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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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ホームレス層に伏在する、精神障害・疾患/知的障害

ホームレスの障害者 福祉制度利用へ 行政の支援必要(解説)
 2010/04/20 読売新聞大阪・西部 朝刊解説面

 ◇大阪本社科学部・原昌平
 〈要約〉
 ・知的障害や精神障害の人が路上などにかなりいる
 ・生活保護などの福祉制度を理解できない人もいる
 ・制度利用の手助け、専門的な支援が必要だ
 
 ホームレス状態の人々に対しては「怠けている」「好きでやっている」といった見方がある。就労やアパート生活、人間関係がうまくいかない場合、本人の努力不足や性格の問題とみられることも多い。
 だが、障害が見過ごされていたなら、どうだろうか。深く考えさせられる調査結果が相次いで出た。
 北九州市の委託で自立支援センターを運営するNPO法人北九州ホームレス支援機構によると、センター開設から昨年6月まで約5年の間に利用を終えた492人のうち、約3割にあたる140人が市の判定を受けて療育手帳知的障害者手帳)を取得した。最近の入所者では4割を占める。
 多くは軽度の障害。以前は住み込みや日雇いなどで働いていた人が多く、日常の会話は問題ないが、文章作成を頼むと、つたない文章しか書けない人が目立つという。「何回も就職先で失敗して怒られた。障害のせいだとわかって逆にホッとした」と語った人もいた。
 こうしたハンデを持つ人が、労働市場の競争を自力で勝ち抜いて職を得るのは難しい。生活保護を受けてアパートに移った場合もゴミの出し方、金銭管理などで戸惑うことが多い。
 支援機構のセンター担当部長、山田耕司さんは「本人の気持ちが大切だが、手帳があれば年金、障害者雇用枠、ホームヘルプ、交通機関や携帯電話の割引など様々な制度を活用できる。支援を続けると大半の人は生活が安定した」と話す。
 東京・池袋では昨年末、精神科医や臨床心理士らのグループ「ぼとむあっぷ」が、路上生活をしている男性164人の同意を得て各種のテストをした。



 知能指数(IQ)で見た障害程度は中度(40~49)が6%、軽度(50~69)が28%で、障害認定に相当するレベルの人が計3割余りにのぼる。境界域(70~79)の19%を合わせると半数を超えた。中にはIQ130という人もいたが、半面、意思疎通ができずに調査対象外になった人もいた。うつ病、統合失調症など精神障害も少なくなかった。
 メンバーの臨床心理士、奥田浩二さんは「調査時期や地域によって割合は違うだろう。事故による脳機能障害や認知症など後天的な原因もある」と説明する。
 精神障害の場合は、ホームレスになる過程で受けた心理的打撃や過酷な生活の影響も大きいとみられる。
 大阪のNPO釜ヶ崎支援機構でも、若い相談者の約3割が知的障害や精神障害の疑いで受診している。一方、主に高齢のホームレスの人々を支える東京のNPO「ふるさとの会」では、施設利用者の4割に認知症があるという。
 「本人のせいでも障害のせいでもなく、必要な支援が足りないからホームレスになってしまう」と、岡部卓・首都大学東京教授(社会福祉)は指摘する。
 ぼとむあっぷの奥田さんは「たとえば生活保護を受けようにも仕組みや手続きを理解できない人がいる。制度利用の権利を第三者が助けるシステムを行政が講じるべきだ」と訴える。
 生活保護の受給に以前のような締め付けが減る中、声を出せない人が路上に残る傾向もあるようだ。
 山井(やまのい)和則・厚生労働政務官は3月末の衆院委員会で「実態調査を行い、医療や障害者福祉の観点からもホームレス問題の政策を見直す必要がある」と答弁した。
 障害に着目した取り組みは各地の民間支援団体でも弱かった。専門職も加え、積極的に手を差し伸べる援助の方策を、早急に具体化しなくてはいけない。

◆北九州市の自立支援センター入所者の1人が書いた抱負の文
 (50代男性。のち軽度の知的障害と認定)
 「私くしは、はやく仕事に付き自立して兄姉たちともとの生活を取りもどしたい又公園では、多くの人たちがおうえんしてくれました。その人たちに合うためにも自分自身がかわったことをみてもらいたい」
 (雑誌「ホームレスと社会」1号から。誤字は原文)
 

