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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

日本版ポリティカルコンパス
政治的左右度:-7.6 
経済的左右度:-5.19
【位置 リベラル左派】

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奇怪な中国の薬物対策と、奇怪な日本がわの反応

■kuronekoさんの『みんななかよく』の先日の記事。

2010-04-07 10:00:52
中国外交と薬物汚染


中国で日本人が死刑になったというのが大きく報道されています。
発表が少ないし、裁判の過程が不透明だし、死刑制度がそもそもどうなのか、ということは措いておきます。
報道では、アヘン戦争の記憶もあって、中国は薬物に厳しいのだと解説していた。テレビ朝日でもフジテレビでも言っていたね。厳罰の是非はともかく、それはそうなんでしょうね。
ただ、そうだとすると感じる当方の疑問は、マスメディアは言わない。

台湾の刑法も薬物犯罪は厳罰なのかな。
マレーシアとかシンガポールも薬物犯罪で死刑になるといっていたけど。

中国国内の薬物汚染が進んでいて、政府は危機感を抱いているとも言っていた。
なるほどとは思ったけど、そうなると自ずとわく疑問がありますよね。


そうです。北朝鮮で覚せい剤が合成されて、そこから密輸されているという話。北朝鮮国家が関わっているという話もある。
ということは、中国では北朝鮮国民、それも金政権の意を受けた組織の運び屋も、がんがん死刑になっているのかな。あるいはそうかもしれない。中国政府としてはそこだけお目こぼししたら薬物対策にならない。
でも、そうなると中国にとって北朝鮮て、アメリカへの対抗カードとして役割がなくなったら、体制転覆して薬物汚染の元を除去する対象ってことなのかな。
アメリカと北朝鮮の軍事緊張より、潜在的には中国が北朝鮮現体制を転覆させる可能性と理由のほうが高いのかな。まあ、国際政治ってそういうものかもしれないな。


薬物といえば、東南アジア奥地の「三角地帯」というのも、ベトナム戦争の頃から言われていた。ビルマ軍事独裁政権と麻薬密輸の関係も気になるね。中国としてはビルマが体制崩壊して混乱するのが、一番麻薬取り締まりにネガティブだと思っているのかな。


麻薬の本場といえば、アフガニスタンとの関わりもどうなのか。タリバンと麻薬の関係はどうなのかよくわからないけど、群雄割拠の「軍閥」なんて、麻薬取引に関与していそう。
アメリカも国内の薬物汚染で悩んでいそうだし。
となると将来は米・中合同軍事作戦がアフガニスタンで起こったりするのかな。
台湾海峡の緊張とかばかりいうけど、中国政府が危機感を抱いているのは、別のところなのかもしれないね。

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■でもって、「毎日」の先日の関連記事。

死刑執行:中国、覚せい剤ルート寸断狙い 北朝鮮製増加で

 【大連・浦松丈二】中国が赤野光信死刑囚の死刑を執行した背景には、中国東北地方(遼寧、吉林、黒竜江の各省)で暗躍する覚せい剤密輸組織を寸断し、北朝鮮から中国への覚せい剤流入ルートを先細りさせる狙いがあるとみられている。

 中国捜査当局によると、赤野死刑囚は06年4月初めに中国の大連を訪れた直後から「容疑者」としてマークされていた。北朝鮮から持ち込まれた覚せい剤609グラムを押収した際、売却先の一人として赤野死刑囚の名前が浮かんだからだ。当時、赤野死刑囚は覚せい剤を探して北朝鮮国境の遼寧省丹東や吉林省延辺朝鮮族自治州延吉などを訪ねた。最終的に中国人の協力で仕入れ、06年9月に大連の空港から仲間の日本人と持ち出そうとして共に逮捕された。捜査当局がこの2人から押収した覚せい剤は純度95%。粗悪な中国製ではなく、国営企業の厳格な管理下で製造される北朝鮮製とみられる。中国で出回る量が急増しており、友好国・中国の捜査当局が北朝鮮の容疑者逮捕を発表し、警告を発したこともある。

 こうした背景には日本が北朝鮮からの日本向け海上密輸ルートの監視を強化した事情がある。01年に鹿児島県奄美大島沖で北朝鮮工作船と日本の海上保安庁の巡視船との銃撃事件が発生し、工作船が覚せい剤を密輸していたことが発覚。新たに陸続きの中国経由ルートが開拓されたのだ。

 消息筋によると、中国当局は大連に本社を置く北朝鮮のIT企業に目を付けている。中国の雲南省昆明や新疆ウイグル自治区ウルムチなどに支社を置き、密輸組織と接触していると疑っている。

 一方、中国が8日にも麻薬密輸罪で刑を執行する3人の中で、名古屋市の武田輝夫死刑囚(67)は日本側密売組織の主犯格とみられ、03年6月に大連で仕入れた約5キロの覚せい剤を日本人5人の「運び屋」に指示し密輸しようとした。

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■しかし、ウィキペディアをみると、日本の当局と見解にズレがあることがわかる。


日本国内で違法に流通する覚せい剤は、国外の工場で風邪薬などを材料に作られ密輸されたものが多い。とりわけ北朝鮮が外貨獲得のために国家ぐるみで製造したものと中国で密造されたものが多かったが、北朝鮮からの密輸入は北朝鮮船籍の入港規制や不審船取り締まり等により年々減少。アテネオリンピック終了後の2004年末頃からは北京オリンピックを控えた中国で覚せい剤の原料となる麻黄の製造や流通の管理が強化されたため、原料の入手が困難になった北朝鮮国内の薬物製造ラインは稼働率が低下。薬物製造拠点とみられる3工場のうち2工場が休止に追い込まれ、北朝鮮による覚せい剤の生産量は激減した可能性が高いことが国内外の捜査当局の調査で判明している[4]。2007年は主に中国からの密輸入が多い[5]が、2008年からは従来の北朝鮮や中国に代わりカナダが日本への覚せい剤供給元の首位になったと国際連合薬物犯罪事務所が公表した[6]。他には中華民国から漁船を用いて密輸される例、トルコ、フィリピンから密輸される例がある。
……
[4] 東京新聞 2007年10月9日
[5] 平成20年中の薬物・銃器情勢 警察庁
[6] YOMIURI ONLINE 2008年9月9日

