをもとに血液 5検体を採取すると共に、別の検査で3月31日に採取していた検体、スワブ3検体と併せて計8検体を動物衛生研究所 海外病 研究施設(東京都小平市)に送付した。

 4月23日夕刻、農林水産省からPCR検査(遺伝子検査)でスワブ3検体中1検体(1頭分)で陽性との連絡を受け、疑似患畜と決定した。
(引用終わり)

 この農場では、4月22日時点で家畜の異常はなく、採取サンプルも すべて「陰性」でした。しかし、相変わらず、動物衛生研究所は検体数を報告していませんから、検査が行なわれたかどうかは不明です。ここで、宮崎からの検体送付が一段落すれば、騒動はここで打ち止めの予定だったのではないかと思われます。ところが、パニックになった現場からは次々に検体が送られてきて、騒動を打ち止めにできなかったと見られます。

 想定以上のパニックの中、9例目でも、宮崎県から送付された検体数が わからなくなったのでしょうか? 農水省には「陽性4」と報告しておきながら、宮崎県には4月28日早朝、「PCR検査(遺伝子検査)で複数検体で陽性」とあいまいな報告をしています。(4月28日宮崎県プレスリリース)

 このとき、動物衛生研究所では緊急事態が起きていました。4月27日午前10時、宮崎県畜産試験場川南支場では、当該施設の職員が飼養豚に鼻の水疱や口腔内のび爛等口蹄疫様症状が確認されました。そして、5頭から採取した検査材料5検体を動物衛生研究所 海外病研究施設(東京都小平市)に送付したのですが、同畜産試験場ではその検査結果を待たずに、「症状を確認後、飼養豚全頭の自主淘汰の実施を決定」、殺処分を始めてしまったのです。

 「口蹄疫」判定の最終決定権をもつと考えていた動物衛生研究所は、このとき、パニックになった現場をコントロールできなくなったことを知ったのではないかと思われます。最初から PCR検査をやっていなかったとすると、殺処分を始めた後に、「検査結果は陰性でした。」などと発表できるはずがありません。

 口蹄疫でなくても、口蹄疫によく似た症状があることは知られていましたので、これが官製パニックでなかったとしたら、動物衛生研究所は現場に検査結果を待てと指示したのではないかと思われます。しかし、パニックになった現場を沈静化させるような指示はなく、検査結果を待たずに殺処分はその後も続きました。

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【かきかけ】
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腐敗・民主党に期待できない

口蹄疫が蔓延した原因は民主党の不策にあると櫻井よしこさんが言っていることに同意する。
私見では民主党政権でなかったなら、口蹄疫問題は早い段階で終息していた。

ときどき やってくる御仁たちの ほとんどは、本文をよんでいないか、よめない(笑)

↑ ●本文を完成するまえに、また「珍客」がきてしまいましたが、おなじみの パターンですね(苦)。●「口蹄疫」騒動は虚妄というより、捏造のたぐいだという記事を紹介しているのに、それに対する反論は かきこめない御仁たち。というより、この記事に、民主党政権を非難するコメントをかきこめてしまうセンスが、苦笑・失笑しかかわない文脈がよめないらしい みなさん。●ま、文脈よめないのは、能力の問題でしょうから、しかたがないとして、ブログのコメント欄が「匿名掲示板」ではないという、常識=ネチケットだけは、みにつけないと、「公害」ですよ。

●ちなみに、ご忠告というより、「つぶやき」のたぐいなので、つたわることなど全然期待していませんが(どうせ、かきすてで、二度とよみにきたりしないんだろうし)、検索とかで たどりついた 「(そちらの)同志」のみなさんが、このブログの意図・目的を了解できる程度の知性があるなら、不愉快になるだけだとおもいますよ。残念ですが、「同志」のみなさんの感情を害するような文章しかないはずで。すくなくとも、「腐敗・民主党に期待できない」だとか、「左巻き菅」とか非難することで、溜飲をさげたいとか、もりあがりたいひとたちには、有害無益だろう文章しか、このブログには全然かかれていない。●つまりは、検索エンジンかけて「腐敗・民主党に期待できない」といった意見をよみがっている みなさんが、わざわざ不愉快になるような行動をとっているわけです。●いや、文意がよめなくたって、この文章よんで、爽快感は絶対あじわえないとおもいますね。

●以前から、文脈読解力、学習能力のない 層の問題は、再三とりあげられてきたんですが、このケースもまったくおなじで、当方も、いずれ本格的な対策は必要だとおもってはいますが。●だって、このての水準の層が有権者の3分の1ぐらいをしめてしまえば、国政はきまってしまうわけだし…。