■グラフ=ホームレスの人々の知的障害に関する調査
◆北九州市自立支援センター利用者の療育手帳取得状況
 (2009年6月までに利用終えた492人)
 北九州ホームレス支援機構調査)
 障害程度    人数
 重度       1
 中度      26
 軽度      92
 退所後に取得  21(障害程度不明)
 取得なし   352

◆東京・池袋で路上生活をする男性164人
(2009年末、ぼとむあっぷ調査)
 障害程度   人数
 中度     10
 軽度     46
 境界域    31
 標準範囲   77






「引きこもり」するオトナたち【第17回】 2010年4月22日 池上正樹

ホームレスの約6割はうつ病!? “路上に引きこもる”人々が生活保護を嫌がる理由


 最近、ホームレスの中にも、何らかの精神疾患を抱えている人が増えているという。

 不況で仕事が減って、社会に戻れなくなった人たちが引きこもり気味になる。やがて、住居を追われ、路上で生活せざるを得ない状況が長期化していることも、その背景にある。

 大学を卒業したような「高学歴ホームレス」も、今では珍しくなくなった。社会を離脱してからも、引きこもりに似た身体メカニズムを抱え、国の就労支援に乗っかれない人たちが、路上に残されているようだ。

 支援団体であるNPO『てのはし』の精神科医、臨床心理士などの専門家チームが、池袋駅周辺の路上生活者を調べたところ、ホームレスのうち約6割は、うつ病などの精神疾患を抱えている疑いのあることがわかった。

 世界の医療団は「社会の片隅に追いやられ、自分がどうしたらいいのかわからないまま、路上生活を続けている人たちが増えている」として、2010年4月から、医療や福祉の支援が必要な路上のホームレスを訪ね歩く、アウトリーチ(訪問活動)の国内プロジェクトに取り組み始めた。

 『てのはし』の代表で『世界の医療団』の森川すいめい医師によると、彼らは一見、普通に見える。しかし、診療すると、うつ病をはじめ、発達障害や知的障害、社会不安障害、パニック障害、強迫神経症、統合失調症などの人たちもいるという。

「元々、路上生活に入って、這い出す力がなかったのか、2次的な障害の可能性もあります。失業して、ホームレスになったうつ病の人は、エネルギーが落ちているので、判断力がなくなる。どうしていいのかわからなくて、頭の中が混乱しているのです。出会ったときに、元気がありません。そういう人には、うつ病の症状について1つ1つ伝えていくことにしています」(森川医師)

「頑張っているのに働けない」
失敗を恐れて路上に引きこもる人々

 IT企業に勤務していた30代のシミズさんは、一生懸命に頑張って働いてきたものの、うつ病になり、働けなくなって、家で引きこもっていた。

 しかし、同居していた親から「家を出ろ!」と言われ、アパートで一人暮らしを始めた。シミズさんは、自立しようとして、一生懸命頑張ってみたものの、うまく生活できなくて、アパートも出ざるを得なかった。

 アウトリーチで出会った森川医師は、「これまで頑張ってきたんだし、世の中がこういう状況なんだから、一旦、生活保護を取って、そこから働く基盤をつくってみたらいかがですか?」と勧めてみた。

 しかし、シミズさんは、
「いや、働きます。自分で頑張ってみます」
と、あくまで他者の助けを借りず、自立することにこだわった。考えていくうちに、どんどん自分の未来が見えてきて、今のままではまた路上に戻ると考えたからだ。

「再び失敗したくない。路上まで落ちてしまうのは、相当つらいのだと思います」(森川医師)

 先が見えない。だから、怖くて路上で引きこもっているような感覚が、そこにはある。

「もっと頑張って、自分を鍛えてからでないと、路上から出られない」

 凍てつくような真冬の日になっても、シミズさんは、そう言った。

「頑張ってきたんですね。もう十分ですよ」

 森川医師が何度勧めてみても、「まだダメなんです」と聞き入れなかった。

「彼は、話をしている限り、発達障害ではないかと診ています。しかし、家族はもちろん、本人も発達障害だとわかっていない。本人は頑張っているのに、どんなに頑張っても叶わない壁がある。そのうち、引きこもっている自分を責めてしまう。働きたい気持ちはあるのに、頑張り方がわからない。他人を頼る能力が弱く、対人関係をうまく結べないのです」