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■もし、日中双方の当局がウソをいっていないのなら、朝鮮政府は厳格な製造を徹底することによって、生産量をおとしながらも高純度の覚せい剤を中国ルートで日本ほかにうりさばいていることになる。「薄利多売」ではなく、その反対の戦術でね。■すくなくとも、商売に関するかぎり、中国の国内法はザルであるはずで、売人たちにとっては、ぬけあなだらけなんだとおもう。■週刊誌などによると、中国大陸の薬物の流行は、かなりひどいらしい。たかいので富裕層がハマっているらしいということで、中国当局にとっては、かなり大問題なのかもしれない。国内の富裕層と、日本国内では貧困層周辺かもしれない依存症患者たちは、売人たちにとっては、いいカモだろう。死刑というハイリスクをおしてでも 一攫千金をゆめみるのは、当然だろう。


■しかし、今回の事件は、実に奇妙である。中国政府は、国外へと薬物をもちだそうとした売人、しかも、単なる貧困層の運び屋にすぎず、もとじめなど主犯格を一網打尽にはできていないらしいのに、厳罰に処したのは、なぜか? 国際的な重大犯罪だと中国当局はいうが、中国経由で日本に大量に薬物が流入している…といった風聞を気にして厳罰に処したとは、到底おもえない。
■もちろん、2ちゃんねる あたりで、反中・反韓・反朝でもりあがっている、ネットウヨのみなさんは、基本的に死刑大賛成=厳罰主義のはずだから、「かわいそうな 運び屋を極刑に処すとは、野蛮人め…」などと絶叫しているはずもないが、問題は、死刑廃止論者が少数派の日本の政治家が、みんな、今回の件で、かなしげであるという点。国民の死刑への存否の比率よりはずっと廃止派がおおい国会議員のセンセーがたとはいえ、自民・民主を中心に、厳罰派が大半をしめる衆議院・参議院の面々が、中国の死刑執行に、なにかいいたげというのは、おかしなはなし。そんなことをいえた義理じゃないよね。熱心な廃止論者以外は。


■結局、覚せい剤をはじめとする薬物は、生産したくなる層、はこびたくなる層、依存症にでも逃避したくなる層、という、基本的には貧困ないし人間関係の破綻などでくるしんでいる層を世界中から一掃するという理想をおうしかないはずだ。要するに心身の貧困層を根絶するつもりで、為政者たちががんばることが、まず大前提。貧困層を必要悪として放置しつつ、その労賃を悪用して利潤をあげようといった、さもしい資本家くずれが横行する、あるいは、そこから カネをせしめようといった政治家・官僚がはびこるかぎり、薬物問題は解消にむかわない。■キャンペーンなんて、いくらやったって、対症療法にさえならないわけだし、芸能人の薬物汚染なんてのは、たたくだけ無意味だろう。「一罰百戒」主義とかいうけど、ロック・ジャズあたりのバンドメンバーたちが、薬物におぼれようと、その消費量や影響力なんてのは、たかがしれている。基本は、暴力団周辺の売人組織周辺の貧困問題こそ、元凶なわけだし、生産地と消費地の経済格差がなかったら、そんなルート自体が構築・維持されるはずがない。■要するに、朝鮮半島をふくめた、東北アジア・東南アジアの貧困問題を改善すれば、薬物問題の大半は消滅するんだ。だって、日本国内では、生産拠点なんてないんだから。まあ、覚せい剤以外の新種の薬物は、イタチごっこだろうけど。


■要するに貧富の差、経済格差がなければ、これらの市場は誕生しないし、維持されない。しかも、北米と中南米、日本とアジアといった関係でわかるとおり、薬物の流通方向は、過去の帝国主義のバックラッシュといってさしつかえない。過去の植民地支配などの清算を不充分にしておく、あるいはリニューアルして遠隔操作での帝国支配をしつづけると、そのシッペがえしとして、復讐のように、ヤッカイなものが もちこまれてくる。…

■それにしても「アヘン戦争の記憶もあって、中国は薬物に厳しいのだと解説していた」とかいうテレビ局の教養水準はどうなっているんだろうか? まさか、前近代の帝国である清国政府と、現在の中国共産党を同一視しているんじゃなかろうね? 民族も政治イデオロギーも全然ちがうんだよ。少数民族を漢民族がしきるという帝国主義では一貫しているけどさ(清国は、王族が満州族だったけど、官僚のほとんどは漢民族だったね)。■そして、現体制の厳罰主義と、そのホンネがどこのあるのかは、一応別個のものとして冷静にかんがえる必要があるし、すくなくとも、アヘン戦争当時のように、中国国内にもちこまれる薬物ではなくて、日本にもちだされようとする薬物に対して、過敏なほど反応していること。死刑廃止論者でもない政治家たちが、急に他国の死刑執行に憂慮の念をしめすなど、奇怪な言動があるにせよ、それをおして、なぜか性急に執行してしまったことの異様さを、ちゃんとあきらかにすることこそ、メディアのしごとだろうに。
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テーマ : 貧困問題 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 1984年 真理省 ハイパー独裁 ナショナリズム 安全 毒餃子事件報道を検証する

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