>口蹄疫が蔓延した原因は民主党の不策にあると櫻井よしこさんが言っている

>私見では民主党政権でなかったなら、口蹄疫問題は早い段階で終息していた

桜井さんは具体的には、なんて発言しているんでしょうねえ。自民党政権だったら、現政権のようなミスはなかったと発言しているのではなさそうですね。その部分は「私見」のようですから。

 バブル発生は自民党の失政だ、という言明は、その時の野党ならもっと健全な経済政策がとられた、バブルを起こさなかったというのを含意しないのではないかな。
 

発見(笑)

http://tokyo.cool.ne.jp/holyweb/minshuto.html

口蹄疫拡大は民主党政治の不策
如何なる感染症対策も初動が重要だ。第一号感染症例発見から約一月後の対策本部設置は山火事に例えれば、山一面に火の手が上がって初めて消防団を結成するようなものだ。 番記者が、被害拡大は対策が遅きに失したからではないかと質したのは当然だろう。首相はこう応えた。「必要以上に風評が立ち、農家が大変困るという状況があったため政府対策本部という形の立ち上げは しなかった」首相発言から一夜明けた18日、農水省と宮崎県は、新富町でも始めての感染が確認され、川南町でも新たに13農家で感染が確認された旨、発表した。一例目を出した都農町から川南、高鍋の三つの町を 越えて日向灘沿いに南下する形で感染が広がっているのだ。殺処分の対象となる牛や豚などは11万4000頭を超えた。 畜連の幹部らはこう語った。「10年前の口蹄疫発生のときは、農水省からいち早く、次から次へとファックスで情報と指示が入った。今回は全く、なにもない」
今回の民主党政権と10年前の自民党政権の口蹄疫に対する対応を較べてみる。2000年3月12日、宮崎市内の肥育農家の和牛一頭の様子がおかしく、農水省家畜衛生試験場で調べたが、 ウイルスは見つからなかった。結果、口蹄疫の診断はつかなかった。25日になって10頭に同じ症状が出た段階で、農水省と県は口蹄疫と断定し、直ちに防疫対策本部を設置した。 直ちに、患蓄を出した農家から半径50km以内の家畜市場を閉鎖、地域外への牛、豚の輸送を禁止した。同時に宮崎県内の畜産農家への情報提供に取りかかった。口蹄疫にかんする基本情報、消毒法 などを地区の蓄連毎に送り、県下2万3000戸の畜産農家には防疫策紹介のパンフレットを戸別に送った。警戒地域に指定された6町の牛の抗体検査体制も敷き、6町1万5000農家の全ての牛の 検査を終えたのが10日後だった。その間、政府は消毒液をはじめとする、防疫に必要な薬剤を宮崎県に供給し続けた。結果、半径50km以内の牛、豚の移動禁止の解除に漕ぎ付けた。 宮崎県が安全宣言を出し、口蹄疫問題は1ヶ月半で終息した。
自民党は今回、発生当時から事態を「非常事態」ととらえ、4月22日付けで防疫対策をはじめ、33項目の申し入れを政権に行った。自民党農林族の面目躍如とでも言うべき内容だ。 申し入れをまとめた江藤氏が語る。ちなみに自民党農林族の重鎮、隆美氏は、氏の父である。 「10年前の口蹄疫のとき、親父は鬼の形相で対策に取り組みました。日本の畜産農家を守ろうと必死に戦った。当時、我々は、口蹄疫について今よりも知らなかったのです。それでも、 親父も自民党も10年前の感染で対策のノウハウを蓄積しました。それを今度は民主党に提供してでも、一緒に口蹄疫を防ぎたいとの思いで申し入れをしました」
しかし、民主党の反応は極めて鈍かった。自民党側は4月30日に2度目の、5月6日には3度目の対策申し入れを行った。江藤氏が嘆く。 「この間、現地からも農水省にいろいろ連絡したんです。しかし、役人たちは『政務三役の了承がなければ動けない』と動かない。肝心の赤松大臣は外遊し、一番恐れていた豚にも感染し、患蓄は12例から 56例へと爆発的に増えました」この間、民主党側の実態把握はお粗末だ。たとえば5月6日の会見で山田正彦副大臣は「牛は落ち着いた」と発言している。 「この頃、豚への感染が急増していた。豚の感染力は牛の千倍と言われており、我々は豚への感染を最も恐れていたのです」と江藤氏。 赤松大臣は5月11日に、現制度でやれることは直ちに実行したいが、現地から要望が上がってこないと、恰も、対策の遅れの原因が県側にあるかのような発言をした。
36年かけて育て上げた牛が滅びるとしたら、それは明らかに民主党政権下で進む政治の空洞化と無策のゆえだ。
(週刊新潮、櫻井よしこ、2010/5/27より要約)

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