 周囲にシミズさんの障害への理解があれば、路上に行かなくても済んだのかもしれない。しかし、それには、家族だけではなく、社会も企業も、それぞれの特性や苦手な所を理解してあげることが必要だ。

 シミズさんは今もまだ「自分を鍛える」と言って、路上で引きこもっている。

誰とも話したくないから
生活保護を申請しない

「誰も優しくない」

 そう言うのは、やはり路上生活を続ける40代のヤマザキさん。大企業の工場に派遣され、部品を組み立てる作業の仕事をして、ずっと生きてきた。

 しかし、昨年、派遣切りに遭い、仕事を失った。住居も追い出され、うまくコミュニケーションできないまま、路上生活からうまく這い上がれなくなっていた。

 ヤマザキさんは、小さい頃からいじめられてきた。親にも暴力を受けてきた。

「生活保護は絶対に嫌だ」
と、ヤマザキさんもまた、セーフティーネットの生活保護を拒み続ける。

「生活保護を受けたら、ヤクザに利用されて、お金を全部取られる」

 生活保護は、ヤクザがベンツを乗り回すためにやるものだと、ヤマザキさんは本気で思っている。

「俺は、あいつらとは違う」

 ヤマザキさんは、「仕事をして、路上から脱したい」との意欲はある。でも、社会に復帰できないまま、誰とも話そうとせず、引きこもりに似た生活を続ける。

 路上にいれば、誰とも話さない限り、1人でずっと生きていける。炊き出しも無口で済む。生活保護を申請するには、まずワーカーと話をしなければならず、寮で集団生活を強いられる。そこで、生きていく自信のない人が少なくない。

 集団生活の経験者は、寮でいじめられたり、孤独感や疎外感を体験したりしている。コミュニケーションのうまくとれない人が路上には多い。結局、人とうまく話せないから、生活保護は受けたくないという話に結びつく。

「引きこもりと同じ身体的メカニズムを持つ人が、ホームレスにもいます。結局、家があるかないかの違いだけなのかなと思います。路上生活者の半数は、元気な人たち。残りの半数の中に、こうした引きこもり傾向を持つ人たちが増えてきているのではないでしょうか」(森川医師)

家族とのトラブルやプライドが
生活保護を遠ざける

 路上から脱した後、1人になって生きていく自信がまったくない。コミュニケーションの失敗体験をたくさん積んでいるため、社会で生きていくことに不安を感じている。

「路上生活者に至った過程には、家庭での人間関係のトラブルを経験した人も多い。なぜ、不安からの脱出が難しいのか。自分自身にもわからないところが、最も問題なのです」(森川医師)

 家族が孤立して、地域で守れなくなっているため、家族の負担が大きくなっている。しかも、雇用状況が悪いため、働かない大人が家にいることに対し、家族が悪いとは言えない。しかし、社会は「甘やかしだ」「家族が面倒を見るべきだ」などと、家族のせいにする。

 家族は、自立させなければいけないと焦る。すると、言うことを聞かない本人のせいになって、「おまえなんか、出ていけ!」と、家を追い出されることもある。

 ある70代のホームレスは、生活保護を申請した。生活保護の認定には、別居する家族から「面倒を見ない」と言ってもらうことが条件になる。

 役所は、電話や手紙で家族に問い合わせる。「あなたの父親が相談に見えていますけど、経済的な援助とかできませんか?」

ところが、会社社長の息子は、本人には「面倒を見ない」と言いながら、役所には「自分が援助します」と言ってしまう。結局、その人は経済的な援助を受けることができず、ずっと路上で生活せざるを得ない。

 生活保護に対するイメージの悪さから、「税金の世話になりたくない」「税金で食べていると思われたくない」という考え方が、社会復帰のネックになっている。一方で「生活保護ではなくて、働きたい」という勤勉意識の強さも反映されている。

