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ハラナ・タカマサ

Author:ハラナ・タカマサ
     【原名高正】
誕生日:ニーチェ/フーコーと同日
職業 :サービス労働+情報生産

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【位置 リベラル左派】

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「橋下府知事の発言をめぐる諸問題」(金明秀)

■社会学者、金明秀(キ・ミョンス)氏の公式ブログ『Whoso is not expressly included』の先日の記事から。リンクをふくめて、ほぼ全文を忠実に転載(通常のように、かってにリンクを追加することは、さけた)。



橋下府知事の発言をめぐる諸問題
mskim (2010年3月11日 22:55) ……

 ……高校教育の実質無償化政策から朝鮮学校を除外する案について、大阪府の橋下徹知事のレイシスト発言っぷりが際立っています。今回のエントリーでは、彼の発言の何が「問題」なのか、下記のテーマに沿って論じていきます。

他のどこでもない大阪府の知事であることにより発生する歴史問題
法律家でありながら超法的政治手法を利用するポピュリズム問題
以上を報道しない日本マスメディアのレイシズム問題




1. 大阪の歴史問題

 この問題については、すでに優れたエントリーが書かれています。日朝国交「正常化」と植民地支配責任というブログの最新記事、橋下府知事を朝鮮学校に入れるべきではない――朝鮮学校と高校「無償化」問題6です。まずはお読みいただきたい。

 リンク先のエントリーで述べられているのは、「阪神教育闘争」として知られる事件です。平和的デモに対して警官が発砲し、16歳の死者まで出したこと一つをとっても、戦後日本の民主主義の歴史に残る最悪の汚点の一つといってよいでしょう。

 大阪府は、在日コリアン民族学校を弾圧した歴史的事実に対して、倫理的な責めを負うべき立場です。橋下知事はこの事件を知っていたはずですし、仮に知らなかったとしても、朝鮮学校を無償化対象から除外する議論が始まったときには知ったはずです。にもかかわらず、橋下知事には一切の反省がないどころか、逆に弾圧当時と同様のロジックで朝鮮学校を追い込もうとしている。知事の権力をもって、在日の子どもたちに踏み絵を強要しようとしている。

 橋下知事には、民主主義を守ろうという精神的基盤が欠落しているとしか考えようがありません。




2. ポピュリスト問題

 純粋な法律論からいえば、朝鮮学校だけを無償化対象から除外するのは不可能に近いはずです。ぼくが素人法律論を振りかざすより、日本弁護士連合会高校無償化法案の対象学校に関する会長声明」から一部引用するほうが早いでしょう。

朝鮮学校に通う子どもたちが本法案の対象外とされ、高等学校、専修学校、インターナショナル・スクール中華学校等の生徒と異なる不利益な取扱いを受けることは、中等教育や民族教育を受ける権利にかかわる法の下の平等(憲法第14条)に反するおそれが高く、さらには、国際人権(自由権・社会権)規約、人種差別撤廃条約子どもの権利条約が禁止する差別にあたるものであって、この差別を正当化する根拠はない。

 これらの法律の壁を、橋下知事は「不法国家の北朝鮮と結びついている朝鮮総連と関係があるなら、税金は投入できない」というロジックで強引に突破しようとしているわけですが、法律論としては何重にもムリのある話です。知事もそのことはおそらく承知で、だからこそ、北朝鮮と朝鮮総連を一体的に暴力団やナチスにたとえたりしながら、このロジックを政治的に正当化しようとしているわけです。悪しきポピュリズムの典型的な手口。

 この点についても、Arisanのノートに、「大阪府知事はナチスと同じ」という優れたエントリーがすでに書かれています。ぜひお読みください。

国内の少数者を恫喝し、繰り返し傷つけることで大衆的人気の獲得を図っているという点では、まさに橋下徹とい政治家こそ、ナチスとヒトラーの名にふさわしいではないか?

 この一文に端的に表現されていますが、ナショナリズムと結託したポピュリズムが排外主義に走るとき、きわめて危険な政体が生まれます。ナチスはその代表格。

 くどいですが、橋下知事には、民主主義を守ろうという精神的基盤が欠落しているとしか考えようがありません。



3. マスメディアのレイシズム問題

 ところで、「ナショナリズムと結託したポピュリズム」の危険性に絡んで、よくヨーロッパの「極右政党」や、ハイダール・ペングリフィンといった「極右党首」たちの言動が否定的に報じられてきました。

 日本のマスメディアが「極右」といってこれらを批判する欺瞞については、もうずいぶん言い尽くされている感もありますが(例えば森達也森巣博ご臨終メディア』集英社)、それでも一向に事態の改善が見られない以上、何度でも繰り返し批判されるべきことでしょう。

 橋下知事の一連の発言については、各紙とも論評を加えずに淡々と紹介するスタンスに徹しているようです。人気政治家の発言に賛否を表明して攻撃を引き受けるのは怖いということなのでしょう。言論の責任を回避する姿勢は、まさしくご臨終メディア。しかし、不法な人権侵害をポピュリズムの手法によって正当化しようとしている権力者がいるとき、それに対抗するのはマスメディアのもっとも重要な役割ではないでしょうか。

 マスメディアが批判の届かない安全な場所に逃げている間に、朝鮮学校に通う子どもたちは、知事の発言に誘発されたヘイトクライムの犠牲になるかもしれない。杞憂ではありません。過去に何度も実際に起こったことです。にもかかわらず、マスメディアは、子どもたちを責任回避の盾にしながら、逃げている。

 なぜこのような事態が生じているかといえば、ようするに、マスメディアに関わる人々が、「知事の発言にも一理ある、だから朝鮮人の子ども達が犠牲になっても仕方がない」、という発想を否定していないためでしょう。なんたるレイシストぶりか。

 日本のマスメディアには、民主主義を守ろうという精神的基盤が欠落している
としか考えようがありません。

カテゴリ: ナショナリズム, 差別・人権, 研究

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差別をめぐる2種類の過誤
差別問題の構築事例
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いのちを、守りたい(ただし朝鮮人は除く)
……

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■「産経」をはじめとする、右派メディアの論調が、ごく自然に感じられるようになったとすれば、それは思考が右旋回していて、その自覚がなくなっている≒弱者に対する攻撃に鈍感になっている、ってことだとおもう。■法律や歴史的事実に即すかぎり、大阪府知事のような結論には達することは困難なはずなのだが、なぜか そういった人物が黙認されているどころか、通常社会民主主義系の政策・思潮を是としているらしい選挙民にまで、大人気という、ある意味、おそろしい事態がやってきていることに「注目」。■しかも、そこには、集団無責任による「ハイパー独裁」までもからんでいる。「ご臨終メディア」というのは、単なる皮肉でなくなってきた。
■「橋下人気」という、共産党支持者までまきこんだポピュリズムは、さすがに大阪独自の現象だと信じたいが、東京・神奈川の行政・市民の右旋回ぶりをみると、それは幻想かもしれない。



“朝鮮学校無償化除外、当たり前だ。毎日新聞が寄付すればいい”(2010年03月12日08時22分 / 提供:PJオピニオン)
「橋下人気」衰え知らず…支持率83% 高い改革への期待(読売)ほか(2010/01/28 01:28)
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テーマ : これでいいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

タグ : 1984年 真理省 ハイパー独裁 ナショナリズム

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