 中でも、これまで一生懸命仕事してきた人ほど、自尊心があり、お上に「すみません」と下手に出て、頭を下げることへの抵抗感がある。頑張ってきて、やっとの思いで生活保護の申請に行った人たちも、「なんで頑張んなかったんだ」「まだ若いのに」と、一部のワーカーから言われてしまったりする。

「それまでは税金を払ってきたというプライドがある。さんざん頑張った末に困窮してしまい、国が助けてくれると思ったら、いきなり、頑張っていないと言われてしまう。税金で食べさせてやってるんだ、という上下関係が生まれるような2等市民扱いされることに、彼らは傷ついているんです」(森川医師)

引きこもりはホームレス予備軍?

 引きこもりというと、一昔前までは、裕福な家庭に多く、家やお金に余裕のあることが「引きこもり」を生むのではないかと言われてきたこともあった。しかし、ここ最近、お金のあるなしに関係なく、経済的に行き詰って、深刻な問題になりかねない事態も浮き彫りになりつつある。

 引きこもりの家族会が「年老いた年金生活の親が死んだら、彼らはホームレスになるしかない」と危機感を訴えるのも、そのためだ。

 世界の医療団によるアウトリーチ活動によれば、最近、若いホームレスが増えているという。直近の調査によると、派遣切りの影響で、彼らの平均年齢は、10歳近く若返った。

 若い世代の特徴として、日中は目立たないようにして、格安のハンバーガーショップなどで何とかつないだりしている。そして夜、誰もいなくなってから、段ボールを敷いて寝始めるそうだ。

 石原慎太郎東京都知事が、最近の浄化作戦等で「ホームレスの数は減った」などと嘘ぶいているが、世界の医療団によれば、「行政は日中にカウントしているから、数が減るのではないか」と指摘する。

 今も、障害という診断名には根拠のない悪いイメージが残るものの、障害は特性であり、誰でもなり得る症状でもある。こうした人たちが障害を気にせずに、安心して働けるような環境づくりを政策等で構築することが、ホームレスの数を減らしていくことにつながっていくのではないか。

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■精神疾患・障害と知的障害は、ホームレス化の原因のばあいと結果のばあい(そして、特に重症化のばあいは、その双方)がある。が、いずれにせよ、浄化作戦等で「ホームレスの数は減った」などとウソぶく政治家が人気をほこるような世界では、「国家の品格」を正面からとう必要があるだろう。
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コメント

紹介記事中の「ひきこもり」「発達障害」の語の使い方には違和感がありますが、精神医学は主観的ですから仕方がありません。
テント村や夜回りの中でのわたしの感触から予想できる範囲の情報でした。
役所の福祉課は派遣切り以前より福祉に関心のない人が短期間配置されているとも言われています。
ちゃんと福祉についてやる気のある人をその部署に置かなければいけません。
同時に国も水際作戦を転換しなければなりません。
自立と言う言葉は人を救済しようとして地獄につきおとすようになっています。
多様な他人を政策的に強制して一律に自立させるという転倒を、一刻もはやくやめねばなりません。

官僚制とアリバイづくり

…マートンによる「官僚制の逆機能」についての指摘は有名である。
・規則万能(例:規則に無いから出来ないという杓子定規の対応)
・責任回避・自己保身
・秘密主義
・前例主義による保守的傾向
・画一的傾向
・権威主義的傾向(例:役所窓口などでの冷淡で横柄な対応)
・繁文縟礼(はんぶんじょくれい)(例:膨大な処理済文書の保管を専門とする部署が存在すること)
・セクショナリズム(例:縦割り政治や専門外の業務を避けようとするなどの閉鎖的傾向)
(ウィキペディア「官僚制」)
という記述もありますが、やはり最大の問題は「責任回避・自己保身」がもたらす、アリバイ的施策ではないでしょうか。■それと、集団無責任の温床となっている、人事異動ですね。図書館や養護学校などが典型ですが、専門家がそだたない、というか、そだてる気がない。予算も当然、おざなりと。■福祉行政のばあいは、当事者が死活問題にさらされるし、差別・抑圧と直結してしまうので、こういった小役人根性は、粉砕しなければならないのですが、なかなかむずかしいものがありますね。

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